ロクでなし魔術講師と死神の魔術師   作:灰ノ愚者

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【お気に入り】『176人』達成しました‼︎

皆さん‼︎ 本当に……本当にありがとうございます‼︎


『アレンジ版』として書き直してみました。
是非、見てみてください‼︎


さてはて、『ルミア』と『ノワール』の
『これから展開』は?そしてヒロインは一体、
どうなるか?



これからも続けて書いていけるように一生懸命
に頑張ります。

応援、もしくは評価をお願いします。



魔術の心理と僅かなやる気

「ど、どうして……いきなり…?

それに『何者』って言葉の意味が全然

分からないんだけど?」

 

 

(も、もしかしてバレた⁉︎ 何故? どうして?

 一体何処で……)

 

 

 

ノワールの脳内がパニッくって口をパクパクと

させていると、ルミアは凄く申し訳なくなって

ノワールに謝った。

 

 

 

「……ごめんね、ノワール君。

そこまで考え込ませちゃって多分、私の勘違い

だと思うから……だからごめんね……」

 

 

 

「……良いよ、最初はびっくりしたけど…

間違えは誰だってあるし気にすんなよ

ルミア?」

 

「……ごめんね、ノワール君……もしかしたら

私の知ってる『あの人』じゃあないかって

思ったから……」

 

 

 

その時、夕日の光に照らされて話すルミアは

何処か寂しそうな声で『あの人』、つまり……

ノワールの事を話していた。

 

 

 

 

 

 

「……そうなんだ………おっと、フィーベル家

に着いたぞ?」

 

 

 

「あ! 本当だ‼︎ 今日はありがとう‼︎

そして、ごめんね? 変な事を言って……」

 

 

 

「良いよ良いよ、早く家に入りなよ?」

 

 

 

 

「………………」

 

 

 

「?……ルミア?」

 

 

 

ルミアは一度止まり何かを決心したのか

ノワールの方を向きある質問していた。

 

 

 

「……ノワール君……最後に変な質問だけど、

『三年前』に本当に『会った事無いの?』」

 

 

 

「……………………」

 

 

 

ノワールは昔に泣き虫で子犬のような少女の

ルミアに偶然、会って『愚者』事グレンと共に

外道魔術師達からルミアを助けたあの月夜の

晩の日を覚えていた。

 

 

 

「私、ノワール君の事はどうしてかは全く

分からないけど……ノワール君とは他人には

思えないんだよ?」

 

 

 

ルミアは子犬のようにそんなノワールの顔を

覗き込んで潤んだ瞳でノワールを見ていた。

 

 

 

 

しかし…………

 

 

 

「……いや、会った事が無いな……」

 

 

 

ノワールがルミアにそんな嘘を付き自分の心を

押し殺しているとルミアは……

 

 

 

「……やっぱりそうだよね‼︎私、勘違いする

なんて馬鹿だな……ノワール君が『あの人』

だったらなぁ…って、考えちゃうなんて……」

 

 

 

「ルミア…………」

 

 

 

(ごめんな…ルミア……でも、これで良いんだ

……これで……)

 

 

 

ノワールはルミアに付いてしまった嘘の罪悪感

で苦しんでいるとルミアは…

 

 

 

「うん‼︎ じゃあ、ノワール君

今日はありがとう‼︎ また明日会おうね‼︎」

 

 

 

「あぁ、また明日な………」

 

 

 

ルミアがフィーベル家の家に入るのを確認すると

ノワールは大きな溜息を吐いて真っ赤に染まった

夕日を眺めながら愚痴を溢していく。

 

 

「はぁー、最初はバレたかと思ったが……

バレなくて良かった……のか?しかし、これで

良かったんだよな? ルミアは表の世界に住む

人間であり、僕は裏の世界に住む人間だから……

それに住む世界も全く違い過ぎる死神に成り果てた

暗殺者なのだから……アホらしい何を分かり切って

いる事を……さっさと帰ろう………」

 

 

 

ノワールは家に帰って布団に入り

そのまま、眠りについた。

 

 

 

「これで良いんだよな……イルシア?」

 

 

 

その一言を残して眠るとノワールはまたあの時

の夢を見て鮮明に覚えていた。あの銀色の冷たい

世界で何度も、何度も、伸ばしても届かなかった

この手は、血が流れ落ちて涙を流して冷たくなって

いくイルシアを助けられなかったあの悪夢に何度も

うなされ続けていた。

 

 

 

(僕が本当に欲しがった物は……

何だたんだろう……『平和な世界』か、

『復讐』か、それとも……彼女の……)

 

 

 

ノワールは昔、一体何を望み願ったのか、

それさえも、分からなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

次の日、授業の予鈴前。隣で熱心に授業の予習を

行うルミアを尻目に、システィーナは窓の外、

フェジテの空に浮かぶ『メルガリウスの天空城』

を頬杖つきながら、ぼんやりと 眺めていた。

フェジテを象徴する空の城。どうしてそこに

あるのか。いつからそこにあったのか。誰も

知り得ない謎と不思議に満ちた幻の城。

授業開始前に余裕があれば、それを遠望し、

その神秘に思いを馳せるのがシスティーナの

密かな日課だった。

 

