ユーノ・スクライア外伝   作:重要大事

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第17話「金色の大破壊熊(マッドベアー)

新暦076年 5月19日

第1管理世界「ミッドチルダ」

ミッドチルダ極東部 とある草原地帯

 

 幾度と無く繰り返されて来た争い。

 人々は自らが生み出した制御不能の力を用いて、文明を破壊し、世界そのものを消滅の危機に晒してきた。

 そうして滅びを迎えた世界は数知れない。

 

 だが、破壊された世界は長い年月をかけて再生される事もまた周知の事実である。

 ミッド都心から100キロほど離れた誰もいない草原。今からおよそ300年前、ここには巨大なエネルギー備蓄基地があった。だが、人為的な災害によって有害物質が大量に漏れ出た結果、その土地は人の住めない場所となった。

 それから時を隔てて、有害物質がほぼ無くなり、嘗ては草木一本生えぬ場所だったそこも青々とした草花が広がる大地へと生まれ変わった。

 ここに、一人の女性が足を運んでいた。

 

 理知的な眼鏡を掛け、憂いを内包した表情を浮かべる若い女性。

 彼女の名はオーリス・ゲイズ―――時空管理局地上本部の元職員にして、地上本部の事実上のトップに君臨した男、レジアス・ゲイズ元中将の実の娘である。

 JS事件によって明るみになった隠ぺいされていた過去の事件。挙句にスカリエッティの放った刺客によって父の命を奪われ、彼女はこの四年間、管理局の保護下に置かれて以来、監視を受けていた。

 たった一人の肉親を亡くし、自分が信じていた何もかもが分からくなったオーリスは心に深い傷を負った。

 ここへ訪れたのは、今の消沈した心に安らぎを取り戻す為の静養にお誂え向きだと判断したからである。

 緑広がる大地の上に立ち、何の気なく歩き続けるオーリスの表情は未だ晴れない。

 彼女は草陰に落ちていた今にも萎れてしまいそうな花を一本摘むと、今は亡き父の事を思いながら暗い顔となる。

「・・・・・・お父さん・・・・・・・・・」

 そのとき、おもむろにこちらへと近づく足音がした。

 やや驚いた様子で音のする方へ目を転じた際、オーリスの目に飛び込んだのは些か信じ難いものだった。

「!」

 目の前に居たのはJS事件の首魁であるスカリエッティの手によって生み出され、彼の忠実な手駒として地上本部を襲撃し、自分達の運命をも弄んだ憎き宿敵―――戦闘機人改め機人四天王のクアットロだった。

「うふふふ。こんなところでお会いできるなんて奇遇ですわね~」

「あ・・・あなたは・・・・・・!」

「ここでお会いしたのも何かの縁。是非ともドクターの夢の為にもう一度私たちに協力してくれませんか? ねぇ・・・オーリスさん」

 邪悪なる意志を宿した瞳に睨まれたオーリスは逆らう事が出来なかった。

 そして、クアットロは彼女の為に用意した特殊な幼生虚(ラーバ・ホロウ)を用いて、彼女を最も凶悪な魔導虚(ホロウロギア)へと変貌させるのであった。

 

           *

 

ミッドチルダ中央南駐屯地内A73区画

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎

 

「まさに神出鬼没・・・」

「一体何者なんだろう?」

 機動六課首脳陣は揃ってある映像に釘づけだった。

 何かと遭遇機会の多くなっている「翡翠の魔導死神」に関する数少ない記録画像。それを幾度と見返していた。

 翡翠の魔導死神は随所で機動六課メンバーの前に現れては、その都度魔導虚(ホロウロギア)を退治、または手助けをして風のように去っていく。そんな状況がこの数週間続いていた。

「何度も私たちの事を助けてくれているし・・・この前だって」

 先日インキュラスの力で夢の世界に捕われ、彼によって命を救われたばかりのなのはは、複雑な心境を顔に出しながら両手を組んで映像をじっと観察。

 が、それでも彼に関して「謎」以外に得られそうな有効な情報は何ひとつ解らず、深く溜息を突く。

 やがて、情報を整理する為にクロノが一旦口を挟み話を切り出す。

「《翡翠の魔導死神》―――その素性も思想も一切不明。分かっているのは、彼が魔導師と死神の力を両方兼ね揃えた特異な存在という事。そして、恋次さん達をこの地へ導き魔導虚(ホロウロギア)に関する情報や物資を提供している影の支援者であるという事だけだ」

「ザックームの件と言い、これまでの事と言い、翡翠の魔導死神さんに助けられなかったら今ごろ私たちはどうなってたか・・・・・・考えただけでも恐ろしい話や」

「だけど・・・今まで未確認だった死神の存在はおろか、その力を一魔導師が突発的に持ったりする事が本当にあるのかな?」

「このような事を言うと不謹慎かも知れぬが、私は機会さえあれば是非ともあの者と真剣に手合せ願いたいものだ」

「オメーな・・・・・・何かあるとすぐ戦いたがる癖、マジでやめた方がいいと思うぞ」

 生粋の騎士であるシグナムからすれば強い者と戦いたいのは当然の事だとは思うが、周りは時々少し度を超えている様に思えてならなかった。

「そんなに戦いてーなら、俺が更木(ざらき)隊長紹介してやろうか? あの人と戦ったら少しは考えを改めるかもしれねーぞ」

 何と物騒な荒療治なんだろう・・・。内心吉良は恋次の口走った言葉に肝を冷やした。

「いずれにせよ、私たちは彼の事をもっと知る必要があると思う」

「もしもこの場に・・・ユーノ君がいてくれたら翡翠の魔導死神さんに関する情報がもっと集まるかも知れないのになー」

(その翡翠の魔導死神が他ならぬあいつ自身なんだとは・・・・・・口が裂けても言えねーよな)

 真実を知る者からすれば、実にじれったい気持ちだった。

 恋次達は今まさに彼の力を必要としている幼馴染の心境を察した上で、ここまで徹底的にその存在を秘匿しようと躍起になっているかの如く振る舞うユーノの思惑を、いまひとつ理解する事が出来なかった。

「いずれにせよ、魔導虚(ホロウロギア)事件を解決に導く重要な鍵を握ってるんは、間違いなく翡翠の魔導死神さんや。彼の協力無しに事件の鎮静化も収束もあり得へん」

 はやてがそう断言すると、周りも同意し、力強く頷いた。

 しかし、現状翡翠の魔導死神の居所を知る手がかりは無い。考えれば考えるほど惜しい状況と感じ、つい溜息の回数が増える。

 そんな砌、不意にリインがおもむろに口を開いた。

「あのー・・・そろそろお昼にしませんか?」

「もうそんな時間か?」

 会議に集中していて気付かなかったが、時刻は既に昼の12時を回っていた。

 今が昼だと脳が認識した直後、恋次や鬼太郎はグウ~、という盛大な音を響かせ、空き腹を抱える。

「やべーな。腹が減ってしゃーねーぜ」

「おい、出前でもなんでもいいから早く食おうぜ」

「そう言うと思って、既にリインがみなさんの分を頼んでおいたのですよー。最近オープンしたばかりの街で評判のカレー屋さんです♪」

「おぉカレーか!! 食べる食べる!!」

「じゃあいただこうかな」

「ほんならお言葉に甘えて―――」

 ちょうど、そのときだった。

 部屋の開閉音がし、デリバリーのカレー屋が岡持ちを持って入室した。

「あ、ごくろうさまでーす!」

「大変お待たせ致しました。特性カレー12人前をお持ち致しました。なお、御代はクレジットカードも可能です」

(あれ? この声どっかで聞いたことあるような・・・)

