2人はこれまであちこち旅してきて毎回ギルドできいてはいたのだが、いまだにサンクの両親を石にした悪魔の居所はわからなかった。
そしてまた次の町にいきギルドで依頼を受ける。今度は、近くの山のふもとでたくさんの悪魔が発生したのでやっつけにいってほしいとのことだった。
「これが今回大量発生している悪魔だよ」ギルドマスターは絵を見せてくれた。マシュマロみたいに丸っこい悪魔だった。でも顔は凶悪だった。
ギルドマスターはフィリナを見て、「そっちの女の子は回復役かい?」ときいた。「えぇ、回復もできるわ」とフィリナは答えた。「そりゃよかった。じゃあがんばって」
2人は意味がよくわからなかったが、いわれた山にいった。木々のまばらな茶色い岩山だった。そこではすでに何人かのギルドメンバーが悪魔と戦っていた。戦ってるのは剣士や武闘家が多いみたいだった。
2人は1人の武闘家に目がいった。その武闘家は鮮やかな動きで「ヨッ!ハッ!」と悪魔を殴ったり飛び蹴りしたりしていた。そして悪魔を倒す!次に襲ってきた悪魔との戦いをはじめた。
「すごーい……」2人は見とれていたが、自分たちの任務を思い出し、「いけない!」あわてて悪魔をやっつけにいった。
悪魔を見つけ、戦闘の用意をする!
「ポロ!体当たりだ!チビドラ!火を吐くんだ!」フィリナも手から「ライトアタック!」と技を出す!ポロの体当たりを受け、悪魔はのけぞったが、チビドラの火とフィリナの攻撃はマシュマロ悪魔のからだを包み、消えてしまった。心なしかマシュマロのからだが少しふくらんだようだ。2人は悪魔があまりダメージを受けていないように見え、少し戸惑ったがさらに攻撃を続けた。
「そいつにもっともっと火を吐きかけてやれ!」「ホワイトブラスター!」だが悪魔はやはりダメージを受けた様子がない。そしてまたからだがふくれたように見えた。悪魔はサンクたちにぶつかってきた。「うわあっ!」と弾き飛ばされる!
サンクは立ち上がり、「やったな!チビドラ!ポロ!そいつにもっと攻撃だ!」サンクも剣を取り、「ハアッ!」と斬りかかる!悪魔は吹っ飛んだが、すぐに反撃にそのまん丸なからだで体当たりされ跳ね飛ばされた。
「うわーっ!」「サンクッ!」チビドラとポロは怒って火を吐き、噛みついた!すると、悪魔は攻撃を受けからだがさらにふくらんだかと思うと2つに分裂した!
「ああっ!」サンクたちは驚く!そして2つの悪魔は彼らに向かってまた体当たりしてきた。
「キャアッ!」2人は跳ね飛ばされ、さらに悪魔に体当たりされる!
「フィリナ!こいつら攻撃が効かないぞ!どうやって倒せばいいんだ!?」
「わたしの技も効かないみたいなのよ!お手上げだわ!」
「そんな!」
2人は体当たりしてくる悪魔を必死で押しのけていた。「いてっ!いてて!」「キャア!やめてぇ!」悪魔はサンクたちをボコボコにやっつけていて、反撃もほとんどできなかった。
そのとき背後から、「なにをやっているんだ」と男の声がした。
見るとそれはさっき悪魔と戦っていた武闘家であった。
「こんなものに手こずっているのか」
「それが、こいつら攻撃がちっとも効かなくて……フィリナの超能力も効かないし」
「そうなの!それにどういうわけか分裂して2匹になったわ」
その武闘家は、「こいつらには物理攻撃以外の攻撃は効かないんだ。属性攻撃はすべて吸収するからやりすぎると分裂する」と教えた。
「ええっ!?」「なによそれ!」
「タアッ!」武闘家はパンチで2匹の悪魔をぶっ飛ばした。悪魔は岩にぶつかり、また彼らのところに戻ってきた。
「さぁ!きたぞ!力技で倒すんだ!」男は構えた。サンクも「よぅし!ポロ!チビドラ!そいつらに噛みつくんだ!」男は悪魔に回し蹴りし、サンクの魔物たちは噛みついたり引っかいたりして攻撃した。おかげで悪魔が少しずつダメージを受けていくのがわかった。
