ヒーローだかヴィランだか知らんがヤクザ舐めんじゃねー‼︎ 作:アンパンくん
ミーンミンミンミーーン
朝、セミの声で目が覚める。まだ寝ぼけている頭を必死に覚醒させながら布団から起きると、ふと隣に暑苦しい気配を感じる。気になって見てみるとそこには……丸坊主のガチムキの男が……
「…………………死に晒せぇぇぇぇぇぇ」
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昔、中国で光る子供が誕生した。それが今で言う『個性』の始まりである。
時が経ち、超常的な力を持った人がする事は何か……人にその力を見せつける事である。
そして、自分の欲望を満たそうとする者『
ヒーローによりあらゆる裏組織が摘発された。逃れられたのは運が良かった者と権力者とのコネがあった者のみである。
これは極道『
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「若、皆様もうお集まりになっております。お早くお越しくだせぇ」
「うるせぇな、わかってるよ」
全くもって不幸でしかない。何で中学最後の夏休みの初日で組の会合があるんだ⁇
しかも朝っぱらから隣で筋肉ハゲダルマが寝てやがるし……
そんな事を考えながら会合場所である大広間についた。
俺の名は大山鬼一。ヒーローがどこもかしこにもいる世界でヤクザの若頭をやってる者だ。
ヤクザというものはオールマイトが登場した時にほぼ潰されたらしいがウチは警察の上層部とコネがあったらしいのでなんとか免れた。
まぁ、もともと俺たちはウチのシマでカタギ(一般の人)に手を出そうとした裏社会の奴らを締めたり、抗争が起こらないようにしたりとシマの治安を守っているのだ。
しかし、古くからいる有名どころ以外のヒーローはウチを極悪集団か何かだと思っているし、
「邪魔するぞ」
「「「「「「おはようございます、若頭」」」」」」
中にはいると格好は違えど誰もが一般人が見たらちびりそうな風貌の大人が六人座ってた。
彼らはウチの組の幹部たちである。みんな自分の組を持っており月一回の総会の時にこの様に集まるのだ。
「おう、あれ親父はまだ来てねーのか⁇」
「いえ、先ほどまでいらしゃったのですが…」
「そうか、まぁいねぇーならいいか。先に飯を食っておこうぜ」
ウチの総会は朝っぱらからやるためみんなで飯を食う伝統があるらしい。俺が初めて総会に出た時もこうだった。
「おう、全員集まってるな」
全員に朝飯と酒が行き渡り腹も膨れた丁度その時、大山組の総大将でもあるウチの親父が白い封筒を持ち和服姿で大広間に入って来た。
「遅いぞ、親父」
「おぉ、スマンスマン。それじゃあさっそく総会を始めるか」
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総会とは月に一回行われる大山組全体での会議の事である。ここで先月の収入や今後の方針などを決めていくのである。
「……というわけで今回の全体収益は前回より0.3%上昇しており今後も右肩上がりが続くと予想されます」
「そうか、ご苦労。そのペースを保てるよう頑張ってくれ。では最後に……」
そう言うと親父が持ってきた白い封筒を俺に渡してきた。いつもならここで終わるのに⁇と疑問を抱きながら封筒を開けると中に『雄英高校』のパンフレットが入っていた。
「臨時総会を始める‼︎」
「「「「「「「⁉︎⁉︎⁉︎」」」」」」」
一瞬にしてその場の空気が引き締まった。
臨時総会とは、緊急時や不測の事態が起きた時に行われる総会である。個性が存在しない頃からあるウチの組でも数えれる程度しか行われなかった。
「今回の議題だが、近々オールマイトが活動限界を迎えるらしい」
「なっ……、デマの可能性は⁇」
「確かなスジからの情報だ」
「うむ……しかし、そうなりますと……」
「あぁ、『正義の象徴』が居なくなれば治安が悪くなることは確実。どれくらい先かは分からんが今のうちに人材の育成と警備の強化に努めてくれ」
「おい親父、じゃあこのパンフレットはなんなんだよ?」
「そりゃあ、お前が高校受験で其処を受けるからに決まっとるだろが」
「……………」
「勿論、ヒーロー科だから」
「……はあぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
訳がわからない。何で俺がわざわざそんな所に行かないと行かんのだ。だいたい、俺はもう北海道の高校に行き美味い物を食いながら三年間過ごすという計画があるんだ。今更そんな事を言われても困る。
「勿論、オールマイトの事とも関係があるぞ。ヒーローどもはオールマイトが引退すれば次の象徴をつくるため育成に力を入れるだろう。お前はその世代のヒーローとなるであろう奴らとコネをつくってくるのだ」
「総大将、自分は反対です。あいつらはいちゃもんつけては組を潰そうとする奴らですよ。もし若頭が捕まったりしたら……」
「そん時はそいつらを法的にも社会的にも潰すだけだから心配すんな。とりあえずは、雄英のスポンサーと理事会にお願いしてあるからとりあえず公平に試験は受けさせてくれる。後は……おい、
「はっ」「へい」
「テメェーらのとこのガキがこいつと同い年だったな⁇」
「はい、若頭と同じ今年で15歳になります」
「そうか……お前らのとこのガキもこいつと一緒に雄英のヒーロー科を受験させろ」
「大変申し訳ねーんですが、仁比山のとこの娘はともかくウチのガキは端的に言ってしまうとバカなので、雄英は難しいと思うんですが……」
「そんなもん、鬼一に勉強教えさせれば何とかなるだろ。なぁ鬼一⁇」
俺の夢の高校生活が潰えた事にショックを受けている間に色々話が進んでるらしい。というかアイツに勉強教えるとかメチャメチャ嫌なんだが。だって俺を起こしに来た筈が俺の隣で寝てるような奴だぞ。
「そうそう、これは命令だから。そんな嫌そうな顔をせず絶対受からせるつもりでやれ」
「へーい」
命令ならしょうがない。心底嫌だが嫌々言っていてはこの世の中生きてけんからなぁ〜。やるしかないか。
「よし、ではこれにてお開きにする。各自今後とも励むように」
総会が終わりみんな、部屋から去っていくが幹部6人の内の先ほど話に出た2人、仁比山と刃山が近くに来る。
「すいやせん、若頭。ウチのバカ息子の勉強見てもらうことになってしやい……」
「いいよ別に。あのクソジジイが言い出した事なんだから。まぁ、やるからにはガチでやるけど」
「こいつのガキはわかりませんが、ウチの娘は恐らく受かると思いますので、高校へ行ってからもよろしくお願いします、若頭」
この時、俺はまだ知らなかった。
自分の身に降り注ぐ災悪を。
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