ユーノ・スクライア外伝   作:重要大事

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第41話「フォービドゥン・マジック」

新暦079年 7月22日

第49管理外世界「セレマ」

 

晴れやかな日差しの下、静かに潜む異界の魔を狩る者、ティアナ・ランスター。その身はバリアジャケットに包まれ、鋭い眼差しで愛機クロスミラージュの銃口を標的に定める。

「目標捕捉――制圧対象AM-11」

彼女の声には、冷徹ながらも揺るがぬ意志が込められていた。ティアナは標的を認識した瞬間、疾風の如く駆け出す。その気配を察知したAM-11が応戦の魔法を放つも、ティアナはその攻撃を一つ残らず的確に回避し、素早く正面に回り込んだ。

「あんたは、この世界にいちゃいけない存在。だから私が、その歩みを止める」

クロスミラージュの銃口が僅かに輝きを帯び、ティアナは迅速に魔弾の一撃を放つ。

 

「ふぅ、無力化完了っと・・・」

ティアナは一仕事終えた達成感を胸に、頬に付着した塵をさっと拭い去った。

彼女の視線の先では、黒い霧に包まれた杖を持つ怪物が、仰向けに倒れこみ、静かに消えていく。

時空管理局本局に所属する現役の執務官である彼女が、この地に足を踏み入れたのは他でもない。機動六課の一員として、アンゴルモアの回収を一任された。そのため、第49管理外世界「セレマ」まで単身でやってきたのである。

アンゴルモアはその強大な力故に、現れた土地に不穏な影を落とし、しばしば悪意を抱く者達に利用されてきた。しかし、今回に限っては幸運だった。機動六課が早期にこの世界のアンゴルモア反応を察知し、いち早くティアナが追跡したことで、まだ誰の目にも触れていない“生まれたて”のAM-11に出会うことができたのである。

そのため、彼女はこの地の住人に目撃されることなく、淡々と討伐を完了した。

「さてと、任務も無事終了したことだし・・・さっさと回収して戻らなきゃ」

彼女がアンゴルモアの残骸に歩み寄ろうとした折、遠くから不機嫌な声が響いた。

「いやあ(カシラ)! 今日も首尾よくいきましたね!」

「まあな、俺様くらいの頭脳と腕があれば楽勝さ」

「さすがっすね、やっぱふざけた法なんかに従わずお頭について来て正解でした!」

(何なのアイツら? 見た目ガラの悪そうな感じだし・・・・・・少なくとも、あまり関わりたくないタイプだわ)

ティアナは眉を顰め、その男達の方に目を向ける。そこには、袋を抱えた人相の悪い男たちが陽気に笑い合っていた。

「・・・・・・ん? なんだこりゃ」

すると、その中の一人が、足元に転がっていたアンゴルモアの欠片を見つけ、手に取った。その様子を見て、ティアナは慌てて叫ぶ。

「あっ、ダメ! それに触らないで!」

その声で、男達はティアナの存在に気づき、怪訝な顔でこちらを見た。先頭に立っていた金髪の男が唇を歪ませ、冷ややかに笑う。

「なんだお前、俺らのアジトをなんで知ってやがる?」

「アジト!? 知らないわよ、そんなの・・・・・・それより早くそれを返しなさい!」

「なんだ俺らを捕まえに来たんじゃないのか。けど、その慌てよう・・・この石っころがよっぽど大事みてーだな。見たことはないが、高価な宝石とかか?」

リーダーらしき男が、紫色の欠片を受け取って意地悪く笑う。陽の光に反射してきらりと光るのを目にし、ティアナの焦燥は頂点に達し、青ざめた顔で必死に訴える。

「ちょ、ちょっと・・・! 本当に洒落にならないから、それはただの石じゃないのよ!」

だが、その時――不意にサイレンの音が響き渡り、周囲に複数台のパトカーが停車した。ドアが開き、一人の女性警部が現れた。ティアナとほぼ同じ背丈、煙草を加えた鋭い目つきの女性警部・江来利(えらり)クインだった。

「とうとうアジトを見つけたぞ、クロウ! お前らの悪業もここで・・・あん? おい、あの女はなんだ?」

クインの目は、男達に混じって立つティアナに鋭く向けられた。

警察官の声を聞き、強盗団のリーダー、クロウは舌打ちし、仲間達に急ぎの指示を出した。

「チっ! まずい、警察(サツ)だ! 急げ、おめえら! ここのアジトは捨てるッ!」

「あ! ちょ、ちょっと待ちなさい! アンゴルモア返しなさい!!」

ティアナの制止も虚しく、強盗団は逃走を図る。怒りに満ちた彼女は思わず銃を構え、魔力を込めて撃った。

「返せって、言ってんのよ!!」

〈Ballet Shoot〉

ドン――。魔力の銃弾がリーダーの腹を掠め、彼はふらついた。

「ぐぁっ!?」

だが、手下達は慌てて彼を支え、ティアナを睨みつける。

(カシラ)! 大丈夫ですか!?」

「あのオンナ・・・舐めた真似しやがって!」

「やめとけ! どうせ警察(サツ)共の前で魔法を使ったなら、あの女は終わりだ。それよりも、俺らまで捕まらねえよう、とっととツラかるぞ!」

クロウは手下に支えられながら笑みを浮かべ、闇の路地へと消えていく。ティアナは舌打ちと共に彼らを追おうとした瞬間、彼女の腕を、クインが無言で掴んだ。

「待ちな! 事情を聞かせてもらおうか?」

「な、何するのよ! アイツらに持ち物を奪われたのよ! 早く追って捕まえないと・・・・・・・・・痛っ!?」

逃げた先を指さし抗議するティアナの腕を、クインは有無を言わさず力強く摑みかかると、冷たく重たい髑髏を模した手錠が、彼女の手首を拘束した。ティアナは状況が読めない様子で驚愕し、困惑の声を上げる。

「ちょっと・・・な、なんで私を捕まえるの!?」

「黙りな。話は署で聞く、大人しくあたしらに着いてくるんだね、魔術使いの犯罪者が!」

「は、犯罪者ですって!?」

突如浴びせられたその言葉に、ティアナの目が驚愕に見開かれる。目の前の警官達はクロウ一味のことを既に知っている様子だ。どうやら彼らは、この地では有名な強盗団らしい。ならば、悪党どもに対峙していた自分はむしろ捜査に貢献したと見なされるはずではないのか?  だが、この状況はまるで、ティアナと強盗団が同じ犯罪者扱いを受けているかのようだった。

さらに不可解だったのは、この世界では魔術――すなわち魔法というものが生活の中で認知されているどころか、何かしら厳格な規制のもとに置かれているらしいということだった。クリスの言動から、そんな暗黙のルールが存在することがうかがえる。手錠がかけられた瞬間、ティアナの魔力結合が封じ込められ、魔法の発動が一切できなくなったのを感じた時、彼女の焦燥は頂点に達した。

