佐世保市内にあるとある山中。既にあたりは暗くなっており、明かりは月明かりのみとなっている。そんな山中に1機の大型ヘリ『CH-53E』通称スーパースタリオンが着地をこころみている。
そしてスタリオンが着地するとハッチが開き、2人の黒色の戦闘服を身にまとった人物が3mはあるであろうか長方形の箱を引きずりながら降りてくる。
紅音「久しぶり2人とも」
?「......久しぶり」
?「ひっさしぶり!」
紅音がその2人の人物と握手すると操縦士席と副操縦士席の扉が開き、さらに2人の人物が降りてくる。
紅音「お前らも久しぶりだな!」
?「お久しぶりなのです!」
?「もっと頼っていいのよ!」
紅音「2人は相変わらず元気だな」
?「お〜い。話すのもいいけど確認してよ」
紅音「ああ。悪いな」
長方形の箱は「プシュー」と言う音と白い煙の様な物を出しながら開く。
紅音「......よし。全部あるな」
?「当たり前じゃない!」
紅音「武器を持って来てもらった後で申し訳ないが、4人にやってもらいたい事があるんだ」
4人「?」
そして明後日。
工廠の地下に作られた闘技場は東京ドームほどの大きさに観客席もあり、ドーム状の屋根は強化ガラスになっている。
青葉『レディィィィィィス アァァァァァン ジェントルメェェェェェン!!!!』
青葉の熱の入った声がマイクとスピーカー越しに聞こえてくる。
青葉『とうとうこの日がやってまいりました! 提督&憲兵であり提督の実の妹VS時雨さん夕立さんの決闘!!』
青葉『司会はこの私、青葉と!!』
大淀『大淀と』
明石『明石でおおくりします』
青葉『それでは早速選手入場です! まずは時雨さん夕立さんチィィィィム!!』
頑丈そうなゲードが「ゴゴゴ」と言う音を上げながらゆっくりと開いていく。
時雨「......」
夕立「......」
観客席「2人とも頑張って!」
観客席「ファイトォォォォ!!」
時雨「少し恥ずかしいね......」
夕立「ぽい......」
青葉『お次は提督チィィィィィム!!』
同じく頑丈な扉がゆっくり開いてゆき、紅音と蒼音が入場してくる。
紅音「楽しめそうな決闘だ」ケース持ち
蒼音「......」
川内「がんばれー」
海風「応援してますよ!」
比叡「気合入れて頑張ってください!」
利根「頑張るのじゃー」
千斗「気楽になー」
紅音「こっちの応援やる気ねーな」
青葉『両者入場いたしました! 両者の間に火花が散っているのが見えそうです! 既に闘技場内の熱気はMAXをとうに超えています! まるで現代に蘇った中世のコロッセオのようだぁぁぁぁぁ!!』
大淀『青葉さん少し落ち着いてください......』
明石『私は3徹なので死にそうです』
紅音「大淀さん大変そうだな」
青葉『それでは両者位置に!』
お互い闘技場の端と端に立つ。
そして
青葉『決闘開始!!』
開始の号令がこだまする。
紅音「行くぞ蒼!」
蒼音「うん......」
2人はその化物じみた身体能力をフルに使い、時雨達との間合いを詰める。そのさなか
紅音「暴風! お前の本当の姿見せてみろ!」
紅音「瞬着!!」
ケースを前方に投擲し、拳を突き立てる。
紅音「覚悟完了!」
川内&海風「!?」
本来丸腰のはずの暴風。しかし今の暴風は違う。背中には3mはあるであろう矛に、右腰にはそこそこの大きさの回転式拳銃。
紅音「ぶっ潰してやんよ!」
時雨夕立「ッ!」
紅音は背中から矛を手に取ると夕立と時雨を叩き潰しにかかる。2人はそれぞれ左右に飛び何とか回避する。先ほどまで2人が居た所は大きく陥没している。
紅音「ショータイムだ」
夕立「......」
蒼音「......」
時雨「分断されたか......計算のうちさ」
紅音VS夕立 蒼音VS時雨と言う構図が出来上がる。
紅音「さぁ楽しませてくれよ!」
夕立「かかって来いっぽい!」
紅音が放った強烈な突きを夕立はダガーの刃で軌道を逸らし、刃を当てたまま紅音との間合いを詰めていく。
「ダァン!」
夕立「!」
いつの間にか抜かれていた回転式拳銃から銃弾が放たれる。それを左手のダガーの突きで無力化を試みる。しかし
