ユーノ・スクライア外伝   作:重要大事

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第29話「()がために愚者は踊る」

 どこか知らない空間。

 辺り一面が純白に包まれた殺風景な部屋。部屋の中央には申し訳ない程度に円卓が置かれ、それ以外の物は無い。

 円卓に広げられた複数のタロットカード。カードを1枚1枚めくりながら、白の詰襟制服に身を包んだ男はある運命を占っていた。

 カードをランダムにめくり上げたとき、目に入ったのは大アルカナのひとつ―――『運命の輪』。それを見て男は物静かに呟く。

「正位置の『運命の輪』・・・・・・好機は今を置いて他にないのかもしれない。“悪魔の結晶”が次元世界各地へ四散し、ジェイル・スカリエッティやあの男がプローブとして選ばれたのはまさしく運命そのもの」

 物静かな口調で独り言を呟くと、男はテーブル手前に置かれたカードをさらに1枚めくりあげる。ひっくり返されたのは正位置の『魔術師』だった。

「『魔術師』・・・・・・その手に抱えた杖は確かに剣を指している。創造と活力も満ちあふれている」

 抽象的な意味を含むその言葉が何を示しているのか、少なくともこの男はわざわざ口に出さずともわかる。敢えて口に出すのは自らを奮起させるためだった。

 占いを終えた男はおもむろに立ち上がる。

 右手に持った黄金色の装飾が際立ったUSBメモリ型のアイテムを手の中で弄びながら、白い部屋を後にする。

 

「運命の輪は決してあなただけが握っているのではありませんよ。ユーノ・スクライア・・・・・・」

 

           ◇

 

新歴079年 6月25日

第1管理世界「ミッドチルダ」

ミッドチルダ中央南駐屯地内A73区画

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 医務室

 

「で、今日はどうしたの? なのはちゃんが私に聞いて欲しい事って」

 昼下がり―――機動六課筆主任医務官シャマルの元になのはが訪れた。

 ややかしこまった様子のなのはを見ながら怪訝そうに見つめるシャマル。やがて意を決し、なのははシャマルと面と向き合い言葉を発した。

「実は・・・うまく伝えられるかどうかわからないんですけど、最近少し体調が変なんです」

「え・・・・・・」

 聞き捨てられない言葉だった。なのはが自ら体調の異変を訴えることが何を意味するのか。それがどれほど周りに影響を与えるか。シャマルは驚愕と不安を露にしながら彼女を凝視する。

「シャマル先生・・・・・・わたしそのー」

 思い詰めた様にも見えるなのはから発せられる次の言葉をシャマルは予想する。

 

       ―――「わたし・・・・・・もうダメかもしれません・・・・・・」―――

       ―――「魔法を使うことに限界が来たみたいなんです!!」―――

       ―――「死にたい!! 死にたいくらいに苦しいんです!!!」―――

 

 頭に思い浮かぶのはネガティブなワードばかり。

 普段、天真爛漫を絵に描いた性格の彼女が突然改まった態度を取られると、どうしてもシリアスな事ばかり考えてしまう。

 緊張が走り、額から一筋の汗が零れ手の甲へと落ちた次の瞬間、なのはの口から発せられた言葉は―――・・・

「ユーノ君と相思相愛になってから何だかお肌のハリがものすごくよくなったり♪ いつも食べてたものがすごくおいしく感じたり♪ もうほんと~世界がすごく輝いて見えるんです~♡♡♡」

 幸福と愛に溢れた言葉の数々。紆余曲折を経てユーノと両想いとなった事で日常生活の至るところが以前に増して色鮮やかになったことをなのはは心底幸せそうに公表した。

 聞いた直後、シャマルは手持ちのボールペンを思わず握りつぶす。

 ブチっという音が鳴った瞬間、なのははシャマルの掌の中で真っ二つに折れたペンを目の当たりにし唖然とした。

「何を話すかと思えば惚気かよ・・・」

 これまで見た事のないような怖い顔。且つ凄んだ声で舌打ちをするシャマル。なのははこんなにも荒んだ湖の騎士を今まで見たことがなかった。それどころか、何故彼女がこうなったのかさえ無自覚ゆえに分からずにいた。

「えっと・・・シャマル先生・・・わたし何が気に障るようなことを言いましたか?」と、恐る恐る問い質すなのは。

「え? あ、あぁ、うんうん! なんでもないわ! ちょっと思うところあったものだからつい!!」

 我に返ったシャマルは慌てて砕いたボールペンを背中へと隠し、自身の腹黒い一面を取り繕うように笑顔を作り出す。

 やがて、一度咳払いをしてから体調の変化を懸念するなのはに説明する。

「結論から言わせてもらうと・・・なのはちゃんのそれは体の異常ではありません」

「ほんとですか!? よかったー・・・てっきりこの前のリンカーエクストリーマーの副作用か何かかと思いましたよー」

「それ本気で言ってるのだとしたらいい根性してるわよ」

 天然というのはつくづく恐ろしいという事をシャマルは改めて思い知らされた。同時にそんな彼女を受け容れたユーノもユーノである意味奇特で肝の座った男だと感心してしまうのだった。

「でもシャマル先生。こんなこと今までなかったのにどうしてなんでしょうか?」

「さーて。どうしてかしらねー」

「あれ? なんだか対応がおざなりじゃないですか?」

 問いかけに対し右から左へと適当に流すような返事をするシャマル。さすがのなのはもぞんざいに扱われていると感じた。

「でもよかったわ。調子が変って聞いたときはてっきりさっきのなのはちゃんと同じこと考えたもの。で、あれ以来本当に体の方はなんともないの?」

「はい。この通りピンピンしてますよ! というかそれを言うならシャマル先生だって同じですよね?」

 魔導虚(ホロウロギア)・ジャガンノートとの最終決戦において使用された禁断の兵器【リンカーエクストリーマー】。絶大な効力と引き換えに使用者に与える副作用もまた大きすぎるものだった。二人はあのとき確かにその副作用―――“身体の老化”を体験した。

 だが、ユーノとの再会を果たした一週間後には何事も無かったかの如く全てが元に戻っていた事を、二人は今でも不思議に感じていた。

「未だに信じ難い話ではあるのよ。いくらユーノ君の造ったものだとしても、人知を超えるエネルギーを生み出すために命をも奪いかねないリンカーエクストリーマーを使っていながら、私たち全員が存命。しかもなんの後遺症も残っていないなんて・・・」

 そう呟くシャマルに、なのはも「ですよね。」と共感を示し、率直に当時の心境を語り出す。

「私はあの場で身命を賭してジャガンノートを倒せれば魔導師として悔いはないと思いました・・・・・・・・・でもやっぱり、頭に過ったのは死への恐怖でした。ここで死ねばもう二度と大切な人と会うこともできなくなる。そう思ったらほんとうに怖かった。でも・・・・・・・・・ユーノ君は私のところに帰ってきてくれた。そして約束してくれた。もう二度と居なくならないって。夢じゃないってわかった瞬間、本当に嬉しかったんです」

 知らず知らずに隔たっていたユーノとの距離がようやく縮まり、自分が望んでいた形で和解することが出来た。胸にぽっかりと空いたものが長い時を経て急速に埋まった事でなのはは嘗てない幸福感でいっぱいだった。

 ユーノ・スクライア―――高町なのはにとってその存在の大きさは計り知れないものだという事をなのはと傍ら聞いていたシャマルは改めて認識した。

 

 ドカーン!!!