 

……。

 

…………。

 

 

『ごらん、わしの可愛いシスティーナ。

あれがメルガリウスの天空城だよ』

 

 

昨日、無神経な講師に偉大なる祖父を間接的に

侮辱されたからだろうか。ふと、システィーナの

脳裏に懐かしい祖父の言葉が思い浮かんだ。

 

 

 

『どうじゃ? 綺麗じゃろう? あの城は気が

遠くなるほど昔から、フェジテの空にあのように

浮かんでいたのだよ。そう、何百年も……

何千年も……ずっと、ずっと長い間……』

 

 

 

天空の城を語る祖父の目はいつだって、

きらきらと輝いていたのを覚えている。

 

 

 

『ははは、皆がわしのことを、偉大な功績を

残した魔術師だのなんだのと煽てるが……

実はなんてことはない。わしが魔術を極めんと

した理由はな……そう、たった一歩だけ、あの城

に足を踏み入れたかった。あの荘厳なる全容を

間近で一目だけ見てみたかった。何千年もの間、

誰にも解けなかった空の城の謎を解き明かした

かった。それだけなのだよ』

 

 

 

その顔は幾ら歳を経て貫禄を得ても、

まるで夢見る少年のようで――

 

 

 

『なにしろ、あの城は遥か太古に滅んでしまった

魔法文明の残滓とも、母なる神がお創りたもうた

神の御座とも、言われておる。伝説によれば、

この世界の全ての叡智が眠っているとも。もし、

それが真実ならば、一体誰が作ったのか、なぜ

あそこに存在しているのか……わしの頭上には

いつだってこの世で極上の不思議があったのだよ。

思うだけで胸躍るこの浪漫……一魔術師として、

この謎、挑んでみたくないわけなかろうて』

 

 

 

 

システィーナは天空城に関する祖父の考察や

仮説、研究成果を聞くのが大好きだった。

 

 

 

だが……晩年、足腰が弱り、身体の調子の良く

なかった祖父は、この話をする時、少しだけ

寂しそうだった。足を踏み入れてみたかった、

一目だけでも見てみたかった。語られる夢は

みんな過去形で。実体の無い、ただそこに見える

だけのまやかしの城。魔術で空を飛んでそこへ

至ろうにも、寄れば夢幻と消えてしまう

蜃気楼の城。それは、なまじ目の前にある分だけ、

とても残酷な夢だ。恐らく、晩年の祖父は悟って

いたのだろう――もう、自分があの城に至ること

はないのだ――と。

 

 

――お爺様は夢を諦めてしまったの?

いつだったか、システィーナはたまらなくなって、

祖父に そう聞いたことがある。 今思えばそれは

とても残酷な質問だったかもしれない。

 

 

 

 

『……残念ながら、この世にはままならんことが

多々あるものなのだよ……わしの父も、祖父も、

曾祖父もな、皆、そうだった……あの城に至る

糸口すらつかめずに……な』

 

 

 

 

だが、祖父はただ、優しくシスティーナの頭を

なでた。

 

 

 

『本当に……残念なことじゃ……』

 

 

 

そう言って。遠く懐かしく、眩い物を見る

かのように、祖父は再び空の城に目を向ける。

天気は明朗、抜けるような青空に煌々と降り注ぐ

陽光、半透明の城はとてもよく映えた。

 

 

その時。その燦爛たる城と、それを望む祖父の姿

が、システィーナの魂を捕えた。その祖父の背中

が、眼差しが、あまりにも切なかったから――

その空に浮かぶ幻影の城の姿があまりにも眩く、

綺麗だったから――だから、その日、その時から、

祖父の夢はシスティーナの夢になったのだ。

 

 

――だったら、私がやる――

――私が、お爺様以上に立派な魔術師になって

――――私が、お爺様の代わりに

『メルガリウスの天空城』の謎を解いて

みせるわ――

 

 

…………。

 ……。

 

 

 

 

「おい、白猫」

 

 

 

頭上から突然、ぶっきらぼうな言葉が降って来る。

システィーナの背中がびくりと震え、その意識が

現実に立ち返る。目を向けずともわかる。

いつのまにか自分のかたわらに立っている

その男は、あの憎き非常勤講師だ。

 

 

「おい、聞いてんのか、白猫。返事しろ」

 

 

「し、白猫? 白猫って私のこと……?

な、何よ、それ!?」

 

 

がたん、とシスティーナは肩を怒らせて

席を立ち、グレンをにらみつけた。

 

 

「人を動物扱いしないで下さい!? 

