コンパスの指すほうへと歩くと、そこは崖のような斜面だった。4人は少し戸惑い、話し合った結果向こうにその斜面を降りられそうな場所を見つけて降りた。
そこからさらにコンパスの方向へと歩いてみる。
「まずは敵の棲家を探さないとな。いったいどこなんだ?」そこは、岩山のふもとらしかったが、コンパスは岩壁を示している。
「この山の中にいるのか、それとも山の向こう側か…」ユードーはうーんと考える。
「もしかしたら洞窟でもあるのかもしれないわ。探してみましょう」
そこで、4人はその岩壁を歩いて探してみた。木々をかき分け、コンパスの示す動きを見ながら探していく。コンパスを持って歩くと針も少しずつ動き、悪魔の居場所が近いことがわかった。
「やっぱりこの中にいる!」4人はゴクッと息をのみ、ますます真剣に岩壁を見ていったのだった。
すると木々の向こうに…「あれは…!!」ぽっかりとあいた大きな穴が姿を見せた!
「こんなところに空洞が!!」「やっと見つけたぞ」4人はさっそくその空洞に足を踏み入れていった。武器を身構え、あたりに気を配りながら前に進んでいく。
「コンパスの通り進むと壁に当たっちゃうな」
「少し洞窟が曲がってるんでしょう。洞窟内では普通に探したほうがいいかもしれませんね」とあちこち眺める。
「でも、もうすぐ悪魔が出てくるかと思うとドキドキするなー、悪魔討伐なんていつもやってることなのに」
「今回の敵はこれまでより強そうですからね。油断はしないようにしないと」
サンクもこのあとの戦いを思い緊張しているようだった。もし勝てなかったらどうなるかわからないのだ。
フィリナはサンクに、「緊張してるの?」ときいた。
「うん。ちょっと」サンクは、「おれたちの力で勝てるといいけど」
「負けるつもりなんかないわよ。それにサンクもこれまでの旅でずいぶん強くなったんだから」
サンクはフィリナを見る。フィリナはいった。
「前に、悪魔討伐の依頼を受けて結局倒せなくて逃げ帰ったことがあったでしょ?」
最初のころ立ち寄ったアルカの町でのことだ。
「ごめんなさい、あのころは冒険者がこんなに危険だと知らなかったから……。サンクには、本当に大変な目にあわせてしまったと思ってるわ。あなたのことが気に入って……わたしの修行に付き合わせてしまって……」
(いまサラッとすごいこといわれた気がする…)とサンクは思う。
「でもあの敵は倒さなければいけない敵だし今回の戦いも全力を尽くすわ」とフィリナはいった。そして、「それにわたしのせいでサンクを死なせてしまったら親御さんに顔向けできないもの」
さて、そのまま洞窟を探し歩いていく。この空洞は割と広く、天井も高い。上から漏れた光かそれともコケの影響か、なんだか淡い水色に光っている。周りには岩陰がたくさんあり、4人は次はそこを探してみようかと足を進めた。そのとき!
「ギィ~ッ」突如後ろから、鳴き声となにかが羽ばたく音がして4人は振り向いた。すると!そこに立っていたのは、まぎれもないあの占い師のところで見たのと同じ悪魔だったのだ!!
「あいつは…!!」サンクはその、翼が生えた赤いヤギみたいな悪魔を見て驚いていた。まさにこれこそがあの日、自分の両親を石にしたのと同じ悪魔だったからだ!!
「あのときの悪魔だ!!」
フィリナたちも武器を構え、戦闘の用意をした。
「ギィッ!!」突如、悪魔がこちらに飛んできて、鋭い爪で攻撃してきた!「うわあっ!」慌ててよける!「むっ!」ユードーはその瞬間を見切って敵の悪魔にパンチをした!!
「プロテクションバリアー!!」ラファエロが急いでみんなの防御力を上げた!
