次の日。まだ少し薄暗い中、紅音は工廠へと向かっていた。
紅音「おじゃまっ」
「シーン」
紅音「やっぱまだ起きてねえか」
本来は工廠の奥に置かれているバイクが出入り口の近くに置かれている。そのバイクは以前紅音が街に行くと言った時に明石が最後に見せたスポーツタイプのバイクだ。
紅音「確かあの後、色々変えたと言ってたが......」
そんな事を言いながら手押しで工廠を出ると。
不知火「指令」
紅音「? 不知火かおはよう」
不知火「おはようございます。指令は一足早く出撃するのですよね?」
紅音「あぁ」
不知火「それならば不知火もご一緒させてください」
紅音「それは構わんが。大淀さんとかに言ったか?」
不知火「手紙を置いてきました」
紅音「そうか。じゃあ後ろに乗って」
不知火「分かりました」
不知火が乗ったのを確認するとエンジンをかける。
「キュオォォォォォン!」
紅音(静かになったか?)
紅音「振り落とされないようにしっかり捕まってろよ」
そう言うとバイクは海上へ向けて発進する。
バイクの速度は10m走っただけで1000kmを超える。
紅音(すげえ加速性能だな)
不知火「......!!?」
紅音「不知火! 背中に貼り付け!」
不知火「わ、分かりました」
不知火は紅音の背中に密着する。
紅音(! 針が揺れたか)
針の揺れと同時にショックコーン(衝撃波)が発生し、そのすぐに各所にあった黒色のラインがライトグリーンに光りだす。
紅音(ラインが光り出したら確か時速5000kmを突破した証拠だっけ? 全く......俺じゃなかったら死んじまうぜ)
バイクはそのまま海上へ飛び出し、海上を何事もなく走行する。
不知火(スピード出しすぎじゃないですか!?)
紅音(もう目的地見えてきたな)
紅音「しっかり掴まってろよ!」
不知火「は、はい!」
紅音(これ止まるよな......?)
そう思いながらブレーキをかけると。
バイク「急ブレーキヲ確認」
紅音「ふぁっ?」
バイクの前部分が開き噴射口が現れる。
紅音「! 不知火頭下げろ!」
不知火「えっ?」
紅音「速く!」
不知火「は、はい!」
不知火が頭を下げたすぐに。
「ゴオォォォォォォォォォォ!!」
紅音「ッ!?」
ジェット噴射が開始されると紅音は凄まじいGに襲われる。
バイク「水上走行モードに切り替えます」
紅音「お、おう」
バイクの速度は一気に時速40kmになる。
紅音「不知火、大丈夫か?」
不知火「少し目眩がしますが大丈夫です」
紅音「目眩がするのは大丈夫とは言わんぞ」
その頃の工廠の地下では。
妖精A「KT-J2cの最終チェック急げ!」
妖精A「KT-J2cの武装の方はどうなってる!?」
妖精B「武装の方も最終チェックに入りました!」
妖精A「防衛担当! 報告がまだだぞ!」
妖精C「佐世保市内には既に対空レーザーを張り巡らせています! 外部からなら蚊1匹どころかダニの侵入も許しません! 住民の避難は既に完了しています!」
妖精D「主任! 大淀さんから連絡です!」
妖精A「了解した!」
大淀『主任ですか?』
妖精A「どうしましたか?」
大淀『鎮守府の防衛は大丈夫なので外に回してください』
妖精A「了解しました」
大淀「それでは」プツッ
妖精A「鎮守府の防衛はいらないそうだ! 都市等の防衛に回せ!」
妖精C「了解!」
工廠の地下では主任なる妖精を中心に慌ただしく動いている。
「ダン!ダン!ダン!」
地下の広大な空間を疾走するKT-J2cと言われるている人型。
妖精E『操縦の方はどうですか?』
明石「少し操縦しにくいですが、慣れれば大丈夫でしょう......!」
KT-J2cは大きくジャンプし、空中で数回回転し着地する。
妖精達「お〜」パチパチパチ
紅音と不知火の2人は、合流地点である椛島の砂浜に到着した。
不知火「大本営の増援の方々は何時頃来ますかね」
紅音「う〜ん......人によっちゃもうk......来たな」バシッ
ライフル弾の如く飛んで来た刀をキャッチすると