(俺も記憶にある声に思えてならねー)

 独特な低く野太い男の声色に浦太郎と鬼太郎は挙って耳を疑った。そして何故だか冷汗が噴き出した。

 恐る恐る部屋に入って来た出前の顔を見た途端、二人の心臓は一瞬だけ止まった。

 決して見間違いやそっくりさんなどではなかった。白い調理服にこそ身を包んでいるものの、鍛え抜かれた巌の様な肉体と服の上からでも分かる隆起した筋肉、全体的に割腹の良い体躯を持つ強面の男―――スクライア商店副店長・熊谷金太郎が立っていた。

「久しぶりだな。浦太郎、鬼太郎、元気にしていたか?」

「き、金ちゃん!!」

「げッ!! なんで熊がここにいるんだよ!?」

 周章狼狽する二人。恋次や吉良も意外な人物の登場に顔を引きつる一方、事情を詳しく知らないなのは達は訝しげに様子を伺うばかり。

 やがて、金太郎は平然とした様子で岡持ちを運び、中からカレー皿を取り出しながら鬼太郎の疑問に答える。

「見ての通りバイトだ。時給900G(ギルト)のな」

「ウソつけコノヤロウ!! 俺だったらてめーみたいなおっかねーヤツ絶対バイトになんか採らねーよ!!」

「どうせあれでしょう!? 店長に言われて僕らのこと監視しに来たんでしょう!?」

「私や店長の目を盗んでお前達が善からぬ事を企てているやもしれぬでな・・・・・・自由な時間は今日で終わりだ。これからは私が常に目を光らせている事を覚悟しておけ」

「イヤだぁ―――!!! せっかく金ちゃんや店長から解放された安穏で素晴らしいフリーダムライフを満喫してたのにぃぃぃ―――!!!」

「結局こうなっちまうのかよぉぉぉ―――!!!」

 悲嘆と絶望に満ちた二人の切実な叫びが響き渡る。

 なのは達は顔を見合わせ、事情こそよく分からぬものの二人にとっては非常に都合の悪い事なのだろうと言うことは状況から安易に察する事が出来た。

「あはは・・・よくわかんないけど、なんだか大変そうですね」

「つーかあの男が来るだなんて俺ら何も聞いてねーぞ」

「ほんとに不意打ちだったね」

 恋次と吉良ですら事前に知らされていなかった金太郎の機動六課来訪。

 果てしてこの先どんな運命が待ち受けているのか、誰一人として予測がつかなかった。

 

           *

 

第97管理外世界「地球」

東京都 松前町 スクライア商店

 

「なんだと!? ゴールデンベアーがいない・・・!」

「浦太郎と鬼太郎の様子見がてらミッドチルダに出払ってまして。だから今日は僕一人だけですよ」

 修行の為、足繁くスクライア商店を訪れた白鳥にもたらされた唐突なる吉報。この事実に白鳥礼二の心は高鳴り、歓喜した。

「ふふふふ・・・・・・ははははははは!!!」

「白鳥さん?」

「いやー、すまない。あまりに気分が高揚したものでついな。あの男がいないと分かっただけでこうも清々しいとは! うむ。今日は実に良い日になりそうだ! さ、そうと分かったら今日の所は堂々と修行をサボって―――」

 背を向け、店を後にしようとした矢先。後ろから鎖の様なもので体を縛り付けられる感触が白鳥の全身へと伝わった。

「うわ!?」

 振り返ると、案の定ユーノがチェーンバインドで拘束していた。それも怖いくらい飛び切りの笑顔を浮かべながら。

「一人勝手に喜んでるところ申し訳ありませんが、修行は変わらず行いますからね♪」

「な、なんだとー!?」

「なんだとー!? は、むしろこっちの科白(せりふ)ですよ。白鳥さん、あなた自分から僕に鍛えてくれって頭下げてきた癖して堂々とサボタージュしようなんていい度胸ですね。その腐った性根も含めて金太郎の代わりに僕が叩き直してあげます♪ 嫌って言うくらい徹底的に・・・・・・」

「ま、待ってくれ!! やっとあのキツイ仕打ちから解放されたというのに・・・!!」

「これもあなた自身の為ですよ。ささ、地下修行場へごあんな~い♪」

「いやだぁぁ―――!!! 助けてママぁ―――!!!」

 

 白鳥礼二の安穏とした日々は、当面先の話になりそうだった・・・・・・。

 

           *

 

第1管理世界「ミッドチルダ」

ミッドチルダ 首都クラナガン近郊

 

「ったく、参っちまうぜ。熊がこっちに来るなんて想定外だったな」

「ま。いつかはこうなると薄々思っていたけどね僕は。とは言えずいぶんとお早いご到着だったよ・・・」

「お前らの行動なんてユーノ(あいつ)にはすべて筒抜けなんだろうぜ!」

 市街地のパトロールを体に隊舎の外へ出ていた恋次、浦太郎、鬼太郎の三人は金太郎のアポ無し訪問に肝を冷やした様子だった。

 ユーノが裏で関与している以上、いつ金太郎が来てもおかしくはない中で、あまりに早過ぎる到着に浦太郎と鬼太郎は心からうざったく思った。

「ま。確かに店長の目を盗むなんてそう簡単にできることじゃないですからね。ていうかどうやって普段の僕ら行動見てるんだろう・・・あぁ、考えただけで鳥肌が立ってきた!」

「発信機とか付いてんじゃねえのか?」

「だとしたら人権侵害ですよ! それってプライベートも筒抜けって事ですよね!? と言うことは僕が夜な夜なピーしてる事とか、××したり、あんなところでイッちゃった事とか全部ばれてたってことじゃ!!」

「とりあえずそれ以上喋るな。この変態もっこり男」

 これ以上喋らせると危険だ。恋次の賢明な判断により浦太郎が公然わいせつの罪で逮捕される事は無かった。

「あ、いけねー! 今週のジャンプ買って無かった。コンビに寄っていいか?」

「ジャンプって・・・この世界に普通に売ってるのかよ」

「やれやれ。先輩はいつまで立っても子供っぽいんだから」

「ほっとけ!」

 何だかんだと言いながら近くのコンビニへと立ち寄ったとき、三人は驚愕の光景に挙って目を見開いた。

「いらっしゃいませ―――」

「「「なんでお前(金ちゃん)(熊)がいるんだよ!?」」」

 さも当たり前のようにレジスター係を担当している金太郎が居り、店内に入ってきた三人を見るや普通に挨拶をした。

「見ての通りバイトです」

「だからぜってーちげーだろ!!」

「まさかとは思うけど、僕らの行く先々で出たりしないよね?」

「気味の悪りー冗談よせよ」

 しかし、浦太郎の言った事はこの後すぐ現実のものとなった。

 金太郎は三人の行く先々で様々に職種を変えては現れ、常に監視の目を光らせた。

 その余りに常軌を逸した行動に三人の、もとい浦太郎と鬼太郎のフラストレーションはピークに達しようとしていた。

 