「ちょ、待ってってば! なんで私が犯罪者なのよ! 私はアイツらを捕まえようと・・・」

言葉を返そうとする彼女に、クリスはさらに苛立ちを募らせたのか、ティアナの身体を強引に抑えつけ、蟀谷に銃口を突きつけるようにして投げつけるような口調で言い放った。

「なんでって、そんなことも分からないのか!? 魔術を使ったからだ! さっきの弾、あれは魔術の類を使わなければ再現できない代物だ!! 『魔禁法(まきんほう)』第一条に堂々と反してるんだよ、クソアマ!」

「ま・・・魔禁法、ですって・・・・・・!?」

その言葉に、ティアナは耳を疑った。事前の情報では『セレマ』は単なる管理外世界であり、特別な規制があるとは聞かされていなかった。だからこそ、武力を駆使できるティアナが単独で送り込まれたのだ。

だが、ここで聞かされた「魔禁法」の響きからは、どうやらこの世界には魔法使用を禁じる法律が存在するらしいことが読み取れる。魔法を主力とするティアナにとっては致命的な規則だったが、そのことをなぜユーノ達は教えてくれなかったのか――いや、思い至る。

そもそも『セレマ』は、管理局の監視外にある管理外世界であり、事前に把握できるのは観測データ程度に過ぎないのだ。

「ま、待って! 話を聞いて・・・・・・確かに魔法は使ったけど、私は別に悪いことをしようとしたわけじゃ・・・」

「ほう? イッチョ前に弁明か? それなら裁判でハッキリさせることだ、いいから黙って捕まりな!」

クリスは踏みつけるように彼女を抑え込み、強引に引き起こしてパトカーへと押し込んだ。

「くっ・・・・・・なんでこんなことに・・・!」

アンゴルモアを奪われ、取り戻そうとした矢先の拘束。どうにか逃れようと試みるも、手錠をかけられた上に、警官達は彼女にとっては数が多すぎた。目的のためとはいえ、この世界の公権力に対して迂闊に抵抗して彼らを傷つけるわけにもいかない。己の無力さを感じながら、ティアナは一度抵抗を諦め、連行されることを受け入れざるを得なかった。

 

           *

 

次元空間 時空管理局本局 無限書庫

 

その頃、本局の無限書庫では、ユーノがかつての部下に顔を見せに立ち寄り、ついでに整理を手伝っていた。いや、手伝いというには控えめ過ぎる――ほとんど主力として、ユーノは膨大な書庫業務を次々に処理している。そのユーノのもとに、副司書長アッシュール・D・ギルガメッシュが気兼ねした表情で近寄った。

「ユーノ司書長、すみません、わざわざ手伝っていただいて・・・」

「いえ、気にしないでください。今日の午後は予定が空いていましたし、IRDのメンテナンスもそろそろじゃないかなーって、思ってましたので。それから、僕はもう司書長じゃないんですよ、アッシュールさん?」

「ははは。分かってるつもりではあるんですが、どうにも慣れないというか。なんなら“永世名誉司書長殿”と呼んだ方がいいですか?」

「それはもっと勘弁してください。その手の、権威のある言葉を並べ立てれば凄いと錯覚させることができると、本気か冗談かも分からないネーミングを付けるどっかの腹黒提督と、糖尿病に片足突っ込んだ統括官殿の趣味嗜好には辟易してるんです」

「な、なるほど・・・・・・それは大変ですね」

ユーノの苦労を感じ取り、神妙な顔になるアッシュール。その時、ユーノが申し訳なさそうに顔を伏せながら、静かに言葉を口にした。

「とはいえ、あなた達には本当に悪いことをしたと思ってます。突然、僕が仕事を辞めて失踪してしまってせいで・・・・・・色々と迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」

深々と頭を垂れるユーノに、アッシュールはしどろもどろしながら、慌てて声を上げた。

「そ、そんな・・・頭を上げてください!! ユーノ司書長が無限書庫の管理を整えてくれたおかげで、何とか仕事は回りましたし、IRDを残してくれたことで作業効率は格段に上がった。そればかりか、いなくなったあとも我々は助けられてばかりでしたよ」

アッシュールは、魔導虚(ホロウロギア)に襲撃された無限書庫での出来事を思い返し、あのときユーノによって助けられた瞬間を思い出した。

「俺達こそ、司書長に頼りすぎて負担をかけていたということに、遅ればせながら気づかされました。それなのにまた、こうして頼ってしまうなんて・・・」

「アッシュールさん・・・僕はここでの仕事が嫌になって逃げたわけじゃありません。日も忘れる程に忙しくはあったけど・・・・・・だから、こうして僕が手伝うこともそんな気に病むことじゃないんです。むしろ、機動六課のアドバイザーになった今となっては、いい息抜きにもなってます」

かつての部下が負担をかけていることを気にしている様子に、ユーノは慰めるように穏やかに微笑みながら優しく言葉をかけた。

その時、ユーノのもとに通信が入る。送信者は機動六課で待機中の恋次からだった。

「恋次さんから? なんだろう・・・・・・」

通信画面を開くと、血相を変えた恋次が食い入るように話しかけてくる。

『おいユーノ! エラいことになったぜ!!』

「一体何があったんですか? 詳しく教えてください」

『いいか、耳の穴かっぽじってよく聞けよ。実はな――――』

その尋常ではない様子にユーノは眉をひそめ、あらゆる事態を想定して頭を巡らせ始めたが、恋次が伝えようとする内容は、ユーノの予測を遥かに超えるものだった。

 

           *

 

第1管理世界「ミッドチルダ」

ミッドチルダ中央南駐屯地内A73区画

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎 総合司令室

 

総合司令室には機動六課の全メンバーが集結し、どこか険しげな面持ちで静まり返っていた。誰もが不安と緊張を帯びた表情を浮かべ、はやては落ち着かぬ様子で資料とモニターを交互に睨んでいる。

そこに、無限書庫から駆けつけたユーノが息を弾ませながら入室してきた。

「はやて!」

「ああ、ユーノくん、戻ったんやな」

はやての声に応えるや否や、ユーノは息を整える暇もなく問い質す。

「ティアナが逮捕されたって、一体どういうことなんだい!?」

ユーノは困惑した表情を浮かべながら思案する。ティアナはアンゴルモア回収のために単独で管理外世界に赴いていたはずだ。彼女は優秀な魔導師であり、法と倫理を重んじる執務官である以上、犯罪行為に手を染めるとは考えにくい――そのはずなのだが・・・・・・。