?「いっちば〜ん!」
砂浜に衝撃と共に砂煙が舞う。
?「あれ?」
紅音「残念。3番目だ」ポイッ
?「ま〜じか〜」キャッチ
不知火「白露さん?」
白露「あっ佐世保の不知火だね! 私は大本営第4艦隊旗艦白露! よろしくね!」
不知火「よろしくお願いします」
白露は不知火の手を握り「ブンブン」と握手する。
紅音「後は何人来る?」
白露「後3人かな?」
紅音「3人も来れば十分だな」
?「おまたせ〜」
紅音「北上か」
北上「そうだよ〜」
不知火「あ、あの」
3人「?」
不知火「白露さんと北上さん艦装は?」
白露「艦装なんていらないよ! この足があれば走れるからね!」
北上「そーそー。それに足の方が小回りがきくしね」
そして2人は「それに武器だって」と言って白露は真っ白い鞘に入った日本刀(打刀)を突き出す。北上は後ろ腰から木製ストックのソードオフショットガンを2丁手に取る。勿論両方とも、深海棲艦に効くように改造されている。
紅音「いやぁ〜頼もしい」
不知火「指令は?」
紅音「俺はこれだよ」ケース指差し
不知火「?」
紅音「戦いが始まってからのお楽しみだ」
紅音が言い終わると同時に。
川内「皆来るの速くない!?」
紅音「長門達は?」
利根「そこでくたびれておるわ」
紅音「じゃあ佐世保の戦力は全員来たのか」
「ドゴォン!」
紅音「普通に来れないのかお前らは......」
「ガラガラ」
砂浜の後ろにあった崖は崩壊し、土煙の中からその張本人が出てくる。
足柄「大本営第3艦隊所属足柄よ!」
翔鶴「大本営第4艦隊所属翔鶴です......」ガクッ
足柄が脇に抱えていた翔鶴は挨拶と共に気絶する。
紅音「成仏しろよ翔鶴」
翔鶴「勝手に殺さないでください!」
紅音「まぁそれは置いといてだ。決める事がある」
佐世保艦娘「?」
大本営艦娘&川内達「......」
紅音「俺は前線に来た時点で一介の兵士に過ぎない。そうなったらやる事は1つだ.......隊長を決める必要があるな?」
「ドゴオォォォォォォォン!」
その言葉と同時に砂浜が......島全体が揺れ、海が荒れる。
利根「今回は吾輩じゃな」
その原因は大本営艦娘と川内達、紅音が今の一瞬で拳をぶつけ合った事が原因だ。しかしすぐに海はいつも通りの海に戻る。
利根「作戦は簡単じゃ、見敵必殺。それだけじゃ」
北上「いいねぇ。しびれるねぇ」
川内「やっせん♪やっせん♪」
足柄「戦場が、勝利が私を呼んでいるわ!」
白露「私がいっちばん敵を倒すんだから!」
翔鶴「お、お〜」
佐世保艦娘「」
そして数時間が経ち10時になる。
紅音「団体客のご到着だ」
海を埋め尽くす深海棲艦。それを見て佐世保艦娘達は息を飲む。しかし紅音達は。
川内「夜戦まで......(深海棲艦が)もつかな?」
紅音「ふんっ楽しませてくれよ。深海棲艦!」ニヤッ
比叡「久しぶりの戦いなんです。すぐに全滅しないで下さいね」
白露「私がいっば〜ん最初に突撃するんだから!」
利根「お客様じゃ、最高のおもてなしをするとするかの」
利根の言葉と同時に9人は海上へ駆け出す。少し遅れて艦装を展開した佐世保艦娘も海上をかける。
白露「いっちば〜ん!」
紅音(相変わらず速いな)
紅音「久しぶりの装着だ」
紅音は持っていたケースを前方へ投げ、
紅音「瞬着!」
それに拳を突きつけながらそう叫ぶ。
紅音を一瞬光が覆う。
そして
紅音「覚悟完了!」
真紅の鎧を身にまとった紅音が姿を現す。
スピード特化型強化外骨格「暴風」
ひたいの文字:「神風」
最高速度:マッハ30(それに紅音の身体能力がプラスされる)
着装者生命維持装置:40日→60日
宿る魂:不明
固有武装:不明
アカシウムなる明石オリジナルの物質で作られており水爆が直撃しても傷1つ付かない(中身が無事かは別)
見た目は覚醒式強化外骨格「雷電」に非常に似ているが、背中に刀がない。その他にも指先の武装を全て無くしているが、その代わり衝撃噴出孔がかなり増えている。
KT-J2c
詳細不明