私にはシスティーナっていう名前が――」

 

 

「うるさい、話を聞け。

昨日のことでお前に一言、言いたいことがある」

 

 

「な、何よ!? 昨日の続き!?」

 

 

システィーナは身構え、敵意に満ちた視線を

グレンに送った。

 

 

「そこまでして私を論破したいの!? 

魔術が下らないものだって決めつけたいの!? 

だったら私は――」

 

 

 

 

弁舌はグレンの方が上手だ。

口論になれば勝てないだろう。

だが、それでも、退くわけにはいかない。

自分は祖父の夢を背負っているのだ。

システィーナは無様をさらすことになろうとも

徹底抗戦の決意を固めて――

 

 

 

「……昨日は、すまんかった」

 

 

 

「え?」

 

 

 

そして、最も予想だにしてなかった言葉に、

システィーナは硬直した。

 

 

 

「まぁ、その、なんだ……大事な物は人それぞれ

……だよな? 俺は魔術が大嫌いだが……その、

お前のことをどうこう言うのは、筋が違う

っつーか、やり過ぎっつーか、大人げねえ

っつーか、その……まぁ、ええと、結局、

なんだ、あれだ、……悪かった」

 

 

 

グレンは気まずそうなしかめっ面で、目をそらし

ながら、しどろもどろと謝罪のような言葉を

つぶやき、ほんのわずかな角度だけ頭を下げた。

 

 

ひょっとして、それは謝っているつもり

なのだろうか?

 

 

「…………はぁ?」

 

 

その真意を量りかねて戸惑うシスティーナの

前で、話はこれで終わりだと言わんばかりに

グレンは踵を返し、教壇の方へと向かっていく。

そもそも、グレンは何しにここにやってきた

のだろうか。まだ授業開始時間前だ。グレンが

遅刻せずに教室にやってくるなんて……

何かおかしい。

 

「なんだよ……? 

何が起きてるんだよ……?」

 

 

「なぁ、カイ? 

ありゃ一体、 どういう風の吹き回しなんだ?」

 

 

「お、俺が知るかよ……」

 

 

(どうやら……なんとかギリギリ立ち直った

みたいだな『愚者』)

 

 

それはクラスの生徒達も同様で、あのグレンが

授業開始前に教室に姿を現したことに困惑を

隠せないようだった。

 

 

システィーナはどういうつもり? 

と言わんばかりの露骨な敵意に満ちた視線を

グレンに送った。だが、当のグレンは腕組みをして

黒板に背を預けて眼を閉じ、自身に集まるクラス中

の猜疑の視線に完全無視を決め込んでいた。

やがて予鈴が鳴る。

 

 

どうせ遅刻せずには来たけど立ったまま

寝ているんだろ、との大方の予想を見事に

裏切ってグレンは目を開き、教壇に立った。

 

 

 

そして信じられないことを言った。

 

 

 

「じゃ、授業を始める」

 

 

 

どよめきがうねりとなって教室中を支配した。

誰もが顔を見合わせる。

 

 

 

「さて……と。

これが呪文学の教科書……だったっけ?」

 

 

グレンが教科書を開いてぱらぱらとページを

めくっていく。めくるごとにその顔が苦い物に

なっていく。やがて、グレンは露骨にため息を

ついて教科書を閉じた。

 

 

 

何事かと構える生徒達の前で、グレンは窓際へと

ずかずか歩み寄り、窓を開き……

 

 

「そぉい!」

 

 

窓の外へとその教科書を投げ捨てていた。

 

 

(あ‼︎ あの馬鹿‼︎ やっぱり……まだ、脳味噌

が腐ったままだったか…残念な結果と脳味噌だ…)

 

 

そしてクラスの全員はそんなグレンの姿を目に

して呆れていた。ああ、やっぱりいつもの

グレンだ。もうすっかり見慣れたグレンの奇行に、

生徒達は失望のため息と共に各々自分の好きな

教科書を開いた。今日も自習の時間が始まるのだ。

 

 

だが。

 

 

「さて、授業を始める前にお前らに一言言って

おくことがある」

 

 

再び教壇に立ったグレンは一呼吸置いて――

 

「お前らって本当に馬鹿だよな」

 

 

 

なんかとんでもない暴言を吐いた。

 

 

(お前、何なの…? いきなり『馬鹿』とか…

愚者……お前、前から思っていたが…人を

イラつかせる才能だけは本当にピカイチだな……

あの親馬鹿の『灰燼の魔女』の気持ちが何故か

今になって分かった気がする………)

 

 

 

 

「昨日までの十日間、お前らの授業態度見てて

わかったよ。お前らって魔術のこと、なぁ~ん

にもわかっちゃねーんだな。わかってたら呪文の

共通語訳を教えろなんて間抜けな質問出てくる

わけないし、魔術の勉強と称して魔術式の書き取り

やるなんていうアホな真似するわけないもんな」

 

 

 

(お馬鹿‼︎、お前はもう黙ってろ⁉︎)

 

 

 