夕立「!?」
逆にダガーが粉砕される。夕立は弾丸が手に到達する前にダガーから手を離し横にローリングする。
紅音「馬鹿が!」
夕立「ぽい!?」
いつの間にか矛と拳銃から手を離し上空に飛んでいた紅音が、噴出孔を使い強烈なかかと落としを夕立の肩に入れる。
紅音「オラオラオラオラオラオラオラ!!!」
かかと落としで怯んだ夕立の体に容赦なく紅音の強烈なラッシュが放たれる。そのラッシュの速度は夕立に呼吸をさせる暇さえ与えない。
紅音「オラァ!」
最後にみぞおちを狙った拳が夕立を吹き飛ばす。
紅音「さぁ立て。圧倒的な力の差を思い知らせてやろう」
夕立「ッゥ!」
時雨「くっ!」
蒼音「......」
蒼音の脇腹を狙って蹴りを時雨と手と足で何とか防御するが横に吹き飛ぶ。
時雨の両手にはナイフが握られているが、蒼音は丸腰だ。それ程までに蒼音は時雨を下に見ていると言う事だ。
時雨(強い......策もなし突っ込んだろ間違いなく返り討ちにあうだろうね)
時雨(武器と思っているならなんでもいい......いい事を聞いたね)
時雨は何処からともなく取り出したグレネードのピンと抜き、蒼音に投擲する。
蒼音「......」
しかしそんなものが効くはずもなく、蒼音は蹴り返すとグレネードは空中で爆発し砂煙が舞い上がる。
時雨「ッ!」
再びグレネードを投擲する。
蒼音「無駄......」
そう言い蹴り返そうとした時
蒼音「!?」
グレネードが消える。
「ボォォォォン!」
蒼音「ッ!?」
再び現れたグレネードは蒼音のへその付近で爆発し、蒼音を少し後方に飛ばす。しかし蒼音にそこまでのダメージは入ってはいないが不意を突かれたためか右膝をついている。
時雨「僕はね......野球が好きなんだ」
蒼音「殺すッ......!」ギリッ
紅音「ほお、やるな時雨。蒼に一撃入れるとは」
夕立「ゴホッゴホッ」
夕立は紅音と少し距離をとった所で腹を抑えながら咳き込んでいる。
紅音「どうだい。参ったと言ってもいいんだよ」
夕立「お断りっぽい!」
紅音「そうか......それは残念だ」
紅音「それじゃあ」
矛が紅音の手へと飛んでくる。そしてそれをキャッチすると頭の上で回転させる。
紅音「死なない程度に痛めつけてやろう」
矛先を夕立に向ける。
夕立「......フフ」
紅音「?」
夕立「アハハハハハハハ!」
紅音「......」
夕立「ソロモンの悪夢......」
紅音「なっ!?」
夕立「見せてあげる」
一瞬で間合いを詰めた夕立の蹴りが紅音の顎を蹴り上げ、続いて両手に持っているダガーによる刺突が連続で行われる。
紅音「ククク......ハハハハハハハ!」
紅音「いいぞ! もっとだ!」
矛を円を書くように回転させ夕立に攻撃するが、夕立はそれを上に飛んで回避し後ろに回転し着地する。
紅音「フハハハハハハハ!」
夕立「アハハハハハハハ!」
混ぜるな危険がここに激突する。
矛による強烈な突きが夕立に放たれる。しかしそれをしゃがむ事で回避し、顎が地面にぶつかるのではと言う低い姿勢のまま紅音との間合いを一瞬で詰め、そしてそのまま左のダガーをその低い姿勢から紅音の顔へ投擲するが、紅音は顔を横に寝かせる事で回避する。そして矛から手を離した紅音は矛が落ちるより速く裏拳を夕立へ放つも、夕立はこれをバク宙で回避する。そして矛を掴んだ紅音はそのままコマの様に高速で回転し横一戦をしかける。しかし夕立はそれを後ろに飛び抜き回避する。
紅音「Let's Dance」
一気にお互いの間合いを詰めた2人の矛の突きとダガーの突きが衝撃波を発しながら衝突する。
時雨(と言ったはものの)
蒼音「殺す殺す殺す殺す殺す!」フル武装
時雨(劣勢なのは変わりないかな)
時雨(小手先だけの技術じゃ彼女はおろか提督すら殺せない)
時雨(降参させるより殺す方が簡単? フッ今回は逆だね)
蒼音「死ね」
時雨「ッ!」
ひと呼吸もようせずに間合いを詰めた蒼音の大剣が時雨に振り落とされる。時雨は横に転がる事で辛うじてそれを回避し、ナイフを蒼音に投げるが簡単に弾かれる。
時雨(どうする、考えろ考えろ考えろ......)