ユーノの到着を確認したはやては、メンバー全員が揃ったことを確認し、重々しい口調で説明を始めた。

「ほんなら、今から状況を説明させてもらうわ。ランスター執務官が捕まった、って言うても、イマイチ信じられへんかもしれへんな――せやけど、これは紛れもない事実や。もちろん、彼女が何か犯罪行為を犯してるわけやない」

「じゃ、じゃあ、ティアは冤罪って、ことですか!?」

焦りがちだったスバルが、はやての言葉に一縷の希望を見出し、顔を綻ばせた。しかし、はやての顔には厳しい表情が浮かんだままだ。

「そうとも言えるし、そうでないとも言えるな・・・・・・。どうやら今回の派遣先、第49管理外世界『セレマ』には『魔禁法』っちゅう、厄介な法律が存在してたんや」

「魔禁法?」

「名前から察するに・・・・・・“魔”を禁じているのか?」

白鳥が低く呟くと、はやてはええと言って首肯した。

「そのまんまやけど、その通りなんですわ。『セレマ』では、魔術の使用が厳しく禁じられてるみたいなんです」

ユーノは事態を飲み込み、額を押さえた。

「つまり、ティアナは任務中AM体と戦うため、ないしは何らかのトラブルに巻き込まれ、やむなく魔法を使ったところを現地の警察に見られてしまった・・・そんなところか?」

「おそらくは。さっき、それを知らせるためにクロスミラージュからの緊急信号が届いたんやけど・・・・・・警察の監視があるから、これ以上の連絡は厳しいとのことや。しかも、ティアナが聞いたところによると、魔禁法違反の罪は最大で死刑にまで繋がる重い法律らしい。早急に救援を送って、解決策を見つけんと」

「アンゴルモアの暴走がまだ始まってないからと、一人で送ったのが仇になったというわけか・・・・・・」

はやての説明を受け、周囲に重苦しい空気が漂う。このような事態は滅多に起こるものではないため、対応の難しさは一層深刻だ。救援を送るにしても、派手に人員を派遣すれば却って目を引き、ティアナの状況がさらに悪化しかねない。誰を送り込むべきか、はやては深い思案に沈む。

「あの!」

その時、スバルが手を挙げ、力強く言い放った。

「私、行きます・・・・・・いえ、行かせてください! ティアは、昔も今も私のコンビですから!」

「っ! ・・・・・・せやな。今回の救援はスバルが適任かもしれへんな。ええよ、私はその気持ちを汲む。ティアナもスバルが来るのが一番安心できるやろうしな」

「ありがとうございます!!」

スバルはその言葉に心から感謝し、満面の笑みを浮かべてから、深々と頭を下げた。

「ふむ・・・・・・しかしである、いくら気心知れた相手とはいえ、スバル一人ではどうにも心許ない。ここは私も同伴させてもらおう」

「え、白鳥さんが?!」

スバルや周りのメンバーは、突然の同行を申し出た白鳥に驚きを隠せない。

「非常事態なのだ、私くらい実力のある者が随伴する方が良いであろう? それに、普段プライドの高いティアナが大人しく捕まっているところなど、早々お目にかかれるものではないしな。しかとこの目に焼き付けなくては気が済まぬ」

「って! 思いっきり私情挟んでねーかよ! それも結構タチ悪りぃな!!」

「こんな時だってのに・・・白鳥君らしいというかなんというか」

恋次と吉良は呆れを通り越し、白鳥の奔放な言動に頭を抱える。周りも、それに触発されて苦い顔を浮かべる。

「まあでも、人選としては悪くないんじゃないでしょうか。あまり人数が多くても、動きにくいだけですし・・・今回はスバルと白鳥さん、この二人にお願いしましょう」

「・・・・・・しゃあーない。ほんなら、ティアナ救出の任は、スバルと白鳥さんに一任するよ」

はやてはリインの助言を聞き入れ、不安を抱きながらも了承する。

こうして救援の話はまとまり、機動六課はティアナの救出へと向け、迅速に動き出した。

 

           ◇

 

第49管理外世界「セレマ」

都市郊外 魔術留置所

 

ティアナは拘置所の独房で深い溜息を吐きながら天井を見上げていた。

連行されてから二日、何度も事情聴取を受けたものの、彼女は時空管理局や多元世界のことを伏せながら、自身の潔白を訴え続けていた。

しかし、この世界では魔術の行使そのものが悪印象を生むらしく、身元を明かせない彼女を「犯罪組織の手先」と見なす疑いは一向に晴れなかった。

「まさか、こんなことになるなんて・・・・・・無実を証明しろって、どうすればいいのよ」

疲れが募るティアナの元に、看守が声をかけてきた。

「面会だ」

やがて接見室の扉が開かれ、彼女の前に現れたのは、救援に駆け付けた二人――。

「ティア! 大丈夫!?」

「おぉおぉ、見事に捕まっておるな!!」

「スバル! と・・・・・・なんで白鳥さんッ!?」

ティアナの姿を見て、スバルは心配そうに駆け寄り、一方の白鳥はクツクツと心底楽しそうに笑みを浮かべている。ティアナは二人が救援部隊だと気づき、安堵しつつも、白鳥の興味本位な視線に顔をしかめ、スバルに念話越しに苦言を呈する。

(ちょっと! なんで()りにも選って、なんでこの人を連れてきたわけ!? どう見ても私のこの状況をおもしろがってるだけじゃない!)

(そ、そうは言っても、八神部隊長の指示でもあるから仕方ないんだって・・・!!)

はやての指示だと聞き、ティアナは仕方なく押し黙った。白鳥はティアナの反応を愉快げに見て、勝ち誇ったように胸を張る。

「ふっふっふ。普段自尊心の塊に満ちたお主が、今はまるで生まれたての雛鳥が如くか弱くなりおって。だが、全ては大船に乗ったつもりで安心するがよい。この私が来たからには、死刑だろうとなんだろうとすぐに執行させてやる」

「って! 執行されちゃ困ります! 大体こっちはチェーンスモーカーの女刑事に目をつけられて、二日間(ろく)に眠れてなくてイライラしてるんですから!」

ティアナは思わず怒鳴り、溜まっていた鬱憤を爆発させる。スバルは彼女の疲弊を感じ取り、柔らかい口調で話を促す。

「と、とにかく何があったか・・・詳しく教えてくれないかな?」

スバルに促され、ティアナは捕まるに至った経緯を二人に語り始めた。

AM体の討伐でやむを得ず魔法を使ったこと、そしてアンゴルモアを強盗団に奪われたことを聞き、二人の表情は次第に険しくなる。

「ていうわけなのよ・・・」

「じゃあ、ティアを助けるだけじゃなくて、その強盗団も探してアンゴルモアを取り返さないといけないんだね」

「ええ。AM体は一度は無力化したけど、あんな奴らの手に渡っちゃ、あまたいつ暴走し出すか分からないわ。なるべく急がないと・・・」

「強盗団の方はそれこそ警察に任せるなり、事件が起こるのを待つなりすれば、自ずと見つかるであろう。一番の問題は・・・・・・ティアナの死刑執行をどう止めるかだ」

「だから!! まだ死刑って決まったわけじゃないですってば!!」

白鳥の不用意な言葉にティアナは怒りを露わにする。スバルが二人の間に入り、宥めるように手を差し出すと、やがてティアナも落ち着きを取り戻し、彼女が得た情報を話し始めた。