今、まさに羽ペンを手に教科書を開き、魔術式の

書き取りを行おうとしていた生徒達が硬直する。

 

 

 

「【ショック・ボルト】程度の一節詠唱も

できない三流魔術師に言われたくないね」

 

 

 

誰が言ったか。しん、と教室が静まり返る。

そして、あちらこちらからクスクスと

押し殺すような侮蔑の笑いが上がった。

 

 

 

「ま、正直、それを言われると耳が痛い」

 

 

ふて腐れたようにグレンは

そっぽを向きながら小指で耳をほじる。

 

 

 

「残念ながら、俺は男に生まれたわりには

魔力操作の感覚と、後、略式詠唱のセンスが

致命的なまでになくてね。

学生時代は大分苦労したぜ。だがな……

誰か知らんが今、【ショック・ボルト】『程度』

とか言った奴。残念ながらお前やっぱ馬鹿だわ。

ははっ、自分で証明してやんの」

 

 

 

教室中に、あっと言う間に

苛立ちが蔓延していく。

 

 

 

 

「まぁ、いい。じゃ、今日はその件の

【ショック・ボルト】の呪文について話そうか。

お前らのレベルならこれでちょうど良いだろ」

 

 

 

あまりにもひどい侮辱にクラスが騒然となった。

 

 

 

「今さら、【ショック・ボルト】

なんて初等魔術を説明されても……」

 

 

 

「やれやれ、僕達は【ショック・ボルト】なんて

とっくの昔に極めているんですが?」

 

 

 

(【ショック・ボルト】の授業か…

つまらなそうだし…寝ようかな…)

 

 

 

ノワールはその決意した瞬間、一瞬にして

居眠りに専念していた。

 

 

「はいはーい、これが、

黒魔【ショック・ボルト】の呪文書でーす。

ご覧下さい、なんか思春期の恥ずかしい詩

みたいな文章や、数式や幾何学図形がルーン語で

みっしり書いてありますねー、これ魔術式って

言います」

 

 

生徒達の不平不満を完全無視してグレンは本を

掲げて話し始めた。

 

 

「お前ら、コイツの一節詠唱ができるくらい

だから、基礎的な魔力操作や発声術、呼吸法、

マナ・バイオリズム調節に精神制御、記憶術……

魔術の基本技能は一通りできると前提するぞ? 

魔力容量(キャパシティ)も意識容量(メモリ)も

魔術師として問題ない水準にあると仮定する。

てなわけで、この術式を完璧に暗記して、そして

設定された呪文を唱えれば、あら不思議。魔術が

発動しちゃいまーす。これが、あれです。

俗に言う『呪文を覚えた』っていう奴でーす」

 

 

そして、グレンは壁を向いて 左指を指し、

呪文を唱えた。

 

 

 

《雷精よ・紫電の衝撃以て・撃ち倒せ》

 

 

 

グレンの指先から紫電が迸り、壁を叩いた。

相変わらずの三節詠唱に軽蔑の視線が集まるが、

グレンは気にする素振りを見せない。

たった今、自分が唱えた呪文を ルーン語で

黒板に書き表していく。

 

 

 

「さて、これが【ショック・ボルト】の基本的な

詠唱呪文だ。魔力を操るセンスに長けた奴なら

《雷精の紫電よ》の一節でも詠唱可能なのは……

まぁ、ご存知の通り。じゃ、問題な」

 

 

 

グレンはチョークで黒板に書いた呪文の節を

切った。

 

 

 

 

《雷精よ・紫電の・衝撃以て・撃ち倒せ》

 

 

 

 

すると三節の呪文が四節になった。

 

 

「さて、これを唱えると何が起こる?

当ててみな」

 

 

クラス中が沈黙する。

 

 

何が起こるかわからないというより、

なぜそんなことを聞くのかという困惑の沈黙だ。

 

 

 

「詠唱条件は……そうだな。

速度二十四、音程三階半、テンション五十、

マナ・バイオリズムはニュートラル状態……

まぁ、最も基本的な唱え方で勘弁してやるか。

さ、誰かわかる奴は?」

 

 

 

沈黙が教室を続いて支配していた。

答えられる者は誰一人いなかった。

優等生で知られるシスティーナすら、

額に脂汗を浮かべて悔しそうに押し黙っている。

 

 

 

「これはひどい。まさか全滅か?」

 

 

 

「そんなこと言ったって、そんな所で節を

区切った呪文なんてあるはずありませんわ!」

 

 

 

クラスの生徒の一人、ツインテールの少女――

ウェンディがたまらず声を張り上げ、

机を叩いて立ち上がる。

 

 

 

「ぎゃ――はははははッ!? ちょ、お前、

マジで言ってんのかははははははっ!」

 

 

 

返ってきたのは下品極まりない嘲笑だった。

 

 

 

 

「その呪文はマトモに起動しませんよ。

必ずなんらかの形で失敗しますね」

 

 

 

クラスではシスティーナに次ぐ成績を持つ

男子生徒――ギイブルが立ち上がり、

眼鏡を押し上げながら負けじと応戦する。

 

 

 

「必ずなんらかの形で失敗します、だってよ!? 

