【北西へと高速を走行している途中、
「こんな時に限って、航空機の落下物だとさ…」
「幸先が悪いな」
「予定のルートは無しか」
【国道村30km範囲地点 用意させたパスを見せて様子見】
「検問…か」
『窓を開けてもらえますか?』
『申し訳ありません、この先。
崖崩れの為、通行止めになって居まして。
国道からではなく山道の許可を頂いた地元の方ではなくては通れないんですよ』
「あー、はい。これなんですけど、山道は何処からでしょうか」
「拝借します」
『おーい、審査機器どこだー?』
『バスの中だ』
「すみません、少々お待ちを」
片割れの男が取り出したのは
「ちっ、呑気におねんねしな。」
車を切り返そうとして、パチパチという電気ショックの音で私の意識は途絶えた
――――………。……。
……さん……。
かあさん、かあさん。
『いつも、記憶に現れる母の姿は不明瞭だ。』
ン、悪いねえ、いつも
『母さんはいつも暴力を受けていた、誰かしらに』
母さんは悪くないよ!あいつらが悪いんだ!
そうかい、でもね。心配だよ、アンタはアタシと比べて■ズつきや■いから
かあさんだって叩かれたら痛いだろ!
ふふ、可愛いわが子だよ
『撫でられたハハノ手は、冷たくも、熱く痛みを発するたんこぶにはそれでよかった』
今晩はなーに?
そうだねえ………。 ……。
ふたつの光が迫ってきて
雨が、降っていた。
ん、ム。
サルグツワに両親指、足に結束バンド、どうやらここは
「わりいなあ、アンタのことは付けさせてもらってたんだ」
俺と彼らはトラックの中、座っている。
ガスマスクの男が…三人、一人は軍人らしい横合いには一人は柄が悪い武装した男だ
目の前にはプレートアーマーにガスマスク、白衣の男そいつは目が充血し、マスクの呼気も不規則だ
何やら太い針を腕に刺されているそれはおよそ小型発電エンジンほどの大きさの機材につながれていた
それと映し出される数値をまじまじと研究者然とした男は
「ふむ、フムフム、規定値より、おお!素晴らしい…」
興味なさげに小銃を肩に担ぎ、横目で黙認していた男は
「どうだい、こいつは」
なんとなしに語り掛けたのだろう
「検体XXX378と類似点が見られる。」
「男性体だってぇ?今まで感染が拡がっていても、おかしくないじゃないか」
粗野に見えて一応感染生物学の知識はあるようだ
「ワクチンの構成に彼の脳組織を採取させてもらえばいいだけだ、長年の悩みも…」
長年の悩み…こいつら、何の話を…ともかく、このトラックの行き先は…
《もりのおくふかくに、アリスと沙耶のすむもりがあるの。そこに私たちは向かっているんだよ。》
「
三人の男はこの目の前に浮いて現れた少女の何かしらにマズイことでもあるのだろうか
「ん、ンン?ボンベが出ない!」
どの塗布剤とやらのボンベにしても内容量が出ないようだ
『「隊長…不味いです。首が…ねじれ、」』
その運転手の男のつぶやきが山道を走る煩いエンジン音からやけに聞き取れると
男の首が水袋が簡単にはじけるように水音と共に破裂し
ばしゃあ、と前後ガラスがやけに激しくどす黒い血液をまき散らした
《待ってるから》
少女は赤く光る眼を残光に移し姿はぼやけた
無人運転であろう車は。何者かの操作で最後にブレーキがかかり停車した
運転席の死体から研究員の男はひどく興奮して何やら血液を採取したりしていて
軍人の男が運転を変わった