「フィリナもなにか力づくで戦えよ!」とサンクは振り返った。「わたし物理攻撃はだめなのよ!」と困るフィリナ。だが、「そうだ!これがあったわ!」と鞭を出し攻撃しようと近づいた。が、悪魔はフィリナに体当たりし、「キャッ!」とフィリナは跳ね飛ばされた。武闘家が悪魔をパンチでやり返してくれた。フィリナは防御力が低いので、これまでに受けた悪魔からの体当たりですでに結構ダメージを受けていて、無下に近づいてダメージを受けるのは危険であった。でも鞭はある程度近づかないと攻撃はできない。そこでフィリナは後衛として、みんなのサポートや回復役に徹することとなった。
武闘家が殴る!蹴る!サンクの魔物も体当たりや噛みついて攻撃する!そしてじょじょに悪魔は弱っていき最後は武闘家のパンチで倒され消えてしまった。
ポトッと魔石が落ちる。武闘家は魔石を拾い、「こっちのはお前たちの分だ」と1つ渡した。
「いいのかな?おれたちあんまりダメージを与えられなかったけど……」とサンクは受け取った。
「これからどうするの?」とサンク。「おれはきょうの分は終了だ。町に戻ろうと思う。残ってる悪魔も、いま戦ってるやつらのだけでもういないみたいだしな」と武闘家はいった。
サンクとフィリナも一緒に帰ることとなった。
「おれはサンクっていうんだ」
「わたしはフィリナよ」
「おれはユードーだ。お前たちも冒険者か?」
「そうなのかな?なんか、いつの間にかこんなところまできちゃったけど」
サンクは自分が旅をしている目的を話した。
「って訳で、旅をしながらおれの両親を石にした悪魔の居所を探してるんだ」
「なるほど。おれは己を鍛えるためにあてもなく旅をしてるんだ。強い武闘家になるためにな!ギルドに登録してたまに依頼をこなしながら生活してるんだ」
「あっおれたちも同じ」
「ただ1人旅で格闘技しかできないとこなせる依頼に制限があってな。物理攻撃の効かないやつもいるし、敵が強かったとき戦闘が長引いたりすると回復できないからきついし……」
フィリナが、「だったらわたしたちと一緒にパーティを組まない?」といった。
「なんだって?」とユードー。
「きょうわかったわ。わたしたちのパーティには強い物理アタッカーが足りなかったのよ。わたしはエスパーで、エスパー技の攻撃や回復もできるし、サンクも魔物を持ってるからそれで属性攻撃ができるわ」とフィリナはいった。
(パーティだったのか)とサンクは思う。そして、サンクの剣はフィリナに戦力外扱いされていた。
「ふぅむ」ユードーは考え、「よし、おれも属性攻撃できるやつと回復役がいてくれると助かると思ってたところだ!お前たちの旅に同行するとしよう!」といった。
こうしてユードーが新たに仲間に加わった。
「よかったわ。これでパーティがまた強くなるわね」「……おれ、やっぱり遠慮しようか?」「なにいってるの!?ユードーがいなかったらこの先今回みたいな敵が出たとき困るわ!ねっ!サンク!」「う、うん」などと話しながら町までの道を歩いていった。
ユードーは2人より背が高く、年齢も一番上で、筋肉質な若い男だった。身長は180cmほどだったが、全体的にガッチリしているためか大柄な印象を受けた。美形ではないが日焼けした精悍な顔つきで、単純で複雑なことが苦手だが、基本的に正義感が強く勇敢なタイプだった。
サンクたちはギルドにいき魔石を渡して報酬を受け取った。
2人はユードーと一緒に宿を探した。そして宿が見つかり部屋へ案内されなかに入る3人。
「これがきょうの部屋か」「結構かわいいわ」と部屋を見回している2人。ユードーは2人を見て、「しかし、お前らいつも一緒の部屋に泊まっていたのか?」ときいた。フィリナは、「えっ?変なの?前に読んでた小説ではパーティはそうだったからそれが普通だと思ってたわ」といった。「いや、まぁ……」とユードー。