ぷぎゃ――ははははははははっ!」

 

 

 

「な――」

 

 

 

「あのなぁ、あえて完成された呪文を

違えてんだから失敗するのは当たり前だろ!? 

俺が聞いてんのは、その失敗がどういう形で

現れるのかって話だよ?」

 

 

 

打ちひしがれたようにうつむく

ギイブルを尻目に、

 

 

 

「何が起きるかなんてわかるわけありませんわ! 

結果はランダムです!」

 

 

 

ウェンディはさらに負けじと吠え立てるが――

 

 

 

「ラ ン ダ ム!? お、お前、

このクソ簡単な術式捕まえて、ここまで詳細な

条件を与えられておいて、ランダム!? お前ら

この術、極めたんじゃないの!? 俺の腹の皮を

よじり殺す気かぎゃははははははははははっ! 

やめて苦しい助けてママ!」

 

 

ひたすらグレンは人を小馬鹿にするように

大笑いし続ける。この時点でクラスの苛立ちは

最高潮に達していた。

 

 

 

「さてと、次は誰に……」

 

 

 

「…zzzZ Z Z Z」

 

 

「……よし、決めた‼︎ 次はノワール‼︎

お前だ‼︎ついでに昨日の分と一緒に倍にして

お前を泣かす‼︎」

 

 

グレンはノワールの近くに歩くと

ルミアはノワールの体を優しく揺すった。

 

 

 

「ノワール君! 起きて‼︎ 

グレン先生が来てるよ‼︎」

 

 

 

「……………ん? んにゃ?

おはようルミア……どうしたのルミア?

もしかして……もう昼ご飯?」

 

 

 

 

「あははは……」

 

 

 

「?」

 

 

ノワールが寝ぼけて目を擦りながら、ルミアの顔

を見るとルミアの顔は汗をかきながら苦笑い

していた。すると背後からもの凄い邪悪な笑み

とオーラを纏っているグレンの姿があった。

 

 

「ほ〜う、ノワール君? 授業中に居眠りとは

良い根性だね? ちなみに今は昼ご飯ではないぞ?

まだ授業中なんだがな……? そんな君に今、

ピッタリでとっても良い効く眠気覚ましの

プレゼントを君に与える事にしようじゃないか‼︎」

 

 

 

「……へ? ぐ、グレン先生? い、今から

始めるその指の仕草はじ、冗談ですよね?

嘘ですよね?」

 

 

 

「今の俺の姿が嘘や冗談に見えるか?」

 

 

 

グレンの顔が邪悪な笑みを浮かべながら

口元をニヤリとさせて指をポキポキさせながら

邪悪なオーラをノワールに向けていた。

 

 

「で、デスヨネー‼︎」

 

 

「という訳で、有り難く受け取れよ?」

 

 

 

「イヤだーーーーーー‼︎」

 

 

 

グレンは逃げようとするノワールにそう言って

拳骨の刑がノワールの頭に炸裂し執行された。

 

 

 

「ぐ、グレン先生‼︎ ごめんなさい‼︎

ごめんなさい‼︎ ごめんなさい‼︎ 

反省しました‼︎ あ、頭が‼︎ 割れる‼︎ 割れる‼︎ 

ほ、本当にごめんなさい‼︎ 許してください‼︎

あ、ああ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 

 

 

ノワールの絶叫は教室の外まで響いた。クラスの

全員はかなり青ざめていた。まぁ、ノワールに

とってはかなりの眠気覚ましになったみたいなの

だが……

 

 

 

 

 

 

「……痛い…グレン先生? 生徒への暴力は

良くないですよ? 全くグレン先生は全く生徒

に対しても短期なんだから……」

 

 

 

「居眠りしていたお前が言うな‼︎」

 

 

 

「そうよ‼︎ 今回は貴方が悪いわ‼︎」

 

 

「そうだよ?

今回はノワール君が悪いと思うよ?」

 

 

 

システィーナの厳しい注意とルミアの天使の様な

笑顔で二人はノワールに言うとノワールは納得

した顔をしていた。

 

 

 

「なりほど‼︎ だからグレン先生はこんなに邪悪な

笑みを浮かべて更には負け犬オーラを全開にして

……痛い‼︎ 痛い‼︎ 痛い‼︎ 痛いよ‼︎

許してください‼︎ 何卒お慈悲を‼︎

お願いします‼︎ グレン先生‼︎」

 

 

 

「そんなオーラとか無いからな普通は……たくっ、

じゃあ、ノワールお前にはこの問題が分かるか?」

 

 

 

 

「え? えーと……これは……」

 

 

 

グレンは邪悪な笑みを浮かべて笑っていた。

ノワールに日頃の仕返しをしようと考えていた。

 

 

 

「……グレン先生……僕はこの黒板に書いてある

【ショック・ボルト】の問題の答えを言えば

良いんですか?」

 

 

 

「おう!そうだ‼︎ 早く答えな? 