 

 次の瞬間、唐突に隊舎の外で爆発が起こった。爆発の規模はそれなりに大きく訓練場の方から聞こえてきた。

「な、なに!?」

「今の爆発は?」

 あまりに突然過ぎてまるで状況が把握できない中、なのはとシャマルはひとまず訓練場の方へ向かってみた。

 

 訓練場へ到着すると、二人が目の当たりにしたのは―――どういうわけか黒焦げになった鬼太郎とその被害を受けたであろう恋次や吉良、白鳥がいた。幸いにもスバル達は危険が及ばないよう安全圏に避難していた。

「鬼太郎さん!?」

「何があったんですか?」

 状況説明を求めるシャマル。すると恋次が焼け焦げた顔でなのは達を見ながら、先ほど遭った事態を克明に説明する。

「このバカがよ・・・鬼道の制御がうまくできねーもんだから霊力が暴発しやがった!」

「だからってなんで僕までとばっちりを」

「やれやれ。がさつな性格のお主には最初から向かないものだと何故理解できぬ」

「く~~~!! チッキショウがァ!!」

 最初から無理だと分かっていた白鳥の言葉が鬼太郎の胸に深く突き刺さる。こんなにも悔しい思いをしたのは生まれて初めてのことではないが、いざ辛辣に言われると傷つかずにはいられない。

「もう~。医者の仕事を無暗に増やさないでくださいよね!」

 呆れながらもシャマルは直ぐに負傷した鬼太郎達の治療を開始した。

 そんな中、キャロは苦笑いを浮かべながらふとして気になった事を口にする。

「でも不思議ですよね。同じ死神さんでも鬼道を扱える人って少ないんですか?」

 キャラの何の気ない疑問に吉良と恋次は次のように回答した。

「僕ら正規の死神は多くは霊術院で鬼道の扱い方を教わるから、得手不得手はあってもある程度の技なら使える。君ら魔導師と同じだ」

「逆に一護や鬼太郎みたいに正規の訓練を受けていない奴は使えなくても不思議じゃない。だからこそ、あいつが不思議で仕方ねーんだ」

「ひょっとして・・・ユーノ先生ですか?」と、スバルは頭にぱっと思い浮かんだ人物の名を口にする。

「そういえばユーノ先生ってどうして死神さんの術を操れるんでしょうか?」

「結構すごい技とかも使えるみたいですし」

 ティアナとギンガも以前から気になっていた疑問。無論、正規の死神である恋次と吉良は彼女達以上にそのことが気にかかっていた。

「鬼道には攻撃に特化した『破道』と防御や補助主体の『縛道』に分類される。序数が上がれば上がるほど威力も強力だが、比例して扱いも難しくなる。にもかかわらずだ。ユーノさんはケロッとした顔で平然と扱っている」

「それに、鬼道を改変するだなんて真似も誰にだってできることじゃね」

「じゃあこの際だし、直接本人に聞いてみましょうか♪」

 

 数分後―――。

 なのはから呼び出しを受けたユーノは仕事の合間を縫って訓練場まで足を運んだ。

「僕がどうやって鬼道を扱ってるか・・・ねぇ。たしかに、僕は正規の死神ではない。一応正規の死神だった人から教えを乞うた事は間違いないですけどね」

「浦原さんが何を教え込んだか知らねーけどよ。あんなぽんぽんと大威力の上級鬼道を詠唱破棄で扱える奴は鬼道衆でも見たことねーよ」

「あれも自己流なんですか?」

 恋次と吉良から向けられる疑問・質問。彼らだけでなく六課メンバーの誰もが二人とほぼ同じ思考に至っていた。

 問われたユーノは、不敵に口元を緩めてから全員が自分へと抱く疑問―――何故鬼道を意のままに操れるのかというものにについて、おもむろに回答した。

「僕は昔っから攻撃魔法のセンスが皆無でしてね。なのはやフェイトみたいに放出した魔力を攻撃力に変換できなかったんです。だから魔導死神化して大威力の鬼道が使えたときは嬉しかったなー。同じことを魔力でできなかったんですから。で、あるとき気づいたんですよ。魔法も鬼道も突き詰めると実は根底にあるものは同じだってことにね」

「根底?」

 聞いた瞬間に疑問符を浮かべるなのは。ユーノは彼女や周りのきょとんとした反応を見ながら笑みを浮かべ答える。

「『言葉』だよ。魔法も鬼道もその基本の発動にはトリガーとなる言霊の詠唱が必要だ。たとえば破道の四番に『白雷(びゃくらい)』という技がある。基本的な詠唱は―――」

 言うと、ユーノはなのは達の目の前で実演を始めた。

 右手を前方へ翳してから、中指と人差し指へ霊力を集中させ言霊を唱える。

白精(はくせい)よ 一条の衝撃以って 撃ち倒せ。 破動の四、『白雷』」

 詠唱を唱えた直後、指先から放たれた一条の光線。光線は真っ直ぐな軌道で撃ち出されると、射撃魔法の訓練に用いるターゲットの真ん中を貫通する。

「魔法でも鬼道でもその術を操るのに長けた者ならば、詠唱を破棄して術を使うことが可能だ。ではここで問題だよ」

 そう言って、ユーノはなのは達にある問題を提起する。

「“白精よ 一条の 衝撃以って 撃ち倒せ”―――三節の呪文が四節になると何が起きると思う?」

「ユーノさん、失礼ですがその詠唱では真面に起動しません。必ず何らかの形で失敗しますね」

 真っ先に声に出した吉良からの返事。ここまではユーノの想定通りの展開だった。

「吉良さんのおっしゃる通りです。僕が聞きたいのはその失敗がどういう形で現れるかということです」

「んなもんランダムに現れるんじゃねーのか?」恋次は根拠の無い回答を口にし、

「ピーチのように暴発させて被害を受けるのでは?」白鳥は先ほどの経験からそのように答えを予測する。

「すばらしい。いま言った答えはすべて『間違い』です」

 ここまではすべて予定調和である。ユーノは想像力に乏しい面々に正解を口にする

「答えは『右に曲がる』ですよ」

 話した直後、実演の為にユーノはわざと三節ではなく四節での詠唱を行った。

「白精よ 一条の 衝撃以って 撃ち倒せ」

 刹那、指先から放たれた光線が真っ直ぐ飛んだと思えば―――突然右へと方向を転換し曲折した。

「馬鹿な!」

「ありえねー!」

 予期せぬ結果に驚愕を露にする死神達。なのは達はユーノの言った通りの事象が起こった事に呆気に取られていた。

「ちなみに、“白 精よ 一条の 衝撃以って 撃ち倒せ”・・・五節に区切れば『射程が落ちる』し、詠唱の一部を省略すれば『質力が大幅に落ちる』。これは何も鬼道に限った事だけじゃない。現代魔法でも同じことが起きるんだ」

