ユーノ・スクライア外伝   作:重要大事

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第22話「激突!機人四天王」

前回のあらすじ

 

 幼生虚(ラーバ・ホロウ)を使い果たしてしまった機人四天王は、幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを作るためにコントラフォールでミッドチルダの首都クラナガンを封鎖してしまう。

 機動六課は連携作戦によって、なのは、フェイト、恋次の三人をコントラフォールの内部へ送り出すことに成功するが、機人四天王の猛攻は止まらない。

 果たして、我らが最強魔導師&死神軍団は機人四天王を止めることが出来るであろうか!?

 

           ≡

 

新暦079年 6月6日

第3管理世界「ヴァイゼン」

カレドヴルフ・テクニクス本社開発センター

 

「汎用性飛行魔法の一般販売の日程も無事10月に決まりましたねー」

「あぁ。管理局への導入も間近だからな。全員気を抜くんじゃね-ぞ」

 アニュラス・ジェイドこと、ユーノによって作り出された汎用性飛行魔法の正式発売と管理局への本格導入が決まったCW社の職員は浮足立っていた。

 陰ながらユーノの補佐を務め、これまで彼とともにあらゆる画期的な技術を作り出すのに一役担って来たバウラ・ウシヤマは、浮足立つ部下達を諌めつつも、新たなスタートラインに立てた事に内心興奮していた。

「ウシヤマ主任」

 すると、会議を終えたばかりのウシヤマの元へ部下の一人が近づいてきた。

「プロフェッサーユーノがいらしてます。なんでも火急の用事とかで」

「プロフェッサーが?」

 火急の用事―――それが意味するものが何なのかはわからないが、ユーノが切羽詰まった状況など稀有な話だった。

 ウシヤマは一先ず急ぎ彼の元へ向かうため、会議室から応接室へと直行。

 中へ入ると、いつも通り甚平と帽子という出で立ちのユーノがソファに腰かけていた。ただその表情はいつになく険しかった。

「すみませんプロフェッサー。お待たせしまいました。それで、今日は一体どんな御用件なんです?」

 おもむろに尋ねと、ユーノはソファから立ち上がるなり、真剣な眼差しを向けてきた。

 その眼力に思わず息を飲むウシヤマ。やがて、ユーノはウシヤマに対しゆっくりと言葉を紡ぐ。

「ウシヤマ主任。無茶を承知でお願いがあります。急ぎ【ウルカヌス】と【メカニシャンズ】の起動準備を行っていただけますか?」

「! そりゃまた・・・ずいぶん焦眉の急ですね。もしや・・・・・・プロフェッサーの言っていた例のXデーとやらが来たんですね」

「ええ。最早一刻の猶予もありません。ご無理を言っているのは重々承知しています。ですが今、あなた方全員の力が必要なんです。どうか、僕に力を貸してもらえませんか? お願いします!」

 深々と首を垂れるだけでない。恥や外聞もかなぐり捨てたように額を床に擦りつけ、目の前の男に向けてユーノは必死に懇願する。

 ウシヤマは仕事上でしかユーノとの付き合いは殆どなく、彼と仕事をし始めたのは二年余りしか経っていない。

だが、仕事を通して彼の性格は理解していた。

 人に頼らないくらい優秀である彼が人に頭を下げる事がどれだけ珍しく、どれだけ異例であり、何よりも―――心から彼の役に立てると強く実感できる瞬間は無かった。

 暫し土下座をするユーノを見下ろしていたウシヤマは口角を緩めると、頭を上げてください、そう言って彼に話しかけた。

「力を貸すも何も、俺らは全員アニュラス・ジェイドの手足なんだ。だからあんたが言うなら俺たちは喜んでこの身を捧げますぜ!」

 最高の笑顔で承諾の意を見せたウシヤマにユーノは表情を綻ばせる。

 

「―――ありがとうございます。では、早速ですが準備に取り掛かりましょう」

 

           *

 

第1管理世界「ミッドチルダ」

時空管理局 ミッドチルダ首都地上本部 展望フロア

 

 首都全域を制圧した幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント。

 人々は幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントによって捕われの身となった。

 陸も、空も、地下も、すべてが敵の手中。課外授業で地上本部を訪れていたSt(ザンクト).ヒルデ魔法学院の児童はこの世の終わりとも思えてならない今の状況に恐怖した。

「もう・・・こんなのイヤだ・・・・・・ボクたちどうなっちゃうの~~~!!?」

「こんなところで死にたくない!」

「お父さん・・・お母さん・・・///」

 ミツオの悲鳴に便乗して児童の多くが泣き言や悲観的な思考に支配される。そんな周りを少しでも励まそうとバウラやヴィヴィオは気丈に振る舞った。

「みんな元気出せよ! もうすぐヴィヴィオの母ちゃん達が・・・・・・機動六課のエース魔導師が助けに来てくれるって!」

「うん。バウラの言う通りだよ。ママ達が必ず来てくれる。わたしはママ達を信じる!」

「ヴィヴィオ・・・」

「そうだね。こんなところで泣いてばかりいられないもんね」

 希望を捨ててはダメだ。そう思ったコロナとリオはヴィヴィオが信じる希望を自分達も一緒に信じる事にした。

 少しだけほっとしたのも束の間。ヴィヴィオの耳に吃驚するミツオの声が聞こえてきた。

「ねー! アレなんだろう!?」

 双眼鏡を覗きながらミツオは周囲に訴えかける。

 慌てて窓の外を確かめると、眼前に映って来た光景にヴィヴィオ達は絶句した。

「な・・・なんだありゃ!?」

 絶えず響き渡る轟音、それに伴いピカっと輝く閃光。

 異常隆起現象を引き起こしたクラナガンをすっぽりと覆うコントラフォールを形成する強大なエネルギーが、円環状に動き回る二体の巨大魔導虚(ホロウロギア)の手によって作り出されていたのだった。

 

           *

 

ミッドチルダ中央南駐屯地内A73区画

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

 コントラフォール内部へと突入したなのは達の通信が突如として断絶。

 シャリオ達は絶えずコンタクトを行うが、強力な妨害電波によってあらゆる通信機器は全く役に立たずにいた。

「なのはさん達との交信回復しません! 八神部隊長、シグナム副隊長とヴィータ副隊長、ザフィーラ、金太郎さん、吉良さんは機人四天王ファイの魔導虚(ホロウロギア)態とB地区において交戦中です!」

「フォワードメンバーと浦太郎さん、鬼太郎さんは地下水脈にて同じく魔導虚(ホロウロギア)化した機人四天王ウーノとの戦闘を継続中です!」

「あとは、内部に侵入したなのはちゃん達次第ですね」

「僕達の希望を信じるしかない」

 管制官からの報告を聞きながら、モニター越しに映し出される不気味な輝きを放つコントラフォールを、クロノやマリエルは厳しい顔つきで凝視する。

(頼んだぞ。なのは・・・フェイト・・・恋次さん)

 