「警察が話しているのを少し聞いたんだけど、魔禁法を破った容疑者は『魔法廷』という裁判にかけられて、無罪か有罪かを決められるそうよ。しかも、それは一審制みたい」

「ふむ、それはまた随分と肩身が狭い話であるな」

「その裁判には被告、つまり私の無罪を主張してくれる『弁魔士(べんまし)』っていう人が立つことになってるんですって」

「弁魔士?」

言葉の意味について、スバルがおもむろに問いかける。

「魔術使い専門で弁護を引き受ける職業よ。一応、この世界の魔術使いも基本的人権は保障されているみたいだから」

「じゃあ、私達がすべきことは優秀な弁魔士さんを見つけて、ティアの無罪証明に協力してもらえれば助かるんだね!」

「して、裁判の日取りは?」

「捕まった時に一週間後って言われてましたから、あと五日後です」

「たったの五日!? 全然時間がないよ・・・・・・すぐにティアを助けてくれる弁魔士さんを探さないと!!」

スバルは驚愕の表情で立ち上がると、ティアナに向き直り、真剣な眼差しで言葉をかけた。

「ティア、待ってて。絶対に助けるから!!」

「・・・・・・スバル・・・・・・ありがとう」

「私は面白いから、もう少しこのままでもいいと思うのだが・・・・・・」

「いいわけないでしょ!! バカなこと言ってないで早く行ってください!!」

ティアナに追い立てられるように、その場を立ち去る白鳥は、肩を竦めて言った。

「やれやれ、檻の中で少しはしおらしくなっているかと思いきや、まったくもって元気であるな」

「ある意味白鳥さんのお陰ですけどね。それよりも早く弁魔士さんを探しに行きましょう!!」

こうして二人は、ティアナの無実を証明してくれる弁魔士を求めて、街へと繰り出していった。

 

           *

 

留置場を後にしたスバルと白鳥は、弁魔士を求めて街を駆け巡った。

情報を得るため、二人は図書館に立ち寄り、過去の新聞や裁判記録を辿る。魔禁法に関連する裁判の事例を丹念に調べる中、ある名門の法律事務所が浮かび上がった。

【バタフライ法律事務所】――その名は、過去幾多の法廷で勝利を収めてきた名高い弁魔士たちの巣窟であり、所長も若いながらに卓越した実力を持つという。さらに、悪い噂もなく、誠実な運営で知られているようだった。

スバルと白鳥はその希望を胸に、その日のうちにバタフライ法律事務所へと向かった。

 

           ≡

 

市街地中心部

 

「えっと・・・このあたりの筈なんだけどな・・・」

「大丈夫であるか? あまり時間がないのであるぞ」

「わかってますよ、ていうか白鳥さん、時間がないって言ってるのに呑気にコーヒー買ってる場合じゃないですよね?!」

スバルは焦りを滲ませつつ地図アプリを見て周囲を見回すが、横でコーヒーカップを持つ白鳥に思わずツッコミを入れる。

「コーヒーこそ我が思考の源である。フランチャイズゆえ味はあまり好みではないが、これがないと始まらない」

スバルは溜息を吐き、視線を街の景色に戻す。

「それにしても・・・・・・どうしてこの世界の魔法は、法律で使用が厳しく制限されているんですかね?」

何気なく呟いた疑問に、白鳥はコーヒーを一口飲み込んでから答えた。

「調べた限り、この世界で魔術使いに覚醒する人間はそう多くはない。全人口の数十パーセントにも満たず、彼らは一般市民からは『ウド』と蔑視され、魔禁法の存在理由と合わせて、腫れもの扱いされているようだ」

「だからって・・・・・・魔術使いだって同じ人間なのに、そんなのただの差別ですよ」

魔禁法とウド。セルバの中で形成される魔術に対する社会全体のアレルギー反応に、スバルは歯がゆい思いで拳を握るが、次の瞬間――地図を確認しながら早足で歩いていたせいで、曲がり角で別の女性と正面衝突してしまう。

「わぁ!」

「うぶっ!」

スバルが頭をぶつけたことに声を上げると、白鳥が鼻で笑った。額を赤くしたスバルに、ぶつかった女性が大慌てで駆け寄ってくる。

「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか!?」

「ててて・・・はい・・・これくらいなら平気です」

「でも赤くなってる・・・あの、よかったらうちの事務所で治療させてください、すぐ近くなので!」

女性の親切な申し出にスバルは戸惑いながらも、急いでいるために丁重に断ろうとする。

「ありがとうございます。うれしいけど、気持ちだけいただきます。実は、私達すごく急いでて・・・」

額は少し熱くなっていたが、大した痛みでもなかったし、早くティアナを助けられる弁魔士を探さなければならなかった。

すると、地図アプリを見た女性が少し驚き、提案を変えた。

「引き止めてすみません・・・もしかして、この辺りに慣れてないんですか? 私でよかったら目的地まで案内しますよ!」

「本当ですか? 実は『バタフライ法律事務所』ってところに向かってるんですけど・・・知ってます?」

「えっ!? うちの事務所に!?」

「うちの? ていうことは、もしかして・・・あなたが!?」

「はい!」

予想外の偶然にスバルは目を見開き、女性は嬉しそうに頷いた。そして、薄紫色の髪を上で二つ結びと三つ編みで纏めた若い少女が、ぴしりと背筋をぴんと伸ばして自己紹介をする。

須藤(すどう)セシル、17歳! バタフライ法律事務所に所属する弁魔士です!」

「須藤セシル・・・・・・うむ、調べた中で出た名前であるな。確か、最年少で弁魔士になった期待の新星であると!」

白鳥が確認するように言うと、セシルは誇らしげに微笑む。

「なら、この人にティアの弁護を頼めば・・・!」

「どうやら依頼人の方のようですね。では、早速事務所へご案内します! 治療も兼ねて、道中で話を伺いますね!」

スバルと白鳥は、セシルの案内でようやく目的のバタフライ法律事務所へと向かうことになった。

 

           *

 

市街地中心部 バタフライ弁魔士事務所

 

