Fate/School Life  奏でるは立香の思い   作:日々はじめ

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キャラ崩壊は免れぬ…!!

英霊たちが出てくるとその英霊について様々なことを付けくわて行きたいと思っています。間違ったことも書いてしまうかもしれませんがその時はご指摘してくださると幸いです。

なぜそのようなことをするのかって?受験生にも優しい小説にしたいからだよ!!(迫真)


2話 一つの家と二人の同居人

 「あら、あなたが噂のマスター候補?」

 

 黒い聖女は今さっき入ってきた青年へと声を掛ける。突然、声を掛けられたことに驚いたのか慌て始める。

 

 「あっ、はい…」

 

 このカルデア学園に転入生が来るというのはもう全校生徒に伝わっているのでこの青年がマスター候補だということにはすぐにわかった。

 

 しかし、心なしか顔が絶望一色に染まっている気がする。まぁ、そんなのは気にしても意味がない。まずこの泣きじゃくっている馬鹿な聖女を泣き止まさなければいけない。

 

 「ほらっ、もう先生が来るわよ。さっさと泣き止んで自分の席に座りなさい」

 「ぐすっ…」

 

 もうお嫁に行けないと涙声で言っている。

 

 …やりすぎちゃったかしら。

 

 本来、聖女というのは穢れがあってはいけない存在である。故に、卑猥なことは断じて許されてはいけない。にも拘わらず女性の下着の色をばらしたので唯の女性なら普通に傷つく、それに加えジャンヌは聖女だ。精神的ダメージは計り知れない。

 

 喧嘩はよくするけどこんな破廉恥な仕返しはしたことがなかったわね。

 

 今までの内容を思い返すと罪悪感に体が蝕まれた。…今回ばかりは素直に謝ろう。しかし、普通に謝っては許してくれない気がする。もう、あの手しかないのか?

 

 最終手段を考え、それを実行しようと考えると顔が熱くなる。ほかの生徒に聞かれるのは面目というのが損失されるためジャンヌだけに聞こえるように優しく抱きしめて耳元で囁く。

 

 「――ごめんなさい、お姉ちゃん」

 「~~~~~~~ッ!!」

 

 オルタがお姉ちゃんと呼んだ瞬間ジャンヌは今の状況を再確認した。オルタに抱きしめられ耳元で囁かれた?そう認識すると顔が火照りだす。

 

 すぐにその抱擁から離れ顔を赤くしたままその謝罪を受け入れる。

 

 「ゆっ、許す!」

 

 春の陽気な風に吹かれて棚引く金色の髪の毛が余計にジャンヌ・ダルクという女性の美しさを引き上げた。

 

 

 

 えーっと、この場合俺はイイハナシダナーと棒読みで言えばいいのか?

 

 目の前で姉妹喧嘩(?)が終結している光景を藤丸はただ茫然と眺めることしかできなかった。後から聞くに、この二人の喧嘩は珍しくないらしく一種のこの学園の名物と化しているらしい。そして、一部の男子生徒からはこの二人の喧嘩は物凄く人気なのだという。

 

 何故か?その答えは至って単純だ。終わりに近づくにつれてとても百合百合しくなるからだ。

 

 俺にそんな趣味はないが目の前の光景は確かに何か良いものを感じた。と、心の中で思うと一部の男子生徒がこちらを見つめていた。

 

 その眼差しは歓迎の眼差しだった。

 

 このクラスの歓迎ではない。ようこそ、こちら側へと言っている感じがした。

 

 うん。これはスルーしよう。

 

 そんなことを思っていると後ろから気配がしたので振り返る。そこには、王がいた。圧倒的な存在感。自分よりも強いという雰囲気。あふれ出るカリスマ。

 

 「席に着きなさい」

 

 凛とした声が教室内に響き渡ると生徒たちが一斉に席に座る。その光景からこの人物の立ち位置というのを即座に理解した。

 

 「君がリツカか。マリーから話は聞いている。皆、今日からここで一緒に学友として過ごすフジマルリツカだ!仲良くしてください」

 「―――」

 「・・・わかりましたか?」

 『はい!!』

 

 この金髪のお姉さんは絶対に怒らせてはいけない。今の光景を見てそう思った。だって、あんな怖そうな生徒ですら冷や汗かいて焦ってるだもん!!

 

 「えっと…」

 

 未だに把握できない藤丸はその人物に戸惑いながら声を掛ける。

 

 「自己紹介が遅れましたね。私は、アルトリア・ペンドラゴン。クラスはセイバーです。このクラスの担任でもあります。宜しくお願いします」

 「あっ、こちらこそ」

 

 そのまま促されるまま席に案内されて俺は驚愕に襲われ、ほかのクラスメートとなる人たちから怨恨を向けられた。

 

 教室の自分の席において最も良いとされる場所はどこだろうか。目が悪い人や勉強熱心の人は前の席だろう。そして、不真面目とか勉強に興味ない人は後ろの席を好むだろう。だが、俺の席は所謂神席というものである。教室内の窓側一番後ろ、ラブコメ主人公ご用達最強席が俺の席だった。

 

 そこまで行き机の横に鞄を掛けると隣の席の人に声を掛けられる。その声の主に気が付くと先ほど泣きじゃくっていた金髪の美少女だと気が付いた。

 

 「よろしくお願いします。リツカさん。私はジャンヌ・ダルクと言います」

 

