夢から始まる君とのLIFE   作:U.G.N

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 第6話

 どうぞ



夢は人を疲れさせる

 比企谷八幡。

 彼と数回だけメールのやり取りをした。

 そのメールで彼についてわかったことが少しだけある。

 中学3年生の妹がいるということ。何だかんだで面倒見がいいということ。かなり捻くれているということ。数学が苦手ということ。ぼっちだということ。

 

 ん? 妹がいて、捻くれてるけど面倒見が良く、数学苦手なぼっち?

 

「まるで、にこっちみたいやなぁ」

 

「……誰が捻くれててぼっちですって?」

 

「いやいや、にこっちはμ'sの中では真姫ちゃんの次に捻くれてると思うよ。それにμ'sのメンバー抜いたら友達おらんやろ? あと数学も苦手やし」

 

「い、いるわよ!! あと捻くれてないわよ!」

 

「数学は否定せんのやね」

 

 まぁ、いろいろ知らないことは知れた。でも、聞けないこともあった。

 

 何であのとき、あの曲の名前を知っていたのか?

 

 あいつはμ'sの名前すら知らなかったはず。

 ……まさか、わざと知らないフリをしたってこと? 何のために?

 

 うーん、これに関しては本人にしかわからない以上考えても仕方がないのだが、気になる。でも、なんだか聞きにくい。

 

 あ、あと、この間神田明神で会ったときもそうなんだけど、初めて会ったときみたいな悪口を言わなくなった。確かに年下のくせにため口ではあるのだが、チビだの小さいだの言わなくなった。なので私も目が腐ってるなどの悪口は言わないようにしている。

 

 何故言わなくなったのかはわからないが、言わないのならそれに越したことはないので、そこは言及しないようにしている。

 

「にこっち。比企谷くんと毎日メールしてるん?」

 

「はぁ? 毎日なんてしてるわけないでしょ。たまによ、ほんのたまに」

 

「ふぅん。でも、千葉に住んでるのに夢で観た男の子とまた偶然出会うなんて、本当にスピリチュアルやなぁ」

 

「そうね。……ん? あいつが千葉に住んでるって希に言ったっけ?」

 

「あ、えっと、カードがうちにそう告げたんよ」

 

「へー、そのカードすごいわね」

 

「…………」

「…………」

 

 希がふいっと目を逸らす。

 

「カードがね、うちにそう告げたんよ」

 

「そう。そのカードすごいわね」

 

「………………」

「………………」

 

 冷や汗を流す希。

 

「カードがね」

 

「もうわかったわよ。カードが希に告げてくれたんでしょ?」

 

「う、うん」

 

「それでいいわよ、別に」

 

「そ、そっか」

 

 何故かホッと一息つく希。

 別に追及するつもりはなかったのに、必死になっていた。ただ、今は正直希に構っている暇がない。

 

 今私には悩みがあるのだ。

 

 非常に意味不明で、不可解で、どうしても理解不能な夢。何か意味が重複してる気もするけど私はそこまで頭良くないからわからない。

 

 とにかく、その夢のせいで最近寝不足なのだ。

 今朝もその夢を観た。というか、あの日、神田明神に行った日から毎日観てるのだ。

 

 

 

『にこ』

『好きだ、にこ』

『お前を幸せにする』

『愛している』

『結婚してくれ、にこ』

 

『……私も』

 

 

 

 私もじゃねぇぇぇぇ!!!!

 何なの!? 何なのこの夢!! 何であいつが毎日毎日夢に出てくるの!? あいつが将来にこのマネージャーなのはまだ許そう。でも、でも!! ムリムリムリ! 好きとか愛してるとか、終いには結婚してくれ!? 夢だろうが何だろうが、言っていい冗談と悪い冗談の区別もつかんのかあいつはーー!! しかも、『……私も』じゃねーっつーの!! キモいんじゃーー!! 誰だよお前! マジでやめてよ! にこの顔でそういうこと言うのやめてよ!! 毎朝毎朝、目覚めが最悪なんだよぉぉ!!

 

「に、にこっち? 大丈夫? いきなり頭抱えて、沈んでるけど……」

 

「……だ、大丈夫よ。ノークエスチョンだわ」

 

「それを言うならノープロブレムやね」

 

「………………そうとも言うわね」

 

 はぁと1つ大きく溜息をつく。溜息をつくと幸せが逃げるってよく言うけど、溜息ってどちらかというとストレスとかの方がよく出してくれてそうな気がするのは、にこだけなのかな?

 

「にこっちにこっち」

 

「……ん?」

 

「ファイトだよ!」

 

「何が!? ていうか、ファイトだよ! じゃねーっつーの!」

 

 何で今穂乃果のモノマネしたのよ。やっぱり希ってよくわからない。

 

「はぁ。もしまた会うことになったら、絶対顔見れないわ」

 

「……? 比企谷くんのこと? 何で顔見れないん?」

 

「いや、まぁ、いろいろ事情があるのよ」

 

「事情って、はっ、もしやにこっち、夜な夜な1人布団の中で比企谷くんのことを……」

 

「は、はぁ!? はぁぁぁ!? 何言ってんのよ! バカバカっ!!」

 

「……ん? いや、また比企谷くんのことを夢で観たんかなぁって思ったんやけど。あれ? あれれ? もしかして、違う想像しちゃった?」

 

「……っっっ!!///」

 

「きゃあー、にこっちのえっちぃ~いたいいたい!! ごめんごめん! 謝るから、謝るからモミアゲ引っ張らんといてーー!」

 

 このっ、このっ、こいつ腹立つわ! 希が変なこと言うから余計に顔見れなくなるじゃない!! まぁ今のところ会う予定とか全くないけど。でも、いずれはあいつにマネージャーをやってもらうつもりなんだから、1度会ってゆっくりとアイドル講座を開きたいと思ってるんだけどね。

 

 …………今週の日曜、は練習だったわね。あ、でも土曜は絵里が穂乃果に生徒会の引き継ぎをするからって休みなんだったわ。

 

 よし、土曜日にちょっと誘ってみようかしら。

 

 

 

 

 

 




 にこっちの心の声がたくさんの回でした。
 次回、デート? します。

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