スバルと白鳥は、バタフライ法律事務所の客人用の個室に通され、セシルと彼女の上司と向かい合ってソファに座った。

「バタフライ事務所へようこそ。所長の蝶野(ちょうの)アゲハです、よろしく」

「あ、はい! スバル・ナカジマです!」

「白鳥礼二だ。すまないが、コーヒーとお茶請けを頼もうか?」

礼儀正しく謙虚なスバルと貴族然とした白鳥の対照的な態度に、アゲハは少し戸惑いつつも苦笑を浮かべ、「少々お待ちください」と言って席を立った。

廊下に控えていたアゲハの弟、蝶野セセリが鬼胎(きたい)を抱きながら(ささや)く。

「アゲ姉、セシルが連れてきたあの二人、ほんとに大丈夫なのか?」

「まぁ、変わった感じの人たちではあるけどね。あの子が連れてきた以上、私達のれっきとした依頼人よ」

すると、そのやりとりを聞いた白鳥が、早速セセリに注文を入れる。

「そこのカエル顔の主よ、何をもたもたしておる。早くコーヒーを持ってこないか。できればブルマンのピーベリーで頼む」

「くうううう!! なんて図々しい依頼人なんだ!! 誰がカエル顔だ、全く!!」

白鳥の言葉に憤慨するセセリを見て、アゲハは微笑を浮かべた。

やがて、アゲハが席に戻り、スバルが今回の事情を説明し始める。セシルはスバルの話を真剣に聞き、深く頷く。

傍らで、白鳥は出されたセセリが持ってきたコーヒーとケーキを、呑気にもぐもぐと食べていた。

「話をまとめますと・・・お二人のご友人であるティアナ・ランスターさんが魔禁法で捕まってしまった。けれど、それは偶然出くわした強盗団に宝石を奪われそうになった際、反射的に使ったもので罪を犯す気はなかった、ってことですね?」

「はい。ティアは真面目で優しくて、犯罪からは程遠い子です。全部警察側の勘違いなんですけど、なかなか解放してくれなくて・・・」

「私はティアナの友人ではないがな」

スバルが話し終えると、白鳥がぼそりと付け足す。セシルは少し考え込みながら口を開いた。

「うーん・・・話を聞く限り、十分正当防衛が認められるはずなんですが・・・どうして警察はそんなにティアナさんを疑っているんでしょう?」

「それは・・・多分、身元を証明できないからだと思います・・・」

「身元証明ができない? えっと、ティアナさんのお仕事はなんですか?」

「それは・・・・・・」

スバルが苦々しげに言葉を濁すと、セシルは疑念を抱いて首を傾げた。通常なら簡単に済むはずの身元証明ができないとなれば、この依頼人達はただの一般人ではないかもしれない。セシルの表情に変化を感じ取ったスバルは、真実を話すかどうかで迷いながらも、適当な言い訳が思いつかず困惑していた。

「あの・・・・・・何か隠していることがあるんですよね? 弁護をするなら、被告人の事情を全て把握していないといけません。教えていただけませんか?」

「それは・・・・・・えーっと・・・・・・」

スバルが言い淀んでいると、白鳥がコーヒーを置いて助け舟を出した。

「もう良いだろう、全て話してしまった方が賢明だと思うが?」

「ですが白鳥さん・・・・・・」

「信じるかどうかはこの娘に決めさせれば良い。どの道スバルでは言い訳も誤魔化しもそのうちボロが出そうであるしな」

確かに、スバルは細かい説明や隠し立てが得意ではない。多元世界や自分達の職務の部分を上手く誤魔化しながら、セシルが納得するような説明はできそうになかった。

腹を括ったスバルは、自分達の素性と、ティアナが捕まるに至った経緯を正直に話すことにした。

「――わかりました、セシルさん。実は私達は・・・・・・」

スバルは真剣な面持ちで話し始め、セシルやアゲハ、セセリに、時空管理局や機動六課、そしてアンゴルモアのことを打ち明けた。

 

「時空管理局・・・・・・機動六課・・・・・・アンゴルモア・・・・・・? そんな話、本当にあるんですか?!」

セシルを始め、アゲハ達も困惑の色を隠せない。だが、スバルは必死に訴えかける。

「信じてもらえないかもしれませんけど、私達は別の世界から来た人間なんです。だからティアはこの世界での身元証明ができなくて・・・・・・」

「それで警察側に怪しまれている、ということね。確かに話の筋は通るけど・・・・・・正直、急にこんな話をされても信じ難いわ」

「まさかとは思うが、我々をからかっているんじゃないだろうな?」と、セセリはさらに疑うようにスバルを見つめる。

「ち、違います! そんなこと思ってもいません!!」

セセリの鋭い視線に、スバルは真剣に弁明した。しかし、時間が迫る中で別の弁魔士を探すことも頭を過り、絶望しかけたその時、セシルが静かに言葉を紡いだ。

「私は――・・・あなた達を信じます!」

「セシルさん・・・・・・」

その言葉にスバルは顔を上げ、希望の光を見つけたような表情を浮かべた。

「おい、本気なのかセシル?! こんな信ぴょう性の薄い話を信じる気か?」

セセリが戸惑いを示すが、セシルは毅然として言葉を返した。

「この人達が嘘を吐いてるようにも見えません。その多次元世界? の話以外におかしなところは無いし、逆に言えば、その話があるからこそ辻褄が合う点がいくつもあるんです」

セセリの不安を吹き飛ばすようにセシルが力強い言葉を吐くと、アゲハもまた納得した表情で、彼女の背中を押すように微笑む。

「よろしい。今回の件、セシルちゃんに一任しましょう。依頼人を信じようとするあなたの意思を尊重します」

「ありがとうございます、アゲハさん!!」

「ったく・・・・・・相変わらず甘いんだから」

アゲハの決断にセセリは少し不安げな表情を見せたが、姉の言葉には逆らえなかった。

「スバルさん、裁判は五日後ですよね? ティアナさんの弁護、是非私に任せてください」

「はい、お願いします!!」

セシルの頼もしい言葉に、スバルは安堵の笑みを浮かべ、深く礼をした。

裁判まで残り四日。短い時間ながらも、ティアナを救う手立てを見つける望みが開けたのだった。

 

           ◇

 

五日後――

魔法廷

 

裁判当日。セシルはティアナの冤罪を主張するために情報を集め、万全の準備を整えていた。

弁護人席にはスバルと白鳥も並び、緊張感の中で裁判の始まりを待っている。ティアナが入廷すると、不安そうに彼らの方を見やるが、スバルが力強く頷いてみせた。

そして、裁判長が着席し、裁判が始まる。

「被告、ティアナ・ランスターは魔禁法を破り、私欲を満たすために魔術を使い、他者に危害を加えました。現場には多数の目撃者がおり、本人も魔術の使用を認めています。よって我々は魔禁法に従い、被告への厳正な処罰を求めます」

