プチファンタジー・ストーリー   作:クリステリアン

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第32話 サンクのダンジョン奮闘記

 4人は森を抜け、歩いていくとやがて町が見えてきた。4人はその町目指して歩くがその途中、「ん?」なにか変わったものを見つけた。それは、地面にぽっかりとあいた横穴で、周りを石で囲まれていた。

「なんだろう?これ」4人は近づいてみて穴を覗いてみた。入り口はかなり大きく、なかもかなり深そうだ。

「ちょっと入ってみようよ!」サンクがいい、みんなは階段を降りていき、恐る恐るなかを歩いてみた。なかは少し薄暗いが、まだ入り口が近いせいかしっかり見える。するとどこからか!「キィ~ッ!!」なにか丸っこい毛玉のようなものが飛び出してきた!

「わっ!」「なんだ!?」その毛玉のようなものはこちらに手を向け爪で攻撃してきた!慌ててそれをよける!ラファエロはそれを見、「悪魔です!」と叫んだ。「なに!?」

 再び悪魔がこちらに向かってきて、ユードーはパンチで殴り返した。すると、悪魔が壁に激突してそのままシュウゥ……と消えてしまった。

「悪魔がいるんじゃここを出たほうがよさそうだな」ユードーはいい、みんなは洞窟の外へ出た。

「なんだったんだ、ここ」みんなは疑問に思ったが、とりあえず再び町へと歩いていった。

 そして町に入る。4人は町を見て歩いた。前の町よりは大きな町で、いろんな店や、レジャー施設らしきものもあり、4人は珍しそうに眺めていた。そのうちに宿屋を見つけ、そこに申し込みにいった。その後、また少し町を歩き、4人は宿屋にもどり泊まった。

 

 

 

 そして朝となり……

 サンクたちは宿を出てギルドに向かった。

 ギルドに着くとギルドの職員にきき、クエストを紹介してもらった。今回のクエストはある洞窟に入ってその奥にあるコージョーのしずくというしずくを集めてきてほしいというものだった。

「そこで取れるしずくがある道具を作るのに使われるんだが、最近不足していてね。安いクエストなんだが、ぜひ引き受けてほしいんだ」職員は町の地図を指し示し「エアリア洞窟といってこの町の南西に石で作られた入り口があるんだか知ってるかね?」ときいた。

 4人は微妙な顔をする。「それって……」きのう、この町に入る前ちょっと入ったあの悪魔の出る洞窟を思い出した。

「洞窟は全2階構造で下のほうがより敵が手強くなる。と、いってもきみたちのランクにとっては簡単に倒せるものばかりでそれほど強くない。洞窟の地下2階の一番奥にしずくが取れる場所があるんだ。どうだろう?引き受けてくれないだろうか?」

 4人はそのクエストを引き受け、職員はしずくを入れる瓶を渡してくれた。

 

 サンクはトイレにいきたくなり、3人に断ってちょっとギルドのトイレにいったのだが、もどってみると3人は、ある冒険者の少年たちと話をしていた。サンクはそこに声をかけ、「さっそく洞窟までいこうぜ!」と3人を連れ出しギルドを出た。

 3人は、サンクとともに歩いていったが、きのうの洞窟がある方向に向かうかと思いきや途中で横道にそれ、歩いていった。

「えっ…?」サンクは、そっちは方角がちがうんじゃ…?と怪訝に思いつつもついていったが、3人はきのう町を見てまわったときに通ったレジャー施設の前に立ち止まり、入った。きのう見たときもそうだったのだが、入り口には『ただいまイベント中!』みたいなのぼりが立っている。

 3人はレジャー施設のなかを見てまわり、「おっ!これがいまこの町で評判のゲームか!」「どうやって遊ぶのかしら」と説明を読みだした。

 それを見ながらサンクは困惑し、「それより、クエストにいこうよ!」と3人にいった。

 3人は遊び方がわかると係りの人に申し込みにいき、さっそく遊び始めた。魔物のたくさん入った柵の前に立ち、どれにしようかと真剣になっている。

「なぁ!こんなことやってる場合じゃないだろ!?依頼を受けたんだから早くいかないと……!!」

 サンクは呼びかけるが、3人は幻でできた魔物を育てて競走させるミニゲームに夢中になっている。

「うるせぇな、あんな依頼おれがいちいち力を貸すまでもないだろ」

「あの場所の敵は弱いんだからあんた1人でおいき」

「きみに与えられた試練だと思って乗り越えるのです」と振り向きもせず。

(こ、こいつら…)サンクはぐ…とそれを見たが、これ以上いっても無駄だと諦め、1人でエアリア洞窟に向かうことにした。それに職員の話でもきょうのクエストはそれほど難しくなさそうだ。

「サンク!」フィリナから声をかけられ振り向くと、ランタンを渡された。フィリナは再び向こうを向くとまたミニゲームに夢中になりだした。

「しょーがないな、いこうぜ!ポロ、チビドラ」サンクたちはまた歩き出し、フィリナは片手を上げて見送った。

 

 

 

 サンクは町の出口のほうへ歩いていき、やがてきのう覗いた洞窟が見えだした。

「ここだ」

 洞窟へ入る階段を降りると、ランタンを手に恐る恐るなかを歩き出した。光属性技が込められたランタンのおかげで薄暗かった洞窟内が明るくなった。

「たしか洞窟の一番奥でしずくを取ってくるっていってたな……。まずは地下へ降りれる場所を探さないと」

 さらに歩いていくがそのとき、「キィィ~!」なにかがサンクの前に飛び出した!