 実演を交えながら変革された鬼道を披露していたユーノは、今度はなのはにある魔法の詠唱法について問う。

「高町教導官。一般的に知れ渡っている『シュートバレット』の詠唱はなんですか?」

「えっと・・・・・・“我は射手 原初の力よ 我が指先に集え”、だけど?」

「ではその詠唱を“我は 射手 原初の力よ 我が指先に 集え”と五節に区切ったとき、何が起きると思います?」

「え? ごめんユーノ君、そんなのやったことないよ。だってぜったい失敗するってわかってるもん」

「では、それがどんな風に失敗するのか実証してみようか。僕の予想では、魔力弾の軌道が上方へシフトした直後に霧散するから」

 半信半疑で言われるがまま、なのはは恐る恐る詠唱有りで射撃魔法の基礎とも言える『シュートバレット』を発動させてみる事にした。

「我は 射手 原初の力よ 我が指先に 集え」

 すると、指先から放たれた桜色の弾丸は突如上側に向かって飛んでいった途端、形状を保てなくなり跡形もなく消失した。

「あっ!!」

 ユーノの言う通りの事が目の前で起こった。なのははもちろん、スバルらフォワードメンバーや他の隊長陣、死神さえも目を疑った。

 結果に対し呆然とする周囲の反応を見てから、ユーノは講義内容のミソを説明する。

「とどのつまり、鬼道と魔法は超高度な自己暗示に過ぎないんだ。技を発動させるときに使う呪文というのはそれを最も強力に引き出し、人の深層心理を変革させ、世界の法則に介入する。言ってみれば人の心を突き詰めるものなんだ。たかが言葉如きにと思うかもしれないけど、言葉には魂が宿る。ゆえに人はそれを言霊と呼ぶんだよ」

 目を丸くする彼らに対し、ユーノは言葉が持つ力の重要性を説く。

「とまぁいろいろ話したけど、力を効率よく引き出すためには定められたルールを遵守する必要がある。英語には文法。数学には公式があるように、魔法と鬼道にも同じような共通項がある。深層意識を自分が望む形に変革させるためのね。それが分かればたとえば・・・」

 再び指先を突き出したユーノは、咄嗟に思いついた言葉で詠唱する。

「まあ 兎に角 貫け―――」

 すると、本来の詠唱と乖離しているにもかかわらず『白雷』が発動した。

 正直夢かと思うなのは達を余所に、ユーノは「あれ? 思ったよりも威力が出ないなー」と、率直な感想を呟く。

「えーっと・・・このように簡単な改変なら誰でもできるようになるよ」

「そんな・・・」

「あんな適当な詠唱で起動するのかよ!?」

 霊術院でさえ教えられなかった真理を正規の死神ではない人間、魔法使いから教えられた恋次や吉良の心境は複雑だった。

「深層心理に覚え込ませた術を有効にするキーワード・・・それが『呪文』です。要は連想ゲームですよ。呪文と術式も同じです。それがわかればあの程度の呪文改変は難しくない。極めればみんなが見てきた様々な改変鬼道と同じかそれ以上のものを扱える!」

 胸を張って力説するユーノだったが、それを聞いた際の周りの反応は微妙、もといあきらめに満ちたものだった。

「あれ? どうかしたのみんな?」予想外の結果にキョトンとするユーノ。

「いや・・・ユーノ・・・・・・理屈はすっげーよくわかるし、ためにはなるんだが」

「すみません。できないです」

「ユーノ君・・・相変わらず分かりやすいのはいいんだけど、ユーノ君基準にされるとちょっとだけ困るよ」

 あのなのはでさも、ユーノが持つ独特のセンスと自分を凌駕する特異な才能に関しては正直困惑するしかなかった。

 

           *

 

同隊舎内 総合司令室

 

 午後2時を回ったちょうどの事だった。

 異世界に散らばった古代遺物(ロストロギア)《アンゴルモア》の反応を確認された。

「サーチャーが新たなアンゴルモア反応を捕らえました」

「どんな世界なんだ?」

 メインモニターに映し出された画像。ぱっと見、それは星全体がぶ厚い暗雲に覆われた惑星だった。

「うわぁなんだこりゃ!? 綿菓子みてーなところだな!」見た瞬間、恋次は当該世界を安易なイメージで比喩した。

「第331管理外世界『マデラン』です。ご覧頂いているとおり惑星全体が厚い雲で覆われています」言いながらシャリオはタッチパネルを操作し続ける。

「アンゴルモアの影響か?」

 シグナムが問いかけると、ルキノは画像解析をしながら「いえ・・・元々この星の気候みたいです」と、端的に説明する。

「なんか謎めいてる感じだ。アンゴルモア反応はこの惑星のどこから?」

 フェイトからの問いに、ルキノは困った様子で答える。

「それが・・・厚い雲に乱反射して特定は不可能です。雲のあいだから反応があるのは間違いないんですけど」

「宝探しをしろってことだろ?」

「いいんじゃない。僕も探すのは嫌いじゃないんだ」

 鬼太郎と浦太郎がそういえば、白鳥も割って入り「それぞれの探知能力を図るいい機会かもしれん」と、呟いた。

「雲の下には何があるかわからない。ここは十分に注意して行動する必要がある」

 アドバイザイーとして冷静な意見を述べるユーノ。はやてもそれを聞いて「せやな」と同意してから、メンバーの選出に入る。

「ほんなら異世界調査の経験豊富なベテラン組に行ってもらおうかな。高町教導官、ヴィータ教官」

「「はい!」」

「今回は二人に行ってもらうで。アンゴルモアも大事やけど、自分たちの命をまず最優先に行動するんや」

「「了解です!」」

 調査員として選抜されたなのはとヴィータは、はやてに規律正しく敬礼する。

「なのは。行くならこれを持っていっていくんだ」

 すると、ユーノはあるものをなのはに手渡した。怪訝そうになのはが手の中にあるものを確かめると、それは新機能を搭載した【ARカートリッジ】だった。

「これって・・・ARカートリッジ?」

「前回得られたデータを元により完璧に調整しておいた。レイジングハートの新形状機構にも対応しているから。使う時は楽しみにしておいてよ」

「うん! ありがとうユーノ君!」なのはは満面の笑みを浮かべ喜んだ。

「ついでに、ヴィータのIPカートリッジもより使いやすいよう微調整しておいたからね」

「なんであたしはついでなんだよ!?」

「まーまーヴィータちゃん。そこは怒らないの」

「怒ってねーです!」

 露骨に機嫌を損ねたヴィータは頬を膨らませる。さながらハリセンボンを彷彿とさせるその仕草に周りは思わず笑みをこぼした。

 

           *

 

第331管理外世界「マデラン」

 

 現地に到着したなのはとヴィータ。

 二人だけで異世界を調査する任務に就くのはずいぶん久し振りだと思いながら、アンゴルモア反応が確認された異世界の大地に足を下ろした瞬間、凄まじい光景を目の当たりにする。

「こりゃすげーな」

「まるで煙突がいくつも立ってるみたい!」

 前方にたたずむ巨大な岩々。周囲には先端部が尖った岩が幾つもあり、ヴィータはそれらをボウリングのピンに例えて「これならいくらでもストライクが出せそうだな!」と、軽い冗談を口にする。