検察が資料を手にしながら、ティアナの有罪を主張する。検察側の主張が終わると、魔法廷の裁判長・小田切久作(おだぎりひさく)はセシルに視線を向けた。

「弁護人、何か反論はあるか?」

「はい、あります」

セシルは毅然と立ち上がり、まっすぐに視線を据えた。

「まず、私達はティアナさんが魔術を使ったことについては認めます。その上で、魔禁法第10条『魔術の使用が社会正義のためであれば認める』の適用を求め、ティアナさんの無罪を主張します!」

セシルはその若さからは考えられないほどしっかりと強い瞳で主張を続ける。戦闘服と称した白装束衣装が際立つ。

セシルは続けて証拠を提示し、ティアナが対峙した相手が世間を騒がせていた銀行強盗団のリーダーであることを指摘する。

「第一に、ティアナさんが魔術を使った相手ですが、その場にいた警察官の証言によると、最近話題の銀行強盗団のリーダーであったとの事です。しかも本人の話を聞くと、それはその強盗団に持っていた大切な物を奪われたからだと」

「本当に奪われた証拠はない! 被告が罪を逃れるために言っているだけかもしれないだろう」

「では検察側は、ティアナさんが銀行強盗団に対して魔術を使った理由をなんだとお考えですか?」

「仲間割れだろう。その日は銀行強盗団が銀行を襲撃した日でもあった。その奪った金の取り分で揉めて、被告はリーダーを殺して金を独り占めしようと考えたのではないか?」

検察は、身元不明であるティアナを銀行強盗団と結びつけようとする。

「お言葉ですが、それこそ荒唐無稽では無いのですか? ティアナさんが銀行強盗団の仲間であった証拠もありません。むしろ、私の記憶が正しければ、今まで目撃された銀行強盗団のメンバーは全員男性でした!」

セシルは冷静に反論するも、検察はさらに詰め寄る。

「しかし、被告は身元の証明ができないのだぞ!」

刹那、法廷内が一気に静まり返る。ティアナを弁護する上で一番厄介なのがこの身元証明だった。痛いところを突かれたと、後ろでスバルは眉を寄せる。

「裁判長、この国に生きるまともな人間であれば戸籍なり何なり身元はいくらでも証明出来るはず。けれど被告はそれができないのです! それに身元証明ができないと言うことは、魔術が覚醒しているにも関わらず登録を済ませていないということ。これは魔禁法第5条に反するのでは無いですか?」

「確かに一理ある。弁護人、これに関して反論はあるか?」

裁判所内に緊張が走る。ティアナの弁護人達もこれについては準備が追いつかなかったが、セシルは冷静さを崩さずに答えた。

「確かに、ティアナさんの身元については私達も手を尽くしましたが、証明することができませんでした」

検察は「そうだろうとも」と言わんばかりで得意げな顔をした。だが、セシルの目はまだ光を宿していて折れていない。

「しかし、今回の焦点はあくまで、ティアナさんの魔術の使用が社会正義に反するかどうかが論点のはず。そこに関していえば、身元は関係ないと主張します!」

「何?」

「ティアナさんは確かに身元不明です。ですが身元不明であることが銀行強盗団の一味であったことと果たして繋がるでしょうか? 身元が分からなければ、必ずしも犯罪者なのでしょうか? 違います、身元が分からないからこそ、私達はティアナさんに関して今回の事件からしか語る術を持ちません。何らかの理由で戸籍が失われているとしても、彼女が強盗団と出くわし大切なものを奪われそうになり、正当防衛で魔術を使ったという主張は認められるはずです!」

「えっと・・・つまり・・・」

「なるほど・・・そう来たであるか。確かに、ティアナが強盗団にアンゴルモアを奪われ戦ったことのみに関していえば、我々が多次元世界の人間であることは何の関係も無いな」

頭の中での理解が追いつかないスバルとは対照的に、白鳥は見事と感心したように唸る。

セシルはティアナの素性が分からないことを逆手に取り、身元不明の人間を憶測で犯罪者と決めつける事の歪さを指摘した。

「セシルさん、すごーい!」

スバルはセシルの弁魔士としての腕に感心しながら事態を見守る。

「み、身元がわからない者がこの国で犯罪を犯す可能性は高い!」

苦し紛れに検察官が声を荒げたその時、裁判所のドアが開き、緊迫した表情の警官が入ってきた。

「裁判中に失礼致します! 付近で件の強盗団が暴れており、被告が関係している可能性もあるため、皆様の避難を推奨します!」

「なんですって!?」

聞いた瞬間、ティアナは動揺を隠せなくなる。アンゴルモアが彼らの手に渡ったことに負い目を感じている彼女は、悪い予感に胸をざわつかせた。

「暴れているとはいえ・・・銀行強盗団だろう? ここが襲われるはずがない」

検察官の指摘に、警官は続けて説明する。

「それが銀行ではなく広場で、魔術を用いて堂々と暴れているのです」

「クロウめ・・・ただのテロ集団に成り下がったというわけだな」

検察官は不愉快そうに顔を(ひそ)めた。

話を聞いた後、スバルは白鳥と顔を見合せ、傍聴席から口を開く。

「あの、その人達って、何か様子のおかしいところとかないですか? いつもより強いとか・・・」

「え? えーっと・・・そういえば知らせによると、魔女のような格好をした見慣れないメンバーが物凄い力で街を破壊しているとか?」

「・・・! 間違いないわ、それは・・・」

それは私が戦ったアンゴルモアモンスターだ、そうティアナは二人に伝えようとして慌てて口を(つぐ)む。

だが、ティアナの失言を聞き逃さなかった検察はん「ん?」と、ティアナを睨んだ。

「それは・・・なんだと言うんだ? 何か知ってるのか?」

「い、いえ。何でも・・・独り言です!」

「・・・貴様、やはりあの強盗団のスパイかなにかじゃないだろうな」

「違うわ! 私はあいつらに大切なものを奪われてるだけなの!」

「それも本当かどうだか。その“大切なもの”とやらが、盗品じゃないとどうして言える?」

ティアナは即座に否定したが、検察官の鋭い視線は冷たく、疑惑を露わにしていた。身元不明で、なぜか廃墟で一人佇んでいたティアナの存在は、彼の目には到底信用できるものとは映らないようだった。

すると、その様子を見たセシルが手を挙げて裁判長に申し出る。

「裁判長、私とスバルさん、白鳥さんは一度退席してよろしいですか? それから魔術の使用許可もいただきたいです」

「魔術か? 一体何のためだね?」

「強盗団と対峙し、ティアナさんが奪われた宝石を取り戻すためです。彼らと戦って事情を明らかにすれば、ティアナさんが彼らと無関係であることの証明になります」

裁判長はしばし思案したのち、静かに頷いた。

「退席と魔術の使用許可を出す」

セシルは丁寧に一礼し、スバルもそれに倣ってお辞儀をした。白鳥も無言で後に続き、三人は迅速に法廷を後にし、事件の発生した広場へと急行した。

 

