ハイスクールストラトス 風紀委員のインフィニット 作:グレン×グレン
ライザー・フェニックスはリアス・グレモリーの婚約者である。
そもそもリアスは貴族であり、産まれたときから豪遊が約束されている身分。むろん、それに対する責任をきちんと果たさなくてはいけない立場である。
ゆえに結婚相手にも相応の地位や能力が求められる。加えていえば、自分以外の誰かの意見に大きく左右される立場だ。いわゆる政略結婚である。
悪魔の上層部は血統主義が多く、必然的に当主の悪魔には純潔を求める傾向がある。そして貴族主義であるがゆえに貴族同士で婚姻させたがる風潮がある。
そこで選ばれたのがライザーだ。
ライザーは72柱の悪魔の家系の一つ、フェニックス家の三男である。
フェニックス家は戦争終結後からどんどんその価値を高めていった一族。しかも三男坊となれば跡継ぎの婚約者としては都合がいい立場。加えて新進気鋭のルーキーとして有望とされ、レーティングゲームでも多くの勝ち星を挙げている才児だ。
そんな有望なライザーとの婚姻だが、リアスはそれを固辞していた。
其のため、条件として「大学卒業までに婚約者を作れなかったら」という条件を付けていたのだが、なぜかリアスの父であるジオティクスはそれを急に取りやめて婚姻を速めてきたのである。
そしてリアスはそれに反発し、イッセーで童貞を捨てようと画策したが、メイドであるグレイフィアが間一髪介入して阻止した。
そして次の日である今日、その件についてもあり話をしてライザーが乱入。そして対策として、非公式のレーティングゲームによる決着という流れになった。
とはいえライザーはフルメンバー。それに大してリアスは眷属が駒にして半分以上は埋まっているが穴も多く、加えて僧侶の一人は使用できないという状況である。
「ぶっちゃけこれ出来レースでしょ。グレモリー卿もさすがにこれは卑劣じゃないかい?」
話をまとめたレヴィアは、明確な非難の表情を浮かべる。
「それに関してはメイドの口からはとても。・・・まあ、セーラ様から直々に反対のお言葉があれば、御当主さまもお考え直しになるとは思いますが」
メイドであるグレイフィアはそういうが、しかしそういうわけにもいかない。
「さすがにそういうわけにはいかないよ。貴族は生まれついて豪遊できる特権を持っているんだから、それに対する責任は果たさないといけないわけだしね」
そう肩をすくめるレヴィアだが、しかしすぐに表情を曇らせる。
「とはいえ、なぜかいまだに婚約者の話が一つたりとも上がってこない身としては、ちょっと肩身が狭くなるけど」
「それは自業自得でしょう」
冗談めかした様子が一切ないレヴィアに、バッサリとリアスのことばがたたきつけられた。
「失礼な! 確かに注文の一つはつけてるけど、それ以外に関してはたとえ相手が不細工であっとしても受け入れる覚悟はできている!!」
レヴィアは真剣に反論する。
それは間違いなく本心のことばだったが、しかし事情を知るもの全員は残念なものを見る視線を向ける。
「お言葉ですがセーラ様。・・・週一回乱○パーティさせろというのはなかなか難易度が高いと思うのですが」
「眷属でハーレム作ってる男に言われた!?」
一番理解がありそうだと思っていたライザーに言われてしまい、レヴィアは涙すら浮かべながら絶叫する。
「いや、間違いなくそれが原因だよな」
「ささやかなつもりかもしれませんけど、すごい難易度高いですからね?」
「いや、これでも三日にするつもりなのを一日にまで減らしたんだ! これ以上は妥協できない!!」
決意の炎を目にともして宣言するレヴィアだが、どう考えても残念すぎる。
王族の末裔が乱○パーティを定期的に開催など、普通に考えれば醜聞以外の何物でもない。そんな難易度の高さでは婿の貰い手がないだろう。
「なあイッセー。レヴィアさんって時々馬鹿だよな」
「ああ、でもぜひ混ぜてもらいたい・・・痛いよアーシア」
「元浜、こいつやっぱり一度〆た方がいいんじゃないか?」
変態三人組ですら肯定的な意見が少ないのが如実に物語っているだろう。
「まあ話を戻すけど、僕個人としては政略結婚には賛成だし、強権をふるって無理やりご破算にだなんてさすがにしないさ」
レヴィアはそういって軽く笑うが、しかし鋭い視線をライザーとグレイフィアに向ける。
「だけど、アンフェアな条件はさすがに是正させてもらう」
「具体的には?」
「未だ余っている騎士と戦車、そして使用できない僧侶の代役をたてさせろって話さ。・・・駒数の差を埋めるってだけなんだから、それ位はいいだろう?」
グレイフィアにそう答え、レヴィアは後ろの一夏を指さいした。
「まずは反対する気満々の一夏くんを戦車として付ける。いわば一時的なトレードだ」
「レヴィア、お前わかってるな!」
レヴィアの裁量に一夏はうれしそうな表情を浮かべる。
「だってそういうの嫌いだろう? 僕は眷属の心情は考慮するんだよ?」
「あ、だったら私も参加します! 女の子の結婚を勝手に決められるのは我慢できません!」
蘭もすぐに反応するが、しかしそれにはグレイフィアが待ったをかける。
「駄目です。さすがに
五分五分の状況にするのならまだしも、圧倒的有利に持ち込むのだけは見過ごせない。
そういわんばかりのグレイフィアの言葉に、レヴィアも肩をすくめてそれに応じるそぶりを見せる。