「こら、ヴィータちゃん。遊んでる暇はないんだよ」

「るっせーな。言ったみただけだろ! えーっと、アンゴルモアの反応はっと・・・」

 気を取り直して、サーチャーを展開してアンゴルモアの反応を追跡する。

 数十秒後、直ぐに反応があった場所が特定された。

「南南西の方みたいだな。よーし・・・」

「待ってヴィータちゃん、別方向からも反応が!」

 出発しようとした矢先だった。なのはのサーチャーが北北東より同じくアンゴルモアの反応を捕捉した。

「こりゃどっちが本物なんだ? しゃーねー。二手に分かれるぞ」

「じゃあ私は北を行くから。ヴィータちゃんは南をお願い。見つけたらすぐに連絡してね」

「おめーもな」

 どちらかが本物、あるいはアンゴルモアが二つあるという可能性を考慮し、なのはとヴィータは別々に探索行動に出る事にした。

「おい、なのは」

 北へ向かってなのはが飛行魔法を発動させようとした直後、後ろでヴィータが背中越しに声をかけてきた。

「なんかあったらすぐに呼べよな」

「っ! ・・・・・・うん、ありがとう。心配してくれて!」

「べ・・・別におめーのことなんか心配してねーし!! 早く行けよなッ!!」

 必死で照れ隠しをするヴィータ。口は多少悪くてもなんだかんだ自分のことを気にかけてくれる彼女をなのはは愛おしく感じつつ、一旦彼女から離れた。

 

 なのはと別れたヴィータは、当初反応があった南南西のアンゴルモア反応を追って単身移動を続けてる。

「たしかこのあたりからだが・・・・・・お?」

 きょろきょろ辺りを見渡していたときだった。目の前にアンゴルモアと思しき紫色に発光する結晶が見えてきた。

「ラッキー! アンゴルモア発見だ! やっぱあたしってクジ運がいいみたいだ」

 意気揚々とアンゴルモアらしきものへ近づこうとした時だった。彼女の愛機・グラーフアイゼンが突如制止を求めた。

〈Bitte warte. Die Reaktion von Angolmore ist langweilig, als es tatsächlich ist.(待ってください。アンゴルモアの反応が実際よりも鈍いです)〉

「鈍いって? あんな現物が目の前にあるんだぜ!」

〈Es gibt deutlich unterschiedliche Energiewellen von Angolmore. Hier ist es besser Ken Takahachi einmal anzurufen, um es zu bestätigen.(アンゴルモアとは明らかに異なるエネルギーの波動もあります。ここは一度高町一尉をお呼びして確かめた方がよろしいかと)〉

「何言ってんだよ! おめーはあたしの目が節穴だって言いたいのか!? あれは紛れも無くアンゴルモアなんだ!」

 いつになく心配性で臆病風に吹かれる愛機を怒鳴りつけ、強引に押し切ったヴィータはアンゴルモアらしきものの元へ突っ走った―――次の瞬間。

 近くの尖った岩に仕掛けられたトラップが発動。強い電磁波がヴィータの体に流れ込んできた。

「ぐああああああああああああ」

 突然の電磁ショックを受け悲鳴を上げて倒れ伏すヴィータ。

 直後、標的が罠にかかったことでアンゴルモアを模ったホログラムは消失する。

「動かねー・・・! チキショウ・・・どうなっていやがる!?」

『こうも簡単にウサギが罠にかかってくれるとは』

 すると、ヴィータの眼前にアンゴルモアのホログラムを使ったブービートラップを仕掛けた凶悪な敵がおもむろに姿を現した。

「お・・・おめーは・・・・・・!」

 

「ヴィータちゃん! ヴィータちゃん、応答して!」

 連絡が途絶えたヴィータとなのはは何度交信を試みるが、通信機からはザザ・・・という雑音ばかりが入って一向に繋がらない。

「ダメ・・・やっぱり通じない。レイジングハート、ロングアーチとの連絡もダメ?」

〈Apparently there is a magnetic storm all around.(どうやら辺り一帯で磁気嵐が起こっています)〉

「何だか嫌な予感がするんだ。ひとまず、元来た場所へ戻ろう」

 アンゴルモアの捜索は一旦中断。踵を返して合流場所へ向かおうとした―――それは起こった。

〈Warning! High energy reaction in the direction of 1 o'clock!(警告! 1時の方向に高エネルギー反応!)〉

 刹那、空中からの襲撃を受けた。

 なのはは咄嗟にラウンドシールドで攻撃を防いだ。光弾が放たれた方に目を向ければ、切り立った岩の上に黄金の甲冑姿をした怪人が立っていた。

「あれは・・・」

〈No magical response. It seems to be an unidentified molecule.(魔力反応なし。未確認分子と思われます)〉

 レイジングハートを強く握りしめ、なのはは謎の襲撃者を警戒する。

 一方の襲撃者こと、黄金甲冑の怪人は警戒するなのはの元へ重力を無視してゆっくりと降り立った。

『ふふふ・・・』

 そこはかとない怪奇さとひしひしと殺意を醸し出す怪人。なのはは嘗てない緊張感を抱いていた。

(なんだろう・・・この言い知れない気配? 人なの? それとも魔導虚(ホロウロギア)の類?)

 本能から来る生命の危険信号。額から汗を噴き出すとともに、なのはは意を決して尋ねる。

「管理局機動六課、高町なのはです。あなたは何者ですか? この世界の住人の方ですか? 先ほどの攻撃は公務執行妨害に当たります。今すぐ武装を解除してご同行を願います」

 どんな相手にも飽く迄毅然とした態度で臨むなのはだったが、怪人は彼女の警告を無視し再び光弾を発射した。

 なのはは再びシールドで防御。説得の余地なしと判断するや実力行使に出る。

「アクセルシューター、ファイア!」

 得意の誘導弾で攻撃を試みるなのは。

 しかし、怪人は飛んでくる誘導弾を手持ちの杖を前に翳すと、寸でのところで誘導弾を受け止め、攻撃をそっくりそのままなのはの元に返した。

「きゃああああ」

 なのはの足元で爆発する誘導弾。その衝撃を受けたなのはは後ずさり吃驚する。

「攻撃を受け止めて、はね返すなんて・・・!」

『私の力を侮らないでもらいたい』

 言うと、怪人は念動力によって雨雲を発生させた。そして雨雲からゴロゴロという音が鳴った瞬間、なのはの下に雷を落とす。

「あああああああああああ!!」

 辛うじて直撃は避けたものの、受けたダメージは相当なものだった。

 圧倒的ともいえる能力になのはの体は傷つき、安全を考慮し本来の戦場である空中へと舞い上がる。

 だが、怪人は一度視界に入った標的を決して逃がさない。

『逃げられるとお思いですか』

 再び念動力で周囲の気候を操作。なのはの周囲だけに猛烈な竜巻を発生させた。

「きゃあああああああああああああああああああああ」

 理屈では考えられない突然の竜巻がなのはを飲み込んだ。空中での飛行制御が利かなくなった彼女はやがて豪快に地面へ叩きつけられ、程なく気絶した。

 怪人は気を失ったなのはを荷物を背負うように抱きかかえ、仮面の下で不敵な笑みを浮かべる。

『さぁ・・・条件は整った。早く餌に食いつきなさい。翡翠の魔導死神』

 

           *

 

 

