楽器が全ての幻想紀行記   作:上黒峰 夜ウサ

8 / 8
絵に描いたような不定期更新、すいません。


第八項/モ○ハン4

「んぅ……睡蓮ぅ……スヤァ」

「(ホントどうしてこうなったんだろう)」

 突然だが、今俺は蓬莱NEETこと蓬莱山輝夜に抱きつかれて動けない。

 しかも姫さんは寝てて、障子の向こうではえーりん先生が覗いている。

 何故こうなったのか、順を追って説明しようと思う。

 

 ☆

 

「いや、姫、ノックぐらいしてくださいよ」

「なにいってんのよ、わざわざモン○ン4中断して来たのに」

 いや、4って何年前だっけ。やっぱ幻想郷は幻想になりかけのものしか来ないのかな?

 と言うのは置いといて、とりあえず俺もやってたし、話に乗ろうか。

「へぇ、モ○ハン4ですか、俺も良くやってましたよ」

「え、ほんとに!?ってことは、貴方は外来人ね?」

「ええ、紫さんから報告来て無かったですか?」

「そうね、『おもしろいのが来るかも??』としか言ってなかったわ」

 ほう。紫氏、そこらへんしっかりしといてくださいよ。

 ――って、てるよ氏、なにか言いたげな顔をされておりますが。

「よし、今すぐやりましょう、部屋に来なさい。あ、拒否権はないから」

 そして俺は、襟首をつかまれて、ズルズルと引きずられていった。

 

「あっ、えーりん先生、つまらないものですがこれを、って首絞まって……げふっ」

「……がんばってねー」

 

 ――がんばりたい、まじで。

 

 ☆

 

 というわけで、てるよ氏の部屋にやってきた。が……

「いや、PC凄すぎでしょ!!」

「ふふん」

 いや、画面とか三つあるし、十畳くらいの部屋の二畳分くらいはPCデスクで埋まってるし、もはやさすがとしか言えない。

 でも今はこれじゃない。モンハ○ン4だ。

「それで、モンハン○でしたね、どうしますか姫様」

「今日から私たちは狩友よ、姫様なんて他人行儀はやめて」

「じゃあぐーやで」

「アホ、そんなセンスない名前でよばないで」

 ……(´・ω・`)しょぼんぬ。

 でも名前で呼ばせてくれたし、打ち解けるのは成功かな。

 あとはどうやってMMOの話に繋げるかだけど、そもそもTeruyo氏じゃないかもしれないし。

 よし、まずは狩りしながらカマをかけることにしよう。

「じゃあまずはリオレ○ス希少種行きましょ」

「……いきなりまたえらいもんを」

「うん、いい感じに口調が砕けてきたわね、いい感じよ睡蓮」

 そりゃどーも。

「あ、そうだ、ここって幻想郷ですよね?」

「え、どういうこと?」

 いやだって、永遠亭だけPC(超高スペ)があったり、3○Sがあったりと、人里と文明レベル違いすぎるし。

 そのことを輝夜に伝えると、支給品を俺の分まで根こそぎ奪っていた手はそのまま動かし、画面から目を離さずに口を開いた。

「ああ、そんなこと?紫に頼んだに決まってるじゃない」

「いや、よく頼まれてくれたねぇ……」

「いや、紫もノリノリで一緒にFPSやってたりするから」

「あっはい」

 やっぱり紫は紫だった。←便利

 てか、今何気にネトゲの話でたよな?と、いうことで話題を変更してみる。

「へぇ、ネトゲですか、たとえば何を?」

「うーん……最近はFROとか?」

 ビンゴ。これ俺がやってた奴だ。ちなみにFROというのは、ファイナルリズムオンラインの略だ。

 それに、輝夜は「これでもかなり高ランクなのよ、ふふん」とか言っている。

 これはかなり輝夜=Teruyo説が本当である確立が高くなってきたな、と一人でニヤニヤしていた俺だったが。

「あ、ブレスきた」

「いやああああぁぁぁぁぁ」

 ガンナーの豆腐装甲だった俺(のキャラ)は死んだ。

 ……と思われたが、大剣を使っている輝夜がガードで間に入って助けてくれた。

 いや、普通はこんなことできんぞ。さすがはハイスペニートさんだ。

「ありがとうございます先輩ッ」

「ふふふ、まあ次から頑張ろうではないか」

「はいっ」

 ノリ良いですね姫様。

 と、バカなやり取りをしていたが、やはり楽しい時間はあっという間に過ぎるのか、もう(たぶん)夕方になってしまった。

 

「さて、もう夕方だから帰らないと」

「――えっ!?」

 えっ。

 帰っちゃいけないんですか……?

 と、そのとき、タイミングがいいのか悪いのか、俺のお腹から『ぐぅー』と、マヌケな音が聞こえてきた。

「今お腹へってるでしょ。へってるわよね?へってるっていいなさい!」

 やけにプッシュしてきますねぇ、この人。

「あー、確かに昼ごはん抜いてゲームしてたからへってきましたねぇ」

「よしっ」

 うん……?なんかガッツポーズしてるけど、俺のお腹がへってるのってそんなにいいことなのか……?

「なら、ウチで晩ごはんを食べていきなさい。いいわね?っと、えーりぃぃーーん!睡蓮もごはんたべてくからぁあーー!!」

「あの、俺の意見は……?」

「食べて、いきなさい?」

「いぇす、まむ」

 こぇぇ、笑顔なのに目が笑ってないぞ。ネトゲ時代にこんな表情、いや声は聞かなかったような気がするんだが。

 と、まぁいい感じにTeruyo氏にパーティーメンバーだったことを明かす準備が整ってきた。

 え?いま誘われなかったらどうするつもりだったって?

 いや、別れ際にサラっと明かして帰るつもりでしたが。

 はい、今外道って言った奴正直に手を挙げなさーい、お兄さん怒らないから。

 え?お前は見た目お姉さんだろって?うるさいやい。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。