私が比企谷くん相手に苦戦するなんてまちがっている。 作:ぱぶぃーる
魔王攻略後編です。
低文章力です。苦手な方はブラウザバック推奨です。
ではでは、どうぞー♪
手汗ヤバイ。汗もやばい。帰りたい。家具がすごい。家がでかい。ままのん怖い。
そうです。俺は陽乃さんの提案で雪ノ下家に来ております。さっき来たばっかりだけどさ、絶対ままのん俺のこと嫌いだよね?やだ怖い。八幡死んじゃうぅ!
「さて、比企谷さん。座ってちょうだい。」
「ひゃっ、はい。」
噛んだあァァァアア!!!!うわぁぁあ!
死にたい死にたい死にたいぃー!!
バーカバーカ八幡!八幡!
「まずね、事故のことを謝りたいの。すみませんでした。」
おおぅ、テンパって完全に自分の名前を悪口として使ってたじゃないか!
だっせー。
「そんな、とんでもない。あれは飛び込んだ俺が悪いですよ。」
「犬の命のために自らを犠牲にするなんて普通にはできないことだわ。あなたがしたことはもっと誇りを持ってもいいことよ?」
「はは、犬を助けた以前にこんな人間なので。こんなゾンビみたいなのが自分に自信持ってたら気持ち悪いですよ。」
「ふふ、面白い人ね。」
お?全然怖くねぇな。
「......で、旦那とはどういう事かしら?」
と思った俺が間違いでした。
やっぱ怖い。ほんとに怖い。
氷の女王ことゆきのんを最終強化した時みたいな感じかな。視線が突き刺さってくる。
「あはは、お母さん。比企谷くんまだ高校生だよ?流石に旦那は冗談だって。まあ私は比企谷くんと結婚したいけど。ボソッ」
最後の方がよく聞こえなかったけど、陽乃さんもフォローしてくれる。
「そう。にしてもよ。彼氏?そんなはずないわ。陽乃にはお見合いの相手が山ほどいるのよ?」
「......なにそれ?初耳。でも私は比企谷くんが好きだから。断っといてよ。」
「何を言っているの?あなたは雪ノ下家の長女なのよ?」
なんかどっちもイライラしてらっしゃる。
「.......それ以前に私は1人の人間だよ?」
「そんな事は分かってるわよ。私はあなたの幸せを願って.......」
「.......本気で言ってるの?好きな相手と別れて興味もないただの金持ちの息子と結婚するのが本当に私の幸せだと思ってるの?」
「ええ。そうよ。」
「そう。もういいよ。」
そう言って陽乃さんは泣きながら走って部屋を出ていく。
「あの、すみません。俺は陽乃さんを追いかけます。」
「..........あんな事を言った相手によく話しかけられるわね。陽乃が怒るのは当然だわ。追いかけてちょうだい。でもね、比企谷さん。私はあなたとは別れてお見合いで決めた相手と結婚する方が陽乃の幸せだと思っているわ。」
「そうですか。お邪魔しました。」
ーーーーーーーーーーーーーー
そう言って俺は陽乃さんを追いかける。
最初に俺がキスをした公園で陽乃さんを見つけた。
「陽乃さん。」
「比企谷くん。」
「ごめんね。あんな所を見せちゃって。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。」
「そう。」
「私さ、最近、何で雪ノ下家に生まれたんだろって思っちゃうんだ。」
「俺も思いますよ。こんなのが兄なんて、小町が可哀想だな。とか。」
「ふふ、君はやっぱりシスコンだね。」
ちゃんと笑ってくれた。よかった。
「当たり前です。」
「そうなのかなー?」
「ええ。
........俺は陽乃さんが幸せになれるなら俺と別れるのもありだと思いますよ。」
「何でそんなこと言うの?」
「俺だってこんなこと言いたくありません。陽乃さんが大好きです。けど、お母さんの言うことも分かるんです。」
「私は、、、私は、比企谷くんとずっと一緒にいたいの!別れるなんて嫌だよ......」
「そうですか。僕もですよ。」
そう言って陽乃さんを抱きしめる。
「もう1度、話つけに行きましょう。」
「うん。」
「まず、俺が少し話したいので、行ってきていいですか?」
「....?いいよ。」
ーーーーーーーーーーーーーー
「あら比企谷さん。どうかしたのかしら?」
「いえ、少しお話しませんか?」
「ええ。構わないわ。」
緊張するけど、これは陽乃さんのためであり、自分ため。
頑張れ、比企谷八幡!!
「雪ノ下さん、まず言っておきたいことがあります。俺は陽乃さんが好きです。世界中の誰よりも彼女を愛しています。どうか、お願いします。陽乃さんを泣かせないでください。俺は、、俺は彼女の隣にいたいです。」
柄にもないセリフだな。くせぇわ。
でも本心だからなー。
「そう。私はね、親の決めた相手と結婚したの。それでも、幸せだったし、今も幸せよ。あの人はいい人だし、娘2人も立派になった。私は誰かを本気で好きになったことがなかった。だから文句も言わずに結婚したんだと思うわ。
.....でもね、泣いている陽乃を見て気づいたわ。本当の幸せは自分の好きな相手と結ばれることだって。あなた達2人を引き裂くつもりなんてないわ。お見合いも断りましょう。
後であの人に言っておくわ。」
「いいんですか?そんな簡単に。」
「いいのよ。いつだっかしらね、陽乃がすごく機嫌よく帰ってきたことがあったの。気になったから別の日に少し陽乃を付けてみたらあなたと2人で楽しそうに歩いているのを見つけたわ。
あんな陽乃の笑顔は初めて見たわ。いつもの仮面ではない、本心からの笑顔。陽乃は大層幸せでしょうね。」
「え、、、?見てたんですか?」
「ふふ、キスをしたのも見たわよ。」
「.....あの、、俺、消されたりしませんよね?」
「当たり前じゃない!もう、、。ふふ。」
そう言ってままのんはとても柔らかく微笑んでいた。
その時俺は、この人の笑顔を美しいと感じた。娘を思う母親の笑顔を。
「陽乃はどこにいるのかしら?謝っておきたいの。」
「今から連れてきます。」
「そう。ありがとう。」
ーーーーーーーーーーーーーー
俺は陽乃さんを連れて雪ノ下家に戻ってきた。
「陽乃.....さっきはごめんなさいね。お見合いは断っておくわ。」
「私こそごめんなさい。でも、いいの?」
「ええ。私はあなたが幸せなのが一番よ。あなたは比企谷さんといる時が一番幸せそうだから、それが正解だと思うわ。」
「ありがとう。お母さん。」
陽乃さんは涙を流しながらそういった。
「あなたは私の娘なんだから、自信を持ちなさい。」
「はい!お母さん。」
「それと比企谷さん。陽乃をよろしくお願いしますね。と言ってもまだ高校生だからこれからも仲良くしてやってくださいね。」
「ええ、もちろん。こちらこそお願いします。」
ーーーーーーーーーーーーーー
「今日は突然押しかけてすみませんでした。」
「いいのよ、陽乃と話をするきっかけにもなったし。泊まっていけばいいのに。」
「はは、それはまたの機会に。」
「そうね。」
「お邪魔しました。」
「ばいばーい!比企谷くん!」
「また会いましょうね、比企谷さん。」
ーーーーーーーーーーーーーー
結局ままのんはいいひとだった。
ままのんというデケェ壁を超えた安心と疲れから遅めの足取りで家路についた。
これからも陽乃さんとはいちゃいちゃできるようだ。
今回はなんかいちゃいちゃしてませんね。
攻略しましたね。
それではまた次回お会いしましょう。
ではではー。