第1管理世界「ミッドチルダ」

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

「シャーリー、なのはちゃんたちとの定期連絡はどないしたんや!?」

「現在、マデランでは磁気嵐が発生しています。外部との通信は一切行えない状況です」

 定期連絡が途絶え、なのは達の身に何かが遭ったのだと確信するはやて。

 周りのメンバーも各々二人の身を案じていると、不意に一人の男が自席から立ち上がった。ユーノである。

「ユーノ?!」

 フェイトが気に掛けると、彼は仕込み杖を手に司令室を出ようとする。

「どちらに行かれるんですか?」恐る恐るリインが問いかけると、

「なのはたちの身に何かあったら遅い。様子を見てくる」

「一人で行くつもりか!?」

「危険です!」

 分かりやすいユーノの行動だが同時に危うさを覚え制止を求める中、本人は「誰も一人で行くとは言っていない」と、周りに言い聞かせる。

 やがて後ろを振り返り、視線をスクライア商店メンバーへと向ける。

「金太郎、浦太郎、鬼太郎―――全員僕に付いてきてくれるかい?」

「「「承知(はい)(了解)!」」」

 ユーノの呼びかけに、スクライア商店メンバーは即答した。

(なのは・・・ヴィータ・・・無事でいてくれ)

 二人を必ず助けると心に誓い、金太郎らを引き連れユーノはマデランへと発つ。

 

           *

 

第331管理外世界「マデラン」

 

 襲撃を受けたなのはとヴィータが意識を回復したとき、謎の怪人の手によって仄暗い洞穴のような場所に幽閉されていた。

 魔力を封じる鎖に繋がれ一切の身動きひとつ取れない。憔悴したなのはとヴィータを気にしつつ、怪人は手元のタロットカードで占いを始めた。

「おまえ・・・なにもんだよ?」

 険しい表情のヴィータが怪人の素性を尋ねる。

 問いかけられた怪人は、彼女の問いに直接的な回答はせず、占ったカードの結果について言及する。

『逆位置の「戦車」ですか。その意味は《敗北》・・・・・・あなた方は既に私の手の中にあるのも同然。逃れる術はありません』

「んなこと聞いてねー! おめーは何者だって聞いてんだ!」

『誠に申し訳ありませんが、素性を明かすほどあなたとは親しい関係ではありませんので』

「親しくしたら教えてくれるのかよ?」

『それはあなた方の判断にお任せします』

 慇懃無礼な態度でタロットカード占いに没頭する怪人。

 デバイスを取り上げられ、魔法封じの鎖で能力が使えない中で、なのははひとつの希望的観測を口にする。

「あなたが何の目的で私たちを攻撃して拘束したのかはわかりません。でも、こんな事しても無駄。きっと必ず助けが来る・・・・・・ユーノ君が絶対に私たちを助ける!」

 と、ユーノの名が出た直後―――怪人がその名に食いついた。

『ユーノ・スクライア・・・・・・かの魔導虚(ホロウロギア)事件を解決へ導いた次元世界の英雄にして翡翠の魔導死神。その彼が君たちを助けに来てくれる、と。あなたは本気でそう思っているのですか?』

「どういう意味!?」

 言っている意味がわからないなのはに怪人はおもむろにタロットカードを一枚取り出した。そして、大アルカナのひとつ『死神』を見せつけた。

『正位置の「死神」。ユーノ・スクライアはここへは辿り着けない。このアルカナが示しているのはまさに彼の運命そのもの』

「違う! そんな悲しい運命、私は信じない!」

 不吉な予言を口走る怪人の言葉を真っ向から否定するなのは。怪人はさらに彼女の精神を揺さぶるべく別のアルカナを見せつける。

『逆位置の「恋人たち」。あなたと彼は二度と会うことはありません・・・・・・すべては逃れられない定めなのです』

(ユーノ君・・・・・・!)

 四年越しの再会。四年越しの告白を経てユーノと両想いとなったなのはの気持ちを弄ぶ怪人は、さながら『道化師』のようだった。

 

 一方、現地へ降り立ったスクライア商店メンバーは消息を絶ったなのは達の手掛かりとなる重要な証拠を発見した。

 四人はヴィータがアンゴルモアを装ったトラップが仕掛けられた現場にいた。現場の状況と僅かな痕跡から二人の身に何が遭ったのかプロファイリングを行う。

「やはりブービートラップのようですな」

「んだよ。あいつらベテランじゃなかったのかよ!」

「浦太郎。そっちはどうだい?」

「ダメですね。店長の言う通りこの磁気嵐・・・無意味なマギオン粒子が多量に含まれているせいでどれがどれだかわかりません。これじゃなのはちゃんたちの魔力残滓を拾う事もままなりません」

 無意味なマギオン粒子を多く含む磁気嵐によって魔力による通信手段は一切使いものにならなかった。

「いかがなさるおつもりですか店長?」

「魔力を拾えないなら、二人の霊圧を追跡すればいい」

「けど魔導師に霊圧なんてあるんすか?」と、鬼太郎は純粋な疑問を口にする。

 彼の頭の中では霊力を持つ者は死神や滅却師(クインシー)、織姫などに始まる一部の者達だけと考えていた。だからこそ、魔導師にも霊圧があるという話自体聞いたことがなかった。

「元を正せば魔力も霊力も魂の一部が変質した力だからね。ちょっと癖はあるけど追跡できないわけじゃない」

 言うと、ユーノは懐から取り出した特殊な液体を指に付け、地面に術式に必要な陣を描きながら詠唱を開始した。

「南の心臓 北の瞳 西の指先 東の(きびす) 風持ちて(つど)い 雨払いて散れ。縛道の五十八―――『掴趾追雀(かくしついじゃく)』!」

 ユーノが陣の模様に霊力を注ぎ込むや、中心部に漢数字が忙しくなく変化しながらなのは達の現在地の特定を始める。

 金太郎達が固唾を飲んで見守る中、徐々に場所が絞り込まれていく。

「・・・31・・・64・・・83・・・97・・・反応捕捉! 西・三百三十九、南・二千五百六十一の座軸だ」

どうにかなのは達の場所を割り出すことができた次の瞬間―――事態は急変した。

 

『ヴオオオオオオオオオオオオ』

 野太い唸り声がし、背後から現れたのは全身が刃物で覆われ、両腕に鋭いナイフを装備し、さらには胸に孔の空いた魔導虚(ホロウロギア)・バギラだった。

魔導虚(ホロウロギア)だと!?」

「そんな!  魔導虚(ホロウロギア)は全部倒したはずじゃ!」

 全滅した筈の敵が当然の如く現れるという現実の奇特さ。ただただ目の前の光景を疑うユーノ達を見据え、バギラは両腕に付けられたナイフを勢いよく振り切り―――周囲の岩々を切り裂いた。