時雨(さっきの技は使えない......まてよ......?)
時雨はグレネードのピンを抜くと野球のアンダースローの
蒼音「!?」
「ボォォォォン!」
軌道を変えたグレネードは大剣の上に浮くことで避け、蒼音の顔面で爆発する。
時雨「大リーグボール3号、グレネード版って所かな」
蒼音「絶対......殺す」
時雨(顔面で爆発してもダメか......人間か疑わしいよ......)
蒼音は上空に飛び上から砲弾の雨を降らす。
時雨「手癖は悪い方なんだ......」
スカートの中から落ちたスモークグレネードは通常の数倍のスモークを出し、辺りを煙で埋めるが砲弾の爆風ですぐに掻き消える。しかし
時雨「ボールはね......回転をかけると砂煙を纏うだよ」
蒼音「ッ!」
「ボォン! ボォン! ボォン!」
小型のボール型のグレネードは高速で回転する事でスモークを纏い、更に爆風が起爆剤と加速の原因となり蒼音のすぐ近くで爆発する。
時雨「野球が好きだと言っただろう?」
蒼音「......殺す」ゴゴゴゴゴ
紅音「やるなぁ」
夕立「提督さんもね」
2人は対峙したまま仁王立ちをしている。
紅音「だがな......俺はまだ実力の1%も出してないぞ」
夕立「それは......夕立も同じっぽい」
紅音「ふん......仕方がない」
夕立「?」
紅音「その1%を出してやろう」
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心臓を増やすスキル『多心房多心室』インフニティハート
牙を伸ばすスキル『無垢な牙』ファイティングファング
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筋肉増大のスキル『少年肉』ボーイミーツ
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猛毒を吐くスキル『毒率骨格』ポイズンフレーム
紅音「抗エ」
「ゴキゴキボキゴキボキボキゴキゴキボキボキボキゴキゴキボキボキ!!!」
紅音「圧倒的ナ力二!」
見る見るうちに姿形を変えた紅音は、2本の後ろ足で立ち、前足は腕を組むようにする巨大な黒色のドラゴンとなる。
夕立「ぽ......い......?」
紅音「サァ来イ......勇気ノアル小サキ者ヨ」
地響きにすら思うその低い声が夕立に放たれる。その声と見た目を見て常人ならこう思うだろう
「勝てない」
と。しかし夕立の口には笑が浮かぶ。
夕立「望むところっぽい」ニヤ
紅音の口から数万度にも達する炎のブレスが吐かれる。しかし夕立は退くどころか
?「へぇ......」
炎の元へ己が出せる最高速度で駆けて生き、全ての力を足にこめ炎へ跳んで行く。
夕立「ッ!」
夕立「艦装展開!」
夕立の体に艦装が現れる。そして素早く魚雷を3本3本ずつ両手の指に挟む。
夕立「ッゥ!」
灼熱の炎に体が包まれ、艦装が徐々に溶けていくのが分かる。艦装と妖精の加護はこの炎の中では長くは続かない。
だが、そんな事夕立には関係ない。
一瞬
ほんの一瞬
呼吸をするために口を閉じようとする一瞬
それが
夕立「チャンスっぽい!」
口を閉じようとした紅音の口に、6本の魚雷夕立の渾身の力によってが投げ込まれる。そしてそれが
「ボォォォォォン!!」
閉じた口の中で炸裂する。
夕立と時雨がかっこいいと書いてて思いました。