意識が高すぎて魔法科高校に入学したが劣等生だった。   作:嵐電

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横浜騒乱編12

安心するとエネルギーレベルが上がるのは、精神的な話だけではない。中丹田*を鍛えるとか、ティファレト*を理解するとか、アナハタチャクラ*を開くとかは、簡単そうで実はほとんどの人は出来ない。できれば、単独解脱*達成だ。

 

納得するとか、安心するとか、腑に落ちるとかがコツとなる。あまり良いアドバイスではないな。

 

上丹田

上丹田は、泥丸、天谷、内院などの別名がある。

*中丹田

中丹田は、絳宮、黄堂、土府とも呼称される。下丹田は、鼎、臍下丹田(せいかたんでん)、『気海丹田(きかいたんでん)』☜重要!、神炉とも呼ぶことがある。それ以外にも、丹田には多くの名前が付されている。

下丹田

単に「丹田」と言う場合は、「下丹田」を指すことが多い。

丹田の中でも、特に「下丹田」は五臓の中心に位置し、五臓は人体の生命活動と密接に関係しているので、実際には最も重視[されて正丹田とも呼ばれる。日本の禅や武道、芸道などにおいても丹田、特に「下丹田」を重視している。別名を、腹、肚、と書いて、はら と呼び、身心一如の境地に至るための大切なポイントとなっている。☜でもほとんどの人が成果をあげられない。実際の位置、運用の仕方を知らないからだ。

 

*ティファレト(Tiphereth、美と訳される)

第6のセフィラ。生命の樹*の中心に位置している。数字は6、色は黄、金属は金、惑星は太陽(太陽も惑星と見なす)を象徴する。神名はエロハ。守護天使はミカエル。

 

*生命の樹(せいめいのき、英語: Tree of Life)は、旧約聖書の創世記(2章9節以降)にエデンの園の中央に植えられた木。命の木とも訳される。『生命の樹の実を食べると、神に等しき永遠の命を得るとされる。』☜重要!

 

カバラではセフィロトの木(英語: Sephirothic tree)という。

 

ヤハウェ・エロヒム(エールの複数形、日本語では主なる神と訳されている)がアダムとエヴァをエデンの園から追放した理由は、知恵の樹の実を食べた人間が、『生命の樹の実までも食べて永遠の生命を得、』(☜重要!)唯一絶対の神である自身の地位が脅かされる{ユダヤ伝承では『知恵の樹の実と生命の樹の実をともに食べると、神に等しき存在になる』(☜重要!)とされているので}事を恐れたためである。

 

 

*解脱(げだつ、梵: vimokṣa、vimukti、mukti、mokṣa、巴: vimutti、mokkha、vimokha, vimokkha)とは、

 

仏教においては、煩悩に縛られていることから解放され、迷いの世界、輪廻などの苦を脱して自由の境地に到達すること。悟ること。

ジャイナ教においてはモークシャといい、魂という存在にとって至福の状態である。

 

解脱と神になる、あるいは仏になるのは違う。解脱は、死後自分の来世を自分で選べる能力を得られる。神仏になるのは、自分だけでなく他人の……だ。

 

今回の座禅は、雑念が非常に多い。一つは、小成で停滞している九重八雲を見てイライラしたのと、参加を促された十文字さんの模擬演習をどうしようか迷っているのが原因だ。

 

勝てば、七草さんとの結婚を薦められそうだし(これは、冗談)、十文字さんのプライドを傷つけてしまいそうだ。アッサリと負けるのは簡単だが実験が出来ない。実験をするとまだ加減がわからないので勝敗がわからなくなる。実戦がいかに簡単かがよくわかる事案だ。実戦なら、全力で敵を殲滅するだけで良いのだ。匙加減など考えなくて良い。

 

実戦は簡単!ココ重要。試験に出る‼︎だがしかし、更に重要なのは。

 

上の方に、解脱だの悟りだの神だの仏だのごちゃごちゃと書いておいたが、要は『悟りを開く』のと『仏になる』のは違うと言いたいだけだ。二つが同じように扱われていたり、区別がつかない記述や先生はハッキリ言って学んでも『悟りを開く』のもままならない。

 

本物になる為の修行は、本物以上の師と出会うかどうかに掛かっている。

 

健康になる為の修行なら、九重さんでも十分だろうが、『自由を得る』『解脱』『悟りを開く』『道を得る』などを達成したいのなら、彼では力不足だ。ただ、司波くんなら、独力で目標を達成できそうだ。ヒントさえあれば。

 

雑談が一通り出たら、答えがすぐにわかった。

 

『潰して良し』

 

と言うわけで十文字さんが自信を喪失して魔法が使えなくなっても僕は一切関知しない。

 

司波くんには、僕から有益な情報を提供しておけばいい。点穴が武術の最高峰だと勘違いしている九重には荷が重かろう。

 

◇◇◇

 

魔法による模擬戦時には、事故防止と事故発生時の救護活動を目的として、屋内・屋外を問わずモニター要員が付くことになっている。

 