「常軌を逸してるよッ!!」

「確かに常軌を逸した出現率だな」

「こちとら熊に会いたいわけじゃねーんだ! なのに逐一行くところ行くところ先回りしやがって・・・・・・てめーはポッポかコラッタか! 会うならエンテイとかライコウに会いてーところだぜ!!」

「譬えがイマイチわかんねーけどよ、もういっそのこと諦めろ。ありゃ死ぬまで付き纏うぜ」

「イヤですよ!! 死ぬ時まであんな変態ゴリラに付き纏われるのなんて!? 死ぬなら綺麗でエッチな女の子を抱いて死にたいです!」

「もっこり男もストーカーゴリラもどっちもいい勝負だろうが」

 今日の恋次の毒舌はいつになく鋭く冴え渡っていた。

 そのとき、三人の近くを通りかかった黒い高級車が一台徐行しながら側溝付近に停車。運転席からフェイトが顔を覗かせた。

「みなさん、お集まりで」

「おう。フェイトか」

「お三方も今帰りですか?」

「まーな。周辺パトロールしてみたが、取り立てて(ホロウ)魔導虚(ホロウロギア)の気配も無かった。至って平和そのものだ」

「ならいいじゃないですか。平和が何よりですよ」

 

 ウォォォ―――ン。

 刹那、虎落笛(もがりぶえ)に似た奇妙な物音が聞こえた直後、何処からともなく猛烈な突風がビルの間から吹き荒れた。

「うわあ!」

「すごい風だ!」

 どこか奇妙な風だと思った矢先、それは起こった。

 突風による影響を受けた建物の看板が重さに耐えきれず崩れ落ちた。しかも悪いことに落下地点には無防備な少女がいた。

「いけない!!」

「くそ!」

 気付いた恋次が咄嗟に飛び出し、少女を救おうとする。

「きゃあああああ!!」

 悲鳴を上げる間にもの凄い速度で落下してくる看板。全力で疾駆し、救助へ向かう恋次だが、あと少しと言うところで距離が届かない。あまりに咄嗟の事ゆえに瞬歩を使うという思考すら働いていなかった。

「ダメだ! 間に合わねー!」

 

 ガシャン―――。

 落下音とともにもたらされたのは、凄惨な結果ではなかった。

 よく見ると、少女を守ったのは鍛え抜かれた体躯で看板ごと受け止めた熊谷金太郎だった。しかもその風貌は何故か某焼きたてクッキー販売で有名なおばさんの衣装に酷似していた。

「あれは!」

「熊!!」

「それより・・・さすがにあの格好はないでしょう」

 

「あ・・・ああ・・・・・・うわあああぁぁぁん・・・・・・!!」

 死の恐怖を逃れた途端、緊張の糸が切れた子供は大声で泣きじゃくる。

「もう大丈夫だよ。怖かったね」

 金太郎は身を挺して守った少女に怪我が無いことを確認すると、看板を下ろし、泣きじゃくる少女を厚く抱擁しながら優しく声をかける。

「見ろよ! ス○ラおばさんが女の子助けたぞ!」

「かっこいい!!」

「でもなんでス○ラおばさんの格好してんだ?」

 先ず疑問に思うところはあるものの、周囲は金太郎の勇気ある行動を須らく称賛した。

「金太郎! 大丈夫か!?」

 駆け足で近づき、恋次は金太郎へおもむろに近づく。

 金太郎の左肩を見たとき、先ほど看板を受けた衝撃で肩が脱臼して関節が外れている事に気付いた。

「おまえ・・・肩・・・」

「問題ありません」

 そう言うと、金太郎はゆっくり立ち上がってから少女を解放。やがて恋次達が見守る前で左腕に力を入れ始めた。

「ふん! ぬおお・・・・・・・・・」

 何をしているのか一瞬分からなかった。

 四人が怪訝そうに見つめる中、金太郎は左腕に込める力をさらに強め、脱臼している肩を筋肉を動かす力で少しずつ戻し始めた。

「おおおおおおおおおおおお・・・・・・ぬ″ん″ッ!!!」

 刹那、ゴリッという音を立てた金太郎の左肩が正常な位置に戻った。

「「「「えぇぇぇ~~~~~~!!!!」」」」」

 常識では考えられない衝撃的な光景に声を揃えて驚く恋次達。

 医者と病院泣かせの驚くべき妙技を披露した金太郎は、軽く肩を回してから、何事も無かったようにその場を静かに立ち去った。

「あの野郎・・・抜けた肩を筋肉だけで入れやがった!!! マジでバケモノかよ!!!」

「浦太郎さんと鬼太郎さんのお知り合いの方・・・・・・只者じゃありませんね。何者なんですか?」

「何者っつってもな・・・俺らの上司の腰巾着って事ぐらいしか言えねーけど」

「でもまぁ昔は確かに凄かったらしいよ。なんだっけな・・・えーと・・・“マッドベアー”とか呼ばれてて、なんかよく分かんないけど(まさかり)担いで戦場で暴れ回った豪傑らしいね」

足柄山(あしがらやま)にあんなバケモノいたんじゃ酒呑童子(しゅてんどうじ)も形無しだよな!」

「マッドベアー? あれ? どこかで聞いたような気がするけど、どこだっけ・・・・・・?」

 一度は聞いた事のある呼び名だと思い、フェイトは思い出そうとするが直ぐには思い出す事が出来なかった。

 ピピピッ。

 すると、恋次の伝令神機に魔導虚(ホロウロギア)出現を知らせる反応があった。

魔導虚(ホロウロギア)か。場所は近いぞ」

「私の車に乗ってください。即行で現場へ向かいます」

「頼もしいね」

 急いで恋次達はフェイトの車へと乗り込み、現場へ急行した。

 このとき、金太郎は目立たないようにビル影に隠れながら、現場へ向かった四人の戦いを一人静観する姿勢を決め込んだ。

(じっくり見させてもらうぞ。浦太郎。鬼太郎よ。お前達の戦いを―――私や店長をあまり落胆させてくれるなよ)

 

           *

 

ミッドチルダ市街地 北部708地区

 

『状況アラート3! 市街地付近に未確認生命体出現。待機中の隊員は警戒態勢に入ってください。繰り返す―――』

 市街地に現れた獰猛な野犬を思わせる全身に炎を纏った魔導虚(ホロウロギア)・リベンジャー。

『ワオォォォ!!!』

 聞く者をたちまち怯ませる音圧。

 胸に大きく空いた孔、ギラギラと紅色に光る瞳。地獄より迷い出でた狂犬は見た目に違わぬ獰猛さで歯向かう者を次々と手に掛ける。

 口から吐く破壊力抜群の火炎エネルギーの塊「チリブレス」でもって、現場に居合わせた陸戦魔導師を一撃の元に吹き飛ばす。

「「「「ぐわあああああ」」」」

 交戦状態にあった陸士108部隊とその指揮官ゲンヤ・ナカジマは、今まで相手にした事のない桁違いな強さを秘めた魔物に相当手をこまねき、終始苦渋の顔を浮かべる。

「なんてこったぁ。あのワンコロ・・・とても宥めてどうにかなりそうなヤツじぇねー。完全に気が狂ってやがる!」

『ワオォォォ!』

 狂気と怒気を内包した瞳に戦く者達。

 咆哮を発した次の瞬間、リベンジャーが勢いよく突進してきた。

「陣形展開! 防御膜を張れ!!」

 突撃に備え複数の魔導師が防御魔法を展開する。

 すると、リベンジャーは先程とは少し調子の異なる咆哮を発し出した。

 刹那、展開していた防御魔法が効果を打ち消され無力化。魔導師達は驚愕の表情を浮かべる。

「なに!?」

「魔法が消されたぞ!」

『ウオオオオオオ』

 咆えるリベンジャーが魔導師達へと突っ込んだ。数百キロにも及ぶ衝突力を誇る敵の攻撃を真正面から受け、大ダメージを負って吹っ飛んだ。

「ぐああああ」

 近くに居合わせたゲンヤもその巻沿いを食らう。

 額から血を流し虚ろな瞳で前を見るゲンヤ。おぼろげながらリベンジャーが凶悪な瞳でゲンヤを見据えており、今にも自分を喰らわんとしていた。

(くっ・・・ここまでか!!)