 粉砕された岩の破片が弾丸の如く飛来する。四人は上手く回避する。

 バギラから襲撃を受けた金太郎と浦太郎、鬼太郎の三人はすぐさま武器を手に臨戦態勢となると、ユーノに促す。

「ここは我々にお任せください」

「店長は今のうちになのはちゃんたちを」

「こんなヤツ俺らだけで十分っすよ!」

「ありがとう。気をつけるんだよ」

 三人の厚意に感謝し、この場を任せてユーノはなのは達の救出へと向かった。

 バギラは唸り声を発すると、ナイフを強烈に振り払う事で青い剣閃を飛ばし、三人へと襲い掛かってきた。

「のりゃああああああ!」

 解放した烈火より炎の斬撃をお見舞いする鬼太郎。しかし、バギラは飛んできた炎の斬撃を両腕のナイフでいとも容易く掻き消す。

「ウォーターホイッパー!」

「ダイナミックスクロス!」

 浦太郎と金太郎も得意技を炸裂させるも、バギラはほとんどダメージを負っておらず依然として激しく暴れ回る。

「こいつ・・・見た目よりもタフだぜ!」

「だけど、どうしてこんな場所に魔導虚(ホロウロギア)が!?」

「まさか・・・・・・いやそんな筈は」

 ぴくっと眉を動かした金太郎。彼の頭に数か月前に経験した嫌な記憶がよみがえる。

「なになに? 金ちゃん心当たりでもあるの?」

「・・・・・・」

 問い質す浦太郎だが、金太郎は沈黙のまま答えようとしない。

「おい熊、黙ってちゃわかんねーだろ! なんか言えよ!」

(確信が持てん以上、ここは慎重に行動すべきか。今は店長がなのは殿とヴィータ殿を無事に救出するまでに殲滅あるのみ)

 今は話す時ではない―――葛藤の末にそう判断した金太郎は、浦太郎と鬼太郎とともに目の前の敵との戦いに集中する事にした。

「いくぞ、浦太郎。鬼太郎」

「「うん(おう)!」」

 

 その頃、捕らわれのなのは達は怪人にある物を見せられていた。

『こちらにあるものに見覚えありませんか?』

 ジュラルミンケースに厳重に保管されていたのは幼生虚(ラーバ・ホロウ)に相違ないものだった。なのはとヴィータは驚きのあまり声を詰まらせる。

「それは・・・幼生虚(ラーバ・ホロウ)!?」

「なんでオメーがそれを・・・!」

『答えはひとつです。私がスカリエッティ氏のスポンサーだからですよ』

「「えっ!」」

 聞いた瞬間、二人は脳内に強い電流が流れたような衝撃を覚えた。

『正確には、私が所属する財団がなのですが。これはスポンサー特権で得たものです。ちょうど退屈してきましたので面白い余興をご覧いただきましょう』

 怪人は空間ディスプレイを表示させるとリアルタイム映像を展開。ちょうど今まさにバギラと死闘を繰り広げるスクライア商店メンバーの戦いが二人の前に映し出される。

「あれは魔導虚(ホロウロギア)・・・なのか?!」

『ご明察。我々財団が独自の技術で造り出した人工魔導虚(ホロウロギア)・バギラです。従来の魔導虚(ホロウロギア)と違って魔力資質や霊力資質の高い者でなくても魔導虚(ホロウロギア)化、幼生虚(ラーバ・ホロウ)を単身成長させることで進化できる個体を造り上げたのです』

「何のためにそんなことを?」

『無論、売る為ですよ。商品としてね』

 なのはから向けられた疑問に淡々と乾いた声で答える怪人。そのあまりに無味乾燥とした言葉に二人はさらに耳を疑った。

魔導虚(ホロウロギア)を売るって・・・・・・おまえら正気かよ!?」

『もちろん正気です。逆に聞きますが、あんな怪物を鑑賞目的に買う物好きがいるとでも? 常に世界は強い力を欲している。強い力を持てば特権を得られる。原始時代からさかのぼっても人間の本質は大きく変わりありません。我々は彼らが望むものを提供し、その見返りとして金を得ているだけです。真っ当な商売だと思いますがね』

「違うッ! あなたたちはそうやって世界に争いの種を撒いてる! それだけじゃない・・・一歩間違えれば世界そのものを壊しかねない危うい行為です! あなたみたいな人を絶対に見逃せない!」

『威勢がいいですね。さすがは管理局が誇るエース・オブ・エースといったところですか』

 正義感に満ちたなのはから向けられる言葉を怪人は内心嘲笑する。

『しかし、どれほど粋がろうとどれほど足掻こうとあなた方の力では努々逃れることはできない』

 そう言って、怪人は『理想郷の杖』と呼ばれる錫杖型の武器を手にし、事あるごとに反論してくるなのはの下顎を軽く突き上げる。

『少し饒舌が過ぎたようだ。我々の秘密を知った以上、あなた方にはここで消えてもらおう。サヨウナラ・・・恋人にはよろしく伝えておきますよ』

 顔に手を当てられ直後―――なのはは怪人によって『希望』のエネルギーを奪われ始める。

「ああああああああああああああああああ」

「なのはぁぁぁ!!!」

 悲鳴を上げるなのはを助けようにもヴィータも身動きひとつ取れない。希望のエネルギーを奪われ、次第に朦朧とする意識の中、なのはは一縷の希望を思い浮かべる。

 彼女にとっての希望―――他ならぬ師であり幼馴染であり、晴れて恋人同士になれたユーノを置いて他ならなかった。

(ユーノ・・・くん・・・・・・・・・たすけて・・・・・・・・・)

 

 ―――グサッ!

 

『が・・・・・・・・・』

 刹那、突然腹部を勢いよく貫く感覚が怪人を襲った。

 なのははぐったりとしながらも間一髪のところで窮地を脱した。ヴィータは体力を著しく消耗したなのはに大声で呼びかける。

『なんだ・・・いまのは・・・・・・』

 確かに背中から鋭いもので体を貫かれた。貫通した腹部から漏れ出る血がそれを物語っている。恐る恐る背後を気にしたとき、怪人の足元の影から何かがゆっくりと浮上してきた。

「・・・・・・あれは・・・」

 ヴィータも思わず目を見開きぞっとする。怪人の影の中から現れたのは―――鬼神の如く雰囲気を纏ったユーノだった。

 ユーノは影の中から現れると、斬魄刀を手に今にも目の前の怪人を屠りたいという昂った気持ちを押さえながら眼光鋭く対峙する。

『・・・翡翠の魔導死神ユーノ・スクライア・・・影の中に潜るとはずいぶん悪趣味な技じゃないですか・・・』

 と、強がって見せた直後。

 ガシっと、ユーノの左手が仮面で覆われた怪人の顔を鷲掴み、凄まじい膂力(りょりょく)で洞穴の外へ投げ飛ばした。

 敵を排除すると、ユーノは拘束されたなのはとヴィータを直ちに解放する。

 顔中から汗を吹き出し立つこともままならずぐったりするなのはを、ユーノは優しく抱きかかえる。

「ゆ・・・ユーノくん・・・」

「ごめんなのは。来るのが遅くなって」

「うんうん・・・わたしは信じてよ・・・・・・ユーノ君が必ず助けに来てくれるって・・・」

 一途に自分を信じていたなのはの言葉。嬉しく思う反面、同時に心が痛んだ。

「ヴィータも無事かい?」

「あぁ。ありがとなユーノ。すまねぇ・・・・・・あたしがいながらなのはにまたひでーめに遭わせしちまった!」

 過去の経験からなのはを守ると決めていたヴィータは悔し涙を流す。

 ユーノはヴィータの気持ちを汲み取りつつ、この場からの脱出を最優先に行動を促す。

「さぁ二人とも。直ぐにここから出るよ」

 