「リンディ統括官より入電です!」

 報告したシャリオはメインモニターに映像を表示。クロノ達の前に顔を見せたリンディ・ハラオウン統括官は真剣な眼差しで語りかけてきた。

『クロノ。現在の状況は?』

「既にフェイト達がコントラフォール内部へ突入を成功させましたが、ジャミングによって通信は途絶しています。他のメンバーは引き続き魔導虚(ホロウロギア)化した機人四天王と各地で交戦中です」

『そう・・・・・・実はねクロノ、以前に翡翠の魔導死神さんから技術提供を受けた例のLEツールの件でちょっと話があるの』

「LEツールって・・・・・・まさか!?」

「正気ですかリンディ統括官! あれを・・・“リンカーエクストリーマー”を本気で使うつもりなんですか!?」

 クロノばかりか、マリエルも驚愕の表情を浮かべる始末。

 やはりね・・・。心中二人の反応を予測していたリンディは苦虫を噛み潰したような顔を浮かべるも、現実的な意見を述べる。

『・・・・・・私だってほんとは使いたくなんかないわ。だけど、いざというときのための力でもあるの。それは私よりもここにはいない造った人間が一番理解している筈よ』

 リンディが示唆する謎のツール―――リンカーエクストリーマーの設計者こそ、翡翠の魔導死神であった。彼もまた、今のリンディと心境は同じであり、できる事なら一生使わずに事が済めばいいと心の中では思っていた。

 だがもしも、どうにも立ち行かなくなった時や使用の容認をせざるを得ない危機的状況に立たされた場合には躊躇無く使う事も辞さない覚悟が求められる。

 事前にツールの危険性について話を聞いていたクロノは、そのような状況に立たされた場合、果たして使用承認を出せるのか否か。英断を迫られる究極的なシチュエーションが来ない事を望んでいたが・・・それは神のみぞ知る事だった。

 

           *

 

首都クラナガン コントラフォール内部

 

 コントラフォール内部へと突入したなのは、フェイト、恋次の三人は突入と同時に通信機能が一切使用不可となった事態に内心焦りを抱いていた。

「スターズ1からロングアーチ、応答願います!  シャーリー! クロノ君! ダメ・・・やっぱり交信できないよ」

「やっぱりこの中では通信も効かないみたい」

「くそ。幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを成長させているエネルギー源さえぶち壊せば・・・!」

 これ以上の事態悪化は何としてでも阻止せねばならない。

 首都全域を覆い尽くす不気味に蠢動する植物のような蔦と触手、そこから生み出されようとしている無数の幼生虚(ラーバ・ホロウ)の集団。

 スカリエッティ一派の狙いは、クラナガン在住の一千万都民を対象とした大規模な魔導虚(ホロウロギア)化計画であり、幼生虚(ラーバ・ホロウ)はその為に必要不可欠なものだった。

 終始焦燥を顔に出すなのは達は空の上から、気味の悪い植物に侵食された街を見下ろしつつ、短時間で成長を続けるプラントのエネルギー源を血眼になって捜索する。

「っ!」

 すると、フェイトは前方数百メートル先で捕えた謎の発光エネルギーを目視。

 青と紫―――二つの異なる光は互いに環状に強いエネルギーを発生させており、凄まじい速度で移動し続ける事によって形成される光の輪が三人の瞳に焼き付いた。

「なのは、恋次さん、あれを!!」

「あれは・・・!?」

「なんだよ一体・・・!」

「多分・・・環状レールウェイと環状ハイウェイを利用して、ザックームの時のような加速エネルギーを作っているんですよ!」

 数か月前、機人四天王との直接接触のあった新型魔力炉ザックームでの出来事は今でも鮮明に記憶に残っている。

 次元世界でも算出度が極めて低い鉱物資源【インペリム】が持つ陽子と反陽子を高質力で衝突させた際に生じる加速エネルギーは、幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを育てるのに打ってつけの環境であり、それに目をつけた機人四天王はザックームを制圧。大量の幼生虚(ラーバ・ホロウ)の培養に着手したものの、完成目前で計画を知ってなのは達を救出に来た翡翠の魔導死神の手により根こそぎ破壊され、計画は破綻した。

「首都中の人間が魔導虚(ホロウロギア)になっちゃったら、管理局の力を以ってしてもどうすることもできない!」

「そうならねーよう今ここで俺たちが絶対にぶち壊すッ!!」

 突き止めた幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントへのエネルギー源に向かって空を翔る二人の魔導師と、一人の死神。

 空気の抵抗を全身で受け流し滑空すること数分。

 ようやくレールウェイを取り込み体内の(ホロウ)化因子によってライオンを思わせる姿の魔導虚(ホロウロギア)に変貌した機人四天王トーレこと、セクメ。同じく首都ハイウェイを取り込んで(ホロウ)化因子で大蛇を思わせる姿の魔導虚(ホロウロギア)に変貌した機人四天王クアットロもとい、ワルター4の下まで急いだ。

 このとき、敵の元へ向かって空を翔る三人の姿を地上本部展望台に取り残されたヴィヴィオ達もしかとその目で捕えていた。

「なのはママ! フェイトママ! それに恋次さんもいる!」

「助かった~~~! 神さまはボクらを見捨てて無かったんだぁ~~~!」

 

 セクメとワルターが作り出す加速エネルギーは幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを育てるのに極めて良質な栄養源となっていた。

 二体へ接近した直後、恋次は一気に潰しにかかる為、即座に卍解を発動させる。

「卍解っ!! 狒狒王蛇尾丸!!!」

 巨大なオロチの雄叫びが響き渡らせ、恋次はなのはとフェイトに一斉攻撃の合図を送る。

「いくぜ二人とも!! 三人の力を奴等に余すことなくぶつけるぞ!」

「「はい!」」

 そして、次の瞬間―――。

「狒骨大砲!!」

「エクセリオンバスターッ!!」

「トライデントスマッシャーッ!!」

 三人が放つ必殺技が眼下の標的・セクメとワルター4目掛けて、ほぼ同時のタイミングで放たれた。

『ん!? 高町なのはにフェイトお嬢様、それに赤髪の死神も!!』

『よくもプラント内へ!!』

 気付いた二体は驚きを隠し切れなかった。

 二体が交わるポイントに絞って砲撃を仕掛けた三人の合体技が頭上より容赦なく降り注ぐ。これを二体は紙一重で回避した。

 プラントへのエネルギー供給と、コントラフォール自身を構成する膨大なエネルギー源が絶たされた瞬間、首都全域をぶ厚く囲む三層からなる光のドームは消滅。

 くぐもっていた灰色の空は晴れ、太陽が顔を出した。

「わあぁぁぁ!!!」

「そらが晴れたー」

 空が晴れた瞬間、展望フロアに取り残されたヴィヴィオ達も喜々とした表情で空を仰ぎ見る。

 

 一方、コントラフォールの外でドームの消滅を間近で確認したリインとはやてはともに喜びを分かち合っていた。

〈やりましたです! コントラフォールの消滅を確認です!〉

「うん。そやけど、問題はこれからや」

 喜んでばかりもいられなかった。はやては冷静に光のドームの消滅に伴って明朗となった首都全域を覆い尽くす大量の幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを凝視する。