           *

 

魔法廷 園庭

 

園庭の真ん中で、噴水やベンチを次々に破壊しながら楽しげに笑う男の姿があった。

「あははは! 最高の気分だな!! コレがありゃ警察にも何にも負けねえ! 好きに暴れられるんだぁ!」

スバル達はその声を聞きつけ、遠目にクロウの姿を確認した。

「っ! セシルさん、あれがそうですか!?」

「はい、写真と顔が一致してます。あれが強盗団リーダー、クロウです!」

クロウの隣には、黒ずくめで帽子を被り杖を持つ不気味な人型が佇んでいた。杖が振られるたび、雷が落ち、炎の弾が飛び、かまいたちのような荒々しい風が建物を薙ぎ払っていく。その威圧感はとても人間のものとは思えず、禍々しい魔の気配を放っていた。

「な、なんですかあれ!」

「AM-11であるな。だがティアナの奴、倒したはずではなかったのか!?」

「たぶん・・・あの人が倒したAM体を復活させちゃったんです。しかも、暴走してる・・・・・・」

スバルと白鳥はその場の状況に眉を顰める。すでに広場の人々は避難を終えていたようだが、このままでは街全体への被害が甚大になりかねない。二人は武器を構え、戦闘体勢に入った。

「私も戦います!」

すると、セシルも目に力を込めて前に進み出る。

「え!? セシルさん、戦えるんですか!?」

「はい、私もウド・・・魔術使いですから!」

セシルの力強い言葉にスバルは頷き、マッハキャリバーを駆動させる。

「わかりました。一緒に戦いましょう!」

 

「ぶっ殺してやるぅぅぅ!!」

クロウが叫び、AM-11が凄まじい速度でスバル達に襲いかかる。

「うおおおおおおおおおおおおおお」

素早く間合いに入り、スバルが拳を叩き込むと、AM-11は一瞬後ずさった。

「よし、こっちの攻撃は通るみたい!」

「ならば、あとは斬り伏せるのみだな」

白鳥が斬魄刀を抜いて斬りかかろうとした瞬間、クロウが不敵な笑みを浮かべた。

「おいおい待てよ!! せっかくこんなにいい武器を手に入れたんだ、壊すなんて勿体ないことすんなよな!」

直後、白鳥とスバルの前に大量の水が噴き出し、二人を強制的に後退させた。

「「うわああああああ!」」

流されるように強引にAM-11との距離を離される。クロウは水の壁を作り、再び不敵に笑う。

「こいつはさあ、応えてくれてんだよ! 俺らウドの生きづらさに! 俺らは普通の奴らには扱えない力が使える優れた存在だ、なのにこの社会は魔禁法なんてもんで俺らの力を縛る、居場所を無くす! おかしいだろ? なんで俺らが我慢しなきゃならねえんだ!? 俺らこそ、普通の奴らよりも優れた俺らこそが頂点に立つべきだってのに!」

クロウはある時知ってしまった「弱肉強食」という言葉が目くらましだということに。努力すれば捕食者になれると、弱者に錯覚させるためのものであると。

自分達は弱いから食われるのではない。数が少ないから食われるのだ。捕食者になれるのは決まって数だけ多く、無能で、声の大きい方である。魔術使いとはバラバラの“弱肉”なんだと。

「だからこそ、俺は引っ繰り返してやるんだ。今度は俺らが食い尽くす番なんだよ!」

スバルは歯噛みし、対峙するクロウに対して強い視線を向ける。

「違います! 魔術が使えるからって、使えない人達を傷つけるのは間違ってます・・・!」

セシルがクロウに向かって叫び、目の前に魔法陣を展開させると、その中に勢いよく蹴りを入れた。

「魔術が使えても使えなくても、私達は同じ人間です! お互いを尊重しあって生きていくべきなんです!」

「理想論だなぁ、残念だがそれで生き抜けるほど、社会は甘くねぇんだよ!」

魔法陣から炎のエネルギーが放たれ、クロウの元へ飛ぶ。しかし、クロウは魔水を発生させ、その炎を打ち消す。

セシルがクロウを引き受けてくれたことで、スバルと白鳥はAM-11に集中できるようになった。

「白鳥さん・・・あいつの話を聞いたら、このAM体の正体も分かった気がします」

「おそらく、魔術使い達が多かれ少なかれ抱いている不満・・・社会に蔓延る魔禁法への反抗心の塊のようなものであろうな。であれば、魔術を使いこなすこの姿も納得がゆく」

「この調子で魔術を使って街を壊されるわけにはいかない、早く倒しましょう!」

AM-11は次々に魔術を放ち、二人の接近を阻もうとする。白鳥は斬魄刀を始解し、その動きを封じるように弦を爪弾く。

「琴線斬、鼓瓜田!」

音波による攻撃で動きを封じられたAM-11に、スバルは【ガーディアン・セイバー】を起動し、素早く懐に飛び込んだ。

「ティアが待ってるんだ、ここで決める! リボルバー・・・キャノン!」

刹那、至近距離からスバルの拳がAM-11に炸裂し、その巨体が吹き飛んだ。戦闘が終わり、地面に倒れ伏すAM-11を見て、クロウは驚愕した表情で目を見開いた。

「・・・嘘だろ、俺の希望が!!」

セシルが息を整えながら、彼に手を差し出す。

「大人しく、自首してください。罪を償うんです」

「ふざけんな! 俺は何も間違ってねぇ!」

クロウは魔水を使って目くらましを試みるが、

「ガッ・・・」

すかさず白鳥がその隙を突いて彼の首筋を峰打ちした。クロウは呻き声をあげて倒れた。

「全く見苦しいにも程がある。貴様のお陰で、ファンテックスのネクタイが水浸しである」

「お二人とも、怪我がなさそうでよかったです! ティアナさんの大切なものは・・・・・・?」

「大丈夫です。取り戻しました」

スバルがケースを取り出し、中に入った紫色の欠片を見せた。セシルはほっと胸を撫で下ろす。

「これで証拠は揃いました。ティアナさんの無罪を勝ち取りに行きましょう!」

「「うん(うむ)!」」

スバルが力強く拳を握りしめ、今頃不安な気持ちでいるティアナを思い浮かべた。事後処理を警官に任せ、三人は急いで裁判所へと戻って行った。

 

           *

 

魔法廷

 

