プチファンタジー・ストーリー   作:クリステリアン

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第17話 雨

 ──次の日。

 4人は支度をして宿屋を出た。「ん~っ、よく寝た!」「ここの隣の食堂で朝食をとりましょう!」「ハイ……」まだ気持ちのもやもやしたラファエロは返事した。

 4人は朝食を終え、ギルドに向かった。

 

 ギルドにて、依頼をきく。きょうは、とある街道に出る悪魔を討伐してほしいというものだった。

 「最近、この町の東の街道に悪魔が出没するようになって、通行人や馬車が襲われる被害が寄せられるようになったんだ。その悪魔の討伐をお願いしたいんだ」

 ギルドマスターはサンクたちに討伐書をくれた。

「被害が寄せられてる場所はここだ。これ以上被害を増やさないためにも討伐をよろしく頼むよ」

 

 4人はその依頼を引き受けギルドを出た。そして、さっそくその場所に向けて出発する。しかし……ポツリ、と顔に当たった水の感触に一同は空を見上げる。

 「雨だ……」

 サンクたちは、いつもは雨の日はせいぜい町の散策だけでクエストは引き受けなかった。悪魔も雨の日にはあまり活動をしない。でも、きょうは依頼を引き受けたあとだったし、すでに半分近くきてしまっていたのでそのまま討伐に向かうことにした。

 さらに強さを増す雨に、「チビドラはこのなかに入ってろ」サンクは水に弱いチビドラはバッグに入れた。

 サンクとユードーは雨ガッパ、フィリナとラファエロはマント型の雨具を着た。

 

 そして依頼された草原のなかの街道まできた。

 「ここに悪魔が出るんだよな?」

 「さっそく探しましょう」

 4人は手分けして草原のなかにある木々の間や岩の隙間を探していった。雨はザァザァと振っている。やがて、ある岩に隠された洞穴をのぞいたときだった。イノシシのような悪魔がそのなかで眠っているのを見つけた!

 「これは!」さっきもらった討伐書に描いてある悪魔にそっくりだ!間違いない!

 「よぅし!さっそくやっつけようぜ!」

 

 「おりゃあ!!」

 まずユードーが悪魔に強烈なパンチを叩き込んだ!

 「ブヒィィ!?」悪魔はびっくりして飛び起きた。

 悪魔は洞穴から出てきて、「ブルルン」と鼻息も荒く怒り狂っていた。そして悪魔はこちらに突進してくる!!「わあっ!!」サンクたちはあわててよけた!イノシシは勢いあまって少し突っ走ってから立ち止まった。

 「すごい勢いだ!当たったら痛そうだな!」4人は息をのんだ。フィリナなど一撃食らうだけでやばいだろう……。ユードーとサンクは危険だから、とフィリナを自分たちのうしろにやった。

 ふたたびイノシシは向かってくる!「きたな!」ユードーは迎えうとうと構えた!「とぁぁぁ!」殴るユードー!「ポロ!噛みつくんだ!」ポロもガブリッと噛みついた!「ブライトボール!」フィリナも技を出し、「ヒギィィ!」叫びをあげる悪魔!

 「やった!」「だいぶダメージを与えたわ!」サンクがフィリナを見、「フィリナ!きょうは天気が雨だからきっと電気の技が効きやすくなってるはずだぞ!」そういわれ、「うん!」フィリナはバッグから雷のロッドを出した!

 「エレクトリック・レイ!」かがやく稲妻がロッドの先からほとばしる!しかし、手が水に濡れていて、「ひぃ~!かーみーなーりーがー」

 骨も透けるような電撃を受けるフィリナにサンクはびっくりしていた。もちろん悪魔にも電撃はあたり、苦しんではいたが。

 ユードーが、「ここは氷のロッドで氷の技を出すのが正解だろう。雨で敵の体毛が濡れてるから凍りやすくなってるかもしれん!」フィリナはそれを聞き、「そうね!」と氷のロッドを取り出した。そして、「アイスラッシュ!」と技を出す!ロッドの先から氷が飛び出す!しかし、「手がこーおーるー」またしても手の水を伝ってフィリナはダメージを受けていた。

 たしかに、敵にも大きなダメージを与えたが、フィリナまでいらぬダメージを受けてしまった。「やめてください、みなさん」とラファエロ、「あっ!でも見てみろ!敵が凍ってるぞ!」「えっ?」

 見ると、敵の悪魔がピキーンと氷づけになってまったく動かなかった。

 「やったぜ!」「こうなりゃこっちのもんだ!」ユードーは拳を引いて力をためると、「タァ!!」思い切り強烈なパンチを放ち、敵を粉砕した。バラバラに砕けたかと思うと、シュウゥ……と消えていった悪魔。そしてポトリと魔石が落ちる。

 「やった!」4人は喜び、魔石を拾った。

 「これでまた報酬がもらえるな!」「それじゃ、ギルドに戻ろう!」

 4人は町のギルドまで戻った。

 

 ギルドマスターに魔石を渡す。

 「おぉ、これはまさしく依頼の悪魔だな!この雨のなかご苦労様」とマスター。「ではこれが報酬だ。受け取ってくれ」とお金をくれた。4人は喜んで報酬を受け取った。

 サンクが、ギルドマスターに今回も毎度恒例である、探している悪魔のことをたずねてみた。でも、どうせ今回もダメだろうなとあまり期待はしていなかったが。

 「おれたち、ある悪魔を探してるんですけど、このギルドに誰か悪魔に石にされたって被害の話はないですか?」

 「石に?いや、そういう被害届けは出されていないが……」

 サンクはやっぱり……と予想どうりの答えにたいしてガッカリもしなかった。だがマスターは、「いや、待て、たしかキラの町にそんな悪魔が現れたという話を聞いたことがあるな」といった。「えっ?」4人は振り向き、「ほんとですか!?」と叫んだ。マスターはうなずき、「あぁ、たしか誰かが石にされたと聞いた」4人はそれを聞き、顔を見合わせ驚いていた。

 「その町ってどこにあるんですか!?」とサンク、マスターは壁にかかっていた地図を指差し、「キラの町はここだな。この町からずっと南へいったところにある」サンクたちもながめてみたが、キラの町というのはここからかなり遠いようだ。だが、そこへいけばついに探している悪魔が見つかるかもしれない!

 「やっと手がかりが見つかったわね」「あぁ……」あの時自分の両親を石に変えた悪魔、サンクはその悪魔に一歩近づいたことで、胸に緊張が広がった。

 

 ギルドを出た4人。「それじゃ、次はそのキラの町ってとこに向かうとしよう!」「あぁ!」4人はうなずきあった。

 

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