 

 六課隊舎で同じ光景をモニターで確認したクロノ達もまた思わず声を詰まらせた。

「っ! あれは!!」

「ひどい・・・こんなことが・・・・・・」

 異常に隆起した地盤と、都市全体を侵食する幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントというこの世の終わりを表したかのような光景は凄まじいインパクトを与える結果となった。

「それが報告にあった幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント―――なのね」

 不意に後ろから聞こえてきた掠れた女性の声。

 聞き覚えのある声だと思えば、旧六課時代からの後見人であるリンディが隊舎にやって来たのだった。

 おもむろにモニターの近くへと歩み寄り、街を埋め尽くすまでに数を増した無数のプラントを見るなり、リンディの顔つきが険しくなる。

「・・・・・・とてもこの世の光景とは思えないわね」

「リンディ統括官。見たところプラントはかなりの最終段階まで近づいていると思われます」

「クロノ提督、大至急エネルギー供給を断ち切らなければならないわ!!」

「はい」

 実母であり上官からの語気強い指示に首肯。

 クロノは現地で四天王と交戦中のはやて達ら機動六課前線メンバー全員に、重要度の高い指示を出す。

「全員総力を以って幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを破壊せよ!!」

 

「やってくれたな機動六課っ!!」

 コントラフォールが破壊され、一時的にプラントへのエネルギー供給が絶たれた事にニルヴァーナは相当の焦りを募らせる。

 ヴィータとシグナム、吉良、ザフィーラ、金太郎の頭上を高速で飛翔し、異常隆起した地盤を垂直に上昇。内部に突入したなのは達の下へと急ぐ。

「待て!!」

「逃がすかよ!」

 自分達を無視して逃げおおせようとするニルヴァーナを追って、シグナムとヴィータ、はやても直ちにを追いかける。

「奴は彼女達に一任し、我々は別の仕事にとりかかるとしましょう」

「はい」

「心得た」

 ニルヴァーナをはやて達に任せた吉良、ザフィーラ、金太郎の三人は、自分達にしかできない別の仕事に取り掛かる事で互いに合意した。

 

           *

 

ミッドチルダ首都中心部 地下水脈

 

『くっ。まさかあの防壁が破られるとはね・・・―――」

 コントラフォールの消滅を、地下水脈にてフォワードメンバーと対峙していたカストラ自身も察知した。

「ついさっきロングアーチから幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントの破壊、それにヴィヴィオ達の救出の命が下ったわ」

「だから、テメーの相手はここまでだ。あばよ姐ちゃん!」

 無暗に交戦するリスクは避けて通りたかった。

 ロングアーチから通達を受けたプラント破壊と捕われた都民の救出を最優先と考えるフォワードメンバーは、早々に戦線を離脱しようとする。

 しかし、カストラは敵前逃亡を決して許さない。

 全体的に要塞のように重武装した体のあちこちに付いた回転式砲台から魔力と霊力エネルギーをチャージ。砲撃を放ち、逃げ道を封鎖する。

「危ないっ!!」

 咄嗟にキャロがフリードの背中に乗って自分達を覆うだけの巨大な防御膜を展開し、崩れ落ちてきた瓦礫を辛うじて防ぐ事ができた。

 カストラの攻撃によって、逃げ場を失ったフォワードメンバー。険しい表情を浮かべる彼らを凝視し、カストラは恨み節を吐く。

『いつもいつもいつも・・・・・・ドクターの邪魔をするあなた達だけは決して許さないわよ! 今日こそは私がこの手自らが抹殺してやるわ!! ふふふふははははははははは!!!!!』

 言った直後、背中の回転式砲台から大威力の砲撃を発射。狭い地下水脈においてフォワード達を追い詰める。

 

           *

 

同時刻―――

首都クラナガン 幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント区画・中心部

 

 魔導虚(ホロウロギア)化したトーレとクアットロを攻撃し、エネルギー供給を断ち切る事に成功した名のは達。

『うぉ・・・のおおおおおおおお・・・』

『あぁ・・・あああああああああ・・・』

 三人が繰り出す必殺技を喰らった二体は、(ホロウ)特有の再生能力を駆使して攻撃時に受けた破損個所の即時修復を試みる。

「悪いが、再生する時間をやるわけにはいかないんだっ!!!」

 彼らが再生する様を見ていた恋次はおもむろに近づき、狒狒王を構えながら声高に叫ぶ。

 弱り切っている相手に止めを刺そうとした、次の瞬間―――。

「のあああああ!!!!」

 突如飛来した高速の飛行態が恋次を襲撃。紛れもそれは無くトーレ達を援護する為に駆けつけたファイの魔導虚(ホロウロギア)態・ニルヴァーナだった。

『貴様らの好きにはさせん!』

「恋次さん!!」

「あいつは!!」

 なのはとフェイトの目の前で超高速で飛翔するニルヴァーナが生み出すソニックブームと激しい突風が二人にも牙を剥いて襲い掛かる。

「「きゃあ!」」

 巨大でありながら速さに特化したフォルムが生み出す疾風は洗練されており、三人にとっては実に厄介極まりない攻撃だった。

『奴らは俺が(たお)す。貴様らはさっさと幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントを完成させろ』

『あなたに言われなくても・・・!』

『はじめからそのつもりだ』

 当初からあまり仲の良いとは言えないファイからの小言をおもしろく思わない二人だったが、彼の言う通り何よりも今はプラントの完成が急務だった。

 再生能力でダメージを回復させた二体は、プラントを育てる為に、環状レールウェイとハイウェイを利用した加速エネルギーの生成作業を再開した。

 二体が生み出す加速エネルギーは絶たれていた幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントへの成長を促し、更には外部とを完全に遮断する光のドーム・コントラフォールが形成された。

 クラナガンに差し込む太陽は再び隠れ、鈍色の雲が立ち込める。

 

           *

 

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

「コントラフォール再形成!」

幼生虚(ラーバ・ホロウ)の様子は?」

「駄目です! 成長が止まりません!」

「レギオン粒子反応を確認。プラントが完成に近付いてる証拠です! あと10分ほどで最終段階に至ると思われます!」

「くっ・・・時間との勝負か・・・・・・」

 一刻の猶予も無い事態に直面し、額から脂汗を掻くクロノ。

 プラントは静かに、だが着実に成長を続け、完成の瞬間を迎えつつあった。

 

           *

 

首都クラナガン 幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント区画・中心部

 

 ニルヴァーナによる猛攻は止まらない。

 高速戦闘を得意とする機人四天王屈指の強者相手に苦戦を強いられる三人。

「「は、は、は、は、は」」

 全身を傷だらけにするなのは、恋次を一瞥したフェイトはひとつの決断を下す。

「バルデッシュ―――ライオット!」

〈Yes Sir.Riot Blade〉

 主人の命を受けた金色の戦斧《バルディッシュ・アサルト》はフルドライブモードに当たるフォースモード・ライオットブレードを起動させた。

 ザンバーよりも細身の片刃の長剣は高密度に圧縮された魔力刃を有し、高い切断力を誇るのみでなく、刀身に伴う高圧電流により、防御の上からでも電撃によるダメージを与える事ができる。