 死を覚悟し目を瞑るゲンヤ。

 やがて、気を見計らったリベンジャーがゲンヤの頭部へ食らいつこうとした直後―――

 

〈Sonic Move〉

 金色の閃光によって目の前のゲンヤが連れ去られ、リベンジャーは標的を見失う。

 臭いを辿って後ろを振り返ったとき、現場へ駆けつけたフェイトと彼女によって間一髪のところ救出されたゲンヤがその手に抱きかかえられていた。

「ナカジマ三佐。もう大丈夫です」

「おめーは・・・・・・八神んところの?」

「俺達もいるぜ」

 吃驚するゲンヤへ一緒に居合わせた恋次達が自己主張し、おもむろに前に出る。

 そうして四人は改めて今回自分達が倒すべき相手の姿を凝視する。

「なんかいつにも増してすごいのが出て来ましたね」

「あんなのにやられたらシャレにならねー。イヌの餌にされる前にぶっ潰してやらぁ」

「フェイト。そいつと他の連中の救助は任せていいか?」

「はい」

「おーし・・・いくぜ!」

 負傷者の救出と避難をフェイトに託し、恋次を筆頭に浦太郎と鬼太郎は三人がかりで魔導虚(ホロウロギア)の元へ飛び出した。

「つらあああああ」

 大振りで炎を纏わせた斬撃を振り下ろす鬼太郎。

 しかし、リベンジャーは鬼太郎の烈火の炎をものともせず、巨大な刀身をその大口で咬んだ。

「なに!?」

 目を疑う鬼太郎を余所に、リベンジャーは烈火に灯った炎を口腔内へ吸収。間隙を突いて炎を宿した尻尾で叩き落とした。

「鬼太郎!」

「炎なら水で消してあげましょう」

〈Load Cartridge〉

 魔力カートリッジを二発ロード。魔力を練り上げ、足下に近代ベルカ魔法陣を展開すると、浦太郎はデバイス先端より巻き起こす波濤で対象物・リベンジャーを飲み込む。

「ウェーブコンサバティズム―――」

 この魔法は相手の魔力を削りながら外界に出られなくするという利点を持つ。

 しかし、リベンジャーの裡に宿る復讐の怨嗟はこれしきの水では努々鎮火できない。水の渦の中で甲高い咆哮をあげた直後、浦太郎が発動した魔法が瞬時に消滅した。

「そんな! 僕の水流魔法が効かないんて!?」

 確実に弱点を突いた効果的な攻撃と踏んでいただけに、浦太郎のショックは大きかった。

 波濤からの脱出を果たし、呆気にとられる浦太郎を見据えたリベンジャーは、業火の火球・チリブレスをお見舞いする。

「うわああああ!!」

「浦太郎!」

 鬼太郎に次いで、浦太郎までもが倒された。

 大火傷を負って動けなくなった二人を見つめるかたわら、恋次は凶悪な力を秘めた敵を前に斬魄刀を身構える。

「てめー・・・やってくれるじぇねぇか。いいぜ。俺とサシで勝負だ!」

 仲間を傷つけた眼前の敵に強い敵意を向けつつ、恋次は霊圧を研ぎ澄ませる。

 リベンジャーも(たてがみ)を盛んに動かし、声を唸らせ恋次を威嚇する。

 身を低くした状態から牽制し、気を見計らうと一気に飛び出す。恋次もリベンジャーとほぼ同じタイミングで前へ出る。

「つらああああああ!!!」

 霊圧で研いだ蛇尾丸の刃で斬りかかる。その太刀筋をリベンジャーは鋭い爪で受け止め、交互に左右のものを用いて攻撃する。

 怒涛の如く襲い掛かる鋭く、そして俊敏性に富んだ一撃一撃が重い攻撃。懸命に剣で防御しつつ、恋次は終始険しい表情を浮かべる。

 追い打ちをかけるようにチリブレスが嵐のように飛んでくる。

 接近戦闘を主体とする恋次にアドバンテージを与えまいとリベンジャーは徹底的に自分の間合で戦う。完全にペースを持っていかれた恋次は、飛来する大威力の火球を避けるのでいっぱいいっぱいだった。

 この様子を見物していたクアトッロは、いつになく楽しそうに歪んだ笑みを浮かべ眼下の戦いを見下ろした。

「うふふふ・・・その身に宿る滾る怨嗟の炎。もっと暴れなさいな。あなたの目に映るものすべて壊してしまいましょう」

 

「救護班がもうすぐ駆けつけてくれます。それまでのご辛抱です」

「すまねえ」

 ゲンヤを始め、フェイトは負傷した局員を無事安全な場所へ保護した。

 

 ―――ドカーン!! ドドン!!

 

 直後、近くで複数の爆発音が鳴り響いた。

 リベンジャーと交戦する恋次達のものだと察したフェイトは、戦況が激しさを増している事から自らも加勢に入るべきだと判断し、ゲンヤ達へ注意を呼びかける。

「いいですか。何があってもここを動かないでください」

「まさか、行くつもりか!?」

「無茶です! 相手は私たちの攻撃が通じないバケモノです!」

 一度リベンジャーと戦い、完膚無きまでに力の差を見せつけられた局員がフェイトへ制止を求めるが、彼女はそれを受け入れず自身の決意を口にする。

「たとえどんなバケモノが相手でも、このまま仲間を放っておく事なんて出来ません。私たちの魔法は誰かを救う為の力ですから―――」

 そう言うと、ゲンヤ達に微笑みかけてから、フェイトは愛機バルディシュ・アサルトを携え、恋次達への救援へと向かった。

 

