夢から始まる君とのLIFE   作:U.G.N

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 どうぞ



厳しくも甘い採点

「あー、なるほどね。初めは花陽推しだったのね。だけど神田明神で私の歌を聞いてからは……」

 

「小泉花陽」

 

「だからぬわぁんでよ!!」

 

 大銀河宇宙No.1アイドルであるラブリーにこにーのソロライブをたった1人で聞けたというのに、それでもにこ推しにならないなんて。

 

「いや、1番の推しはって聞かれたらそう答えるだけで、別に他のメンバーもいいと思うぞ? ほんとだぞ?」

 

 何やら言い訳のようなことを言っている。だけど、今のにこの耳にそんな言葉は届きはしない。

 

 にこの生歌を聞きながらにこのファンにならないなんて認められないわ。

 

「……カラオケよ」

 

「は?」

 

「カラオケ行くわよ! にこの歌を聞きまくって、にこのファンにさせてあげるから!」

 

「えぇ……」

 

「ここから1番近いカラオケ連れていきなさい!」

 

「…………はぁ」

 

 絶対、絶対にこのファンにさせてやるんだから!

 

 

 

 

 カラオケ

 94点!

 

「おお~」

 

 

 ゲーセン

  ダンスゲーム

  Aランク

 

「さすが~」

 

 

 卓球

 

「うおおおりゃぁぁーー!!」

 

 スパーン!

 

 11対4

 

「よっしゃあー!」

 

「やるぅ~」

 

 

 

「ってちがーう!!!」

 

 何か違う! これじゃあただ遊んだだけみたいになってる!

 

「なぁ、もうよくね? お前がすごいってことはわかったから、な?」

 

「うぅ、悔しい……」

 

 いや、待て、待つんだにこ。そういえば、まだこいつにはとっておきのアレをやってなかったではないか。にこの決めポーズを!

 

「よし。見てなさい! 今からとっておきの……ってあれ? あいつどこ行った?」

 

 私の必殺技、新にっこにっこにーをやろうと思って振り替えったら、そこには誰もいなかった。

 

「は? え? ちょっと、もしかして呆れて帰ったとかじゃないでしょうね……っ、冷たっ!」

 

 すると、いきなり首に冷たいものが当たる。

 

「ほれ。動きまくってるから疲れてんだろ。こいつでも飲んで糖分補給しろよ」

 

「あ、ありがとう……」

 

 びっくりした、帰っちゃったのかと思ったじゃない。

 

 ……? 黄色いコーヒー?

 

「あ、あのさ、これ何? 何か危なさそうな色してない?」

 

「おい、マッ缶disってんなよ。千葉のソウルドリンクだぞ」

 

 ソウル? ドリンク? ていうかコーヒーはあんま得意じゃないんだけど。

 

「まぁ、いただきます」

 

 ゴクッ

 

「……! 甘っ! 甘くないこれ!? 本当にコーヒー!?」

 

「それがいいんだろうが」

 

 比企谷も同じものを飲んでいる。確かに甘いのは好きだけど、コーヒー牛乳より甘い気がする。

 

「マッ缶は練乳にコーヒーを入れたものだからな」

 

「コーヒーに練乳じゃなくて!?」

 

 逆じゃないの!? とは思ったが、何故か納得のいく説明だ。

 

「糖分補給にはなるだろ」

 

「飲みすぎると太りそうね。まぁ不味くはないけど」

 

「…………太、る?」

 

「おいこら、今どこ見て言った」

 

 比企谷がにこの一部分を見て言う。

 

「と、とにかく、もう終わりでいいだろ。もうそろ日も暮れるし」

 

「……そうね。あんたをにこのファンにさせるのはまた今度にしてあげるわ」

 

「…………別にファンじゃないなんて言ってないだろ」

 

「ふん! それはμ'sのファンであってにこのファンじゃないんでしょ! にこのマネージャーがにこのファンじゃないなんて許せないし、絶対にこファンにしてやるんだから」

 

「そもそもマネージャーじゃねーよ」

 

 

 

 そんなこんなで今は千葉駅に向かっている。

 

「まぁ今日はなかなかだったわ」

 

「結局ただ遊んだだけじゃねーか。まぁアイドル講座とやらよりはよかったのかもしれねーけど」

 

「アイドル講座はまた今度してあげるわ」

 

「いや結構です」

 

 拒否してもいつか絶対にしてやろう。

 

「10点」

 

「は? 何が?」

 

「今日の点数。10点ってところね」

 

「……何点満点で?」

 

「は? 100点に決まってんじゃない」

 

 嘗めんじゃないわよ。

 

「何でそんな低いんだよ。さっき、なかなかって行ってたじゃねーか」

 

「正直もっと低いかなって思ってたのよ」

 

「誰かの数学の点数じゃねーんだから」

 

「あんたに言われたくないわよ!」

 

 こいつも数学苦手な癖に。まぁにこも苦手なのは確かだけど。

 

「で? どういう配点だよ」

 

「まず、待ち合わせで初めに会ったときに服装をちゃんと褒めなかったからマイナス30」

 

「減点方式なのかよ」

 

「言動諸々でマイナス40」

 

「まぁ、それは妥当だな」

 

 自覚はあるのね。なら直せばいいものを。捻くれてるなー。

 

「あと、にこじゃなくて花陽推しだからマイナス30」

 

「理不尽過ぎんだろ。やっぱりまだ気にしてたのか。あと点数無くなっちまったし」

 

 やっぱりここは譲れないわ

 

「……でもまぁ、μ'sのファンだから、オマケで10点あげるわ」

 

「…………あっそ」

 

 にこは比企谷の前に回り込むと超プリティーな笑顔を見せる。

 

「じゃあ、私は帰るわ。妹たちの夕飯も作らなきゃいけないし。あんたも妹に頼ってばかりいないで、たまには夕飯でも作ってあげなさいよ」

 

「へいへい。気が向いたらな」

 

「今向け、すぐ向け」

 

 にこは改札を抜けると比企谷の方へ振り返る。

 

「次はあんたが東京に来る番だからね」

 

「次もあるのかよ」

 

「当たり前じゃない。にこのファンになるまでは逃がさないわ」

 

「じゃあ次は小泉花陽も連れてきてくれ」

 

「拒否する!」

 

 にこは身体の前で大きくバッテンを作って断ってやった。誰が連れてくもんですか!

 

 

 

 

 駅前から少し離れた場所。

 

「いやー、今日は楽しかったわ。ありがとね誘ってもらっちゃって」

 

「いえいえ、ぼくも楽しかったですし、いろいろと情報も交換できましたしね」

 

「フフフ、初めて秋葉原で会ったときにアドレス交換しておいてよかったわ。これからもいい情報を期待しとるよ。戸塚くん」

 

「はい。東條先輩も何か面白いことがあれば教えて下さいね」

 

 希と彩加。にこと八幡の近くにいるこの2人が協定を結んだことで、基本2人の情報は筒抜けなのであった。

 

 

 

 

 

 

 




 次回、話はやっとアニメ2期第1話に突入します。
 お楽しみに

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