「フェイトちゃん!?」

「おまえ、まさか一人で!」

 彼女の行動の意図を即座に理解したなのはと恋次は驚愕の表情を浮かべる。

 フェイトは二人を先にヴィヴィオ達の元へ向わせる為に、ニルヴァーナの囮役を進んで買って出たのである。

「なのは、恋次さん、先に行ってて。私も後から必ず追いかける」

 フェイトの瞳に宿った確かな覚悟。それを感じ取った二人は顔を見合わせ、互いに納得すると彼女を信じる事にした。

「絶対に無茶だけは駄目だからね!」

「戻って来なかったら承知しねーぞ」

 フェイトの勝利を切に信じ、二人はその場から離脱。ヴィヴィオ達が捕われている地上本部へと急いだ。

『フン・・・。観念して自ら死を受け入れたか。それともこの俺に嬲り殺さるオプションを望んだか?』

「どっちも違う」

 低い声で静かに発した直後、フェイトはバリアジャケットをパージし、最低限の装甲のみを残した《真・ソニックフォーム》へ換装。

 さらに、左右に持った二本のライオットブレードを連結させた巨大な大剣《ライオットザンバー・カラミティ》の形状に変化させると、頭上で影を作る巨大な敵を仰ぎ見ながら宣言する。

 

「お前を倒して、この馬鹿げた騒ぎを終わらせる―――それだけだ」

 

           *

 

同時刻―――

ミッドチルダ首都中心部 地下水脈

 

 地下水脈では依然としてフォワードメンバーとカストラによる激しい戦闘行為が継続していた。

 

「リボルバー・・・ブレイクッ!」     「クロスファイアー・・・シュゥゥゥ―――トッ!!」

 

           「サンダーレイジ!!」 「アルケミックチェーン!」 「ストームシュート!!」

 

「―――スピアトルネード」   「俺の必殺技、パート4!!!」

 

 圧倒的な体格差と能力を誇る相手に対して有効打を与える方法は、地形や相手の能力に合わせて技を繰り出す事である。

 カストラは確かに大火力を有する。下手な攻撃が通じないのは百も承知。ゆえにスバル達は各々の得意技で相手を翻弄し、この狭小空間でカストラのアドバンテージを少しでも奪うつもりだった。

 複数に撃ち出される橙色の魔力スフィアと、真水を伝う電撃、魔力を持った高圧水流と摂氏数百度に達する火炎弾など、一人一人の技は微弱でも地形を活かした有効戦略を立てる事で不利な状況を覆すことができる。

 カストラは崩壊する壁や天井の瓦礫や、羽虫の如き小さな敵の攻撃に段々と苛立ちを募らせる。

『この・・・小癪なッ!!!』

 回転式砲台から強烈な一撃を放ち、更には両舷(りょうげん)から伸びる巨大なアームで相手を拘束しようとするも、カストラと違い俊敏性に長けたスバル達は水路をちょこまかと逃げ回って思う通りにはさせない。

「フェイクシルエット・フルパフォーマンス!」

 頃合いを見計らって、ティアナは幻術魔法を発動。幾人もの幻影を作り出して十重二十重(とえはたえ)とカストラの周りを取り囲み、敵の判断を鈍らせる作戦に転じた。

『これは・・・! 幻影と実体の混成ですって!?』

 案の定、カストラはティアナの幻術に惑わされしどろもどろ。攻撃の手を止めてしまった。今のうちにスバル達は怯む相手の隙を突いて攻撃を再開する。

『こんなものぉぉぉ!!!』

 魔導虚(ホロウロギア)化による副作用で理知的な判断が鈍り、野生に近い感覚を有するカストラは怒りに我を任せて、幻覚諸共すべてを吹き飛ばそうと闇雲に砲撃を放つ。

 が、やはり要領を得ない攻撃では正確な的に当てる事など不可能。スバル達は冷静さを欠いたカストラに怒涛の如く攻撃を仕掛ける。

「フリード、ブラストレイ!!」

「ドルフィンドライブ!」

「リボルバー・・・・・・シューット!!!」

 フリードの火炎攻撃と浦太郎の水流魔法、そして、スバルの一撃がクリーンヒット。

 三段階の攻撃を受けたカストラのぶ厚い表皮はかなり傷ついた。これを超速再生能力でもって即時回復を図る。

『おのれぇ!』

 怒りを露にし、カストラは形振り構わず手当たり次第辺り一帯を攻撃。壁や天井の崩落を一切気にする事無く徹底的に攻勢に転じた。

 

           *

 

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

「ルキノ、各所の前線メンバーの動きはどうなってる?」

「現在八神部隊長ほかヴィータ副隊長、シグナム副隊長はプラントの破壊を試みてます。ザフィーラ、吉良さん、金太郎さんの三名は環状レールウェイ及び環状ハイウェイ魔導虚(ホロウロギア)に接近中。フェイト隊長は飛行魔導虚(ホロウロギア)と空中戦闘中です!」

「急がないと、プラントが完成してしまうわ!!」

「一千万都民が・・・魔導虚(ホロウロギア)化される・・・・・・!」

 クロノ達が最も恐れる最悪の展開。考えただけで背筋が凍る。

 残り時間はわずか7分18秒。

 果てして、神が味方するのは人類か。果てはスカリエッティ一味なのか―――!?

 

 地獄へと変わり始めるミッドチルダ。

 コントラフォールによって遮られた都市の一角に唐突に現れた亜空間に通じるトンネルの向こうから、三人の人影が現れる。

 一人は身の丈ほどの大刀を背中に担いだ死覇装姿の男。一人は亜麻色の長髪をなびかせる女性。一人は黒いスーツを基調とした出で立ちの男だった。

 そのうちの黒スーツの男―――特殊な義骸に入ったコンは周りの様子を伺いながらおもむろに口を開いた。

「・・・・・・ここがミッドチルダか? 近未来都市っつーからどんなとこかと思ってたら、まるで地獄みてーなだな」

「周りをよく見てみろよコン。どう見ても幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントだろうが。こいつが繁殖してるせいで街はこのありさまなんだよ」

 コンの言動を諌めるオレンジ色の頭髪の死神代行―――黒崎一護は絶えず眉間の皺を深く寄せながら、いつでも刀を抜ける準備をする。

「あれ? そういえば白鳥さんの姿が見えないけど・・・?」

 訝しげに辺りをきょろきょろ見渡していた一護の妻・織姫が一護に報告する。

「またあいつ勝手にどっか行きやがった・・・・・・まぁいいや。とりあえず放っといてもいいだろう」

「いいのかよそれで・・・・・・」

 大雑把過ぎるように思える一護の言動には時折コンも疑心を抱いてしまう。

「恋次くんと吉良さん・・・それに金太郎さん達はだいじょうぶかな?」

「あいつらがそう簡単にくたばるかよ。とにかく、俺たちがここに来た理由は一つだ」

 言うと、一護は眼前でうねうねと蠢くプラントに注意を向けながら、両隣に立つと織姫とコンに向かって呼びかける。

「いくぜ、織姫。コン」

「「うん(おう)」」

 