「はああああああ」

 魔導虚(ホロウロギア)・リベンジャーと死闘を繰り広げる阿散井恋次。

 建物の破壊を厭わない敵の苛烈な攻撃を避けながら、僅かな隙を伺い反撃の一撃を繰り出す。

「蛇尾丸ッー!!」

 刃節を伸ばして攻撃するが、リベンジャーの爪であっさりと弾かれる。

 即座にチリブレスが飛んでくる。恋次は瞬歩で避けるも、次第に息が上がり霊力もあまり多分に消費できない状況に直面する。

「ちっ。意外と骨のある奴だな」

 強がるものの、内心はかなり焦っていた。

『ヴァオオオオ!!』

 空気を震わせる咆哮を発し、再び恋次へ攻撃を仕掛ける為、リベンジャーが前に出た次の瞬間―――

〈Photon Lancer〉

 空中より放たれた金色の光の槍がリベンジャーの体を貫く。

 救援に駆け付けたフェイトの働きによって、恋次は窮地を脱した。

「大丈夫ですか?」

「なんとかな。つっても現状でギリギリってところだ」

 既に浦太郎と鬼太郎は戦線を離脱し、恋次もここまでの戦闘でかなりの力を消費している。フェイトが加勢に入ったからと言って厳しい現実には変わりない。

 強力な力を持つ敵を前により気を引き締める二人。そんな眼前の敵を見据え、唸るリベンジャーは体に纏う猛火の勢いを強める。

「「!」」

 恋次とフェイトはリベンジャーの行為に刮目した。フォトンランサーで貫かれた箇所に炎を当てる事で傷そのものを塞いだのである。

「体を焼いて傷を塞ぐなんて!」

「地獄の番犬とはよく言ったもんだぜ」

 何から何まで狂気染みた行為に警戒を強める二人。

 傷を癒したリベンジャーは凶悪な気を宿した瞳を光らせ、直後には再び疾駆―――恋次達目掛けて突進してきた。

「ほおおおおお」

 突っ込んできた敵へ狙いを定め、恋次は刃を交える。

「はあああああ」

 それに便乗してライオットブレードを装備したフェイトも斬りつける。

 鋭い金属音を響かせた刃と爪の衝突。

 二人の斬撃を受けながら、リベンジャーはなおも平然とした様子で咆哮を発し、やがてそのまま逃走を決め込んだ。

「ぐっ・・・」

 魔力で形成された刃をいとも容易く折られ、フェイトは受けたダメージに堪えながら片膝を突いて意識を保つ。

 対する恋次は、力無く膝を突くとそのまま前方へと倒れ込んだ。

「恋次さん!!」

 慌てて恋次へと駆け寄り、倒れた体をひっくり返す。

「これは・・・!」

 見ると、恋次の左肩にはリベンジャーの物と思われる牙が一本深く突き刺さってており、息絶え絶えに多量の汗を額から噴き出していた。

「フェイト・・・・・・奴を・・・・・・なんとしても倒すんだ・・・・・・頼んだ・・・・・・ぜ・・・・・・」

 仲間に想いを託した恋次は、フェイトに笑いかけるとそのまま意識を失った。

 刹那、肩に突き刺さった牙を通してリベンジャーの仕掛けた呪いの魔法が発動。たちまち恋次の体は石と化した。

「恋次さん!! しっかり!! 恋次さ―――ん!!」

 

           *

 

 リベンジャーとの戦いによって、阿散井恋次は地獄の呪いを受け再起不能となった。

 フェイトは直ちに負傷した浦太郎と鬼太郎を伴い、機動六課隊舎へと帰投。三人の救命措置をシャマルへと依頼した。

 

           ≡

 

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

「シャマル、阿散井達の容体は?」

「鬼太郎さんと浦太郎さんのダメージはそれほど大きくないわ。私の魔力でほとんど治せたわ。問題は恋次さんの方なの」

「恋次さん・・・死んじゃったんですか?」

「いいや。阿散井くんの生命力はゴキブリ並だ。彼がこんな事で直ぐに死ぬような男でない事はこの僕がよく知ってる」

 多少言い方は悪いが、吉良は恋次が幾度となく修羅場と死地を乗り越えて来た歴戦の戦士である事を熟知している。ゆえに今回の件に関してもあまり動じてはいない。

 しかしそれでも、恋次が魔導虚(ホロウロギア)との戦いで深刻なダメージを受けたと言うことが未だに信じられなかった。

「具体的にどういう状態なんや?」

 はやては恋次の置かれている状況について、シャマルに詳細な説明を求める。

「恋次さんは・・・強力な魔力による呪いをかけられています。死んでさえいないものの永遠に動けず、口も利くことはできません」

「助ける方法は無いのかよ!?」

 何かと恋次と衝突する機会が多いヴィータも心底心配した様子で問いかけるが、シャマルは現状有効的な治療法はないと言わんばかりに首を横に振るばかり。

「あの魔導虚(ホロウロギア)を倒さない限り、恋次さんは蘇らない・・・・・・くっ。私がもっと早くに駆け付けていれば!」

「フェイトちゃん・・・」

「フェイトさん・・・」

 自責の念に駆られ、罪の意識に捕われるフェイトを一瞥。なのはとエリオは彼女の心境を察して憂慮する。

「・・・魔導虚(ホロウロギア)は今も市内を徘徊している。早く見つけ出さなければ、被害はますます広がるぞ」

「シャーリー、あの魔導虚(ホロウロギア)の足跡を辿れるか?」

「お任せください!」

 高速でコンソールを叩き、シャリオは逃走したリベンジャーの体から放出される非物質粒子レギオンからその足取りを追う。

 待つこと数分。メインモニターにその足跡と驚くべき事実が映し出された。

「こ、これは・・・!」

「なんてことなの!」

「この進行方向は・・・!!」

 全員が挙って驚いた理由―――リベンジャーが目指していたのは、素体となったオーリス・ゲイズが嘗て勤めていた職場・管理局地上本部であったのだ。

 

           *

 

『時空管理局地上本部』

 

 ミッドチルダにある管理局の地上施設。ミッドチルダの地上を担当する部隊の本部ではなく、「時空管理局の地上部隊の本部」である。

 中央の超高層タワーと、その周囲にやや低い(中央タワーのおよそ半分程度の高さだが、市街地のビル群よりは遙かに高い)数本のタワーからなり、中央タワーの最上階は展望台となっている。

 JS事件以降、地上部隊は嘗ての強権性を失ったかに思われているが、未だ地上市民からの根強い支持と武闘派閥が多く集まっており、秘かに改革を推し進める者も少なくからず内部にはいる。

 魔導虚(ホロウロギア)・リベンジャーの最終目的―――かつて地上の正義を謳いながら、その為の必要悪となって犠牲となった父・ゲイズの鎮魂を込めた『復讐』だった。

 

           ≡

 

時空管理局 ミッドチルダ首都地上本部

 

