翌日──4人は朝の支度をし、宿屋を出た。
「いやぁ、すっかりこの町に長居してしまったな。早く先を進もう」ユードーは地図を見て、「うむ、ここから東にある一番近い町だとだいたいあすまでには着けそうだな!」
「それじゃ、そこまでいこう!」
サンクたちは町を出て歩いていった。コンパスを見、悪魔目指して歩く。コンパスは、相変わらず東のほうを示していた。
「ねぇ、ところできのう貰った魔物のことだけど」とフィリナ。
「あぁ!あの魔物木の魔物なんだよな!」サンクはバッグからきのう貰った魔物を取り出した。バッグから出された魔物はぐんぐん大きくなり、やがて3mくらいある魔物がドーンと姿を見せた。
「おれ、こんな大きい魔物、見たの初めてだ」
「どんな技が使えるんでしょうね」とラファエロ、「うん!ええと、この魔物の名前は……」「ユグドラシルよ!そしてその葉っぱには死者を蘇生させる力が……!!」などとフィリナはいい出した。
「そんな効果聞いたことがないです」とラファエロ。
サンクは、「この魔物、フメイジュっていうんだってさ。きのうセージさんがいってた」
サンクはその名前で呼ぶことに決めたようだ。
4人はさらに歩いていくと、それまで草原だった風景はじょじょに荒野へと移り変わっていった。赤土の大地にイバラやシダの茂み、自然のまま放置された寂しい風景だった。
4人はところどころ休みを取りながら歩いていき、やがて日は暮れはじめ、テントを張りそこで休むことにした。
朝──。
サンクたちは朝食の支度をし、ユードーは、(いつものことだったが)森の近くでたまたま通りかかったそのへんの嫌がる魔物相手に格闘技の稽古をしていた。
朝食ができ、食べる4人。
「次の町にはだいたい昼頃には着けそうだぞ」
「今度はギルドにいってなにか仕事を探さないとなー」
4人はまた荒野を歩いていった。
そして昼頃になり4人はようやく町へとたどり着いた。
「町だー!」「なにか食べにいきましょう!」
4人は店でおいしい昼食を取った。
軽く町を見て回っているとある建物を見つけた。ギルドの印である羽根のマークがある。4人はギルドに立ち寄り、仕事を探しにいった。ギルドでは何人かの人が、掲示板を見て依頼を探していたが、4人はギルドマスターが暇そうだったので直接依頼を聞きにいった。
「すいません、おれたち依頼を探してるんですけど」
4人はギルドマスターからバッジの提示を求められ、マスターはプレートで調べながら考えた。
「フゥン、きみたちならなんとか役に立てそうだ」といい、席を立ち、向こうのほうにいたイカつい男に声をかけにいき、こちらへ一緒にやってきた。男はスキンヘッドで筋肉質でからだにキズがあった。
「オースティンさん、さっきの話だけど、この人たちはどうだろう?」
スキンヘッドの男は4人を眺めた。
「随分細っこいのが多いみたいだがこんなのに務まるのか?」
「あぁ!ランクも十分だし、みんなそれぞれ能力を持っている。役に立ってくれると思うよ」
わけがわからなそうな4人にマスターは説明してくれた。なんでも、オースティンという男は山で行われる工事の手伝いをしてくれる人物を探しているようだ。たまに魔物も出る場所だから、それなりに戦えないと駄目だそうだ。
「オースティンさんはもともとギルドメンバーだったんだが、足を悪くしてしまっていまは建設関係の仕事をしてるんだ」
「へぇ……」と4人。
「それじゃ、あすの朝8時にここにこれるかい?」といわれ、4人は了承した。
そして朝となり、4人はギルドでまたオースティンと会い、一同は馬車で仕事場へと向かった。建設現場のある山のふもとは、町から30分ほどいったところにあった。
オースティンは職場の人たちに4人を紹介する。職場の人たちもイカつくて筋肉質なものが多かった。
「そっちの兄ちゃんはともかくほかのやつらは力がなさそうだな」「まぁ、せっかく紹介されたことだし、一応使ってみるとしよう」
そして4人は建設を手伝った。サンクは魔物と協力して、ユードーは持ち前の力で、フィリナは超能力で、オースティンから指示を受けながら手伝っていた。「作業が遅れている!なんとしても今日中に土台を作るんだ!」オースティンは足が悪いのでこうした現場監督や、足にできるだけ負担のない作業をやっていた。ラファエロは、疲れた人たちにヒールをかけたりしてあげていた。みんなは驚いていた。
だがそんな時、突然後ろの山から物音とだれかのうめき声がした!みんなが驚きそちらを見ると、大きなクマが立っていることに気づいた。そばではそのクマに襲われた作業員が肩から血を流している。
「なんだありゃ!?」「魔物です!」「グアァ!」魔物は雄たけびをあげ、こちらに突進してきた!「わあっ!」みんなは驚いて逃げる、「おのれ!」ユードーがみんなの前に立ちふさがり、構えた。
「タアッ!」クマを殴る!クマは驚くが、ユードーはさらに殴りつけ、クマを吹っ飛ばした!ラファエロはケガをした作業員にヒールをかける。
「グアァ!」クマが起き上がり再び向かってくるが、ユードーはクマのからだを掴み投げ飛ばした。
「キャウッ!」クマは地面に叩きつけられ、倒れこんでしまった。が、ユードーがクマに近づいていくと、クマはすぐに起き上がり、「ガゥウ……」たじろぎ、恐れたように山へ急いでもどっていった。みんなそれを見てホッとした。そしてワッと歓声が上がる。
「すげぇな!クマが逃げていったぞ!」「つえーな!兄ちゃん!」と賞賛した。
「フン、あの程度の相手、おれの敵ではない!」
みんなはその後も作業を続け、やがて時間になったようだ。いつもより作業が進んだようで、作業員たちからは感謝された。
ギルドにもどるとオースティンからお礼をいわれ、報酬を受け取った。
「きょうは手伝ってくれてどうもありがとうよ。おれが思ってた以上に役に立ってくれた」
4人は礼をいわれ、「お役に立ててよかったです」と喜んでいた。
「それからな……」オースティンはポケットからごそごそとなにかを取り出すと、ユードーの前に出した。
「これはおれが昔冒険者だったときに使ってたナックルだ。おれにはもう必要ないからよかったら使ってくれ」
みんなそれを眺め、ユードーはそれを受け取った。ユードーは手にナックルをはめてみた。
「む、こいつがあればこれまで以上に攻撃力が上がるな!」ユードーは自分の手にはめたナックルを気に入ったようだ。「これからこいつでバンバン敵をやっつけよう!」
4人はギルドを出て宿屋にもどりからだを休めた。