           *

 

首都クラナガン コントラフォール内部

 

 ザックーム以来の一対一の戦闘行為に臨もうとしていたフェイトとニルヴァーナ。

 両者空中での高速戦闘を最も得意とする戦士同士―――相手の考えを読んで牽制しつつ、フェイトはニルヴァーナと対峙する。

「機人四天王ファイ、一対一の勝負だ。ここで決着をつける!」

『貴様のような脆弱な魔導師がこの俺に敵うとでも思っているのか・・・フェイト・T・ハラオウン』

 刹那、ニルヴァーナがフェイト目掛けて接近してきた。

「のあああ!!」

 音速に達する移動速度はフェイトの剥き出しの皮膚をいとも簡単に切り裂く。

『貴様とてスピードで俺を上回るのは不可能だな』

「ほざくな!」

 相手の挑発に激昂したフェイトは超高速で移動するニルヴァーナに追いつこうと必死に食らいついて攻撃を繰り出すが、元々の体格差と相手本来が持つ高いポテンシャルも相まってあと一歩と言うところで手が届かず、防戦一方の戦況だった。

『フン・・・。のろい、のろ過ぎる』

「うああああああああああああああああ」

 猛烈な勢いでビル街に墜落するフェイト。

 ほぼ生身と言って差し支えない体にかかる負荷は相当なものだった。軽くあばら骨に皹が入った感じだ。

「くっ・・・・・・。」

 だが彼女の心は決して折れない。刺すような痛みも堪えて再び戦場である空へと舞い戻っていく。

『無駄な足掻きだ』

 抵抗をやめようとしないフェイトに哀れみさえ抱いたニルヴァーナは、先ほど同様に高速で移動しながら満身創痍の彼女の体を更に傷つけ追い詰める。

「のああああああああ!!」

『空に生き、空で育ったこの俺に敵うはずもあるまい』

 一度Uターンし、加速に乗せてフェイトに狙いを定め飛翔する。

「バルディッシュ!」

〈Protection〉

 咄嗟に防御魔法を展開し、正面から飛んでくるニルヴァーナの攻撃を弾くも、相手にダメージ効果は期待できなかった。

『フン、効かんな』

「はああああああああ」

 勢いをつけ、フェイトはライオットの巨大な刀身をニルヴァーナ目掛けて振り下ろす。

 だが、その攻撃をあらかじめ読んでいたかのようにニルヴァーナは軽くあしらう様子で容易に回避する。

「なに!?」

 吃驚するも直ぐに思考を切り替え、空高く飛翔したニルヴァーナに対し、フェイトは大剣を大きく振りかざし、刀身から高圧の電流を放ち攻撃する。

「はああああああ!!!」

 フェイトから向けられた電撃をまたも容易に躱した後、ニルヴァーナは甲高く笑いながら彼女に告げる。

『ははは。空は良いぞ』

 言うと、胴体内に格納された格闘用アームでフェイトを叩きつける。

「くっ!!」

 衝撃で後方へ飛ばされるフェイト。

 と、次の瞬間―――猛烈な乱気流が突如として発生し、飛行するフェイトの体勢を著しく崩そうとした。

(乱気流!? そうか・・・地盤が極端に隆起したことで、ビル風の数十倍もの突風が巻き起こってるんだ!)

『フェイト・T・ハラオウン―――貴様との勝負、ここで終わりにさせてもらう!』

 

「ギガトンシュラーク!!」

「〈火龍一閃〉!!」

「フレースヴェルグ!!」

 激戦を繰り広げる前線メンバーの勝利を信じつつ、はやてとシグナム、ヴィータの三人は完成間近の幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントの破壊に徹していた。

 強力な魔法攻撃で幾度となくプラントの破壊を試みるも、あまりにも膨大な数と非常に魔力攻撃に対する耐久性に優れた組織構造、さらにはエネルギー供給源である二体の魔導虚(ホロウロギア)が健在という状況からプラントはその数を一向に減らす事は無かった。

 魔力切れを起こしかける三人は、自分達の周りで着々と成長を続ける幼生虚(ラーバ・ホロウ)を目の当たりにし、危機感を募らせる。

〈ヤバいぜ! このままじゃこのままじゃ幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントが完成しちまう!〉

「やはりエネルギーの発生源を先に叩くべきか」

「それに関しちゃ、ザフィーラ達を信じて待つしかねー」

「ヴィータの言う通りや。ここは三人を信じて、私たちのやるべき事に集中するんや」

 仲間を信じ、自分達の力を信じ、目の前で完成されかけているプラントを無心になって破壊すべくはやて達は次なる魔法を発動させる。

 

           *

 

時空管理局 ミッドチルダ首都地上本部 展望フロア

 

 機人四天王相手に苦戦を強いられる機動六課の魔導師・騎士達。望遠鏡で逐一観戦していたミツオは例の如く悲観し声をあげる。

「ああー!! 何だか苦戦してるよー!! ボクたちどうなっちゃうのー!?」

「つべこべ言うならミツオも戦ってきたらどうなの!?」

「そんなぁー///」

 業を煮やしたコロナからのきつい一言に思わず涙するミツオを余所に、ヴィヴィオ達はは周りに機動六課の応援を呼びかける。

「みんなで、機動六課の人たちを応援しよう!!」

「そうだね! なのはママー! フェイトママー! みんながんばれー!」

「オレたちが付いてるぞー!!」

 自分達にはこんな事しかできない。

 それでも彼らは最後の最後まで諦めず、自分達や街を救う為に命懸けで機動六課メンバーの勝利を信じ、ひた向きに応援を続けた。

 児童達だけじゃない。地上本部取り残された殆どの者が藁にも縋る思いで彼らに世界の明暗を託したかのように一斉にエールを送った。

 

           *

 

ミッドチルダ首都中央 地下水脈

 