『ヴァアアアアア!!』

 地上部隊屈指の防衛力もまるで形無しの力を見せつける狂犬。

 復讐の怨嗟を炎に変え、リベンジャーは目に映るすべてを焼き払い、歯向かうものを一切の容赦なく手にかける。

 地上本部が陥落するのも時間の問題と思われた折、一発の弾丸がリベンジャーへと向けられた。

 橙色の魔力弾はリベンジャーの皮膚を守るように覆われた炎によって焼かれたが、リベンジャーの注意を向けるには十分だった。

 唸る狂犬が振り返れば、銃口を向けるティアナを始め、機動六課メンバーが総出で集まっていた。怪我を引きずりながらも復活した浦太郎と鬼太郎も一緒だった。

「もう逃がさねーぞ」

「僕らだってね、やられっぱなしは趣味じゃないんだよ」

「全員で力を合わせてあの魔導虚(ホロウロギア)を倒そう」

「「「「「はい!」」」」」

「「「「「「「ああ(おーよ)(うん)」」」」」」」

 なのはの声掛けに答えた後、居合わせた全員でリベンジャーの周りを囲い込む。

 四方を敵に囲まれ逃げ場をなくしたリベンジャー。なのは達が中央のリベンジャーを凝視しながら臨戦態勢に入った。

「さぁ、大人しく観念なさい」

「今すぐお前を浄化してやる!」

 そう言った直後、鬣を靡かせリベンジャーが甲高い咆哮を天に向かって吠え放つ。

『グルルル・・・ヴァオオオオオ!!!』

 今迄体感した事のない音圧に思わず大きさに耳を押さえたくなるメンバー。しかし次の瞬間、全く想定外の事態が彼らを襲った。

 あらかじめ起動していた魔法術式の一切が強制的にキャンセルとなり、各自の愛機は魔法発動状態から準待機状態に戻ってしまった。

「そんな!」

「魔法が・・・キャンセルになった!?」

「どういう事よ!?」

 誰しもが予測できなかった展開。仰天し動揺するなのは達に大きな隙が生まれるや、リベンジャーは怒りのチリブレスを四方を覆う敵へと放った。

「「「「「うわああああ」」」」」

「「「「「「「ぐああああああ」」」」」」」

 機動六課メンバーを襲う怨嗟の炎。

 隊舎で戦いの様子をモニターをしていたロングアーチスタッフは、今回の異常事態について直ちに解析に当たる。

「! なるほど・・・・・・そういうことね」

 しばらくして、マリエルが分析結果からリベンジャーが如何にしてなのは達の魔法を打ち消したのか、そのカラクリに気が付いた。

「どないなってるんですかマリーさん、なんでみんなの魔法が突然オールキャンセルになったんや?!」

「さっきのあの咆哮にはAMFと似た効果があったのよ。ただし、AMFと違って咆哮事態に魔力反応は無かった。強いて言えば無意味なマギオンの波動を咆哮に乗せて大量に散布した事で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「それって、前にプラスターで私たちを襲ったプーカ達が使ったマギオン波をさらに強力にしたものちゅーことですか?」

「厄介な攻撃だな」

 ただでさえ凶悪な攻撃力と獰猛さを秘めた相手だというのに、加えて魔法を強制キャンセルする能力まで秘めていると分かり、クロノは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 モニター画面の向こうを注視すれば、リベンジャーが放った「バーク・ジャミング」によって魔法をキャンセルされ、意表を突かれ大きなダメージを負ったなのは達が悪戦苦闘としていた。

 

『ウワオオオオ』

 周囲の魔力素を糧として吸収し、リベンジャーは怒涛のチリブレスをところ構わず放ち、六課メンバーに反撃の機会を与える事無く攻撃に徹した。

 攻撃の機会を逸した六課メンバーは、辺り一面炎の海と化し、黒煙に覆われながら的確に獲物を追い詰める事の出来るリベンジャーの極めて野性的な性質に恐怖しながら、次なる攻撃を警戒する。

「くそ・・・この煙の中でも奴には私たちの居場所がわかるのか?」

「みたいだぜ!」

 同じ炎を操る相手ながら、シグナムとアギトは自分達とは火力も秘められた思いもまるで異なるリベンジャーからの攻撃を純粋に恐怖していた。

 刹那、四方で燃え滾る炎の中から一体の物影が飛び出すと、シグナム達目掛けてリベンジャーが牙を剥いて飛びかかって来た。

 咄嗟にシグナムはレヴァンティンの刃でリベンジャーの牙を防いだ。

 だがしばらくして、愛刀の刀身に目に見えるほどはっきりとした亀裂が走った。

「馬鹿な!」

 並外れたリベンジャーの咬合力(こうごうりょく)に驚愕した直後、刀身を二つに噛み砕いたリベンジャーの鋭い爪がシグナムを切り裂いた。

「ぐああああああ」

 胸元を切り裂かれ、血吹雪を上げながらシグナムは意識を失い戦闘不能となった。

「てめぇコノヤロウ!! ゆるさねー!!」

 ロードであるシグナムを手にかけられ、アギトは憤怒の炎を燃やす。

轟炎(ごうえん)ッ!!」

 超巨大な火炎球を発生させ、標的・リベンジャーへと攻撃する。

 だが、リベンジャーは大きく口を開け、飛んできた火球ごとそのエネルギーを残らず吸収。アギトから魔力を奪い、得た魔力からより強力なチリブレスを放つ。

「うわああああ!!」

 ロードの仇を討つどころか、その忠誠心さえも掻き消す怒りと復讐に満ち溢れた炎。

 敗北したアギトとシグナムへと近づき、リベンジャーはその血肉を食らわんと、口を大きく開ける。

 

「―――スピードオブフロウ―――」

 次の瞬間、周りの炎を鎮火する大量の魔力水流が辺り一帯を包み込んだ。

 浦太郎が生み出した魔力の水は炎の中心に位置するリベンジャーを的確に捕捉するとともに、弱点を突いた攻撃で一時的にその動きを鈍らせる。

「先輩! フェイトちゃん!」

 捕捉した対象を水のスクリーンを通して視認した浦太郎が声をかけたのを機に、鬼太郎とフェイトがリベンジャーへと飛び出し、両サイドからの攻撃を加える。

「俺の必殺技!! パート1!!」

「ジェットザンバー!!」

 炎を纏った必殺の一撃が敵の体を轟音と爆発で以って粉砕する鬼太郎の「火炎油田(かえんゆでん)」と、フェイトの雷撃を纏った斬撃が同時にリベンジャーを直撃。たちまち大爆発が生じる。

「破道の五十七、大地転踊!」

 より確実に敵の息の根を仕留める為、吉良は周囲の瓦礫を鬼道の力で浮かび上がらせ、リベンジャーを生き埋めにする。

 そうして完全に身動きが出来なくなったをの確認。なのはは空中から狙いを定め、ティアナとキャロも別の場所から遠距離攻撃を放った。

「インパクトキャノン!!」

「クロスファイアー・・・シュート!!」

「フリード、ブラストレイ! ファイア!!」

 三地点同時攻撃が瓦礫に埋もれるリベンジャーへ向けられた。

 凄まじい魔力爆発が柱状に発生、全員が固唾を飲んで状況を見守った。

 しばらくして、炎の中から物影がゆっくりと這い出てきた。

「「「「「「な・・・・・・」」」」」」

 信じ難い事にリベンジャーは未だ浄化されず、元の姿を保っていた。

 大規模攻撃を受ける寸前、体内の魔力と霊力を大量に消費し、緩衝材としての炎で体全体を包み込み受けるダメージを最小限に留めたのである。

「あれだけの攻撃を受けてまだ倒れないなんて!」

「あれは正しく復讐と執念の炎が具現した怪物です!」

『ヴァアアアアアアアアア!!!』

 決して燃え尽きる事のない憎しみの炎。

 天地轟く咆哮とともに、勢いづけて突進してくるリベンジャー。

 怒りに我を忘れ、復讐の権化へと成り果てた狂犬が研ぎ澄ませた牙を近くにいたなのはへ向けたとき、浦太郎と鬼太郎が二人掛かりでこれを止めにかかった。

「言ったはずだぜ! 負けっぱなしは趣味じゃねえーんだよ。俺も亀もな!」

「いい加減大人しくなりなよ!」

 二人掛かりでリベンジャーを吹っ飛ばすも、やはり決定打にはならない。

 体勢を整え、敵が再び突進を仕掛けようと前に出ようとした―――次の瞬間、それは起こった。

 