「へぇ …… 」そのモニター画面を見ながら、渡邉さんが感嘆を漏らした。

 

「達也くんとはまた違った種類の巧さがあるわね。今年の一年生は面白い子が多いわ 」

 

「どちらかと言うと二科生の方に見所のあるヤツが多いのは皮肉な話だな 」

 

「それは違うわよ、摩利。総合力で勝っている子は、やっぱり一科生の方が多いわ。今年は個性的な能力を持つ子が目立っているから、そういう印象を受けるだけよ」

 

七草さんの指摘に思い当たる節があったのだろう。

 

渡邉さんは「なるほど」と頷いて再びモニターへ目を戻した。

 

「 ……しかしコイツが他の一年生に比べて『使える 』ヤツであることは間違いない。良い意味で類が友を呼んだかな」

 

確かに吉田くんは、いい仕事をする。水月さんに聞くとわかる。

 

「九校戦を経験して吉田君は急激に伸びた、って先生方も仰ってたわね。こういう良い影響はどんどん広がって欲しいんだけど ……」

 

「アイツは余り、リーダーシップを取るというタイプじゃないからなぁ 」

 

「どちらかって言うと、敵を作りまくるタイプだものね 」

 

「僕は、司波くんとは友好的な関係ですよ」

 

「いつの間に!」

渡邉さんの声が裏返る。七草さんは身構える。あまり友好的ではない雰囲気だ。君らも敵を作ってるやん。

 

「呼ばれてないのにジャジャジャーン」

 

   

 

ウケなかった。 

 

「どこから?いつからそこにいた!?」

渡邉さんは、見事にスルーした。

 

「『へぇ〜』あたりからでス」

 

……

 

『へぇ〜』『へぇ〜』と言う返しはなかった。二人とも僕を睨みつけている。そんなに僕に気付けなかったのが納得できないのだろうか?仕方ない可愛子ちゃん達には種明かしだ。Qちゃんこと高橋さんから無理矢理借りて来た『これだ!1、2、3』

 

「「光学迷彩!」」

ナイスな返しいただきました。しかも綺麗にハモってましたね。

 

「遅刻してすんません。私用で遅れました。十文字さんにも、よろしゅう伝えといて下さい」

 

「わかった。なら、早く支度しろ。今からならラストに間に合う」

 

「あざーす。訓練には10人参加されてはりますね。僕が混ざったら『11人いる!』ことになりますね」

 

二人が顔を見合わせた。ピンと来なかったのだろう。僕は、二人が顔を見合わせた時に光学迷彩を着込んだ。

 

「あ!もういない」

渡邉さんが、呆れる。

 

「二科生は、個性が強い奴が多いな」

 

「全くね」

七草さんが溜め息をついた。

 

「しかし、アイツは強いのか?成績も実績も大したことないのだろう?」

 

おいおい、なんで渡邉さんが僕の成績や実技試験の結果を知っているんだ?落第しない程度に頑張ってます。

 

「チョっと気になるのよ」

 

「まさか?あんなのが趣味なのか?」

 

「バカなこと言わないで!」

そこ、本気で否定なよ。本人を前にして。

 

現代魔法に頼り過ぎると他の感覚が鈍くなる傾向がある。姿が光学迷彩で見えなくなり、気配を消されたくらいで気がつかないようでは、マジモノの暗殺者に狙われたらイチコロだ。

 

もう、バラしても差し支えないので言ってしまうが、魔法師はハッキリ言って大して強くない。滅ぼそうと思えばいつでも滅ぼせる。彼等の行う現代魔法は現代科学で代替可能であり、居なくなっても差し支えない。長くその社会的地位を少なくとも日本で高いままにしておきたいなら、日本の真の中枢がどこなのかくらいは知っておくべきだろう。教えてあげないヨ!

 

ガールズトークを堪能した僕は、彼女達の意識がモニターの十文字さんに移った瞬間に部屋から出て行った。

 

◇◇◇

 

「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ〜ン!」

誰も聞いてないようだ。模擬戦闘訓練は五回目に突入してそれどころではないのだろう。

 

いきなりファランクスが飛んで来た。十文字さんは、冷静だった。光学迷彩の事も聞かされていたようだ。

 

とりあえず避けた。

 

「ほう」

毒蝮三太夫似の十文字さんが感心している。拳銃の弾丸が避けれればできるであろう程度の芸当だ。大したものではない。

 

彼に「意」が生じてから僕に「鉄壁」が到達するまでコンマ3秒近く時間がある。ちなみに拳銃の弾丸ならコンマ2秒。前者は大きく避ける必要があり後者は早く避ける必要がある。

 

コツは相手の「意」を感じられるかにかかっている。それを習得するために先ずは、自分の「意」(意識ではない)を自覚できるようにしなければならない。

 

「師匠!次はそうはいかんぞ」

 

どうやら、挨拶がわりの一撃だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




拳銃の弾丸を避けるのは、映画『リーサルウェポン』や『reborn』で描かれています。ゴルゴ13でもあったと記憶しています。別に合気道の達人になる必要はありません。

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