 激闘からおよそ1時間が経過した。

 カストラの猛攻によって、スバル達の体力と魔力は底をつき、皆力果ててしまった。

 鬼太郎も深手を負って動けなくなり、浦太郎に至ってはカストラに捕まり、体を強く締め付けられていた。

「ぐっ・・・ぐあああああああああ!」

『ふははははは! 幾度と無く邪魔をされ溜まりに溜まった恨みをついに果たすときが来たのね! ははははははは』

 アームを器用に使い、自分とは大きさに雲泥の差もある浦太郎の体を一息に押し潰さないよう徐々に力を加えていく。

 メキメキ・・・と、体の骨が軋みあがる。浦太郎の骨と内臓は次第に強く締め付けられ悲鳴をあげ始める。

「のあああああああああ!!!!!」

 全身に迸る激痛に思わず阿鼻叫喚する浦太郎。

「亀・・・・・・チキショウ・・・・・・ここまでかよ・・・・・・・・・!」

 悔しい。実に悔しい。為す術もなく仲間の命を救う事も出来ずに倒される―――鬼太郎にとってこれほどの屈辱は考えられなかった。

 だがどうする事も出来ない。既に万策は尽きた。残された備えなどどこにもない・・・・・・そう思った矢先、彼はふと思い出す。

「! そうだ―――まだ手は残ってる!」

 慌てて懐をあさり始めた鬼太郎がおもむろに取り出したもの―――この戦闘が始まる前に、六課隊舎で金太郎より渡された例のユーノからの「お守り」だった。

 ユーノが自分達の為に残した保険である事を聞いていた鬼太郎は、藁にも縋る思いで巾着袋の中を改める。そこには魔力カートリッジらしきものが入っていた。

 最早これに賭けるしかなかった。横で気絶したティアナのクロスミラージュを拝借すると、鬼太郎はたった一発のカートリッジを装填。

 照準をカストラへと定め、渾身の思いを込めた一発を放つ。

「食らえええええええ!!!」

 パンッ―――。放たれた一発の弾丸は真っ直ぐな軌道を飛んで行き、カストラの皮膚へと命中。しかし目立った傷は何ひとつ現れなかった。

『馬鹿ね! そんなヘナチョコ弾で私をどうするつもりだったのよ? はははははは!!!!」

 高を括り己の力を過信するカストラは気付いていなかった。撃ち込まれた弾丸こそ、自らを死に至らしめる最強の一撃であった事を。

『!?』

 次の瞬間、カストラは体に違和感を覚えた。

 急激に熱を持ち始めた身体は全身の細胞と言う細胞が異常な速さで活性化し、あちこちが(あぶく)が膨れあがるように体組織そのものを著しく肥大化させた。

『ナニ・・・・・・何ナノこれは・・・・・・!?』

(なるほど。店長もえげつかいこと考えたな・・・・・・細胞の働きを過剰活性させる事で体の内側から相手を死に至らしめる・・・・・・)

 朦朧とする意識の中、浦太郎はユーノの狙いを即座に看破する。

 鬼太郎が所持していた特殊カートリッジには、魂魄細胞の分裂限界の制御を超えて成長させ続け常時暴走させる「強制細胞分裂加速器官」と同じ成分が含まれていた。

 これによりカストラは自身の制御能力を超えて過剰に活性化する細胞分裂のスピードに母体そのものが付いていけず、自身の意思とは関係無く起こった身体崩壊に直面したのである。

『ぐああああああ!! 何というコトを!!! こうなったらアナタ達も道連れにしてあげるワァァァ!!!』

 滅び始める自分自身と一緒にこの場に居合わせた者すべてを道連れにしようとするカストラだったが、浦太郎の答えは違っていた。

「悪いけど・・・・・・僕ら全員君と心中するつもりは無いよ・・・・・・」

 そう言うと、浦太郎は懐からユーノが用意したもう一つの「保険」を取り出し、中に入っていた特殊カートリッジをフィッシャーマンに装填、ロードする。

〈Transporter High〉

 あらかじめカートリッジに内蔵された高位転移魔法が起動した。翡翠色に輝く魔法陣が現れると、浦太郎と鬼太郎、そしてスバル達を対象に安全圏へと遠隔転移させる。

『そんな・・・・・・!! ドクターぁぁぁ!!!』

 あまりにも悲惨すぎる最期だった。

 忠義を尽くした男の名を口にしながら、カストラ―――戦闘機人ウーノは過剰成長に伴う身体の大爆発に巻き込まれ、非業な死を遂げる事となった。

 

           *

 

同時刻―――

首都クラナガン コントラフォール内部

 

 激しい乱気流吹き荒れる首都圏空中で戦闘行為を繰り広げていたフェイトとニルヴァーナ。その大空中決戦も大詰めを迎えようとしていた。

『この後に及んで逃げるか? 後ろを取ったぞ!』

 飛びながら逃げ続けるフェイトの後ろに付いたニルヴァーナ。しかし、それこそが彼女の狙いだった。

「ほおおおおおおおおおおおお!!!」

 ニルヴァーナが前に出た途端、吹き乱れる乱気流の力を利用しフェイトは相手の巨体ごと手持ちのライオットブレードで突き上げた。

『何!?』

「待っていた・・・このときを!」

(気流を利用するとは・・・!)

「空に命を懸けてきたのは、お前だけじゃない!!」

 十数年、なのはや仲間とともに空の戦場を駆け抜けてきた事はフェイトの誇りだった。ゆえにその思いは誰よりも強かった。

 一瞬の隙を突いてニルヴァーナの体にライオットの切っ先を突き刺し、体内に高圧電流を直接流し込んで爆発を起こさせる。

(雷撃を俺の体内で直接爆発させるとは!?)

「いかに素早いお前でも、この距離では躱せない!!」

 黒煙をあげながら急速に降下していくニルヴァーナの体。フェイトは渾身の力で留めの一撃を加える。

「終わりだ。サンダークラッシャー!!!!!」

 刹那、フェイトの全身から溢れる魔力がバルデッシュに注がれ、肥大化した刀身を通じて大質力のエネルギーがニルヴァーナを一刀両断した。

『のおおおおおおおお!!!!!』

 激しい爆発に巻き込まれ、ニルヴァーナの体は粉々に砕け散った。

 紙一重の死闘を制したフェイトは地に降り、全身の力を使い果たしその場から一歩たりとも動けなくなった。

「はぁ・・・はぁ・・・やった・・・だけど、こっちももう動けない・・・」

〈System power down〉

 主の無茶に付き合ったバルディッシュ自身も限界ギリギリのエネルギーを使い果たし、しばらくは魔法を行使する事も叶わなかった。

 

           *

 

同時刻―――

首都クラナガン 幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント区画・中心部

 

 二つの戦いに終止符が打たれる中―――幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントの完成は、最早目前にまで迫りつつあった。

(感じる・・・私とトーレ姉様のエナジーが幼生虚(ラーバ・ホロウ)を育てていくのよ・・・)

 良質な加速エネルギーを作り出していたセクメとワルター4は互いより伝わってくる凄まじいエナジーこそがプラントを育ているのだという実感を持つ。

『『!?』』

 と、そのとき。高速で移動しながらエネルギーを作り出すワルター4の前方に金太郎が控え、同じくセクメの進路には人型形態のザフィーラが待ち構えていた。

『醜い魔導師・・・!』

『身の程知らずが。叩き潰してやる!』

 

「「さあ、来い(来るがよい)!!」」

 金太郎とザフィーラは接近する二体をギリギリのところまで注意を引き付ける。

 そして、もうこれ以上のタイミングはないと判断した瞬間―――両者は満を持して一人の男に合図を出す。

「「今ですぞ(だ)!!」」

 

