ユーノ・スクライア外伝   作:重要大事

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第3話「野良犬隊長、見参!」

新暦079年 3月31日

第97管理外世界「地球」

東京都 海鳴市(うみなりし) 喫茶翠屋(きっさみどりや)

 

 高町なのはと八神はやてが幼少期を過ごした同郷―――海鳴市。

 なのは、フェイト、はやての三人は仕事の都合を合わせ一緒の休暇を取ることが出来、久しぶりの里帰りを果たす。

 現在、なのはの実家が営む駅前商店街人気の喫茶店「喫茶翠屋」にて小学三年生からの親友アリサ・バニングスと月村すずかを交えたお茶会を開いていた。

「ホントご無沙汰だったじゃないの。なのはたちも元気そうで何よりだわ」

「そうだね。三人は怪我とか病気とかかかってない?」

アリサとすずかが魔導師として多忙な日々を送る三人を気に掛け身を案じる。

「にゃははは。大丈夫だよ。私たちはこの通り健康そのもの♪ 元気でやってるよ!」

「JS事件も終わってもう四年になるし、ミッド地上も大分落ち着いてきたところだよ」

「ま。そのテロ事件の首謀者たるスカリエッティが、まさか脱獄するとは夢にも思ってもなかったことやけど」

 はやてが口にした途端、隣に座るフェイトの表情が些か曇る。

 彼女の複雑な心中を察するとともに、ありさとすずかを顔を見合わせてからふとした疑問を口にする。

「でもさ・・・そう簡単に脱獄なんて出来るのかな?」

「時空管理局ってか、ミッドの科学力って何もかもが地球と比較しても断然上なんでしょ? そんな鉄壁の要塞みたいな組織が管理する場所から逃げ出すなんて・・・正気の沙汰じゃないわね」

「ま、確かにそうだけど・・・実際に逃走したのはスカリエッティだけじゃないよ。戦闘機人にしたって更生の余地が極めて難しいのが三人・・・一刻も早くあの男を捕まえないといけないのは確かだよ」

「そやね・・・逮捕が遅れれば遅れるほど、それこそJS事件の二の舞や」

「だからクロノ君は私たち全員に声を掛けたんでしょ? スカリエッティの逮捕とそれが狙う古代遺物(ロストロギア)《アンゴルモア》の確保って名目で機動六課を復活させるって―――・・・」

 

 

数日前―――

時空管理局本局内部 運用部・第1会議室

 

 聖王教会教会騎士団騎士であり時空管理局理事官―――カリム・グラシアが保有する古代ベルカ式魔法の稀少スキル【予言者の著書(プロフェーティン・シュリフテン)】は、ここ数年のうちに起こり得るある事件にまつわる予言を詩文形式に書き出していた。

 皆が見守る中、ディスプレイ越しにカリムは難解な古代ベルカ語で書かれた予言をおもむろに読み上げる。

『・・・《古に忘れ去られし禁忌の宝玉砕かれし時 これから起こる大破壊の幕が上がる 新たなる混沌の始まりを告げるは、輪廻の理に外れし死せる者達 それを先駆けに欲望の種は数多の海と世界へと伝播す ついに世界の民は灼熱にも似た邪悪なる意志のもとに灰焼きにされよう これを止められし者、すなわち光であり闇である者 光であり闇である者、志を同じくする十の戦士達と共に混沌に呑まれんとする世界を救わん》・・・・・・』

「それが今回騎士カリムの予言能力で書き出された新たな事件の兆候だ」

 元・機動六課後見人であるクロノが嘗ての機動六課主要メンバーを集めた背景は、JS事件を彷彿とさせる大規模な次元犯罪・次元災害を未然に食い止める為だった。最高評議会の喪失と地上部隊の失墜、スカリエッティらの脱獄、そして魔導虚(ホロウロギア)の出現と―――不安定な情勢と世界事情を憂う中でこのような予言が表すもの。端的に言えば《世界崩壊》のシナリオに他ならない。

 これに危機感を抱いたクロノは上層部と取り計らい、スカリエッティ逮捕とそれが追い求める古代遺物(ロストロギア)《アンゴルモア》の確保を表向きの理由に据え、その本質として「来たるべく世界崩壊のシナリオを食い止めるため」に機動六課を再編する事を決定した。

 クロノの意図を理解したメンバーは、改めてカリムによって唱えられた解釈の難しい比喩表現満載の予言内容を思案する。

「古の禁忌の宝玉・・・・・・多分、それがきっと今回の事件の鍵となる古代遺物(ロストロギア)《アンゴルモア》の事なんだと思うけど」

「輪廻の理に外れた死者っていうのは一体?」

「まさか本当に死んだ人が襲って来るわけじゃないですよね」

『教会関係者以外にも古代ベルカ語に精通している方々に協力は仰いでいますが、予言の解釈はまだ三割にも満たないのが現状です』

 私の力不足で申し訳ありません・・・。カリムは画面越しに首を垂れる。

「この予言が示す新たな事件・・・スカリエッティと大きく関わっているとすれば本局としても見過ごすわけにはいかない」

「だからその為の機動六課再編・・・ですか?」

 管理局としても形振り構っている状況ではないのは安易に察する事が出来た。

 他のどの機動部隊でもなく機動六課という存在に重きを置くとすれば、四年前にミッド地上の危機を救い、「スカリエッティ逮捕」と「来たるべく管理局崩壊を食い止めた」実績を持つ伝説の機動部隊だからであり、他の機動部隊では出来ない事をやってくれるという強い期待と希望を抱かれての事だろう。

「『世界は変わらず慌ただしくも危険に満ちている』―――旧暦の時代から言われている通りだ」

 難しい顔を浮かべ両手を前に組み、クロノは言葉を紡ぐ。

「破壊的な力を持つ古代遺物(ロストロギア)はよからぬ輩の手に落ちれば即座に争いの種となり、戦いの道具となる。世界の「バランスを崩す」どころか、破滅に向かって一直線する。そうやって滅びた世界は数えきれない」

 ふぅ・・・。一呼吸を置く。

 やがて眼前に見据えた元・機動六課メンバーに向かって静かに呟く。

「それを未然に防ぐ事こそが、僕たち次元世界の法の守護者たる管理局員に与えられた使命なんだ―――」

 

 