「チビドラ!ファイアーボールだ!!」「ブライトボール!!」サンクとフィリナも立て続けに攻撃をあびせるが、悪魔はそれをかわし、上空へとよけた。
「ううむ…おれのパンチを食らったはずなのにあまりダメージは受けていないな…」「どうやらとても防御力が高いようね…」「ギィィッ!」悪魔は手を合わせ、なにか黒いもやを生み出しはじめた。フィリナはそれにハッとして、「危ない!よけて!」とサンクたちを急いで引っ張った。黒いもやの塊はそんな4人をかすめ、少し後方の地面に当たった。
「グァァ…!!」悪魔はうなり声を上げると再び飛んできてこちらに攻撃!ユードーはそんな悪魔の攻撃を受け止め、殴り返した!
「チビドラ!火を吐け!」「えいっ!!」その隙にほかの3人も攻撃し、ヒット!だが、悪魔は少しよろめいただけでまだまだ弱ってはいないようだ。
「…この悪魔はレベルが高いんだったわね。ちまちまやっても勝てないわ…」と力をためだすフィリナ。その間にも再び悪魔が攻撃技を放ってきて、4人はあわててよける!さらに襲ってきた悪魔にサンクは剣で切りかかり、ユードーは殴り、魔物たちも攻撃していた!
攻撃をかわすため悪魔が飛び上がった瞬間、「シャイニングメテオ!」フィリナは力をため終わり、腕を広げて叫んだ!光が流星のように降りそそぎ、敵の悪魔を攻撃する!!「わっ」「なんだ!?」
3人はその眩しさに目をくらませていた。ラファエロがそれを見、「まさかあの技が使えるとは…」と驚いていた。
攻撃が収まると…「グギ…」悪魔は体力を大きく減らし、よろめいていた。だがフィリナもMPを大きく減らし、ハァハァいっていた。
「敵が弱ってるわ!いまのうちに攻撃して!」フィリナに叫ばれ、ハッとしたサンクやユードーは急いで攻撃に向かった!!
「よぅし!たあっ!」「おりゃあ!」「グギ…」悪魔はよけきれずダメージを受けた。
「みなさん!これでもっと攻撃を増やしてください!ハイスピード!」ラファエロは加速技をかけた。おかげでサンクたちは動きが速くなりさらに攻撃することができた!ラファエロも槍で攻撃する!敵のほうもこちらに攻撃し、よけきれずダメージを受けてしまったこともあったが、それをラファエロやフィリナは回復した。
「どうも石化攻撃が使えないというのは本当みたいですね…」
MPがもう少ないフィリナはできるだけ補助に徹し、切れてしまったプロテクションバリアーやライトバリアーをかけ直した!
「たあっ!」サンクがちょうど着地した悪魔めがけて剣で攻撃!「ギャアッ!」それを受け、敵は結構ダメージを受けたようだった。「はあっ!」ユードーも敵を殴る!そんな2人を悪魔は腕で掴んで投げ飛ばした!「うわあっ!」「サンクッ!ユードー!」続いて敵は手に黒いもやを集め、それを2人めがけて放ってきた!ダメージを受けよろめいている2人に「よけてっ!」とフィリナは叫んだ。いまからだとテレポートしても間に合わない…っ!だが、サンクとユードーはどうにか残りの力を振り絞り、その技をかわすことができた。
悪魔はいまの攻撃で力を使い、ふらりと立っていた。その近くに、ポロとチビドラがいるのにハッと気づいたサンクは、「いまだ!ポロ!チビドラ!」と叫ぶ!「ワウッ!」「ガウッ!」ポロは噛みつき、チビドラは口から火を吐き、それが直撃した悪魔は、「グウッ…!!」苦悶の表情を浮かべると、そのままからだをのけぞらせ、バタンと倒れた。とたん、からだはシュゥゥ…と煙のようになり、悪魔は姿を消した。敵は完全に倒されたのだ。
サンクたちはあっけにとられ、しばらくそのままだったが、ゆっくりとそれを見にいった。
そして、ただただボーゼンとその場に立ち尽くす……。メインテーマが流れた。
本当は──だれかが倒してくれればいいと思っていた。自分たちがたどりつくまでに出会っただれかが……。でも、結局そんな人は現れず、自分たちで倒すこととなった。ふと、コンパスを見ると、コンパスはパカッと壊れ、もう動かなくなっていた。