答えられなかったら、一カ月間の昼飯はお前の

奢りだからな?」

 

 

グレンはノワールが赤っ恥をかく姿を悪人みたいな

笑みを浮かべて想像して、「くっくっくっ」と笑い

を堪えていた。

 

 

 

「グレン先生‼︎ あなたと言う人は……ッ‼︎」

 

 

 

「別に良いだろう? 俺は講師でこれは授業

なんだからさぁ? 何処か間違っているか?

なあ、白猫?」

 

 

 

「うっ‼︎ そ、それは……」

 

 

 

それを見ていたシスティーナ達もグレンの横暴な

態度に呆れて大人気ないと思いながらもノワール

に同情をしていた。しかし次の瞬間、ノワールの

ある行動でグレンやシスティーナ達の予想とは全く

違う結果となった。

 

 

 

「ふむ…分かりました……答えは……

右に曲がるですか?」

 

 

 

 

「へ?」

 

 

「「「え?」」」

 

 

 

グレンやクラスの全員はすっとぼけた声を

出していた。どうやらこの展開は誰も予想は

出来なかったみたいだった。

 

 

 

「? グレン先生これでいいですか?

それともどこか間違っていますか?」

 

 

 

「あ、あぁ……正解だ……」

 

 

 

グレンはノワールがまさか答えを言い当てる

なんて思っていなかったのか口を開けてポカーン

としていた。

 

 

 

「チィ! 面白くねぇな! 後、俺の昼飯分‼︎」

 

 

 

 

その時のグレンの顔はとても悔しそうな顔を

していかにも『空気読めよ』という顔をしながら、

最後はとてもガッカリした顔をしていた。

 

 

 

 

(何故だ?……答えは正解の筈なのに何故、

こんなにも嬉しくないのだろう? それに愚者

の奴は今、舌打ちしたよね⁉︎ 僕は悪くないのに

……なんであいつにあのような態度と言葉を

発せられなければいかんのだ⁉︎解せぬ‼︎ 

解せぬぞーー‼︎ 愚者‼︎)

 

 

 

「あの〜……グレン先生……?」

 

 

 

「じゃあ、今から手本で呪文を四節にして

唱えますね〜」

 

 

 

「無視かーーい‼︎」

 

 

 

グレンはそんなノワールの嘆きの叫びを無視

しながらも、四節になった呪文を唱えた。

グレンの宣言通り、狙った場所へ直進するはずの

力線は大きく弧を描くように右に曲がって壁へと

着弾した。

 

 

 

「さらにだな……」

 

 

 

《雷・精よ・紫電の・衝撃以て・撃ち倒せ》

 

 

 

さらにチョークで節を切る。

 

 

「加えて射程が三分の一くらいになるかな」

 

 

 

これも宣言通りになった。

 

 

「で、こんなことをすると……」

 

 

 

《雷精よ・紫電  以て・撃ち倒せ》

 

 

 

今度は節を元に戻し、呪文の一部を消す。

 

 

 

「出力が物凄く落ちる」

 

 

 

グレンはいきなり生徒の一人に向けて呪文を

撃った。だが、撃たれた生徒は何も感じなかった

ようで目を白黒させる。

 

 

 

「ま、極めたっつーなら、これくらいは

できねーとな?」

 

 

 

(流石は愚者のグレン=レーダス……魔術の知識

は今も健在だな…)

 

 

指先でチョークをくるくる回転させ、見事なまで

のどや顔のグレン。腹立たしいことこの上ないが、

誰も何も言い返せない。このグレンという三流

魔術師には術式や呪文について、自分達には

見えていない何かが確かに見えているからだ。

 

 

(それに…愚者の独壇場になっているな……)

 

 

「そもそもさ。お前ら、なんでこんな意味不明な

本を覚えて、変な言葉を口にしただけで不思議現象

が起こるかわかってんの? だって常識で考えて

おかしいだろ?」

 

 

 

「そ、それは術式が世界の法則に干渉をして――」

 

 

 

とっさにこぼれたギイブルのそんな発言を、

グレンは即座に拾う。

 

 

 

「とか言うんだろ? わかってる。

じゃ、魔術式ってなんだ? 式ってのは人が理解

できる、人が作った言葉や数式や記号の羅列

なんだぜ?魔術式が仮に世界の法則に干渉する

として、なんでそんなものが世界の法則に干渉

できるんだ? おまけになんでそれを覚えないと

いけないんだ? で、魔術式とは一見なんの関係

もない呪文を唱えただけで魔術が起動するのは

なんでだ? おかしいと思ったことはねーのか?

