友人帳の世界に転生しました!   作:まるくら

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いただいたコメント達にテンションが上がり過ぎて手が震える。ありがとうございます!


第3!

現在家。

 

「家!!」

「「何さもう、煩いなぁ」」

 

なんかすまん。

いやぁ結局何も無かったんだよなぁ・・・っていうか何故か双子が来てから他の妖怪の気配すら感じなくなったし。実は双子って妖怪達に恐れられてたりしちゃうのか・・・?それかただ単に俺の運が無いだけか。

移動中話してる間に双子には森について色々教わったのと、人間の生活に興味があるみたいだからそれについて話していたらいつの間にか双子に懐かれていたので、大体の食料は森で自分達で賄えるらしいからじゃあ一緒に住もうって事になった。うん、訳わかんねぇよなこれ。なんつーか、懐かれたのはともかくとして一緒に住もうまでの流れが、わかめ。

流石にまぁ相手の見た目は子供ですし?森で調達できると言っても生みたいですし?一緒に住むのにそれらをずっと食わせるってのは俺の良心が痛むので、食料調達は俺に出来ないからどうしようもないにしても料理は作る予定だ。生よりその方が断然美味い。健康にも悪くないしな!妖怪だから大丈夫なんだろうけど。

 

「ねぇねぇマコ、ボク銭湯行ってみたい!」

「銭湯?別に良いけど・・・あぁでも普通の人には見えないからなぁ・・・」

 

銭湯に行ってオレが普通に双子と話してると確実に幻覚でも見えているのかと白い目で見られてしまう。もしその中に学校の同級生が居れば俺の学校生活が終わる!それは何としてでも避けなくてはいけない・・・が、お願いはやっぱり叶えてやりたいし、双子を連れて行ったとしても人間のルールは分からないだろうから相手をしない訳にもいかないし。さてどうしたものか・・・。

 

「他の人の事なら問題ないよ?僕達普通の人にも視認できるようになれるし」

「え?」

 

視認できるようになれる・・・だとう!?

 

「千歳さん、百歳さん、貴方達もしかして結構上級の妖怪だったりします?」

「何で敬語?ボク達は・・・そうだなぁ、上の下ってところかな」

 

うわぉ、下の方らしいけどサラッと上級に食い込んじゃってるのね。だからじゃね?妖怪が誰1人として居なかったの。

 

「えーと、じゃあ・・・銭湯、行くか」

「「やった!」」

 

俺今ショタコンに目覚めないか心配になってきたぞ・・・あれか、まだ数時間しか関わってないのに早くも父性目覚めちゃったのか?親バカだったりする?

 

***

 

現在銭湯!

大人料金の俺の分と子供料金の双子の分を払えば大浴場に直行できる。脱衣場への男女入り口の前は少しスペースが広くなっており、壁には小さな畳を敷き詰めた長椅子、そして銭湯温泉でお馴染みの牛乳販売機。普通の自動販売機も並んで設置されているので風呂上がり後のビールも楽しめる。まぁ今の俺は高校生で未成年だから飲めないんだけどな!まぁあと数年の辛抱か。

 

暖簾をくぐり脱衣場に入ってみれば、施設内に入って既に輝いていた双子の目がより一層輝く。そんなに来たかったのか、銭湯。早速双子が服を脱ごうとそれぞれ自分の服の裾に手をかけたので、それに待ったをかける。いや、だってやっぱり銭湯のルールは先に確認しておかないとな?

 

「テンションが上がってるのは分かるけど絶対に走ったり遊んだりしないこと。シャワーは通路の方にかからないようにすること。泳いだり水かけしたりしないこと。ゆったりと楽しみましょう!オーケー?」

「「うん!」」

 

よし、良い返事だ。

 

 

 

「つらたん・・・」

「つらたん・・・って何?」

「何でもないです」

 

風呂から上がってから、というか風呂の途中から、俺は疲れて意気消沈。

初回だから覚悟はしてたんだが、テンションが上がった子供ってのはこうも扱いやすくなるんだなぁと思うくらいには素直にいうことを聞いてくれたのは良いとして、それ以外が大問題というかなんというか。

まずは銭湯にある物の使い方が全く分かってなかった。これは予想できたけど桶を見て「これって人を殴る物?」って聞かれた時はビビった。桶は女子が男子に覗かれた時にぶん投げるものだ(※違う)。

次は風呂について。風呂は温かいもの、銭湯もまた然り。双子には銭湯についての知識が全くと言っていい程無かったもんだからサウナや冷水風呂の存在を知らなかった。結果風呂に入ろうとして間違えて冷水風呂に入ってしまい「何かこれ冷たい・・・」ってしょんぼりしながら出てきた。サウナに間違えて入ると今度は「夏の間の池の近くに居るみたい・・・」とこれまたしょんぼりしながら出てきた。

最後は会話について。普通の風呂に入ってテンションが上がった双子はどうやら2人でずっと喋っていたようで、その様子を見たお爺ちゃんが双子に話しかけた。そこまでは良かったんだがその先が問題だった。お爺ちゃんと楽しく会話をしていた双子が俺の方に向いて「「後で頑張って鹿とってくる!」」と言って「え、ん、鹿!?」と俺が混乱している間にお爺ちゃんが笑いながら「わしも子供の頃はよく捕まえとったわい」とか言いながら双子に鹿の捕まえ方のコツを伝授して、結果教わった方法を早速試そうと考えた双子が銭湯から上がって早々に鹿を捕まえに出て行ってしまい、30分もしないうちに雄の鹿を捕ってきた。俺はそれを捌かないといけないわけで・・・。色々と、な?

俺の救済処置は風呂上がりに飲んだコーヒー牛乳ぐらいのもので、正直とてつもなく疲れた。

次は・・・そうだな、頼まれたらまた来ようとは思うけどちょっとルール追加しようか。風呂上がりに野生の動物を狩ってこない、とかな。


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