ハイスクールストラトス 風紀委員のインフィニット 作:グレン×グレン
おっす! 俺イッセー!
なんかわからないけど、教会の人たちと模擬戦することになった。
・・・なんでこうなった!
「いいね。最近昔を思い出してすごくイライラしていたんだ。発散するにはいい機会だ」
うっわぁ。木場の奴いろいろとやばいことになってる。
なんでも、教会の人体実験の被験者になったうえ、さらに失敗作として処分されたのが原因だ。
しかもそれはエクスカリバーを使うための研究。そういうわけで、木場はエクスカリバーをうらんでいるらしい。
いや、俺も確かにちょっといろいろ言いすぎたよ?
でも、なんも悪いことしてないアーシアを、悪魔をいやしたからなんて理由で追放した教会にはいろいろといいたいことがあったから、ぶっちゃけ都合がよかったというかなんというか・・・。
「まあ、喧嘩を買ったのは君なんだから責任は取りなさい」
辛辣だねレヴィアさん!
「一夏くんも。頼むからもうちょっと笑って流すとかスルーするとか覚えてくれ。そんなことじゃあ僕が本格的に社交界デビューした時心配だよ」
「わ、悪い。いいこと言ったと思ったらあんなこと言われてカチンときた」
「それでレヴィアさん。木場には何か言うことないの?」
一夏にも説教するレヴィアさんに俺は聞いてみる。
ぶっちゃけ、一番状況悪化させたのは木場だと思う。
いや、俺はあの後リアス部長に怒られればすぐに引くつもりだったし、一夏だって時々問題起こしたらレヴィアさんが即座に〆るからすぐ終わる。
だが木場の場合は先制攻撃といってもいいことをしてるんだ。これはまずいだろう。
「まあ、人様の縄張りで好き勝手させろといったうえでその眷属に手を出そうとしたんだ。勢い余って殺しても「そっちが悪い」で突っぱねれるとは思うけどね」
物騒なこと言うな、レヴィアさん。
だけど、レヴィアさんははあとため息をついた。
「言いたいことは少しあるけど、取り合えず頭を冷やしてもらうのが先だよ。そういうわけでまあ、頑張ってね♪」
ウインク付きで地獄を見せられるのは確定ですか!
「それで、どうするんだ? なんか当たったらむちゃくちゃやばいんだろ?」
さっき聖剣使いと上級悪魔の戦闘が映ったビデオを参考までに見せてもらったけど、切られたところが消滅してたりとかしてたんですけど!
やばいよ、切られたら死んじゃうじゃん!
俺は正直結構ビビってるけど、一夏は特に心配せず余裕だった。
「いや、切り合いなんてのは一発切られたらそれで終わりだからな。やることはいつもと変わりないさ。アーシアもいるだろ?」
「そ、それはそうなんだけどさ・・・」
「別にいいさ」
おびえ越しの俺に、木場は冷たい声を放った。
「全員僕が切ればいい。なんなら下がってくれてもいいんだよ?」
「木場。これは手合わせだからな。必要以上の怪我を出させるなよ」
織斑が釘をさすが、果たして木場の耳に届いているのか。
で、俺の目の前にはセシリアさんが出てきた。
「・・・イリナが出てくるかと思ったんだけど」
「そうもいきませんわ。仮にも幼馴染ですし、それ位は気を使いませんと」
そういうセシリアさんは、なんというか失望の色を顔に浮かべていた。
「しかし、弱いですわね」
「弱い?」
いや、確かに俺は弱いですけど、それが何か?