〈Dynamic Storm〉

 前触れなく黄金(こがね)に色づく猛烈な魔力による乱気流がリベンジャーを直撃。その巨体を軽々と吹き飛ばした。

「今のは!?」

 突然の事態に全員が度肝を抜かす。

 すると、未知なる魔力反応とともに周囲から言い知れぬ威圧感を漂わせる何かがゆっくりと近づいてくるのが分かった。

「―――負けっぱなしは趣味じゃないだと? 己の力に慢心した挙句、敵に易々と攻撃される隙を与えられるような未熟者が大口を叩くでない」

 コツ、コツ、コツ・・・・・・。一歩ずつ足音を立て、大地をわざと引きずるように身の丈以上の巨大な武器を手に、金色を基調とし戦国武将を思わせる防護服を装備した大男が口を開き、野太い声で浦太郎と鬼太郎を叱咤した。

「おいおいおいマジかよ・・・・・・!」

「ちょっと・・・・・・なんでこのタイミングで来るのかな?」

 露骨に顔を引きつる浦太郎と鬼太郎。

 眼前から歩いてきたのは、絶対的かつ他を寄せ付けない威圧感と存在感を全身から醸し出し、鉞型アームド系インテリジェントデバイス《アックスオーガ・カタストロフ》を装備し威風堂々と闊歩する男・熊谷金太郎だった。

「「金ちゃん(熊公)!!」」

「あれって・・・出前のカレー屋さん? なんでここに?!」

 三人の間柄について詳細を知らされていないが為に、きょとんとするなのは達。

 そんな周りの反応を余所に、金太郎は自らが吹っ飛ばした相手・リベンジャーへゆっくりと接近する。

 金太郎の魔力攻撃を受けた事で怒りに燃えるリベンジャーは、突進力を付けてから猪突猛進に襲い掛かる。

 すると、金太郎は向かって来たリベンジャーを極太の腕で押さえつける。

「ぬおおおおおおおおおおお・・・・・・」

 上腕二頭筋に力を込め、リベンジャー頭部に映えた二本角を確りと掴みながら大きく体を旋回。遠心力をつけてから勢いよく投げ飛ばす。

 常軌を逸した破壊力と持久力。あまりに現実離れした光景になのは達は呆気にとられて声を出す事すら一時忘れてしまう。

「うっ・・・そー・・・・・・」

「あのおっさん、腕力だけであれをブン投げやがった!!」

「何という男だ。あれが熊谷金太郎という男なのか!」

「そうだ! 思い出したッ!!」

 スクライア商店でその実力を垣間見ていた吉良がボソッと名を口にした直後、フェイトはようやく金太郎に関する重大な記憶を頭から引き出した。

「僅か30歳の若さで本局武装隊の名誉元帥に上り詰め、八面六臂(はちめんろっぴ)の凄まじい働きで戦場と言う戦場を蹂躙し、【金色の鉞・アックスオーガ】とともに味方に絶対的勝利をもたらした伝説の魔導師!! “大破壊熊(マッドベアー)”熊谷金太郎元帥!!」

 

「ふん!!」

 逐次展開による効率的な魔法使用。硬化魔法によって鋼鉄と同じ強度を手に入れた肉体はそれ自体が鎧そのもの。そして、敵を完膚無きまでに蹂躙する肉体自身が生み出す強靭なパワーで、金太郎は終始リベンジャーを圧倒し続けた。

 やがて頃合いと見計らい、金太郎は事前にユーノから託された特殊なカートリッジ―――魔導虚(ホロウロギア)を魔導師の手で浄化する事の出来るものを一本、手持ちのアックスオーガにロードする。

〈Load Cartridge〉

 足下に輝く金色のベルカ式魔法陣。

 構えを取ると、金太郎は勢いよく自分の身の丈と同じくらいの大きさのアックスオーガを片手で中空目掛けて放り投げた。

 大きく回転しながら中空を舞うアックスオーガ。その間に相撲を取るようなポーズを取った金太郎は、リベンジャーを見定めてから、大地を強く蹴って高く飛び上がる。

 全員が注視する中、飛び上がった金太郎はアックオーガを再び手に取り、刃に圧縮した金色の魔力でもってリベンジャーを兜割りの要領で一刀両断する。

「ぬん!!」

 断末魔の悲鳴を上げて間もなく、リベンジャーは爆発・完全に沈黙した。

「ダイナミックチョップ―――」

 渋い顔で決め台詞を吐く金太郎。

 なのは達若い魔導師・騎士は、フェイトからもたらされた情報と目の前で魔導虚(ホロウロギア)を倒した伝説と謳われる大魔導師の勇壮ぶりを、しかとその目に刻み込んだ。

「熊谷金太郎元帥・・・!」

「そう、私たちの大先輩に当たる人だよ!!」

「マジかよ!」

 驚愕の事実に空いた口が塞がらない。

 倒されたリベンジャーは核であるオーリス・ゲイズを排出。また、今回彼女を魔導虚(ホロウロギア)へ変貌させた特殊な幼生虚(ラーバ・ホロウ)は直ぐに霊子分解しながら消滅した。

 後にオーリスの魔導虚(ホロウロギア)化が解かれた事で、恋次は石化の呪いから解かれ、元の状態に戻る事が出来たのだった。

 

 戦いの直後、金太郎は怖い顔を浮かべながら浦太郎と鬼太郎へおもむろに近づき、そして―――

 ゴンッ!!

「「ぐっほ!!」」

 凄まじい威力の拳骨を振り下ろした。それは地面に体がすっぽりめり込むほどの規格外な威力の拳骨だった。

 思わず目を奪われるなのは達を余所に、金太郎は首だけ地面に埋まった二人を威圧感たっぷりの顔と凄んで声で叱責した。

「この空け共が! 今迄の戦いを静観してきたが・・・なんたる体たらく振り。何の為に店長がわざわざお前達をこの地へ送り出したのか分かっているのか?」

「そ、そんなこといたってしょうがないじゃないか!」

「そうだぜ! 俺たちだってがんばってんだよ!」

「言い訳など聞かん。ちょうどいい機会だ。今日から私がお前たちをみっちり叩き直してやる。愛情たっぷりにな」

「「い、いやだあああああああああ!!!」」

 愛情と言う言葉とは裏腹に、実に悲惨な光景が目の前で広がっていた。

 最早自分達が介在する隙は無いと諦めたなのは達は、詳しい事情も知らぬまま苦笑いを浮かべるばかりだった。

「あはは・・・まぁお二人には気の毒ですけど、今回の件は完全に私たちの力不足でした」

「しかし驚いたな。まさか伝説の名誉元帥殿が今は桃谷達の職場の上司だったとはな」

「でもあの二人って確か今は駄菓子屋さんで働いてるって言ってましたよね? ということは金太郎さんが店長さん?」

「いいや。彼は副店長だよ。店長は彼を遥かに凌駕する実力者だ」

「そうなんですか!?」

「あ、たしか前に鬼太郎さんが言ってましたよ。その店長さんも自分と同じ死神だって」

「以前に聖王教会の一件でもお世話になりましたね」

「一体何者なんだろう。あの三人を束ねるだけのすごい人って・・・・・・まさか!」

 思案した際、なのはの脳裏にパッと思い浮かんだ一人の人物。

 死神であり魔導師でもある者―――・・・・・・この一連の騒動に深く関わる存在・翡翠の魔導死神その人だった。

 

 

 

 

 

 

参照・参考文献

原作:久保帯人 『BLEACH 53巻』 (集英社・2011)

 

用語解説

※1 更木隊長=護廷十三隊十一番隊隊長・更木剣八の意。尸魂界(ソウル・ソサエティ)屈指の戦闘狂で知られる。

※2 G(ギルト)=ミッドを始め主要世界で使われている貨幣単位。

 

 

 

 

 

 

教えて、ユーノ先生!