「こいつで仕舞いだぁぁ!!!」

 戦いもいよいよ大詰め。鬼太郎はこれまでの蓄積されたダメージで動きが緩慢となったバギラ目掛け灼熱の斬撃で止めを刺す。

 焼かれながら斬りつけられ、バギラは全身を炎に焼き尽くされながら断末魔の悲鳴を上げる。

 だがそのとき、ユーノの魔の手から逃れた黄金甲冑の怪人が現れ、倒されそうになっているバギラを発見する。

『当初とは予定が狂ってしまいましたが、致し方ない。全ては運命の輪に委ねるとしよう』

 言うと、事前にこの世界で回収していた悪魔の結晶―――アンゴルモアを炎に焼かれるバギラへ投擲。

 アンゴルモアはバギラの体内へ吸収された。それによりバギラは瀕死状態から回復。さらなる力を得て【メカバギラ】へと進化した。

「なんかパワーアップしちゃったよ!」

「んなのありかー!」

「来るぞ!!」

 三人が身構えた途端、メカバギラによる強烈な斬撃が放たれた。

「「「ぐああああああ」」」

 一段と切れ味を増した攻撃に三人も大ダメージを食らう。

 アンゴルモアを取り込みパワーアップした事で右目がスコープになり、口からはレーザー上の虚閃(セロ)を放ち、尻尾のナイフをブーメランのように飛ばすことで多種多様な攻撃を繰り出すようになった。

『ギュオオオオオオオオオオオオオオ』

 金属音が混ざった咆哮を放つメカバギラ。その強さに三人は苦戦を強いられる。

「くっ・・・急に強くなって粋がりやがって!」

「ほんと。まるで先輩みたいでイヤになるよ」

「んだとー!」

「馬鹿者! 口を動かす暇があるなら手を動かせ!」

 金太郎に叱責され、浦太郎と鬼太郎はメカバギラの次なる攻撃に備える。

 眼下に見据えた小さな標的を右目のスコープで見定めてから、メカバギラは両腕のナイフから剣閃を放とうとする。

 

「―――獅子翡翠群(ししひすいぐん)―――」

 

 刹那、厚い雲を突き破って降り注ぐ無数の翡翠に輝く刃の雨。

 メカバギラの体をも貫通する威力を持つその技を使用した術者・ユーノがなのはとヴィータを伴って金太郎達の加勢に入った。

「てらあああああ」

「シュぅぅ―――ト!!」

 ユーノの攻撃を皮切りに、なのはとヴィータが空から攻撃を仕掛ける。

「店長! なのはちゃん!」

「ヴィータ殿も無事でしたか」

「ったく。心配させやがって!」

 なのは達の無事を確認した三人は安堵し胸を撫で下ろす。

 一方、なのはは凶悪な変貌を遂げたメカバギラを目の当たりにしながらユーノに問いかける。

「ユーノ君、あの魔導虚(ホロウロギア)・・・!」

「間違いない。アンゴルモアと融合して強化されている。あれを止めるには核となるアンゴルモアを取り出すしかない」

『ギュオオオオオオオオオオオオオオ』

 咆哮だけでもその霊圧と魔力の波動は相当なものだった。ユーノは晩翠をきつく握りしめ、戦いへの覚悟を強く持つ。

「ヴィータ! 僕らがあれを足止めしている間に例の新機構でアンゴルモアを取り出すんだ!」

「おうよ!」と、ユーノに潔い返事をするヴィータ。

「なのは。いけるかい?」

「当然。せっかくユーノ君が調整してくれただもん。今使わないともったないもん!」

 そう言うと、なのははユーノから受け取っていた次世代カートリッジシステム【ARカートリッジ】を愛機へ装填する。

「いくよ、レイジングハート。ARカートリッジ、ロード!」

〈AR set. Maximum Maser〉

 カートリッジが装填された直後、レイジングハートの形状が変化する。

 現在のなのはの戦闘スタンスに合わせて槍型を基調とした砲門に追加装備される強化パーツ。持ち手部分にはエネルギー放出時に砲門を安定させるための『スタビライザー』と『クッションプランジャ』が施された。

 そうして誕生した新たなるレイジングハートの新機構―――名を《レイジングハート・マキシマムメーザーモード》と呼ぶ。

 ARカートリッジによって新たな姿へと変化したレイジングハートを手に、なのはは照準をメカバギラの頭部部分に合わせる。

「マキシマムメーザー、ファイア!」

 砲門から発射された熱破壊力を持つ桜色の砲撃。さながらレーザー砲を思わせる攻撃の直撃を受けたメカバギラの機械化された肌は瞬時に融解し、悲鳴にも似た声を発する。

「奴の動きがひるんだ今のうちだ。一気に畳みかけるぞ」

「「「承知(了解)(押忍)!」」」

 ユーノの掛け声のもと、スクライア商店メンバーが一斉に動き出す。

「グラン・カイーダ!」

「スピアトルネード!」

「俺の必殺技! パート2!」

 突風からの斬撃、高速の水流魔法、破壊力に飛んだ炎の斬撃。強力なトリプルパンチを受け、メカバギラは更なる苦しみを与えられる。

双児晩翠(ふたごばんすい)

 さらに、ユーノは能力により二振りとなった晩翠を手にメカバギラへ接近する。

 怒りのまま両の手から青い剣閃を繰り出すメカバギラの攻撃を二振りの刀で受け止め、弾いた瞬間―――密かに温めていた必殺技を披露する。

 

「―――裂星懸河(れっせいけんが)!!」

 

 刹那、瞬歩からの怒涛の十六連撃が繰り出された。

 太刀筋を視認する事さえままならない高速連撃。メカバギラの強化された装甲さえものともしない切れ味を発揮するユーノの鬼気迫るものになのは達は挙って目を見開いた。

「うおおおおおおおおおおお」

 まさしく縦横無尽に立ち振る舞い、ユーノは文字通りに敵をなます切りにする。

「今だヴィータぁ!」

 合図を送った直後、後ろで控えていたヴィータがIPカートリッジによって形状変化した黄金に輝く《グラーフアイゼン・ブリッツェンフォルム》を手に急速接近。

「でやあああああああああああああああああああ」

 ヴィータの体は身の丈を遥かに超える黄金のハンマーと同じ金色に輝いており、その輝きを纏ってメカバギラの核たるアンゴルモアのエネルギーが集中する頭部目掛けて魔力で出来た光の釘を打ち込んだ。

「ハンマ――――! ヘルッッ!」

 ズドンっ! と、メカバギラの頭部に釘を差し込むことに成功する。

「ハンマ――――! ヘヴンッッッ!」

 そこからさらに、グラーフアイゼンに装備された釘抜き部分でアンゴルモア核を頭部から根こそぎ取り出す。

「光になれえぇぇぇぇっっっ!!!!」

 そして、アンゴルモアを失い空の器なったメカバギラをヴィータは力の限り思い切り叩きつけた。

 瞬間、形成された重力波が対象を光の速さにまで強制的に加速させることでメカバギラの肉体そのものを光子に変換―――跡形もなく消滅させた。

 分解されたエネルギーは光の粒子となり、メカバギラは空へと還っていった。

 

           *

 

第1管理世界「ミッドチルダ」

機動六課 ミッドチルダ隊舎 アドバイザー室

 