 数日前に聞かされたクロノの言葉が三人の脳裏を過る。

 機動六課の再編となれば、こうしてアリサ達と安穏とした時間を過ごすことも滅多に出来なくなる。それを念頭に据え、今と言うかけがえのない時間を堪能する。

「機動六課って言えば・・・前にはやてが立ち上げた部隊じゃなかったかしら?」

 アリサがふと尋ねたので、はやては「せやで」と即答する。

「いやー。最初聞いたときは度肝を抜いたよ。せやけど真顔のクロノくんとリンディさん、おまけにカリムが冗談じゃない言うたときにはさすがにな」

「えっと・・・私たちにはよくわかんないけど・・・いろいろ大変そうなんだね」

「これも仕事だから」

「だいじょうぶだよ、すずかちゃん。私たちこれでもかなり鍛えてるし、強いんだから♪」

「なのは・・・」

「なのはちゃん・・・」

 二人の前では笑って言い聞かせるなのはだが、アリサとすずかはその笑顔が自分達を不安にさせまいと作り上げた偽りの表情である事を看破する。

 二人だけじゃない。ユーノが居なくなってからこうした態度をたびたび見せるようになった彼女をフェイトとはやても気に掛けていた。

「おまたせー。翠屋の新作ケーキだよー」

 ちょうどそこへ、喫茶翠屋で働く眼鏡に三つ編みスタイルの女性―――なのはの姉である高町美由希(たかまちみゆき)が笑みを浮かべながら5人の元へケーキを運んできた。

「うわぁー! おいしそう!」

「相変わらず凝っとるなー。さすがは桃子さんやー」

「ざーんねんでした! 実はこのケーキ、私が作った物だったりして♪」

「お、お姉ちゃんが!?」

 意外すぎる事実に誰よりも吃驚するなのは。この喫茶翠屋においてケーキ作りは専らプロの菓子職人である母親の仕事だとばかり思っていたなのはにとって、美由希がケーキを作るという発想自体そもそもなかったのだ。

「いつまでも結婚しないで親元で寛いでる干物女じゃないんだよ。なのはやみんなもあんまりお姉ちゃんを見くびっちゃダメだぞー」

 さすがの五人も面を食らってしまった。ひとまず出されたケーキを食べてみる事にした。その味は驚くほどに美味だった。

「美味しい!」

「ほんまや。まろやかな舌触りにほのかに甘いのが絶妙や」

「お姉ちゃんすごいよ! 私ぜんぜん知らなかったよ。お姉ちゃんがこんなにケーキ作り上手だったなんて!」

「えっへん! これが高町美由希の真の実力なのだ!」

 しかし正直なところ内心非常に不安だった。兄や妹と違って目立った特技も持たず悶々と日々を過ごしていた彼女だったが、こうしてたまに帰って来た妹が笑顔になってくれることが何よりも嬉しかった。同時に心から救われる思いだった。

 心なしか先ほどまで見せていたなのはの作り笑いは素の笑顔に戻っている様に感じられた。四人は絶妙なるタイミングでフォローに入った美由希の姉としての威厳を心から尊敬し感謝した。

 そんな砌、ふとすずかがカウンターを覗いた時、真っ白なワイシャツを着こんで静かにコーヒーブレイクを堪能する気品漂う男性の姿が目に留まる。

「美由希さん、あの人・・・」

「あぁ白鳥さん?」

「お姉ちゃん。あの人よく来るの?」

「うん。決まってコーヒー飲んで帰っていくよ。ケーキもどうですか? って言ったんだけど・・・甘い物は口がおかしくなるから不要だって言われちゃった」

「へぇー」

 秘かな注目を浴びている事など露知らず―――白鳥礼二は店主であるなのはの父・高町士郎(たかまちしろう)が淹れる自家焙煎コーヒーを愛飲する喫茶翠屋の常連客となっていた。

「ンフ―――・・・。やはりここのブルマンのピーベリーは格別であるな」

ズズ・・・。コーヒーを啜る音が何とも心地よい。白鳥にとって至高のコーヒーブレイクこそ至福のひと時であった。

「店主よ。いつもながら良い仕事をしているぞ」

「いつも御贔屓ありがとうございます。白鳥さん」

 翠屋の客層はその殆どが主婦層や学校帰りの学生であり、白鳥の様な純粋にコーヒーを愛する客と言うのも実に珍しい。

 だが士郎にとって自分が淹れるコーヒーを絶賛してくれる客が居る事はとても喜ばしい事だった。どちらかと言うとこの店では妻である桃子が作ったケーキや紅茶を目当てに足を運ぶ者が多いからだ。

「ん?」

 すると不意に、店の隅に置かれていたある物に白鳥の目が行った。立ち上がった彼は足早に移動し、置かれていた物を吃驚した眼差しで見つめる。

「これは・・・!?」

「あぁ白鳥さんは気付いちゃいましたか。それはニセ樽です」

「ニセ樽だと?」

「知り合いの豆屋さんがちょっと見て欲しいと言ってウチに持ってきたんです」

 経緯を簡潔に説明する士郎の話を耳に入れつつ、白鳥はニセ樽と呼ばれるコーヒー豆がずっしりと入ってある樽を持ち上げじっくりと観察。しばらくして、ハッとした表情を浮かべるなりニセ樽たる所以を突き止めた。

「成程そういう事か・・・・・・アルミのタガの部分の印刷がずれている。これはジャマイカの現地で蓋をしたのではなく、こっちで別の安い豆を混ぜ合わせて蓋をした証拠だ!」

「いやーさすがですね、白鳥さん。それにしても最近は玄人でも騙されるくらい巧妙な物が出回っていまして、嘆かわしい限りですよ」

 と、思わず悲嘆する士郎。

 直後、ダン―――と、カウンターテーブルを叩きつけるなり白鳥は激昂。人目を憚らず大声を上げる。

「そんな下賤な者にコーヒーを飲む資格はない!」

 唐突なまでの白鳥の言動に店に居合わせた者すべてが硬直。戸惑いが広がる中、士郎は人が変わった様に大声を出した白鳥を恐る恐る諌める。

「あ、あの・・・白鳥さん・・・あんまり五月蠅くされると他のお客さんに迷惑なので・・・・・・」

「し、失敬した。私としたことがつい感情的になってしまった」

 並々ならぬコーヒー愛を見せつける白鳥を、フェイトはこのときじっと見つめていた。だがそれは異性としての興味ではなく、ある別の理由からだった。

「あの人・・・」

「フェイトちゃん。どうかしたの?」

「・・・うんうん。なんでもない。多分気のせいだと思う」

 なのはにそう言った後で、フェイトはもう一度白鳥の方へと視線を向ける。そして彼から感じられる身に覚えのある気配に神経を研ぎ澄ませる。

(まさかね。あの白鳥さんって言う人から“魔力”反応があるだなんて――――――何かの思い過ごしだよね)

 

           *

 

同時刻―――

空座町 南川瀬 クロサキ医院

 

 木曜の午後。閑静な住宅街に現れる嵐を呼ぶが如く二人の訪問者。

 うち一人は時代錯誤とも思える華美な衣装に身を包んだ赤髪の男。もう一人は現代風の衣装に身を包んで赤髪の男を懸念に満ちた視線で見つめる、落ち着いた印象だが若干幸薄そうな男。

 やがて、赤髪の男はクロサキ医院の前に立つと診療所と併設された自宅のインターホンをおもむろに押す。

 

 ピンポ―――ン!