「うわっ!?」サンクは驚くが、それはきのうここで見たのと同じ毛玉みたいな悪魔だった。

「これ、きのうと同じやつだ!チビドラ!火を吐いてやっつけろ!」

 ゴォォ~ッとチビドラは火を吐き、悪魔は「キャッ」シュウゥ……と消えていった。

「ふぅ、この洞窟には悪魔がいるから気をつけないとな」

 また先を進むサンク。思ったよりもなかは広いようで、道は結構長い。途中、いくつも分岐があり、サンクは迷いつつもこちらかと見当をつけたほうに進んでみた。

 そしてまた悪魔に襲われた。今度は先ほどとは別のやつでサンクは、「ポロ!突進だ!」「ワウッ!」ポロが悪魔に飛びかかると、悪魔はすぐにシュウゥ…と消えてしまった。

 ホッとしてサンクたちはまた歩く。だが……進んだ先は壁があるだけで行き止まりであった。

 サンクは困り、「う~ん、こっちじゃなかったみたいだな。仕方ない!引き返そう!」いまきた道を引き返していった。そして、「今度はこっちの道をいってみよう!」今度は別の道をいくが、そこにもまた悪魔がいた!このあたりは悪魔が固まっていたみたいで、サンクはそれらをたくさんやっつけねばならなかった。

「チビドラ!火を吐け!」「ガウッ!」「ポロ!噛みつくんだ!」「ワウッ!」チビドラやポロの技でやっつけていく!

 だが魔物の技にもPPがあるし、それにあまり戦わせすぎると疲れさせてしまうのでこれからはサンク自身も剣を出し戦うことにした。

「ワウッ!」ポロやチビドラが悪魔に攻撃!「たあっ!」サンクも久しぶりに剣で攻撃した。

「グエッ」うめき声をあげ、シュウゥ……と悪魔は消えていった。

 

 それからも洞窟を歩きながら出てきた悪魔をやっつけていくサンクと魔物たち!ギルドで聞いた通り、この洞窟の悪魔は本当に弱くたいてい一撃だ。だが、それでもあちこち洞窟内を行き来し、敵をやっつけていると少し疲れてきた。

「ふぅ…さすがにあれだけ戦うとちょっと疲れたな…」それに一度不意打ちされ、そう痛くはなかったがうっかり攻撃も食らってしまった。魔物たちと一緒に壁にもたれて座り込む。

「あっ!そうだ!たしかここに……」

 サンクはバッグを探り、取り出したのは以前買ったポーションだった。

「これを使うと疲れが取れるっていってたな!よーし……」

 サンクはポーションを魔物や自分にふりかけてみた。ポーションはキラキラ光をまとい、サンクたちの周りを舞っていたが、やがてスーッと消えていった。すると……「ん!?」サンクは自らの変化に気づき、シャキーン!と立ち上がった。今しがたまで感じていた疲れがすっかり消え、代わりに元気が満ちてきたのだ!

「よぅし!また洞窟の探索を始めるぜ!!」

 サンクも魔物たちも張り切って先を進みだした。

 

「とにかく洞窟の下へ降りれる場所を探さないとな!どこにあるんだろう……」

 サンクたちはまた洞窟内の道をいったりきたりしだした。その途中何度か悪魔が現れ、それらを倒しながら進む!

 しかし、道はたくさんあり、迷ってばかりで、このままではなかなか見つけられない、と思ったサンクは、自分が通った道をよく覚えながらひとつひとつ分岐した道を歩いていった。それを繰り返すうち……ついに下へ降りるらしい階段が見つかったのだ!

「やった!これで下へ降りられるぞ!!」サンクは喜び、急いで階段を降りていった。

 ついに下へときたが……下へ降りるとすぐ岩の窪みにできた池のようなものがあるのに気づいた。

「なんだ?」近づいてみるとそばに看板が立っていて、〈回復スポット〉と書いてあった。

「回復?」池の液体を眺めてみた。「もしかしてこれのことかな?」サンクはちょっと液体を手ですくい、試しにそれを自分のからだにふりかけてみた。すると……

「わあ!」まるで、さっきポーションを使ったときのようにからだに元気が満ちたのだ!もともと疲れはそう感じてなかったが、これまで以上に気力が湧いた。

「すごい!なんか力が湧いてきた!」

 サンクは魔物たちにも液体を手ですくって与え、みんなはますます張り切って地下の探索もすることにした。

 下に降りると魔物が強くなるといっていた。一体どんなのが出てくるんだろう……サンクは少しドキドキしながらできるだけ気をつけて前に進んでいった。すると……「ゲーッゲッゲ」「わあっ!」サンクたちの前に悪魔が現れた!上にいたのとはちがうもので、悪魔はこちらに飛びかかって攻撃しようとしてきた!