 

ユ「今日は浦太郎と金太郎の魔法について教えよう♪」

「浦太郎の得意とするのは水流魔法。魔力変換資質の中でも特異な部類に入るこれは、魔力エネルギーを瞬時に水に組み替えそれを加工する。『スピアトルネード』や『ドルフィンドライブ』は、水流を放出して相手を攻撃する魔法。さらに水を極限まで硬化させた氷結の槍『ブリザードスピアヘッド』は威力も強力だ」

「対する金太郎の魔法は、問答無用のパワースタイルが主流。硬化魔法で自身の防御力を上げつつ手持ちのアックスオーガで敵を蹂躙する。作中で使った『ダイナミックチョップ』は刃に圧縮した魔力で敵を一刀両断する必殺技だ。あんなのを真正面から受けたらひとたまりもないね」

 と、ここで浦太郎が露骨に不満を露わにしながらユーノに抗議してきた。

浦「ちょっと店長、ひどいじゃない! 金ちゃん来るなら来るってもっと早く言ってくれても良かったじゃん!」

ユ「いや・・・事前に予告したからって何ができるわけ?」

浦「誰もあんなコスプレ癖のある変態ゴリラなんて望んでないって! だって考えても見てよ。この小説って『リリカルなのは』を原作としてる訳でしょ!? かわいい女の子が大半を占める中にだよ、恋次さんみたいながさつで暑苦しい男だったり、先輩みたいな不良、あまつさえ金ちゃんみたいなアウトレイジエキストラの参戦なんて・・・」

恋「誰ががさつな男だとてめー! もう一遍言ってみろ!!」

鬼「俺だって別に不良じゃねーよ!!」

 思うところあり、作中での男性キャラクターの存在意義に対して疑問を抱く浦太郎。

 そんな浦太郎の言い分に激しく物申す恋次達。

 醜く不毛な口論へと発展した三人を止める気にすらなれなかったユーノは、深く溜息を吐くとともに後片付けを始めた。

ユ「やれやれ・・・付き合いきれないよ」

 

 

 

魔導師図鑑ハイパー!

 

 新たに民間協力者として元管理局名誉元帥だった金太郎を迎え入れる事になった機動六課だったが・・・

は「・・・・・・・・・」

ク「・・・・・・・・・」

金「・・・・・・・・・」

 はやてとクロノは揃って口を閉ざし額に冷汗を掻いていた。

 強面がトレードマークとも言える金太郎に真正面から見つめられ、かつて味わった事の無いプレッシャーに押し潰されそうになっていた。

は(く、クロノくん・・・なんや早くしゃべらんと!)

ク(無理だ。かの英雄・大破壊熊(マッドベアー)と恐れられたほどの偉大な大魔導師だぞ?! 軽はずみな事は口にはできない)

は(そない言うたってこの微妙な空気をいつまでも続けるわけにはいかんやろ・・・!)

 言うに言い出せないでいる二人だったが、直後、察した様子の金太郎がおもむろに懐へ手を突っ込んだ。

は・ク「!!」

 思わずハッとする二人。次の瞬間、金太郎が取り出したのはナイフだった。

は(ナイフって!?)

ク(ヤバい・・・・・・殺される!!)

 完全にヤクザに見えてきた金太郎に猛烈な殺気を抱く二人。

 二人の背筋が凍りつく中、金太郎はナイフと一緒に取り出したリンゴの皮をおもむろに剥き始めた。

は・ク「だあああああ!!!」

 脱力を通り越して体勢を盛大に崩す二人。やがて、金太郎は小皿に綺麗に盛ったウサギ型のリンゴを二人に与える。

金「これでも食べてください。青森産の新鮮なリンゴですので」

は「あ、ありがとうございます・・・///」

ク「ぜひ・・・いただきます///」

 顔を引きつりながらリンゴを食したものの、当然味など分かる筈も無かった。




次回予告

ユ「突如、街に大量に出現した謎の魔導虚(ホロウロギア)の軍勢」
「そしてついに、虚圏(ウェコムンド)から偉大なる(ホロウ)・メノスグランデが現れた! 機動六課メンバーよ、この危機に一丸となって立ち上がるんだ!」
「次回、ユーノ・スクライア外伝・・・『虚無なる地上の征服者』。いよいよ魔導虚(ホロウロギア)篇も佳境に入って来たよ」






登場人物
オーリス・ゲイズ
声:桑谷夏子
地上本部首都防衛隊代表で、JS事件の際に殉職したレジアス・ゲイズ元中将の娘で副官でもあった女性。当時の階級は三佐。
『StrikerS』では、査察によって六課の失態を暴き、それを「海(本局)」や教会への攻撃材料に使おうというレジアスに対し、冷静に六課がいつでも切れるトカゲの尻尾に過ぎない状態にあることを指摘するなど理知的な性格。また、はやてやヴォルケンリッターなど、過去に事件を起こした者に対しては偏見を抱く節がある。父親の裏の面についても熟知しており、それについて思うところはありながらも補佐に全力を傾けていた。
JS事件後、管理局に身柄を拘束されていたが、その心の隙をクアットロにつけ込まれ魔導虚化。父の正義を踏み躙った管理局への復讐の為に地上本部を襲撃する。



登場魔導虚
リベンジャー
声:桑谷夏子
JS事件で父であるレジアス・ゲイズを亡くしたオーリス・ゲイズが幼生虚との融合によって誕生した魔導虚。
獰猛な犬を思わせる姿をしている。火が好物であり、そのエネルギーを吸って強くなり、 灼熱の魔力を炎エネルギーとして放つ「チリブレス」で辺り構わず火の海にし、なお一層強力になっていくという凶悪な能力を持っている。 また、その牙は呪いの力を持っており、相手に牙を刺し残した場合、その相手は死ななくても永久に身動き一つ取れなくなってしまう。 咆哮によって無意味なマギオン波を大量に散布し、魔法そのものを妨害する「バーク・ジャミング」を発生させ、辺り一帯の魔法を全て無力化する。
恋次を呪いによって動けなくさせ、バーク・ジャミングと強力な炎攻撃を併用し、機動六課メンバーを窮地に追い込んだ。しかし、物語終盤で加勢に入った金太郎に圧倒され、最後はダイナミックチョップの一撃で倒された。
なお、作中で用いられた幼生虚はこれまでのように魔導師でなくても魔導虚化が可能となっている。
名前の由来は、英語で「復讐」を意味する「revenge」から。
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