 

 呼び鈴を鳴らしてしばらくすると、鍵の閉まった玄関から出てきたのはラフな格好の一護だった。

「は―――い。すみません木曜は午後から休診になってま・・・」

 若干気だるい声で呼びかけようとした途端。太陽光でピカリと輝く派手なサングラス越しに、赤髪の男は一護を前に大仰なリアクションをとった。

「ハハハハハッ!!! 元気だったか我が戦友(とも)よ!!! 阿散井恋次(あばらいれんじ)様がわざわざ現世まで来てやったぞー!!!」

 圧倒的な存在感を醸成する。周りを流れる時が一瞬の間だけ凍りつくと、一護は白けた表情で柵の鍵を閉め、何事も無かった様に家の中へ入ろうとした。

 それを目の当たりにするや、護廷十三隊三番隊隊長・阿散井恋次は慌てて一護の行動を止めにかかり無理矢理に扉をこじ開けようとする。

「こ、コラアァァ!! テメー何で鍵閉めるんだよ!!! 一護っ!!!」

「あたりまえだ!! テメーいきなり押しかけて来やがって何だよその格好!! いつの時代のスターだよ!!!」

「うるせーよ!! これが現世で一番地味な格好だってルキアが言うからわざわざ着てきたんだぞ!!!」

(うわあ~~~こいつ本気で騙されてやがる・・・)

 どこまでアホなんだと内心一護が呆れていると、恋次の後から付添の男が苦笑しがちに話しかけてきた。

「ほらね阿散井くん・・・やっぱり言わんこっちゃない。僕もその格好はやめたほうがいいって言ったんだ」

「わ、悪かったな!! 俺だって好き好んでこんな格好してんじゃねぇよ!!」

 そのとき、一護もようやくもう一人の男の存在に気が付いた。

「あれ? お前・・・吉良(きら)じゃねぇか!? お前も一緒だったのか!」

「まぁね。久しぶりだね一護くん」

 恋次の付添として同行していた男、護廷十三隊三番隊副隊長・吉良イヅルはややぎこちなく思える笑みを見せた。

 恋次と吉良は共に死神育成を目指す『真央霊術院(しんおうれいじゅついん)』特進クラスの出身で、今は護廷十三隊三番隊を指揮する隊長、副隊長の地位に収まっている。十年前に勃発した『霊王護神大戦』を経て恋次が新しく三番隊の隊長になってから早数年。二人はその手腕を以って自隊をまとめ上げている。

「ところでお前ら今日は突然どうしたんだよ? わざわざ現世(こっち)に来るってことはそれなりの理由があるんだろ?」

 問い質す一護。吉良は今回の訪問について端的に事情を説明する。

「実はね、“(ホロウ)の突然変異体である『魔導虚(ホロウロギア)』の実態調査に備えて現世の死神代行組みと合流せよ”っていう上からの命令でね。僕らがこっちに派遣されたんだ」

「つー訳だ一護。こちとら上がらせてもらうぞ」

 と、さも当たり前の様に恋次は一護の家へと上がり込もうとする。

「ちょっと待てぇ―――い!!!」

 これに危機感を露わにした一護は慌てて恋次の行動を制止させる。

「まだ上がっていいとは一言も言ってねぇだろうが!!」

「いいじゃねぇかよ別に!! 俺たち友達だろ!!」

「都合のいいときだけ友達ヅラすんじゃねぇよ、腹立つから!!!」 

 久しぶりに合って早々喧嘩しか出来ないのかと吉良は当方に暮れていた。

 閑静な住宅街で突如勃発した一護と恋次の取っ組み合いは壮絶を極めたが、長くは続かなかった。

 しばらくして、家の奥から織姫と改造魂魄(モッド・ソウル)という特殊な擬似的な魂を与えられ、今はライオンのぬいぐるみの姿をしたコンが騒ぎを駆けつけた。

「あなたー。一体どうしたの? 玄関で騒いで・・・」

「そうだそうだ! ウルサくて昼寝も出来やし・・・って!! お前らぁぁぁ―――!!」

「ああ―――!! 恋次くん!! それに吉良さん!!」

 恋次と吉良の姿を見た途端、織姫は驚嘆するコンを余所に子供みたいにはしゃぎながら二人へ近づき数年振りの再会を喜んだ。

「久しぶり!! 恋次くんも吉良さんもぜんぜん変わってないね!!」

「そりゃあ・・・人間と死神じゃ歳のとり方もかなり違うしな。つーかなんで俺は()()()()で吉良は()()()()なんだよ」

「しばらく見ない間に、君は一段と大人の女性になったね。織姫さん」

「やだもう~~~♪ 吉良さんったら~~~お世辞が上手いんだから♪♪」

「それに引き換え一護・・・お前は老けたな・・・」

「まだ2()6()だよ!!」

 織姫が吉良のお世辞に心底うっとりし幸せそうな笑みを浮かべる一方で、恋次は一護の顔を見ながら嘲笑する。

「とにかく、立ち話もなんだから上がって上がって!! ちょうどクッキー焼いたところだから、ささ!!」

「っておい織姫!? 上がらせていいのかよ!!」

「いいじゃない。ウチへ来たって事は、何か困ってるからなんでしょう。困ったときはお互い様だよ!」

「そうだぞ一護! 素直に織姫さんの言葉には耳を貸しやがれ・・・ふっぐう!!!」

「おめーは少し黙ってろ!!」

 剣幕を浮かべながら一護はコンの体を情け容赦なく足元で踏みつけ、湧き上がる怒りを鎮めようとするのだった。

 

 

 織姫の許諾を得て家へと上がった恋次と吉良は、お茶請けに出されたクッキーと紅茶を堪能。その一方で一護は露骨に不機嫌そうな顔を浮かべコーヒーを啜る。どこか釈然としない中、恋次達へ問いかける。

「で・・・なんでお前なんだよ?」

「一応、中央四十六室(ちゅうおうしじゅうろくしつ)でも厳正な審査が行われてな・・・その結果選抜されたのが俺だったのさ。他の誰でもねえこの俺が選ばれたんだぜ。どうだすげーだろ一護!」

「へー・・・そうなんだ」

 乾いた声でまるで興味一切の無い口先だけの返事。恋次は一護のこういう態度が昔から気に入らなかった。

「なんだその超興味の()えリアクションは!? ちったー驚けよ!」

「あーそうなんだ。すごいすごい」

「てめえ・・・前々から可愛げの()え奴だとは思ってたが、ここまでとはな」

「阿散井くん。言いたい事はわかるけどひとまず押さえて」

 今にも爆発しそうな恋次をセーブするのもまた副隊長である吉良の役目であった。

「あ、そう言えば朽木さんどうしてるの?」

「ルキアか? アイツなら十三番隊の任務で現世(こっち)には来れなかったな。霊王護神大戦以来、浮竹隊長の体の具合がさらに悪化しちまったもんだから、今じゃ隊長業務も掛け持ちしていろいろ忙しいんだよ」

「そうなんだ・・・てっきり朽木さんも一緒だと思ったからちょっと残念だな」

 尸魂界(ソウル・ソサエティ)における死神で無二の親友・朽木(くちき)ルキアとの再会が果たせなかった事を、少々残念そうに感じた織姫は思わず項垂れる。

「仕方ねえさ織姫。ルキアもルキアで忙しいんだ」

 一護にとっても朽木ルキアという死神は特別な存在だった。

 嘗て、ルキアは一護に死神の力を託し彼の運命を大きく変えた。やがて、一護は死神代行としてルキアを始め、多くの死神、あるいは尸魂界(ソウル・ソサエティ)の歴史そのものを変えていった。十年に及ぶ彼の軌跡については別途書籍等で確認して欲しい。