ま、ねーんだろうな。それがこの世界の当たり前

だからな」

 

 

 

これはまさにグレンの指摘どおりで、生徒達の

誰もが――システィーナすらも、そういうものだと

勝手に流してしまっていたことだった。なにしろ、

そんなことを考えなくても術式と呪文を一生懸命

覚えれば使える魔術はどんどん増えていく。魔術の

勉強で浮かぶ疑問と言えば習得や実践法に関する

ことばかりで、根本的な理屈に関しては二の次

だった。そして、習得することそれ自体が楽しくて

誇らしくて、皆、記憶して覚えた呪文の数ばかりを

競ってきた。習得した呪文の数が自身の優秀さの証

だった。そういう根本的なことを突き詰めて考える

余裕は生徒達にはなかったのだ。

 

 

 

「つーわけで、今日、俺はお前らに、

【ショック・ボルト】の呪文を教材にした術式構造

と呪文のド基礎を教えてやるよ。ま、興味ない奴は

寝てな」

 

 

 

 

しかし、今この教室内において欠片でも眠気を

抱いている生徒は誰一人いなかった。グレンは

まず魔術の二大法則の一つ『等価対応の法則』の

復習から始めた。大宇宙すなわち世界は、小宇宙

すなわち人と等価に対応しているという古典魔術

理論である。世界の変化は人に、人の変化は世界

に影響を与えるというものだ。

 

 

 

「占星術なんてまさに等価対応の賜物だよな。

星の動きを観察して、人の運命を読む。つまり、

世界の影響が人に及ぼす影響を計算する術だ。

魔術ってのはその逆なわけだ」

 

 

 

では、魔術式とは何か? それは世界に影響を

与えるものではない。人に影響を与えるものだ。

人の深層意識を変革させ、それに対応する

世界法則に結果として介入する、それが魔術式

の正体だ。

 

 

「要するに魔術式ってのは超高度な自己暗示

っつーコトだ。だから、お前らが魔術は世界の

真理を求めて~なんてカッコイイことよく言う

けど、そりゃ間違いだ。魔術は人の心を突き

詰めるもんなんだよ」

 

 

つまりルーン語とは最も効率良く、効果的かつ

普遍的に、自己暗示による深層意識変革を

起こせるよう、人間が長い歴史の中で編み出した

暗示特化専用言語に過ぎない。

 

 

「何? たかが言葉ごときに人の深層意識を

変えるほどの力があるのが信じられないだって?

……ったく、あー言えばこう言う奴らだな……

おい、そこの白猫」

 

 

「だから私は猫じゃありません!

私にはシスティーナって名前が――」

 

 

「……愛している。

実は一目見たときから俺はお前に惚れていた」

 

 

「は? ……な、……な、なななな、

貴方、何を言って――ッ!?」

 

 

(お? いきなり告白とは……かなり大胆だな?

愚者?)

 

 

「はい、注目ー。

白猫の顔が真っ赤になりましたねー? 

見事に言葉ごときが意識になんらかの影響を

与えましたねー? 比較的理性による制御の

たやすい表層意識ですらこの有様なわけだから

理性のきかない深層意識なんて――ぐわぁっ⁉︎

ちょ、この馬鹿! 教科書投げんなッ⁉︎」

 

 

「馬鹿はアンタよッ! 

この馬鹿馬鹿馬鹿――ッ!」

 

 

(デスヨネー)

 

 

一騒動の後、顔を真っ赤に腫らしたグレンは

術式と呪文の関係について話し始める。

 

 

「核心を先に言っちまえば、やっぱ文法と公式

みたいなのがあるんだよ。深層意識を自分が望む

形に変革させるためのな」

 

 

そして、グレンは呪文とは深層意識に

覚え込ませた術式を有効にするキーワードと

説明する。このキーワードを唱えることで、

術式が深層意識を変革させる。

 

 

「ま、要は連想ゲームだわな。例えば、そこの

白猫娘と聞けば白髪、と誰もが連想するように

呪文と術式の関係も同じだ。ルーンで呪文を括る

ことで相互――痛ぇッ⁉︎ ちょ、頼むから教科書

投げないでぉおぶはぁッ⁉︎」

 

 

(愚者め‼︎ ざまあみろ‼︎)

 

 

ノワールは今のグレンの酷い目に遭っている姿を

見てとても満足した表情をしてしている中、

グレンの顔にさらに本の痕がつく。

 

 

「要するに、呪文と術式に関する魔術則……文法

の理解と公式の算出方法こそが魔術師にとっては

最重要なわけだ。なのにお前らと来たら、この部分

を平気ですっとばして書き取りだの翻訳だの、

覚えることばっか優先しやがって。教科書も

『細かいことはいいんだよ、とにかく覚えろ』と

言わんばかりの論調だしな」

 

 

生徒達も今度こそ、ぐうの音も出ない。

 

 

「要するに、だ。呪文や術式を分かりやすく翻訳

して覚えやすくすること、これがお前らの受けて

きた『分かりやすい授業』であり、ガリガリ書き

取りして覚えること、これがお前らの『お勉強』

だったんだろ? もうね、アホかと」

 

 

グレンは肩をすくめて、呆れ返ったように鼻を

鳴らした。

 

 

「で、その問題の魔術文法と魔術公式なんだが……

実は全部理解しようとしたら、寿命が足らん……

いや、怒るな。こればっかりはマジだ。

いや、本当に」

 

 

ここまで持ち上げておいてなんだと、

非難めいた視線がグレンに集まる。

 

 

「だーかーら、ド基礎を教えるっつったろ? 