 名前を聞いた瞬間あのジャンヌ・ダルク!?と声を出してしまった。それをみて口元を上品に隠しほほ笑む。これほんとにさっきまで泣いていた女性なん?別人にしか見えないのだが。

 

 「ふふっ、はい。あのジャンヌ・ダルクです。その反応からするに史実については一通り勉強してきようですね」

 「まぁ、英霊というのは史実において多大なる貢献をした人物などが呼ばれるわけですし…」

 

 ジャンヌ・ダルク。オルレアンの乙女とも呼ばれる世界的に有名な聖女である。100年戦争、まぁこれはぶっちゃければフランスとイギリスが王位継承権をめぐってドンパチした戦争であると理解してほしい。そこで、物凄い活躍をしたのがこの女性だ。フランスのドンレミという所で生まれ幼いことから神の啓示を受け取りイングランドと戦ったっていう逸話が残されている。しかし、最終的にジャンヌ・ダルクは命を落とした。自分の国に、守っていた国民に、殺されたのだ。

 

 しかし、まぁ…。担任はブリテンの王様で?隣が聖女と来たか…。あれ、じゃあさっきジャンヌと一緒にいたあの女性だれだ?姉妹だということは見てわかった。しかし、ジャンヌ・ダルクの妹であるカトリーヌは英霊になれるほど有名ではない。

 

 これは、後で直接本人に聞いてみよう。というか、ジャンヌの隣に座っているメガネを掛けた女の子はいつまで菓子パンを貪っているんだよ。それ何個目だ。

 

 「では、ホームルームを始めます」

 

 セイバーが今日の要項をみんなに伝える。始業のベルが豪快に鳴り響く。

 

 

 今日は始業式と自己紹介みたいなものしかなく本格的な授業は明日から始まるらしいので午前中に学校が終わり迎えに来てくれたマシュと共に自分が住む家へと向かっていた。備考だがマリーは隣のクラスだった。合同体育で一緒になれるらしい。やったぜ。

 

 そういえば、あのジャンヌがオルタと言っていた女性について聞き忘れていたな…。まぁ、明日でも聞けるか。

 

 「先輩!学校初日はどうでしたか?うまくやって行けそうですか?」

 

 マシュにそう聞かれうーんと唸りながら人差し指で頬をかきつつ答える。

 

 「まぁ、ぼちぼちってところかな。クラスメートが個性的だから楽しくなることには間違いないけど」

 「先輩のクラスの人たちは面白い人が集まってますからね」

 

 あの菓子パンを貪っていた謎の少女は自分のことはえっちゃんと呼びなさいとか言っててくすっと来てしまった。

 

 マスター候補の人たちは全員いい人だと感じた。英霊とどう向き合っていくかのアドバイスももらったしその点に関しては問題なさそうだ。

 

 「先輩、付きました!」

 「あぁ、ありがとう。マシュ。――じゃあ、行ってくるよ」

 「――はい。行ってらっしゃい」

 

 まるで熟年夫婦を思わせるような雰囲気なのだがただ単に家に入るだけである。

 

 ふーっと静かに息を吐きだし南無さんといった感じでドアを開ける。

 

 パンッ!という音と共に火薬の独特の匂いが花を蹂躙し始めた。あまりに突然のことだったので目を強く瞑ってしまったが何も起きないと知りゆっくりと瞼を開ける。

 

 すると、そこには大きな文字でようこそ!藤丸立香という文字が垂れ幕に掛かれており先ほどの音がクラッカーのものだと理解した。

 

 多分、この二人が同居人なのだろう。目の前の赤い髪の少年とピンク色の髪の幼さが顔に残る少女(?)がそこにいた。

 

 「ようこそ、藤丸君。俺の名前は衛宮士郎。一応、マスター候補だ」

 「僕の名前はアストルフォ!よろしくね!」

 

 「――…。えっと、歓迎してくれてありがとう。まず、一つ聞いてもいいかな?」

 「ん?なんだ?」

 「二人が同居人でおーけー?」

 「うん。それで会ってるよ!!」

 

 

 アストルフォがそう言うと俺の絶叫が木霊した。

 

 「なんで女の子同居人なんだよぉぉぉおぉぉ!!」

 「え?僕男だよ?」

 「なんだ、そうか。失礼した」

 「変わり身早いな!!」

 

 衛宮君の鋭い突っ込みが入る。いやだって明らかに女の子にしか見えないんだもん。この容姿で俺らと同じエクスカリバーを受け継いでいる男か…。けどまぁ、人懐っこい性格そうでよかった。

 

 そして、後ろから入ってきたマシュが状況説明をしてくれた。どうやら俺のために歓迎パーティというものを開いてくれるらしい。そのことについて感謝を述べると衛宮君は大丈夫だよと言ってくれた。こいつ絶対いい奴やんけ!!

 

 促されるまま席に座る。外見からもわかるがリビングもかなり広い。テーブルには和洋問わずに料理が並べられていた。とてもいい匂いだ。

 

 そこで俺は一つ気付いた。今俺が座っている横にはマシュが、目の前にはアストルフォと衛宮君が座っている。しかし、俺の隣の席が余っている。そこにはしっかりと皿がわけられており誰かが来るということを明白にしていた。

 

 そこで、チャイムが鳴る。衛宮君が急いで玄関へと向かい一人の人物を案内してきた。

 

 そして俺は今日何度目かわからないほどの驚きに包まれた。

 

 「数時間ぶりね――藤丸立香君」

 

 オルガマリーがそう言って優しく微笑んだ。

 

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