「で、話は元に戻すけど・・・・・・ここ数日の間で魔導虚(ホロウロギア)の出現頻度は確実に増えている訳だが、実際にアレと戦っている者の率直な意見を聞きたい。一護くん、魔導虚(ホロウロギア)についてどこまで知っているんだ?」

「そうだな。一言で言えば魔導の領域に足を踏み入れた(ホロウ)ってところだよ」

「魔導? なんだよそりゃ」

 聞き慣れない言葉に恋次は小首をかしげ聞き返す。

「魔法だよ魔法! 魔法って言葉くらいは聞いたことあるだろ?」

「魔法だぁ!? な・・・何言ってやがんだよ・・・・・・まさかとは思うが、魔導虚(ホロウロギア)ってのは杖を振り回しながら“テクマクマヤコン”とかって言うんじゃねーだろうな」

「いろいろ間違い過ぎだろ・・・・・・つーか古すぎるぞその情報」

 まさか恋次の口からテクマクマヤコンが飛び出すとは思わなかった。

 サブカルチャーである事に間違いはないが、選ぶセンスが一際古い事には織姫とコンも苦笑するばかりだった。

「と、兎に角! 俺はそのへんの事は断片的な事しかわからねえから、詳しい事は専門家に聞いてくれ。つっても魔導虚(ホロウロギア)、もとい魔法絡みの専門家なんて俺の知ってる限り一人しかいねえんだけど」

「誰なんだ?」

「ユーノ・スクライア。俺の弟子だ」

「そうか。お前の弟子か・・・・・・・・・・・・・・・弟子だぁぁ!?」

 飲もうとした紅茶を落としかける勢いで、恋次は驚嘆の声を上げるとともに、一護へと詰め寄り胸ぐらを掴み尋問する。

「おい一護ッ!!! そりゃどういう意味だよ!?」

「どういう意味も何もそのままの意味だっつーの!」

「いつから弟子なんて取ってたんだよ! 俺らぁ何も聞いてねーぞ!!」

「わざわざ言う事でもねえと思ったんだ! つーか顔()けえよ!! 服も伸びるだろうがっ!!」

 恋次からすればぶっきらぼうな性格の一護に弟子など取れる筈がないとさえ思っていた。予想を裏切る事態に終始納得のいかない恋次を余所に、吉良は冷静に織姫から事情を窺っていた。

「えーと・・・一護くんの弟子ということはさておき、そのユーノ・スクライアという人物に聞けば、魔導虚(ホロウロギア)が身に付けているという『魔法』について情報を得られるのかい?」

「はい。ユーノさんなら喜んで協力してくれると思いますよ」

「ま。恋次が下手な粗相をやらかさなきゃの話だがな」

「姐さんと違ってコイツの性分が野良犬だもんな・・・・・・ぐっほ!」

 コンの口から野良犬と言う単語が飛び出すなり、恋次は鋭い剣幕を浮かべながら無碍にぬいぐるみの体を踏み潰す。

「誰がんなヘマするかよ!! 上等だぜ。そのユーノなんちゃらに会ってやろうじゃねえか! 一護、そいつの住所教えろ!」

 ったくしょうがねえな・・・そう呟きながら、一護はメモ帳にユーノが住んでいる住所を書き殴り、「ほらよ」と言って手渡した。

「吉良! ぼさっとしてねえでさっさと行くぞ!」

 何故か殺気立った様子の恋次が気にかかる。一護と織姫はムシャクシャとしながら玄関へと向かう彼の後姿を凝視する。

「何カリカリしてやがるんだアイツ」

「カルシウム足りてないのかなー恋次くん?」

「君達ねー・・・・・・」

 

           *

 

同時刻―――

東京都 海鳴市 某所

 

 アリサとすずかとの女子会を終え、なのは達は一緒の帰路へと着く。

「今日は本当に楽しかったね」

「うん。久しぶりに息抜きができたった感じ」

「機動六課の再編となればこうして三人まとまった休暇なんてほぼ取れなくなると思うし、ええタイミングで帰って来れたな」

「そうだね。今度来るときは久しぶりにヴィヴィオも連れて来たいなぁ―――」

 声に出すかたわら、首からぶら下げているロケットを左手で握りしめ、未だ行方知れずの幼馴染の事を想う。

(あと出来ることなら・・・・・・ユーノ君とも一緒に帰って来たい。今ごろどうしてるんだろう・・・・・・ユーノ君・・・・・・・・・)

 

 ドカ―――ン!!

 

 不意に聞こえてきた破裂音。三人は等しく目を見開いた。

「今のなに!?」

「何かが爆発したんや!!」

『きゃああああああああああああ!!』

 爆音が聞こえた直後、絹を裂く様な悲鳴が耳に入った。

「今の悲鳴聞いた!?」

「フェイトちゃん! はやてちゃん!」

「「うん!」」

 ただ事ではないと直感し、三人は直ちに現場へと向かう。

 

「・・・!」

 時同じくして―――ユーノの店に向かって移動中だった恋次もまた、辺り一帯から奇妙な霊圧を感じ取った。

「どうしたんだい?」

「妙な霊圧を感じる。まさかとは思うが・・・」

 言われて吉良も神経を研ぎ澄ませる。

 すると案の定、周囲から(ホロウ)の気配を感じ取った。だが、恋次の言う通り普通の(ホロウ)には無い未知の力が作用している事が分かった。

「・・・確かに(ホロウ)にしては奇妙だ。霊圧の中に何かが混じってる様だ」

「ったく。魔法の専門家に会う前にこれだよ。だがちょうどいい。魔導虚(ホロウロギア)って奴がどれほどのものなのか詳しく確かめるいい機会だぜ」

 軽く腕を回すと、恋次は懐からデフォルメされたアヒルの頭部を模したキャンディ筒状アイテム「義魂丸(ぎこんがん)=ソウル*キャンディ」を取り出す。

 頭部を軽く押して出て来た丸薬を口へと含む。

 刹那、義骸から白い隊長羽織を着こんだ死神・阿散井恋次本来の肉体が飛び出した。

「すぐに戻る。お前は先にユーノ・スクライアの所に行っててくれ」

「わかった。くれぐれも気を付けるんだよ」

「誰の心配してんだよ。護廷十三隊三番隊隊長、阿散井恋次を舐めんなよ」

 自信に満ちた笑みを浮かべるとともに、恋次は吉良に見守られながら、霊子を足場に大空を闊歩するかの如く現場へと急行する。

 

 一方、悲鳴を聞きつけたなのは達がやって来たのは人気の無い公園だった。

「な、なんなんやこれは・・・!?」

「何があったって言うの?」

 目の前の有り様にただただ呆然とする。何者かが暴れ回った様子で、地面はあちこち掘り返されて盛り上がり、遊具類も無残に破壊されていた。

「ここで一体何があったの?」

『わああああん!!』

 再び先ほど聞いた悲鳴が耳に入る。辺りを見渡すと、体が微かに透けて視える子供が、胸に孔の空いた白い仮面で覆われた龍、あるいはワニに似た頭を持つ怪物に追い回されていた。