これを知らなきゃより上位の文法公式は

理解不可能、なんていう骨子みたいなもんが

やっぱあるんだよ。ま、これから俺が説明する

ことが理解できれば……んーと」

 

 

少しの間、グレンはこめかみを小突きながら

考え込んで。

 

 

「《まぁ・とにかく・痺れろ》」

 

 

三節のルーンで変な呪文をゆっくり唱えた。

すると、驚くことに【ショック・ボルト】の

魔術が起動した。生徒達は目を丸くした。

 

 

「あら? 威力が思ったより弱いな……まぁいい、

こんな風に即興でこの程度の呪文なら改変する

ことくらいはできるようになるか? 

大抵精度落ちるからお勧めしないが」

 

 

ここに来て、ようやく生徒達のグレンを見る目

が変わってくる。

 

 

「グレン先生‼︎」

 

 

「ん? なんだ? ノワール?」

 

 

「結局のところグレン先生は

『一節詠唱は出来ないんですか?』」

 

 

「の、ノワール君⁉︎ だ、駄目だよ‼︎」

 

 

 

「え? ルミア? 何が? どう言う事?」

 

 

ノワールは悪意ではなく本当に気になって

グレンに聞いてみるとグレンの額が汗で

ぐっしょりになっていた。

 

 

「……………………」

 

 

「グレン先生?」

 

 

「じゃ、これからいよいよ基礎的な文法と

公式を解説すんぞ。ま、興味ない奴は寝てな。

正直マジで退屈な話だから」

 

 

「グレン先生‼︎

無視だけはやめてくだい‼︎ いくら僕でも

それはメンタルが地味に傷つきますから‼︎」

 

 

今、ノワールの絶叫の中、教室内において

欠片でも眠気を抱いている生徒はやはり、

誰一人としていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――。

 

 

――同時刻。フェジテの某所にて。

 

 

『計画は順調か?』

 

 

「ええ、順調ですよ?」

 

 

一筋の光も差さぬ真っ暗闇の中、その男は柔和な

笑みを浮かべながら、耳元に当てた半割りの宝石

から響いてきた声の質問に答えた。

 

 

『で? その講師……ヒューイ=ルイセンは

今、どこに?』

 

 

「はは、『彼』ですか? もちろん『消えました』」

 

 

『ふっ、はははっ、そうか『消えた』か』

 

 

「……はい。問題は『彼』の後釜に入ってきた

方なのですが」

 

 

『グレン=レーダス、か。講師の補充は想定内

だが、まさかここまで早いとはな。どうも

あの魔女の差し金らしい』

 

 

「はは、万事が上手くいくというわけは

ありませんから」

 

 

男は肩をすくめて、おどけてみせる。

 

 

「しかし、あのアルフォネア教授が直々に連れて

来た魔術師……大丈夫なのでしょうか?」

 

 

『グレンが我々の計画の障害となるか否かに

ついてだが、私は問題ないと判断した』

 

 

「そうなのですか?」

 

 

『ああ。このグレンという男。あの魔女が連れて

来た魔術師ということで警戒して調べてみれば……

なんてことはない。第三階梯(トレデ)止まり

の三流魔術師。我々の敵ではない』

 

 

「となるとやはり……」

 

 

『ああ、計画実行予定日はやはり、件の魔術学会

開催の日だ。その日、学院の主要な教授、講師格

の魔術師達は全員魔術学院を出払う。そして、

その日は『あの』クラスの生徒達だけが、魔術学院

に来ることになる。まさに絶好の日だ』

 

 

「……目標がなんらかの事情で学院の授業を

欠席した場合はどうしますか?」

 

 

『計画を破棄すればいいだけの話。元より

あの組織にとって今回の作戦、そして我々の価値

などその程度だ』

 

 

「はは、難儀な組織に忠誠を誓ったものですね、

我々も」

 

 

『構わん。あの組織は私に全てを与えてくれる』

 

 

「お互い様、というわけですか?」

 

 

『ああ』

 

 

「ふふ、では計画の成功を祈りましょう。

『天なる智慧に栄光あれ――』」

 

 




何とかアレンジ版を書けました。

できれば、意見、感想、評価、もしくは
お気に入りなどよろしくお願いします。


正直に言って眠い……(´-ω-`)


はっはっは‼︎ と言うか、寝る(_ _).。o○
お布団というオアシスにダイブーー‼︎
ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
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