 夕方。マデランから帰還したユーノと金太郎は二人きりで話をしていた。話題はなのはとヴィータを襲撃し、バギラを差し向けた黄金甲冑姿の怪人についてだった。

「あの黄金甲冑の怪人・・・見覚えあると思ったら、やはり『アニマトロス』で遭遇した奴と同一人物だったか」

「しかし何者なのでしょうか? なのは殿とヴィータ殿の報告によれば、奴らは多額の金を出資する見返りとして魔導虚(ホロウロギア)を始めとする様々な兵器を売りつけていると」

「死の商人、か」

 机の上で手を組み、ユーノは険しい表情を浮かべながら呟く。

「・・・ひとつ心当たりがある。だが、情報が少な過ぎる。まだ確信は持てない。単なる模倣犯という可能性も捨てきれないしね」

「この件についていかがなさいますか店長?」

「当分のあいだは口外禁止だ。今はなのはたちに余計な心配や負担を掛けたくない」

「しかし、また同じ相手が現れた場合は?」

「そうならないために僕がいるんだ」

 言うと、ユーノは椅子から立ち上がり、窓から差し込む茜色の夕陽を全身に受けながら金太郎に独白する。

「なのはは僕にとっての『光』だ。だけど、この世界には彼女や六課のみんなみたいな存在を快く思わない輩が少なからず存在する。ならば僕に出来ることはせめて、なのはたちが光の世界でがんばっている間に裏でそう言った外道な輩を退治すること。外法の悪は外法の力を持って更なる闇へと葬り去る・・・―――」

 

「それが、『翡翠の魔導死神ユーノ・スクライア』としての僕の使命だ」

 

           *

 

 黄金甲冑の怪人こと―――加頭順(かずじゅん)は例の白い部屋でまたひとりタロット占いに没頭する。マデランでの戦いの結果と自身の占いの結果の乖離に彼はずっと納得がいかず、その理由を延々と占っていた。

「何故・・・・・・ユーノ・スクライアは」

 すると、不意にテーブルから落ちた一枚のタロットカードを拾い上げる。

 それを見た瞬間、加頭はわずかに目を丸くしそれを凝視する。

「『愚者』・・・正位置ならば我々にとって好ましく状況。逆位置ならば自滅。果たして彼はこの先どちらに転ぶのでしょうか」

 

 

 

 

 

 

教えて、ユーノ先生!

 

ユ「今日は、ARカートリッジについてお勉強だよ♪」

「ARカートリッジは『オーグメンテッド・リアクター・リファイニング・カートリッジ』の略で・・・なのはの魔力特性と戦闘スタイルに合わせて僕が作った次世代型カートリッジシステムだ」

「最大の特徴はカートリッジ本体に内蔵された『マギオン自動スキーム』と『マギオン自動反応炉』による魔力生成だ。なのはが保有するマギオンを増強・精製することでより効率的かつ強大な魔力エネルギーを作り出せる」

「一般的に加齢によって魔力消耗率は上がり、稼働効率はそれと反比例するように逓減していく。なのはの場合あの性格的な面や戦闘スタイルからも魔力を酷使することが多いよね。このARカートリッジは消耗を極力制限し、その制限した中で彼女が全力全開で戦えるようにサポートするまさに夢のようなアイテムなんだ♪」

 すると、今日の戦いを経てヴィータがふとある疑問をぶつけてきた。

ヴィ「なぁユーノ。あたしたちを助けてくれた時に使ったあの技なんだけど・・・なんかすげー見てて不気味だったぞ」

ユ「あぁ・・・『影潜(かごくくり)』のことかい? あれは晩翠の基本能力で、あらゆる影の中に潜ることができるんだ」

ヴィ「いつからあの怪人の影に潜っていたんだ?」

ユ「さぁいつからだろうね。少なくとも、なのはが悲鳴を上げる直前までは潜っていてくださいってスタッフに指示されるときまではね」

 言いながら、このコーナーの外でカメラを回し、カンペボードを抱えたスタッフ一同を見渡すユーノ。

ヴィ「つーかあたしらの活躍から今に至るまでどこかの撮影所で行われていたのかよ!! 映画とかじゃねーよな!?」

 予想だにしなかった衝撃の事実を知り、終始ヴィータは驚きを隠し切れなかった。

 

 

 

魔導師図鑑ハイパー!

 

 あるとき、キャロがなのはに相談を持ちかけた。

な「え? 仲良しの秘訣?」

キャ「はい。わたし、なのはさんとユーノ先生みたく、もっともっとエリオ君と仲良くなりたいんです! 何か秘訣みたいなものはありませんか?」

 恋愛感情を抜きにしてキャロはパートナーであるエリオとの仲を深めようと思っていた。そんな無垢なる少女の願いに答えようとなのはは思案する。

な「んー、そうだな・・・・・・私とユーノ君の場合、取り立てて特別なことはやってないんだけど・・・強いて言えば一緒に寝たりとか♪」

キャ「一緒に寝るんですか!? ユーノ先生と!!」

 年頃の娘には些か刺激が強い内容だった。興奮気味のキャロになのはは無自覚に話を続ける。

な「ああ見えて、ユーノ君はむかしはかわいらしいフェレットさんだったんだよ♪ でね、久しぶりにそれをやってもらってね、一緒に寝てもらったんだけど、そしたら次の日ユーノ君ったら真っ赤になっててね・・・それがまたかわいかったんだよね~♡」

 飽く迄も無自覚。天然のユーノキラーであるなのはは終始ご満悦の様子。

やがて、話を聞いたキャロも逡巡した末にある決意を固める。

キャ「わかりました! なのはさんたちの事を見習って、私も今日からエリオ君と一緒に寝ます!!」

 この発言をずっと傍で聞いていたエリオはユーノとともに飛び出し、赤面しながら必死に訴える。

エ「いやいや!! 何で!? 何でそうなるわけ!?」

ユ「なのはもなに恥ずかしいこと言ってるのさ! もうちょっと自重してよ!!」

 ユーノとエリオ。奇しくもこの二人の立場はとても似通っていた。




登場魔導虚
バギラ
何者かによって生み出された人造魔導虚で全身が刃物で覆われている。両腕に付けられたナイフ状の刃はあらゆる物を切り裂き、強烈に振り払う事で青い剣閃を飛ばす事も出来る。
全身の刃物でスクライア商店メンバーを近づけさせず、通常の技をかき消すばかりか、両腕の刃を交差させる事で防御してしまうなど、圧倒的な強さを見せつけた。
・メガバビラ/AM-02
アンゴルモアの力を取り込んだバギラがパワーアップした姿でアンゴルモアモンスター。
右眼にスコープが付けられており、これで狙いを定める。口からはレーザー光線の様な虚閃を放つ。尻尾の刃物はブーメランのように飛ばす事が出来る。
機械化によって高い強度を得た両腕の刃で通常の斬撃や魔法攻撃さえ寄せ付けず、金太郎らスクライア商店メンバーと優勢に戦いを進めた。しかし、ユーノの加勢となのはの新兵器レイジングハート・マキシマムメーザーモードにより再び動きを止められ、その隙を突いたユーノの双児晩翠・裂星懸河で大ダメージを負わされ、怯んだ所をヴィータの必殺技「ハンマー・ヘルアンド・ヘブン」で倒された。
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