「あ・・・アレは何?!」

「あの怪物・・・・・・ひょっとして例の一連の騒動で噂になってる!?」

「それがどうして地球に?!」

 気になるところは山ほどある。だがひとつハッキリしている事があるとすれば、このままでは確実に子供が死ぬと―――。

「何でもいいけど、アレを止めないと被害が大きくなる。レイジングハート!」

〈Yes My Master〉

「バルディッシュ!」

〈Yes Sir〉

「やるしかないような」

 それぞれの愛機を手にした直後、なのは、フェイト、はやての三人は身に付けた魔導の力を解放するための言霊を唱える。

「「「セーット・アーップ!」」」

 

『た、助けてぇぇぇ―――!!!』

 絶体絶命。逃げることすら叶わない状況にただただ絶望する。

 死を覚悟して子供が目を瞑った次の瞬間、襲ってくるはずの怪物の攻撃が何故か向けられなかった。

 恐る恐る目を開けると、そこには天使がいた。天使の如く真っ白なバリアジャケットに身を包み、槍にも似た形状の魔導師の杖《レイジングハート・エクセリオン》を手にしながら魔法防壁を展開する女性・高町なのはがいた。

「きみ大丈夫ッ!?」

『う・・・・・・うんっ・・・・・・ありがとう』

 子供をよく見ると、胸の中心から千切れた鎖が生えていた。それが何を意味するかはわからない。だが今自分が為すべきはまず子供を守る事だと割り切り、なのはは間一髪のところで子供を救う。

 なのはが子供を救ったとともに、空で待機していた軍服を思わせる黒衣のバリアジャケットに身を包んだフェイトが、閃光の戦斧《バルディッシュ・アサルト》を掲げ、先制攻撃を仕掛ける。

「プラズマランサー! ファイアッ!」

 幾つもの雷槍が豪雨の如く怪物へと降り注ぎ多量の土煙を巻き上げる。

「ここは危ないから安全な場所に隠れてて!」

『う・・・・・・うんっ・・・・・・』

 子供を安全地帯へと下がらせるなのは。

 しばらくして、騎士甲冑と呼ばれる天使と悪魔の衣装を彷彿とさせる防護服に身を包んだはやてが騎士杖《シュベルトクロイツ》を手に呼びかける。

「結界展開完了! こっからは思いっきりやってええよ!」

「「了解ッ!」」

 爆煙から姿を見せる怪物。対峙したなのはとフェイトは距離を測りつつ、未だ嘗て遭遇した事の無い敵の存在を警戒する。

「どんな攻撃をしてくるかわからない。ここは様子見でワンショット!」

〈Accel Shooter〉

 杖先に桜色の光が結集する。標的を見据えたなのはは得意の誘導射撃・アクセルシューターを怪物へと放つ。

「シュートッ!」

 ドンッ―――。移動しながらも加速する誘導弾。怪物の頭部へ着弾し欠けた次の瞬間、円形状に拡がるバリアフィールドが展開され、アクセルシューターを打ち消した。

「AMF! あの怪物にそんな力が!?」

 魔力結合を無効化するAMF(アンチマギリンクフィールド)はJS事件において頻繁に目にした技術であり、今となっては然程珍しいものじゃない。だが目の前の怪物にそのような能力が備わっていると迄は流石に思ってもいなかった。

「だったら魔力結合を消される前に獲るまで―――」

〈Zamber Form〉

 手持ちのバルディッシュの形状を最大出力発揮可能な大剣『ザンバーフォーム』へと変化させ、フェイトは中空を蹴ってから一気に怪物の所へと飛び込む。

「はあああああああああああああああ」

 バシュン―――。高速移動を駆使し怪物の左腕を斬り落とす。

「やった!」

「いや違う!」

 楽観するなのはだが、はやてが即座に異常に気が付く。

 刹那、フェイトによって腕を斬り落とされた筈の怪物の左腕から何事も無かったが如く新しい腕が瞬時に生えて来た。

(斬り落とした腕が再生した!!)

 想定外の事態に目を疑うフェイト。怪物は復活したばかりの左腕を振りおろし容赦なく襲いかかる。

「ちッ!」

 咄嗟に攻撃を回避して距離を測ろうとする。

 だがそのとき、フェイトの背後から咆哮の様な物が聞こえた。恐る恐る振り返ると、たった今まで目の前にいた筈の怪物がすぐそこまで迫っていた。

(!! いつの間に後ろに―――!?)

「フェイトちゃん!!」

「逃げるんや!!」

(ダメだ!? 間に合わない!!)

 

 ドンッ―――。

 

「「「え!」」」

 一瞬の出来事に目を奪われる三人。

 気が付くと、フェイトへ襲い掛かろうとした怪物は地面の下でのたうちながら、上半身から湯気を上げ悶絶していた。

「―――やれやれ・・・・・・優雅なコーヒーブレイクを堪能していたと思ったら、またしても無粋な指令が届く。まこと尸魂界(ソウル・ソサエティ)とは実に人遣いが荒い」

 なのは達の視線の先に映る一人の男。

 ワイシャツの形状に酷似した襦袢(じゅばん)と、その上からネクタイと死覇装を着こなし、両手に白い手袋を嵌めた死神―――白鳥礼二が歩いてきた。

「・・・あ・・・・・・あの人は・・・・・・」

「白鳥さん?」

 なぜこんなところにただのコーヒー好きの一般人がいるのか。

 疑問に思う中、白鳥は目の前の怪物こと―――魔導虚(ホロウロギア)へと関心を向ける一方で、恐怖で体を震わせる子供の魂魄の存在を気に掛ける。

「こんなところに『(プラス)』がいるとは。アレの餌になっては二度と転生など出来ぬぞ」

 腰に帯びた斬魄刀をおもむろに鞘から抜き放つ。白鳥は子供の魂魄の頭部を見定めながら刀を振り上げる。

「ちょ、何を―――!!」

 はやてが安易に想像がつく凶行を恐れた直後、白鳥は斬魄刀の柄尻を子供の額へと軽く押し当てた。

 柄を離すと、額には「死生」と刻印される。その直後、子供は目映い光に包まれながら天寿を全うし現世から消失した。

「消えた!?」

「どうなってるの?」

 理解不明な事態に直面し困惑するなのは達。

 白鳥はそんな彼女を見ながら「主らもこんなところでそのような奇妙なコスプレをしている場合ではない。ここはコミックマーケットの会場ではないだからな。と言っても・・・・・・私の声など一般人に聞こえる筈ないのだがな」と、独白する。

