全力で色文字を使いたかっただけ   作:yourphone

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全力で大文字を使いたかっただけ

朝である。

 

枕元の時計を見ると倒れている。もそもそと時計の位置を直す。見ると、朝の六時である。

 

ふむ、これは二度寝許容範囲内の時間帯……故に、寝る。

 

 

なして起きる必要も無いのに起きる理由があるのか。

 

 

 

いや、

 

 

 

 

ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

少し経ってから、身体を揺すられた。

 

「起きて~」

 

我が異母妹(いもうと)であるな。

ふむ……そうであるな。きゃつを困らせてみるとするか。

 

「う……朝御飯はパンと牛乳とローストビーフ……」

 

「もぉ、仕方な―――って朝から随分濃いの食べるね!?」

 

やはり我が目に狂いは無い。きゃつはツッコミの天才である。

うむうむ、我はもっと異母妹(いもうと)の才能を見てみたいぞ。

 

「……後……$e^{3}$分……」

「私に言われても分かんないよ!? 何『いーのさんじょう』分後って!?」

 

流石に中学生に$e^{3}$は難しいか。では少し優しめのものを……うむ。

 

「……さんてんいちよんきゅーになにをするだぁ……」

「こっちが聞きたいよ! っていうか実は起きてるでしょ!」

 

む、勘づきおったか。だが、我を起こすのならばあの禁断の儀式を行う必要があるぞ? どうする我が異母妹(いもうと)よ。

 

 

 

 

「起~き~ろ~!」

 

 

「近所迷惑である!」

 

なんてはた迷惑な事をするのであるかこの異母妹(いもうと)は!?

お隣さんの『赤路家』のばあ様が化けて出てくるぞ!?

 

「ほら起きてる。朝だよお義兄(にい)ちゃん」

「だが我が封印は解かれておらん。故にこの聖域から出られぬ―――」

「はいはい良いから出る」

 

む、ぐぐぐ……封印されておるが故に……力が出ぬ……!

 

「聖なる神よかの封印を解きたまえ」

「む……? ふ、ふはははは……封印は解かれた! 我は眠いから寝るぞ!」

 

「ふざけんなぁ!」

 

「ぐふぅっ!」

 

い、異母妹(いもうと)よ……義兄(あに)は殴るものではないぞ……。

 

「ふっ、ぐぅっ、それに、ツッコミに暴力はいけないのである……ぞ……!」

「知らないよそんなの」

「な、らば、今知った事に、なる。……ふう……今後気を付けるように」

 

 

「はいはい、魔王様(おにいちゃん)」

 

飄々と受け流し、我が部屋を出ていく勇者(いもうと)。本当に分かったのだろうか……。

 

 

それにしても、まだまだであるな。ジョジョネタと円周率のツッコミがあの程度とは。

 

「……しかし不思議である。ここ最近毎朝封印が掛けられておる。まだまだ力量不足な物とはいえ……誰がやっておるのやら。見付けたらまずは我が異母妹(いもうと)のノリツッコミの刑に処し、次に中級精神魔法《心の黒歴史》を掛けてやる……!」

 

「お義兄(にい)ちゃ~ん! 速く着替えて!」

 

―――ふむ。時に暴力的であれど、我が異母妹(いもうと)は可愛い者である。




まだまだ特殊文字を極めるのは遠い―――
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