「―――縛道の六十三『鎖条鎖縛(さじょうさばく)』」

 二人の合図を待っていた吉良イヅルは霊圧を最大限まで解放し、ワルター4の巨体を鎖状の拘束具で縛り上げるや、セクメの元へと投擲した。

『なっ・・・!?』

『はっ!』

 予想だにしなかった事態に直面し、驚愕を露わにする二体。

 瞬間―――二体の体が激しく衝突したことによって起きる巨大な爆発と轟音。

 爆発が収まったとき、まるで隕石が落下した時のような大規模なクレーターが生じていた。二体の同時殲滅によってエネルギー供給は完全に断たれ、首都圏を覆っていたコントラフォールは完全消滅した。

 

           *

 

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

「全戦闘機人魔導虚(ホロウロギア)、殲滅!」

幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラントのエネルギー供給停止を確認!」

「機動六課前線メンバー、アクセス!」

「素晴らしい活躍だわ。よくやってくれたわ・・・・・・みんな!」

 奇跡の働きを見せた機動六課前線メンバー各員にリンディは心からの感謝と称賛の言葉を送るとともに、強張っていた表情を綻ばせた。

 

「やったのか、この状況!?」

「ああ・・・ザフィーラ達がうまくやってくれたようだ」

 幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント破壊作業に徹していたシグナム達も遠くから伝わる仲間の波動を感じつつ、任務成功を確信していた。

 だがしかし、はやての目に思いもよらぬ光景が映った。

「こ・・・・・・これは・・・・・・!!」

 

 対する吉良、ザフィーラ、金太郎の三人は陥没したクレーターに座り込んだまま、一歩たりとも動く事ができなかった。

「くっ・・・さすがに効いたな・・・」

「お見事ですぞ吉良殿・・・」

「いや・・・僕は礼を言われるようなことは何も・・・でもこれで・・・・・・」

 と、喜んだのも束の間。

 ミッドチルダ地下深くに建造された秘密のアジトで事の次第の全てを見届けていた黒幕―――ジェイル・スカリエッティは不気味な笑みを浮かべる。

「ふふ・・・すべての心弱き愛すべき生命(いのち)に私から最高のプレゼントするときが来たようだ・・・ふふふははははははは!!!!」

 

「はやてちゃん、レギオン粒子反応を確認です!!」

「あかん!!」

 ミッドチルダに再び激震が走った。

 事の次第を理解できぬまま満身創痍でへばっていた吉良達の前に、同じく満身創痍で中途半端に魔導虚(ホロウロギア)化を保つトーレとクアットロが目の前に現れる。

「まさか・・・!」

「どういうことなのだ!?」

「何故だ!!」

 二人を完全に倒したとばかり思っていた三人は驚きを隠せなかった。

「ふふふ・・・我々機人四天王は・・・不死身の体を持っているのだ・・・」

「でも流石に効きましたわ・・・もう完全体に戻るほどのエネルギーは残っていませんものね・・・・・・美しいですわ・・・・・・必死に生にしがみつこうとするあなた達のその姿勢・・・・・・殺してやりたいほどにィィィ!」

 人格を豹変させ、クアットロは動けない三人目掛けて飛び掛っていった。

「!! やめるんだクアットロ!!」

 しかし直後、何かの気配と強い力を感じとったトーレはクアットロに制止を求めた。

「かあああああ・・・・・・なっ!?」

 刹那、クアットロの前方に現れた三角形の防御壁。それは負傷した吉良達を守るようにクアットロの前に立ち塞がった。

「ひえええええええ!!!!!」

「クアットロぉぉぉ!!!」

 咄嗟に飛び出した彼女を助け出そうと魔力の糸を伸ばすクアットロ。

 しかし、時既に遅し。クアットロは前方に立ち塞がる三角状の結界に触れた瞬間、即座に反応する爆発装甲によってダメージを負った。

「あああああああああああああ!!!」

「何だ!? あれは・・・!」

 唐突に現れた謎の現象に目を見開く三人。

 やがて、苦しみの声を上げたクアットロはトーレによって回収されたものの、最早体の形状を保つことすらままならず、涙ながらに死を悟った彼女はトーレに手を伸ばす。

「・・・・・・おねえさま・・・・・・///」

 そう言い残し、トーレの手に触れることすら叶わずクアットロの肉体は無数の霊子に分解されながら天へと昇っていった。

「・・・クアットロ・・・愚かなる妹よ・・・」

 妹の死に直面したトーレから零れ落ちるただ一滴の涙。

 深い悲しみに堪えながら、トーレは早々にその場を離脱―――三人の前から姿を消した。

「なんだ・・・何が起こったのだ・・・一体!?」

「今のはまさか・・・・・・」

「よかった。吉良さん、金太郎さんも無事だったんですね」

 不意に聞こえてきた優しい女性の声。

 声のする方へ振り返る三人。そこには安どの笑みを浮かべ、頭上に六つの花の名を冠した妖精―――盾舜六花(しゅんしゅんりっか)を浮遊させる霊能力者・黒崎織姫が立っていた。

「織姫さん・・・・・・!! 来ていたのか!?」

 まさか彼女がこの世界にいるは微塵も思っていなかった吉良は心底驚いた声を発した。

 

「こ、これまでにない膨大なレギオン粒子反応を観測!! 首都全域で幼生虚(ラーバ・ホロウ)が完成します!!」

「一千万人が・・・魔導虚(ホロウロギア)に!?」

 ついに迎えてしまった最悪の展開、最悪のシナリオ。

 首都全域において完成した数千体もの幼生虚(ラーバ・ホロウ)が人類に牙を剥けようとしていた。

 

 クアットロ消滅後、何とか危機を脱するべく建物の地下へと潜ったトーレ。

 しかし、急激な魔導虚(ホロウロギア)化に伴う身体へのダメージは最早限界を越えつつあり、強靭な肉体にも多大なる負荷がかかり崩壊を始めていた。

「はっ、はっ、はっ、はっ!! くそ・・・まさかここまでとは・・・」

「見つけたぜ、魔導虚(ホロウロギア)

 突如、背後から聞こえてきた低い音の声に振り返るトーレ。

 そこにいたのは、ミッドチルダの地へと降り立った伝説の死神代行・黒崎一護だった。

「だ・・・誰だ貴様は!? その格好・・・貴様も死神か!?」

「俺は“死神”じゃねえ。“死神代行”だ。悪いが、テメーはここで倒させてもらうぜ」

 そう言うと、一護は背中に背負った斬魄刀・斬月に手を伸ばす。

「ま、待ってくれ!! 見逃してくれ!!」

 腰を抜かしたトーレは後ずさりながら、命乞いという最も自分の中で恥ずべき行動で一護への説得を試みる。

 だが、一護はトーレのその見た目から魔導虚(ホロウロギア)と認識し、一切の躊躇なく掲げた斬月の刃で一気に振り下ろした。

「のああああああああああああああああああ」

 巨大な刀身から流れ込む(ホロウ)を断罪し、その罪を洗い流す力。

 一刀両断されたトーレは魔導虚(ホロウロギア)化が解かれ元の姿に戻ったものの、既に限界を迎えた肉体はすぐさま霊子分解を起こした。

「死神よ・・・・・・最後に私を斬ってくれて・・・・・・ありがとう・・・・・・」

 最後に人の姿に戻したくれた一護への感謝を述べると、トーレは満足気な笑みを浮かべながら、霊子となって天に還って行った。

 トーレを昇華した一護は複雑な心境を掲げながら、斬月を肩に乗せ、トーレが昇って行った天を仰ぎ見る。

「誰だか知らねーけど、安らかに眠れ―――・・・」

 