「あの人・・・さっきから何を言ってるの?」

「わからない。でも―――間違いなく私たちはあの人に助けられたんだ」

 確信を持ってフェイトは白鳥を見据える。

 やがて、白鳥は嘆息を吐いてから手にした斬魄刀の切っ先を魔導虚(ホロウロギア)へと向け、凛とした瞳で宣言する。

「至高のコーヒーブレイクを壊した主の罪は重い。我が刃の前にひれ伏せ!」

 彼の言葉を理解しているのかそうでないかは別として、魔導虚(ホロウロギア)は本能の赴くままに白鳥へと襲いかかる。

 魔導虚(ホロウロギア)の攻撃を避け、白鳥は空中を飛翔しながら右手を突き立て、掌から霊力を込めた一撃を放つ。

破道(はどう)の三十三、『蒼火墜(そうかつい)』!」

 まるで魔法を彷彿とさせる蒼い炎が魔導虚(ホロウロギア)へと直撃。絶叫し怯んだ敵の体を白鳥は手持ちの斬魄刀で斬りつける。

 しばらくして、怒り狂った様子の魔導虚(ホロウロギア)が口から火炎弾を発射。射線上の白鳥へとぶつけようとする。

「危ない!!」咄嗟になのはが危険を知らせると―――

「円環の盾よ」

 手を突き立てた白鳥の目の前に円形のミッドチルダ魔法陣・ラウンドシールドが現れ、魔導虚(ホロウロギア)の攻撃を未然に防いだ。

「え・・・!!」

「魔法やて!?」

「まさか・・・・・・あの人も私たちと同じ魔導師!?」

「おいたが過ぎるな。ここは仕置きとして縛り上げるとしよう」

 静かに呟き、白鳥は気を練り魔力を両掌に集中させる。

「連鎖悉く捕縛せよ。我が意のままに」

 次の瞬間、左右に開かれた掌に対し現れた魔法陣から多量の白い鎖が飛び出した。鎖は幾重にも複雑に絡み合い、魔導虚(ホロウロギア)の体を縛り上げる。

(今の技は!!)

 決して見逃さ無かった。なのはは目の前の光景に心底目を疑った。

 だがいくら頭の中で否定しても彼女は決して忘れてなどいない。口上こそ違えど、白鳥が使った魔法が嘗ての魔法の師が得意として使った物と同じであると。

「終わりだ」

 鎖で動きを封じ込めた敵を最後は斬魄刀で一刀両断。魔導虚(ホロウロギア)は断末魔の悲鳴を上げながら消滅した。

「さてと。帰ってコーヒーでも飲み直すとしよう―――」

 終始言葉を失うなのは達。白鳥は何事も無い様子で刀を鞘へと納め、元来た道を帰ろうとする。

「待ってください!!」

 しかしそのとき、白鳥へと向けられた呼び止める声。目を見開き驚いた様子で振り返れば、なのはが自分を見ながら荒い呼吸を上げていた。

「あなた・・・・・・今の魔法は誰に・・・誰に教わったんですか!?」

「な・・・・・・なぜ一般人に私の姿が・・・・・・」

「お願いです!! 今の魔法は誰に教わったのか教えてください!!」

 死神の姿を視認する目の前の存在に畏怖を抱く白鳥。見知らぬ男が見覚えある魔法を使った事が信じられないなのは。対極に位置する二人を交互に見合うフェイトとはやて。

 詰問するなのはだったが、白鳥は臆病風に吹かれた様に一歩、また一歩と彼女達から後ずさる。

「認めん・・・私は認めんぞ・・・・・・私の姿が視える人間がこうも近くにいるなど断じて認めんぞぉ―――!!!」

 声を荒らげた末、白鳥は『瞬歩(しゅんぽ)』と呼ばれる高速方法を用いてなのは達の前から一瞬で居なくなった。

「ま、待ってください!!」

 追いかけようとするなのはをフェイトとはやてが慌てて制止させる。

「なのは!! 少し落ち着いて!」

「どうしたんや一体!?」

「さっき・・・あの人が使ってた魔法・・・・・・」

「魔法?」

「それがどないしたんや?」

「『アレスターチェーン』―――あれは、()()()()()()()()()()()なんだよ!」

「「え!?」」

 四年前に失踪した幼馴染の名がなのはの口から飛び出た瞬間、フェイトとはやても改めて先ほど迄の到底あり得ない出来事に驚愕させられた。

 

           *

 

同時刻―――

東京都 松前町 スクライア商店

 

「住所だとここで合ってる筈だが・・・・・・」

 吉良は一護から伝え聞いた住所を何度も何度も確かめる。

「・・・・・・本当にここなのか?」思わず小首を傾げてしまっていると。

「吉良っ!」

 ちょうど頃合いよく、魔導虚(ホロウロギア)退治を終えた恋次が帰還。特に目立った外傷も無くそのまま義骸へと戻った。

「おかえり。早かったね」

「俺様を誰だと思ってるんだよ。俺にかかれば(ホロウ)の一匹や二匹なんて五分もあれば片が付く」

「ははは・・・それで、噂の魔導虚(ホロウロギア)はどんな感じだった?」

「確かに妙な力を持っちゃいたが、正直言って手応え無かったぜ。ちょっと癖のある(ホロウ)くらいにしか思えなかったな」

「やはりそうか」

「何がだよ?」

「君が戦った魔導虚(ホロウロギア)は恐らく未完成体だよ。何者かが成体を作り出そうとしていて、様々なデータを集めようとサンプルを無作為に送り込んでいるんだ」

「するってーと・・・要は俺ら死神は影で糸を引くカス野郎に良いように利用されているって事かよ。けっ。そう考えたら余計に腹が立ってきたぜ!」

「一連の魔導虚(ホロウロギア)関連事件は僕らが思ってるよりずっと闇が深いものなのかもしれないね」

「ところで吉良。ここがそうなのか?」

 恋次は吉良とともにユーノが営む店の外装を傍観。二人にとってスクライア商店の外装は非常に見覚えある物であり、到底魔法使いが住んでいるとは思えなかった。

「ココ・・・浦原さん家じえねぇのか?」

「僕も一瞬そう思ったけど、浦原商店とは違う店だよ」

「にしてもよく似てるなー。あの人の趣味を真似たがる奇特な魔法使いとは・・・・・・一体どんな顔してやがるんだ?」

 想像がつかない二人は端的に確かめるべく意を決して店へと近づく。玄関の前に立つと、恋次は一呼吸を置いてから、おもむろに店の戸を開けてみた。

 ガラガラ・・・。

「いらっしゃいませ・・・」

 扉を開けた途端、恋次の前に金太郎の顔がドアップで現れた。

「のああああああああああああああああ!!」

 この世のものとは思えない形相に反射的に絶叫する恋次。横目で見ていた吉良も思わず心臓が飛び出そうになった。

「何だチクショウめ!! テメーがユーノ・スクライアか!?」

「彼は熊谷金太郎。うちの従業員ですよ」

 恋次に釈明をするとともに、店の奥から噂のスクライア商店店主―――ユーノ・スクライアが恋次達の前に姿を現した。

「どうも初めまして♪ 僕がユーノ・スクライアです。スクライア商店でしがない駄菓子・雑貨屋を営んでおります。(よろ)しければ、以後お見知りおきを!」

 扇子を広げて、割とフランクな態度をとるユーノ。

 想像とはあまりに異なる、予想の斜め下を行く魔法使いの登場。ユーノの姿を目の当たりにした恋次と吉良はただただ返す言葉を失った。

((・・・ま・・・まんま浦原さんと一緒じゃないか・・・!!))

