色々規格外な提督と元ブラック鎮守府   作:薪音

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 今回は少し鬱展開があるかも知れませんのでご注意を。


深淵に染まる

紅音「そうか......」

 

 紅音は椅子に深く腰掛ける。

 

紅音「はぁ」

響「珍しいね。司令官がため息なんて」

紅音(これはいつの記憶の幻覚だ......)

紅音「!」グラッ

 

 紅音の視界に一瞬アナログテレビの様な砂嵐が発生する。『全治死』が自動で発動した事により幻覚症状が治まり始めたのだ。

 

響「どうしたんだい司令官!?」駆け寄り

紅音「......」

響「司令官! 司令官!!」

 

 響の顔に黒い靄が発生する。幻覚は急速に治まり始め、現実の風景が混じり始める。

 

?「―う―たネ!」

?「何―だ?」

?「ど―し―ク―!?」

 

 扉から3人の艦娘が入ってくるが既に顔は認識出来ない。その後に続いて数人の艦娘も入ってくるが同じく認識できず、声すらも聞こえなくる。そしてここで紅音の視界には現実の光景、海面がうつる。

 

紅音「終わったか」立ち上がり

紅音「ウッ......!?」口抑え

「ポタ......ポタ......」

 

 抑えた手の指と指の間から血が海面に滴り落ちる。

 

紅音「くそっ」

 

 左手で自分の後ろ腰にある細長い長方形型のケースを取ろうとした時だ

 

紅音「ん?」

 

左足に違和感を覚える。まるで何かが自分の足を掴んでいるかのような。

 

?「テぇいとォクゥ?」

紅音「なっ!?」

 

 海色のボリュームのあるツインテールが目立つ女性が紅音の足にしがみつく様に居る。

 

紅音「い、五十鈴......?」

 

 しかし五十鈴の顔には本来あるはずの物がない......目だ。本来目があるはずの所には吸い込まれそうな闇があり、そこから黒色の液体が出ている。そして五十鈴は少し微笑みながら這い上がってくる。

 

五十鈴?「ヒさしブリねェ」

紅音「五十鈴......その目は......」

五十鈴?「コレはネ『あノ時』ニなクシたノよ。トってモ痛カッたわァ」

紅音「......!」

 

 紅音の右足にも同じ感覚が走る。

 

?「シレいカぁン......」

紅音「皐月......」

 

 皐月も五十鈴同様に両目がない。しかし違うところは、皐月は左腕が肩ごと無くなっており、断面は無理やり引きちがれたかのように粗い。そして皐月も這い上がってくる。

 

皐月?「寂しカッたンダ......海のソコハ」

紅音「左腕が......」

皐月?「コレかイ? 五十鈴とオナじさ。『アノ時』ニね」

五十鈴?「デモね。私タち、なニヲされテモ口をアケなかッタワ」

皐月?「ソウだよ。偉イでショ?」

紅音「そう......だな......」

皐月?「えへへ」

紅音「!?」

 

 紅音は後ろに大きくバランスを崩す。

 

紅音(この髪色!?)

 

 後ろにバランスを崩した時、後ろに居る人物であろう者の髪が顔の横に見える。

 

紅音「ビス......マルク?」

Bismarck?「......」

皐月?「ビスマルクさンは喋レなインだ」

 

 紅音の首はなぜか後ろへ回らない。しかし分かったことがあった。それはビスマルクの下半身が無い事をだ。そして五十鈴と皐月の2人が紅音の肩の位置に来ると同時に紅音は力なく海面に倒れる。

 

五十鈴?「テイトクもコッちに」

皐月?「おいデ」

 

 3人は急に本当の艦艇の様に重くなり、海中に紅音ごと、どんどん沈んでいく。

 

紅音(まずい......!)

 

 上に上がるため3人を離そうともがくも、紅音の怪力をもってしても3人は微動だにしない。

 

皐月?「皆マッてルかラ」

五十鈴?「テイトクをね」

 

 周りはだんだん日の光が届かなくなっていくため暗くなってくっる。

 

紅音(このままでは......!)

五十鈴?「フフフ」

皐月?「ヘヘッ」

紅音(モッてイ......カれ......ル......)

 

 

 

 

 

 合流地点の椛島の砂浜。あたりはすっかり暗くなっており砂浜には8人の人影が焚き火を囲んで存在する。

 

翔鶴「ダメですね。どこを探しても紅音さん本人は見つかりません」

利根「......そうか」

川内「......」

 

 川内の手には暴風が収納されているボロボロのケースが握られている。

 

海風「長門さん達には先に戻ってもらいましたが......」

足柄「私たちも、いつまでもここに居る訳にはいかないわね」

利根「う〜む......」

北上「大本営に増援を要請してみてもいいんじゃない? 紅音程の戦力がMAIとなったと知ったら大本営も黙ってはいないでしょ」

利根「......そうじゃのぉ」

 

 利根が顎を押さえて考える。その時

 

白露「えっ」

利根「むっどうしたんじゃ?」

白露「う、海が」

 

白露の発した言葉を聞き全員が海を見る。

 

利根「これは......」

翔鶴「これではまるで」

足柄「深海棲艦の支配海域ね......」

 

 先ほどまで普通の海だったものが一瞬で真紅に染まる。暗闇でもハッキリと分かる程の赤さだ。そしてそれと同時に大雨と雷が鳴り出し、海が荒れる。

 

川内「ッ!」

 

 川内はケースを置き忍者刀を抜き、構える。

 

比叡「どうしたんですか?」

川内「超がつく緊急事態が発生したわ」

海風「そのようですね」

利根「?」

川内「利根と比叡はショートランド泊地へ向かって今のこの状況を説明して来て......多分『響』が来てくれるから」

海風「白露姉さん達は大本営に戻って『K―――」

「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!!」

 

 耳をつんざく様な何者かの雄叫びがこだまする。

 

川内「ここは私と海風が時間を稼ぐから! 早く行って!」

利根「う、うむ分かった」

白露「りょ、了解!」

 

 川内と海風以外はその場を去る。

 

川内「皆の足なら30分もせず往復出来ると思うけど......」

海風「私たちで何分稼げるか......」

 

 そして波間の間から1人の人物が見える。

 

川内「ッ......」

 

 ボロボロの黒色の戦闘服。そして独特の赤色のグラデーションががった髪の毛。目の色は普段の薄い赤では無く、深海棲艦の姫や鬼などによく見られる、赤色の瞳に変わっている紅音の姿がそこにはあった。




 実は利根と比叡はそこまでの重要キャラじゃないっぽい?

 次回は必然的に紅音VS川内&海風になりますね。川内と海風に勝機はあるんでしょうか......。海風が言おうとした人物は誰なんですかね(すっとぼけ)
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