「ま、僕が強権つかって止めたことになりかねないしね。一夏くんにもISは使わせないから安心してよ」
「ま、あれはダメだよな」
「・・・うぅ。わかりました」
一夏も蘭もそれは受け入れるが、そこでライザーが怪訝な表情を見せた。
「しかし、それではセーラ様は僧侶と騎士をどうするおつもりで? 確かセーラ様の眷属はその二人だけのはずですが」
「え、そうなの?」
ライザーの疑問にイッセーがさらに疑問を募らせる。
それに対して、レヴィアは自虐的な笑みを浮かべた。
「あまり眷属を作るつもりはなかったんだよ。・・・一夏くんがフラグ立てたの回収するのに使う気だったし」
「どういう意味だよ!!」
速攻で一夏から文句が飛び出るが、しかし誰も反論しない。
この男がフラグメーカーなのは誰もが知っている常識の領域だ。今更何か言う気にもならない。
隣の蘭ですら反論の欠片も見せないのに気づいて、一夏も状況の不利を悟ったのかすぐに黙った。
「だけどそれだとあと二人いるよな? ・・・今から当てあるのか?」
「それは大丈夫だよイッセー君。あてならそこに二人もいるじゃないか」
と、レヴィアはニコニコと笑顔を浮かべて指を突き出した。
・・・松田と元浜の二人に。
「「・・・え?」」
二人そろってまさかそんなことになるとは欠片も思わず、きょとんとした表情を浮かべている。
だが、レヴィアはそれに対して速攻で切り札を抜いた。
「二人とも。そこのライザー君は自分の眷属悪魔でハーレムを作っている。そしてそれは決して彼だけの話ではない」
「ふふん。俺の自慢の女たちですからね。セーラさまはお目が高い」
得意げなライザーに肯定の笑みを浮かべてから、レヴィアは速攻でさらに続けた。
「そして、冥界では活躍さえすれば下僕悪魔でも上級になって眷属悪魔を作れるようになる」
そう、それはつまり―
「つまり二人ともハーレムを作れる可能性が法的にクリアされるわけなんだけど」
「忠誠を誓わせてください、レヴィアさん」
「俺たちはあなたの忠実なしもべです」
音速で二人そろって傅いた。
コンマ一秒の判断である。
「うんうん。ハーレム作れるとなれば転生したくもなるよなぁ」
「まあ、無理だろうが気持ちだけは汲んでやる。頑張れよ」
「・・・男って阿呆ですわね」
「・・・バカばっかり」
ライザーの眷属の1人と小猫が冷たい視線を浮かべる中、しかしこれで条件はクリアーされた。
だが、しかし肝心のリアスが話に置いてけぼりにされているのは事実だった。
「ちょっと待ちなさいレヴィア! 私は別に―」
「リアスちゃん。ぶっちゃけこのレーティングゲームは圧倒的に君が不利だ」
その反論を切り捨てるように、レヴィアははっきりと告げた。
「君だってわかっているだろう? これはどっちが勝つかわかっている状況で、それでも断れない状況に追い込んで行う出来レースだ。・・・本来、僕は貴族の婚姻は政略要素を込みで行うべきだとすら考えているのもね」
「・・・・・・・・・」
そう、それは先ほどレヴィアが言ったとおりだ。
彼女は貴族として、己の婚姻を政治的取引に使うべきものだと決めている。
最低限の条件の設定こそ致命的に誤っているが、それでも本質的に今回はリアスの敵となる状況なのだ。
それにもかかわらずリアスに協力する気になっている理由は二つ。
それは、彼女の眷属が政略結婚を好まないという事実。それを組んだというのが一つ。
そしてもう一つは―
「さすがにこれはやり口が汚い。魔王レヴィアタンの末裔として、これを黙ってみているのも我慢ならない。・・・つまりはそういうことさ」
セーラ・レヴィアタンは王道を行くものだ。
時に清濁併せ呑む覚悟を持っているとはいえ、それでも本質は民の未来を憂う王なのだ。
「魔王を輩出する家系であるグレモリー家に対して、セーラ・レヴィアタンは誇りあるあり方を行うことを望む。・・・つまりはそういうことだよ」
「やるなら条件は極力五分に。・・・ルシファー様も納得されるでしょう」
グレイフィアはそれに納得したのか、静かに一歩を下がった。
「御当主様には私から伝えておきます。ライザー様はよろしいでしょうか?」
「かまいません。所詮は特異性だよりの猪武者と、素人二人。この程度なら何の問題もない」
ライザーはむしろ余裕の表情を浮かべている。
それに関しては裏付けがあるしっかりとしたものだ。
なにせ、レーティングゲームに関しては自分の方が経験豊富。加えて眷属たちも経験豊富。とどめにリアスの眷属はもちろん、ハンデとして送り込まれるレヴィアの眷属たちもレーティングゲームの経験はなし。
圧倒的に有利な状況で、とんとん拍子に話が進んでいく。
「だけど、後で「ハンデありだからやっぱりなし」だなんて言われても困るわよ」
「大丈夫大丈夫。その時は今度こそ強権珍しくふるうから。もともと向こうが約束破ってきたんだから、それ位はしてもらわないとねぇ?」
と、リアスの最後の懸念もレヴィアが粉砕する。
そして、レーティングゲームの始まりが決定した。
・・・なんていうか、どうしてもIS側はテコ入れというか魔改造が必須ですので、バランスとるためにもD×D側にもある程度テコ入れをしようと思っていたのですよ。
冷静に考えて、いまだに二人が悪魔側について知らないのもどうかだよな~っと思って入れてみました!!