 

 暫し立ち話をした後、茶の間へと上がった恋次達は早速ユーノと積もる話をする事にした。

「さてと、電話で一護さんから話は聞いています。何から話しましょうか? とりあえず僕がいつも食べてる京都老舗のスペシャル固焼き草加煎餅でも味わいながら語り合いましょうかね♪」

 飄々と笑みを浮かべ、煎餅を手に取ったユーノはバリバリと音を立てながら恋次達へと向き合う。

「あ、あのな・・・こっちは呑気に茶飲んだり煎餅食ってる場合じゃねえんだよ。魔導虚(ホロウロギア)なんつー突然変異体が出始めてから尸魂界(ソウル・ソサエティ)はてんやわんやなんだ」

「事態は一刻を争うんです。魔導虚(ホロウロギア)について知っている事をすべて話してもらえませんか? ユーノ・スクライアさん」

 バリッ―――。最後の一欠けらを齧り終え、番茶を啜る。その後ユーノは真剣な顔つきとなる。

「そうですね・・・・・・では、お教えしましょうか。魔導虚(ホロウロギア)とは何か。そしてそれを操る黒幕(フィクサー)の正体について」

「「・・・!!」」

 フィクサーと言う単語に目を見開く二人。ユーノは順を追って説明を始める。

(ホロウ)の突然変異は何も魔導虚(ホロウロギア)に始まった事じゃありません。かねてより極稀にではありますが自然発生するものはありました。魂魄の調整量、世界規模における次元干渉、そうした要因が複雑に重なり合って作用する事で輪廻の過程で魂魄そのものに異常をきたす。しかし・・・その過程を何者かが()()()()()()()()()事が可能だとしたら?」

「意図的に!?」

「誰なんだよそいつは!」

「ジェイエル・スカリエッティ――――――それが一連の魔導虚(ホロウロギア)関連事件の黒幕、と呼ぶに相応しい男の名です」

「ジェイル・スカリエッティ・・・・・・その男も魔法使いなんですか?」

「魔法使いではありませんが、様々な世界で違法研究などの数え切れない罪状で超広域指名手配されている一級指定の次元犯罪者です」

「次元犯罪者? さっきから意味不明な単語が続いてるんだが・・・・・・」

「あぁ、すみません。一護さんには話していたんですけど、あなた方にはまだ話していませんでしたね。時空管理局と多次元世界の存在について」

「時空管理局? んなもんがあるのかよ?」

「ええ。尸魂界(ソウル・ソサエティ)における死神が魂の調整者(バランサー)であるのに対し、彼らは次元と言う壁を隔てた向こう側にあるいくつもの多次元世界の法の秩序を守ってるんです。世界のバランスが崩れないよう強力な軍事力を有している。つまるところ警察と軍隊と裁判所が一個に凝縮された組織・・・と表現すればわかりやすいですかね」

「ずいぶんと国家権力が集中しているんですね」

「胡散臭い組織だな。癒着とか起きねえのかよ」

「しょっちゅう起きてますね♪」

 さり気無くとんでもない事を口走った様な気がしてならない二人だが、ここは敢えてツッコまない方向で互いに目を合わせ合意する。

「まぁそれは兎も角として・・・時空管理局は四年前に起こったテロ事件の首魁であるジェイル・スカリエッティを一度は逮捕しておきながら、その脱獄を許してしまった。それからしばらくして(ホロウ)の突然変異騒動・・・とどのつまり魔導虚(ホロウロギア)事件が幕を上げたという訳です」

「するってーと・・・そのスカリエッティってのをブッ倒さない限りは、この事件は終わらないって事だな」

「しかしユーノさん。スカリエッティはどのような方法で(ホロウ)魔導虚(ホロウロギア)へと変貌させているのでしょうか?」

「考えられるとすればひとつです。次元世界には既に滅びた世界が幾つもあるのですが、中には発達し過ぎた超古代のオーバーテクノロジーがいくつも残されています。そうした超古代の技術やそれをもたらす物質を総称して『古代物質(ロストロギア)』と呼びます。おそらくスカリエッティは、脱獄後に何らかの古代物質(ロストロギア)を手に入れ、その力を使って本来交わる事の無かった境界を取り払う事に成功したんです」

「境界を取り払うか・・・・・・俺らの世界にも似たような物作った奴がいたっけな。そう・・・お前みたいな変な格好をした元・死神とかな」

 ユーノを見ながら嘗ての護廷十三隊十二番隊隊長を歴任した男・浦原喜助(うらはらきすけ)の事を思い出す恋次。彼を真似ているユーノも直ぐに話を理解し「浦原さんのコトですね」と相槌を打った。

「確かに、あの人が造ったという『崩玉(ほうぎょく)』もまた僕らから言わせれば人智を超えた古代物質(ロストロギア)です」

 ズズ・・・。一旦茶を啜り、一呼吸おいてからユーノはある一つの仮定を口にした。

「もしもの話をします。仮に崩玉が藍染惣右介の手には渡らず、浦原さん以前よりも崩玉の理論を確立させていた者がいたとすれば? それが何らかの要因で次元世界へと流出していたとすれば?」

「「なっ・・・・・・」」

「もしもの話です。あまり気にしないで下さい」

 ズズ・・・。再び茶を啜るユーノ。

 だがどうにも彼の唱えた仮説は妙に説得力や現実味を帯びた話に思えてならず、恋次と吉良は思考に耽る。

(浦原さんよりも前に崩玉を造り出した死神だと?)

(あり得ない話じゃない。浦原さんはその類稀なる頭脳で尸魂界(ソウル・ソサエティ)の常識を覆す発明を幾つもしてきた。だが・・・・・・尸魂界(ソウル・ソサエティ)開闢以来そうした天才の手により崩玉が全く造られなかったと証明できる物は何もない。もしも本当にこの人の仮説が正しければ・・・・・・)

 

 直後、唐突に恋次がその場から立ち上がり声を上げる。

「ユーノ・スクライア!」

「ユーノで良いですよ」

「ユーノ! 俺たちをスカリエッティのいるところまで案内できるか?」

「阿散井くん?!」

「残念ですがスカリエッティが現在どこに潜伏しているかまでは僕にもわかりません。しかし、可能性として考えられるとすれば・・・・・・おそらく次元世界の中心に位置する魔法文明発祥の地―――ミッドチルダではないかと」

聞いた途端、再び卓袱台をダンッ―――! と叩き、恋次は語気強く言う。

「一生の頼みだ! 俺たちをそこへ連れってくれ!」

「なぜ?」

「決まってんだろ! そのスカリエッティってヤロウが魔導虚(ホロウロギア)を造り出して関係ねえ奴を巻き込んでるのに放っておけるか! そもそも(ホロウ)は霊体だから一般人には視る事もでき()え。(ホロウ)退治は死神の専売特許だ。これ以上の理由がどこにある!?」

「生憎ですが魔導虚(ホロウロギア)は視えない霊体ではありません」

「・・・何・・・・・・・・・・・・・・・だと・・・・・・!?」

 聞き違いではなかった。驚愕の事実に恋次はおろか吉良すらも言葉を失った。

「僕はこれまで数多くの魔導虚(ホロウロギア)と戦ってきましたが、奴らは須らく市井の人々によって視認できる存在でした。スカリエッティはトチ狂った男ですからね。自分の作品が視えないでいるのが苦痛だったんでしょう。だから何の力も持たない人間にも視える様に、本来霊体である(ホロウ)に手を加え可視化できる存在へと進化させた」