「・・・私の父は、弱い人でしたわ」
セシリアさんは、顔を伏せるとそう告げる。
「ISの影響がなくとも、家では母が主導権を握り、父はその顔色を窺ってへこへこする。そのせいか、私は男が嫌いでした」
だけど、セシリアさんの言葉は続く。
「ですが、そんな父と母が一緒に出掛けて事故で死に、そしてその後男女共用型ISコアが出現しての混乱で、私は思い知りました」
あの時代、女は男より強いという風潮があった。
それは世の中ではむしろ常識みたいに言われていたけど、それは―
「―しょせん、女の強さもISによりかかっているからのものだということに気づきましたわ」
そういうセシリアさんの表情は、やけっぱちとでも言いたくなりそうな顔がした。
「ええ、その影響で没落したオルコット家の私は教会の戦士としての道を歩むことになり、神への信仰心を強さに変える、そんなものなしに強い者たちに会って衝撃を受けました」
そういいながら、セシリアさんは一振りの剣を何もないところから生み出した。
「私は、強い男に嫁ぎたいのです。地に堕ちたオルコットの未来を明るくする、そんな強い子を産んでくれる同年代の強い男を」
そしてフェンシングのように切っ先を向けると、セシリアさんは闘争の笑みを浮かべた。
「さあ、あなたはお強いですか?」
俺の目の前には、紫藤イリナっていう女の子がいる。
動きを見ればわかる。この子、強いな。
「女に手を上げるのは好きじゃないんだけどな。素直にアーシアに謝るっていうなら、手を引いてもいいんだぜ?」
つってもそんなことはならないんだろうな。
レヴィア曰く、信仰心の強さは排他的になりやすくなるってらしい。
十字軍遠征による略奪や虐殺。コンキスタドールによる原住民の処刑。聖書の教えが行ってきた過激な行為はいくらでもある。
しかも悪魔って基本敵だしな。
敵を治した女を聖女扱いだなんてふざけんな! って感じなんだろう。
「久しぶりに再会した幼馴染は、悪徳に堕ちていた。・・・なんて悲劇」
紫藤はなんか涙ぐんでいた。
確かに、友達が滅ぼすべき敵になっていたなんて知っていたらショックだよな。
だけど、それをきっかけに和解の道を作るってアニメとかでよくあるよな。
正直ヒーローってのは気に入らない。・・・レヴィアに理由を説明したら「フィクションの区別はつけようよ。中二病?」とかあきれられたけど。
ああ、完全に作りものって割り切ってみたら、まあ見れなくはないかな? 俺は俺の助けたいものを助けるだけだけど。
まあそういうわけで話は聞くけど、そういう話みたいなことにらないだろうか・・・。
「ああ、これも主の試練なのだわ!!」
・・・あ、ならなそうだ。
「友情すら感じる幼馴染を乗り越え、主のためあえて刃をふるえという主のお達し! それを乗り越えてこそ、私は真なる信仰に目覚めることができるのよ!!」
ああ、これはダメなタイプだ。
完全に信仰に酔ってやがる。信仰してる自分が大好きなタイプだ。
「いや、俺も宗教観緩いからエラそうなことは言えないけどさ」
これは、ちょっと駄目じゃないか?
「その信仰はどうかと思うぞ!!」
「アーメン! まずはあなたを裁いてあげるわ!!」
俺とイリナは真正面から剣をぶつけ合う。
「・・・エクスカリバーと真正面から打ち合えるだなんて! その剣、いったい何!?」
「誰が教えるかよ!!」
俺は体格差で押し切って攻撃を連続で叩き込む。
確かにエクスカリバーの使い手なだけあって優れた剣術だ。
だけど、これぐらいなら何とかなる!!
「ああん! 悪魔相手に苦戦だなんて主に怒られちゃう! ・・・本気、出すわよ!」
イリナは追い込まれながらそういうが、この剣術でどうやって・・・。
と、思った瞬間日本刀の姿をしていた剣が急に歪曲した。
「うわっと!」
とっさに首を振って回避すると、さらにイリナは切りかかる。
・・・ああ、間違いなく何の変哲もない日本刀だ。なのにどうして?
そう思った瞬間、こんどは日本刀がひも状になり俺の足に巻き付いた。
「なっ! クソっ!!」
急いで切り裂こうとするが、なんだこれ、頑丈で切れない・・・!
「これが
「・・・くそっ!」
まずい、思った以上に強い!
だけど、男としてそう簡単に負けるわけには・・・!