「えーいっ!」サンクは剣を振りかざし、悪魔はそれを食らうと、「グガーッ!」とやられ、消えてしまった。

「ふうっ」サンクはまた奥へ進む。

「下にきたけど、一体どこにしずくがあるんだろう?」

 また進んでいくと、悪魔が現れた!

「ポロ!」ポロは悪魔を倒した!

 その後も何匹かの悪魔が出てきて、サンクたちはそれらを倒していかねばならなかった。下の階の悪魔たちは、たしかに上のものより少し強い気もするが、サンクにはそんなにわからなかった。

 下の洞窟内も探索し、奥を目指していくが、やはり行き止まりにつきあたり、引き返すこともあった。ほかの道を進んでみてもまた行き止まりでまた引き返す。その途中に悪魔が出てきてもちろんそれらもやっつけていく。

 そのうちに少し疲れてきたが、先ほどの回復スポットにいけばすっかり元気になった。

「疲れても回復できる場所があるなら、さっきポーション使う必要なかったな」この洞窟にはご親切に回復スポットまであり、戦い続けても倒されることはほぼなさそうだった。サンクはまた進んでいった。

 

「たあっ!」また悪魔が現れ剣で突き刺す!「ワウッ!」「ガウッ!」魔物たちも悪魔を次々やっつけていく。

 回復スポットで回復して洞窟内を探索し何度も悪魔と戦ううちに、だんだんサンクは剣を振っても疲れにくくなり、いつのまにか魔物たちの攻撃も強くなったようだ。チビドラの火の威力も以前より上がったようだ。

 

 そのように悪魔を倒していきつつ、洞窟内を進んでいくと、ついにギルドで聞いた場所と思わしき場所を見つけた!奥のほうに部屋のような空間があり、そこに入ると上からポタリ……ポタリと……飴色のしずくがこぼれていた。下には洗面台のような岩の窪みがあり、そこにしずくが溜まっていた。

「わあっ」サンクは喜び、「これがきっとギルドの人のいってたしずくだな!さっそく持って帰ろう!」サンクは瓶にそのしずくを入れた。

「やったぁ~!しずくを手に入れたぞ!」サンクは瓶をかかげ、魔物たちも喜んでいた。

「さあ!上までもどろう!」

 サンクたちは洞窟を引き返していった。帰りは行きとちがって道に迷うことなくすぐにもどることができた。途中に出てきた悪魔も難なく倒し、上へ上がる階段へくる。上の階も、苦労することなく進んでいき、洞窟を出ることができた。

 今回は1人でいくことになってしまったが、これでようやくクエストクリアである。命の危険もほとんどなかったし、今回1人で洞窟の奥までいったおかげでかなり経験値がたまった。

 

 サンクはクエストをクリアしたことを早くフィリナたちに教えようと思い、弾む足取りで先ほどのレジャー施設へ向かった。もう時刻も昼をすぎているようだ。

 レジャー施設にたどり着き、3人の姿を探しまわると……

 3人は施設のなかにあるフードコートにいた。椅子に座り、もぐもぐと食事をとっている。

「あーっ!」サンクは歩み寄り、「なんでフィリナたちだけ食べてるんだよっ!」と怒った。

 サンクは瓶を取り出し、「それより見てくれよ!おれたち依頼された洞窟までいってしずくをとってきたんだぜ!!」と得意げに見せた。

 3人は口の中の料理を食べきると、「おぉ、それがか」「よかったわね」「ご苦労様、サンク君」とみんな喜んでくれた。

 その後サンクも一緒になってそこで昼食をとってからギルドへ報告にいくことにした。

「洞窟はどうだった?」ときかれ、「道がいっぱい分かれてて大変だったんだぜ!行き止まりに当たったら引き返して、また別の道にいって…」と洞窟であったことを説明するサンク、「それに悪魔だって次々に出てきてそいつらも倒していったんだ!でも、悪魔はどれもそんなに強くなくて、ほとんど魔物やおれの剣で一撃だったな」そういうと、3人はサンクがきょういった洞窟のことを教えてくれた。あの洞窟は、なぜか誕生した悪魔が吸い寄せられる性質を持っているらしい。それも集まるのは弱い悪魔ばかりなのであそこは初心者向けのダンジョンとなっているそうだ。

「けさ、ギルドで地元の冒険者から聞いたんだ。あそこは初級冒険者の修行にうってつけで弱い悪魔しか出ないんだとさ」

「ダンジョン内には回復スポットもあると聞いて、わたしたち今回のクエストはサンク1人に任せることにしたのよ」

「そうゆうことか……」自分があんな大変な思いをしたのはすべて自分に修行をさせるためだったのだ。

「で、どうなんだ?少しは修行になったか?」ユードーにきかれ、サンクはダンジョンであったことを少し考えると、「あぁ!」と答えた。フィリナはサンクや魔物たちを見て、「そういえばレベルも上がってるみたいね」といった。

 

 サンクたちはギルドにいき、受付で瓶を渡し依頼を終えた報告をすませた。

 

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