「それを聞いて益々放っちゃおけねえ!! 何でもいい!! 今すぐ俺たちをミッドチルダとやらに連れて行け!!」

「阿散井くん少し落ち着いて・・・」

「まぁーあなた方が一護さんの御友人で、事件解決を強く望んでいるのはよーくわかりました。良いでしょう♪ ミッドチルダへの道は僕が開きます」

「本当か? ウソじゃねーだろうな!?」

「ウソなんかつきませんよ。但し条件があります」

「条件・・・ですか?」

 ユーノの口から飛び出した条件という単語。ユーノは以下の条件を突き付けた。

「簡単な二つのことですよ。一つは“ミッドには必ずうちの従業員を同行させること”。もう一つは、“これからあなた方の力を見極めるテストをさせて頂き、それに合格すること”。ねぇ簡単でしょ♪」

「はぁ!? て・・・テストだと!! 何だよそれ!? 俺たちの力が信用できねえって言うのかよ!?」

「ハッキリ言ってしまえばそう言う事ですね」

「じょ、冗談じゃねえぞ! 何度も言ってるがそんな暇ねーんだよ! 第一スカリエッティがどんな屑野郎なのかはてめえが一番よく分かってんだろうが! これ以上もたくさしてる場合じゃ・・・!「わかんない人だな」

 次の瞬間、ユーノは言葉を遮ると同時に手持ちの杖で恋次を抑え込み、布団に貼りつけたような体勢を取らせる。身動きの取れなくなった恋次は優男から伝わるただなら威圧感に冷汗をかく。

「言ってるんですよ。実力も不明瞭な初対面の人を信じられない・と。あなただってそうでしょう? こんな荒ら屋でこんな生業してる胡散臭い人間を魔法使いだなんて微塵も思わなかった筈だ。絶対に勝てるんですか? たかが護廷十三隊三番隊隊長っていう肩書だけで、勝手の違う異世界での戦いに? 下手をすれば魔導虚(ホロウロギア)だけじゃない。魔導師や戦闘機人とだって戦うことになるかもしれない。そんな事態に直面した時、容易に倒せるんですか?」

 

【挿絵表示】

 

(何だ・・・コイツのこの威圧感・・・!? まるで切っ先を突きつけられているみてぇだ・・・)

 飄々とした態度から一変した低く凄んだ声色で恋次を威圧するユーノ。恋次はユーノから突きつけられた杖を見ながら、まるで体を動かす事が出来なかった。

「僕の見たところ、あなたの実力は総じて高いと思います。ですがあなたは敵を・・・世界を知らなさ過ぎる。このままでは残念ですがこの任務を完遂する事は出来ない。無知な者が敵地に乗り込むこと。それは犬死とか自殺行為って言うんですよ。『スカリエッティを止めるため』? 馬鹿も休み休み言ってください。死にに行く理由に他人を使うなよ。」

「・・・・・・!」

 冷たい人格へと変貌したユーノを前に声を押し殺す恋次。吉良はユーノから醸し出される迫力に割って入る事すら出来なかった。

 やがて、恋次を解放したユーノは腕組みをしながら語り始める。

「時空管理局は・・・この事態に備えて既に何らかの手を打っています。本局の意向を鑑みれば背に腹は代えられない。だから恐らく嘗てスカリエッティが起こしたテロ事案を解決した機動部隊を復活させるつもりです。ミッドに着いたらあなた方もその部隊・・・機動六課という組織に合流して下さい。そして魔導虚(ホロウロギア)について何の知識も対策も無い彼らをサポートして下さい。不本意かもしれませんが、それがあなた方にとって最も効率がよくリスクの低い最善の方法ですから」

 客観的な分析を加え、ユーノは恋次と吉良を見据えてこれから行うテスト内容について概要を伝える。

「これからあなた方には僕らスクライア商店メンバーと腕試しをして頂きます。そして力を証明して下さい。見事合格したら約束通りミッドチルダへの道を開きます」

「・・・お前を信用しろ・・・そういいたいのか?」

 半信半疑のまま恋次はユーノに尋ねる。無論、心情は吉良も同じであった。

「胡散臭いと思うのは仕方のない事です。ただ・・・あなた方が心の底からスカリエッティを止めたい、魔導虚(ホロウロギア)から人々を守り尸魂界(ソウル・ソサエティ)と現世の平和を願うなら何だってできる筈だ。想う力は鉄より強い。半端な覚悟ならドブにでも捨てて下さい」

 手持ちの杖を背中へと回し、不敵な笑みを浮かべユーノは付加疑問で問いかける。

「これから僕と命のやり取り、してもらえますよね?」

 恋次と吉良は相互に顔を見合わせる。どこか釈然としない感じがするが、恋次は頭を掻き毟ると一つの決断を下す。

「どーせ俺らが出来ねーっつっても、他にやる奴なんかいねえだろ」

「それに誰もまだ出来ないとも言ってないしね」

「しょうがねえっ! やってやろうじゃねえか!」

 二人の決意を確かな言葉として聞くことが出来た。ユーノと金太郎は相互にほくそ笑む。

「覚悟しといてくださいね―――」

 言うと、ユーノは恋次と吉良に対し手を差し出す。

 

「改めて、よろしくお願いします。阿散井恋次さん。吉良イヅルさん」

 

 

 

 

 

 

参照・参考文献

原作:久保帯人 『BLEACH 4・7・21巻』 (集英社・2002、2003、2006)

原作:都築真紀 作画:長谷川光司『魔法少女リリカルなのはStrikerS THE COMICS  1巻』(集英社・2007)

 

用語解説

※中央四十六室=尸魂界(ソウル・ソサエティ)における最高司法機関

 

 

 

 

 

 

魔導師図鑑ハイパー!

 

恋「よーし! 早速テストとやらをおっぱじめようぜ!!」

ユ「あ、その前にやることがありますから♪」

恋「何だよ、やることって?」

 そう言って取り出したのは「箒」と「塵取り」だった。

恋「どうするんだよ、んなもん?」

 すると、ユーノは恋次にそれを渡す。

恋「あ?」

ユ「協力してあげますから、店の掃除ぐらい手伝ってくださいね♪」

恋「え・・・えええええええ――――――!!!!!!!!」

 着て早々に店の手伝いをされる羽目になってしまった恋次。でも・・・

恋「ったく・・・なんで俺がんなことを・・・」

吉良「その割にはまめにやってるじゃないか」

 文句を垂れながらも、恋次は律儀に店の掃除を熟すのであった。




次回予告

恋「おっしゃー! 掃除も終わった! さっさとテストとやらを始めてくれ!」
ユ「それでは、当店自慢の地下訓練場へご案内です~♪」
恋「おいちょっと待て・・・この風景どっかで見たことあるぞ!?」
吉「言っちゃなんだけど、これも浦原さんところの盗用だよな・・・」
ユ「次回、ユーノ・スクライア外伝・・・『スクライア商店式見極めテスト』。お楽しみに♪」
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