           *

 

首都クラナガン 幼生虚(ラーバ・ホロウ)プラント区画・中心部

 

 首都全域で完成された無数の幼生虚(ラーバ・ホロウ)

 しかし、人類にはたった一つの希望が残されていた。

 死神でありながら魔導の力に目覚めたその男は、一カ月に渡って翡翠の魔導死神の手解きを受け、その力を高めるに至った。

 その魔導死神の名は、白鳥礼二。またの名を【白翼(はくよく)の魔導死神】と言う。

「ふははははははははは。光臨、満を持して!」

 甲高い笑いをあげ、中空に佇む彼は幼生虚(ラーバ・ホロウ)によって滅びを迎えつつあるクラナガンの街を見下ろした。

「この世界にはまだ希望がある。それは他の何者でもない―――この私だ!」

 語気強く言うと、白鳥は腰に帯びた斬魄刀を抜き放ち、真の力を引き出す解号を唱える。

 

「―――天地(てんち)にて音色(ねいろ)弾奏(だんそう)させよ、『琴線斬(きんせんざん)』」

 

 直後、解号を唱えた白鳥の斬魄刀はエレキギターを彷彿とさせる形状へと大きく様変わりした。

 本来の力を解放した斬魄刀を握りしめ、白鳥は最高潮に達したテンションで、愛刀が奏でる特殊な音色をクラナガン全体へ響き渡らせる。

「琴線斬第八章・四十二節 『破滅の円舞曲(ワルツ)』!!」

 

 

 

 ついに、魔導死神・白鳥礼二の真の力が発動した。

 一千万都民が、魔導虚(ホロウロギア)化している今―――・・・人類に、明日は訪れるのであろうか!?

 

 

 

 

 

 

参照・参考文献

原作:久保帯人 『BLEACH 71巻』 (集英社・2016)

 

用語解説

※ ソニックブーム=主に戦闘機などの超音速飛行により発生する衝撃波が生む、轟くような大音響のこと。

 

 

 

 

 

 

魔導師図鑑ハイパー!

 

ミ「うわぁぁ―――ん!! ボクたちもう死ぬしかないんだぁ―――!!」

 ミッドチルダ地上本部に取り残された子供達は未だ消えぬ不安と死の恐怖に怯えていた。特にそれが顕著なのがミツオだった。

ヴィ「だいじょうぶだよ。必ず助けがくるから」

バ「いい加減泣きやめって」

ミ「ムリだよ―――!!! どうせここで死ぬのがオチなんだぁ―――!!!」

 と、激しく諦めかけていたそのとき。

 ガラスが外側から突き破られる音がした。途端、子供達の前に颯爽と現れた謎の人物。

?「待たせたな」

ミ「だ、だれぇ!?」

?「案ずることは無い。私はヒーローだ。君たちを助けに来た」

コ「ヒーロー?」

リ「あなたは一体・・・?」

 子供達の視線を一身に浴びる謎のヒーロー。

 彼はマントを翻すと、声高らかに自らの名を叫びあげる。

コ「私の名は正義のヒーロー!! カラクライザー!! 私が来たからにはもう安心だ!! 私とともにこの場を脱出するぞ!!」

 正体はカラクライザーと称する謎のヒーローに扮したコンだった。

コ(決まった! さぁガキども・・・オレさまの魅力に惚れちまいな)

 と、自画自賛するコンを余所にミツオ達の反応は・・・・・・。

ミ「うわぁぁ―――ん!! やっぱりボクたち死ぬしかないんだぁぁ―――!!」

バ「不審者が出たぞ! みんなすぐに逃げるんだ!!」

コ「なんでだよ―――!!!」

 子供に好かれるどころか、「不審者」呼ばわりされるあまりに悲しいヒーロー擬きなのであった。




次回予告

ユ「君達に、最新情報を公開しよう。」
「ミッドチルダ最後の時刻(とき)が迫る! 白鳥さんは間に合うのか?!」
「恋次さんとスカリエッティ、運命の出遭い! 全生命力を懸けて立ち塞がるファイ! 音速を超えて戦う一護さん! 生き残るのは誰だ!?」
「ユーノ・スクライア外伝 NEXT、『白の爪牙、黒の月牙』」。次回も、この小説にファイナルフュージョン承認!」
織「『黒崎一護・天鎖斬月』―――これが勝利のカギだぁ!」






登場魔導虚
ニルヴァーナ
声:小野友樹
ファイが体内の虚化因子を用いてHAサーフェイスF(極超音速戦闘機)取り込んで誕生した巨大魔導虚。
飛行時に発する衝撃波と胴体内に格納された格闘用アームが武器。空からトーレ達が作ったコントラフォールとその中の幼生虚プラントを守ることを使命とし、空中戦でフェイトを翻弄するが、乱気流に誘い込まれた一瞬の隙を突かれて敗れる。
名前の由来は、仏教用語で「涅槃」、またはジャイナ教で魂の解放を指す概念を指す言葉から。
カストラ
声:木川絵理子
ウーノが体内の虚化因子を用いてマッコウクジラを取り込んで誕生した巨大魔導虚。
マッコウクジラとナガスクジラ科のヒゲクジラを合わせた感じの姿で、多数の回転式砲台と両舷から伸びる巨大なアームを備えている。地下の下水道内に陣取って機動六課のコントラフォール突破作戦を妨害した。フォワードメンバーや浦太郎、鬼太郎を撃破寸前まで追い詰めるが、ユーノが保険として用意した強制細胞分裂加速器官と同じ成分を含んだ特殊カートリッジを使った罠にかかり、過剰成長を起こし自滅する形で敗北した。
名前の由来は、古代ローマにおいて軍事防衛拠点または野営地として使用された場所または建設された建物群を指す言葉から。
セクメ
声:木川絵理子
トーレが体内の虚化因子を用いて環状レールウェイを取り込んで誕生した巨大魔導虚。
ワルター4と共に環状レールウェイを高速で疾駆することで生み出したエネルギーで首都圏を囲む障壁コントラフォールの維持と幼生虚プラントへのエネルギー供給を担った。
名前の由来は、エジプト神話に登場するライオンの頭部を持つ女神「セクメト」から。
ワルター4
声:斎藤千和
クアットロが体内の虚化因子を用いて首都ハイウェイおよびその上の車両群を取り込んで誕生した巨大魔導虚。
セクトと同じく環状ハイウェイで高速で走りながら膨大なエネルギーを生成して幼生虚プラントを育成した。金太郎達の捨て身の策によりセクメと正面衝突させられて敗れる。
名前の由来は、メラネシアのソロモン諸島の神話に登場するヘビの姿をした女神「ワルタハンガ」から。
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