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全力で白文字を使いたかっただけ
そこに、一冊の本が置いてあった。
勇者である貴方(或いは貴女)は、罠かと疑いつつ本を開く。
『昔々、一人の勇者が居た。勇者は有り得ないほどに
その拳は岩を砕き、その剣は川を切り、その魔法は大地を動かした。
しかしそれ故に……悲しいかな、長い旅の間に仲間が出来る事は無かった。もしくは、勇者自身が断ったのかもしれない。
勇者は一人、魔王の元へ向かう。無償で人々を助け、魔物を狩る。
時に人々に見捨てられた。時に魔物に倒された。それはまさに勇者への魔王の洗礼と言えるだろう。しかし酔狂にも、勇者は進んだ。その目に何が映っていたのだろうか? 推量でしかないが、きっと恐らく、絶望に染まってはいなかった筈だ。絶望しているには、彼の行動は清すぎる。
勇者が魔王とどのような会話をしたのかは分からない。
仲間になれと誘われた? 降参しないかと言われた? いや、或いは会話なんてしなかったかもしれない。全ては勇者のみ……魔王と勇者のみ知っている事だ。確認の
何かしらの魔法でもかかっているようだ。全てを読み解くならば少々手間がかかるだろう。