三人が戻ると、休憩を挟んで裁判が再開された。セシルはケースに入った破片を持ち、堂々と証言台に立つ。

「ティアナさん、奪われたものはこれで間違いありませんか?」

「はい、それです! 間違いありません!」

セシルは裁判長を見据え、静かに語り始めた。

「裁判長、これは先程広場で暴れていた強盗団から回収した品です。これでティアナさんの証言に信ぴょう性が出たのではないでしょうか?」

「ふむ・・・・・・」

裁判長は眉を寄せ、沈思の中でセシルの主張を噛みしめる。そして、彼は検察官に問いかけた。

「検察官、捕らえた強盗団は何か言っていましたか?」

「・・・・・・つい先程、事情聴取の報告が入りましたが、奴らは“ティアナ”という女など知らないと述べております」

セシルは一息つき、静かに、だが確信をもって主張を締めくくった。

「つまり、現時点でティアナさんの証言が虚偽であると断じる証拠もなく、また、強盗団との直接的な繋がりも認められないということです。以上が私の弁護でございます!」

セシルが証言台を離れると、検察官は悔しげに顔を歪めたが、反論する言葉を見つけられない様子だった。その様子を見た裁判長は、裁判の結末を悟り、小さく頷いた。

「それでは判決を言い渡す! 被告の魔術使用に魔禁法第10条の適用、及び正当防衛を認める、よって被告は無罪!!  ただし、早急に魔術の登録を勧告する!」

「や、やった! やりましたよ白鳥さん!」

「良かった~! 少しヒヤリとしたけどなんとか勝てた!」

「よもや恐れ入った。弁魔士というのはすごいのだな」

裁判長の宣告に、セシル、スバル、白鳥の三人は歓喜に沸き、互いに手を取り合い、安堵の笑みを浮かべた。

 

釈放されたティアナが、スバルやセシルと再び面会したとき、無罪の知らせにようやく胸のつかえが下りたように大きく息を吐く。

「ほ、ほんとに刑務所送りになるかと思ったわ・・・・・・」

「ティア、お疲れ様、本当によかった・・・」

「あんたが優秀な弁魔士さんを見つけてきてくれたおかげよ。感謝してるわ・・・セシルさんにも、心から感謝しています。私達の話を信じて下さり、本当にありがとうございました」

ティアナが深々と首を垂れる中、セシルは柔らかな笑みを浮かべて応える。

「とんでもありません、依頼人を信じるのは当然のことですよ!」

その時、不意に白鳥が口を挟んだ。

「む・・・・・・時にティアナ。何故私への感謝を口にせんのだ?」

「白鳥さんは私を笑いに来ただけで、ほぼ何もしてないでしょうが!」

白鳥が返す言葉を失い、スバルとセシルは思わず苦笑した。

しかし、今後もこの世界に長居するのは厄介だろう。裁判長には魔術の登録を勧告されたものの、異世界から来た者であるティアナにそれは不可能である。自由の身となった彼女達は、改めてセシルに礼を述べ、速やかに時空管理局への帰路に就いた。

 

           *

 

第1管理世界「ミッドチルダ」

機動六課 ミッドチルダ地上隊舎

 

「ご迷惑をおかけしました!」

ティアナは帰還すると同時に深々と頭を下げ、謝意を表した。

「ティアナ! 無事でよかった!」

「ご苦労さま、大変だったね」

「ありがとうございます。正直、今回は色々と肝が冷えました・・・」

なのはとユーノが温かい言葉で迎えると、ティアナもほっとした様子で素直にその労いを受け取る。拘束されていた間、先行きが見えない不安に心が折れそうになったが、それ以上に回収したアンゴルモアを奪われたことが何よりも焦りを生んだ。二度と同じ過ちを繰り返さないと心に誓い、彼女は自身の気を引き締める。

「今回は私達の方も油断しとった。管理外世界での任務の時は、あらゆるイレギュラーに対応できるようにサポート体制も見直さなあかん」

はやてが落ち着いた口調でそう述べると、ユーノも同意しながら続ける。

「そうだね。アンゴルモアの回収も何度かやって慣れが出てたのかもしれない。でも、危険な任務だからこそ、常に新鮮な心構えで挑むべきなんだ」

ユーノの言葉に全員が静かに頷いた。予測不能な任務の中で、油断は命取りとなる。改めて心の中で決意を固め、それぞれが慎重さと覚悟を胸に刻むのだった。

 

 

 

 

 

 

教えて、ユーノ先生!

 

ユ「今回はストーリー中に登場した『魔禁法』について勉強しよう♪」

「魔禁法は、魔術の使用の禁止および処罰を定めたセレマ独自の法律だ。違反者には最高で死刑判決を言い渡されることもある。ただし、正当防衛と認められれば罪に問われない場合もある」

「魔法廷は一審制の為、死刑判決を言い渡されると控訴やその他の手続きは取られず、即座に魔法陣を通じて海上湾に浮かぶ拘置所へ転送され、そこで収監されることとなるんだ」

 と、解説を終えたそのとき――

ティ「きゃあああああああああああああ!」

ユーノの耳元にティアナの悲鳴が聞こえた。何事かと思い、ティアナに問いかける。

ユ「どうしたの!? 何があったんだい!?」

ティ「信じられない・・・・・・減ってる・・・・・・」

ユ「減ってるって、何が!?」

 思わず息を呑むユーノ。すると、ティアナは振り返るなり嬉々とした笑みを浮かべる。

ティ「体重が3キロも減ってるんですよ!!」

ユ「へ?」

 思いがけない言葉を聞かされ、思考が追いつかないユーノ。ティアナ、二度体重計を確認して嘘ではない事を再確認。

ティ「やっぱり間違いないわ!! 拘留中に受けたストレスで体重が減ったんだわ!! 怪我の功名とはまさにこのことだわ!! これなら少し間食しても大丈夫ね!!」

ユ(いやはや・・・・・・何ともまぁ、たくましい・・・・・・強くなったねー)

 転んでもただでは起きないティアナの雑草魂を垣間見たユーノだった。

 

 

 

魔導師図鑑ハイパー!

 

ティ「ほんとムカつく女だったんですよ、そいつ!」

セレマでの苦い経験を肴に、ティアナは居酒屋でビールを飲んでいた。

ビールジョッキを机に叩きつけた彼女は、酩酊状態で自分を逮捕し取り調べを行った女刑事・江来利クインの悪口を零す。

ティ「高圧的な態度で、私より三つしか違わない癖してすっごくエラそうなんです!! おまけにタバコもプカプカ吹かして、髪の毛にまで臭いが移るし・・・・・・あぁもう!! なんなのよ、まったく!!」

ス「まぁまぁ、ティアもさ、済んだことはもうそれくらいにしようってば」

ティ「あんたは取り調べされたことがないからそんな風に軽く言えるかもしれないけど、私はすっごくメンタルにきたんだからね!! うぅ~~~!!」

 仕事柄、普段冷静沈着な彼女が酒の力も相まって、情緒不安定な様子で感情の起伏が激しい。周りはティアナの苦労をねぎらう。

恋「まぁでも、拘置された経験なら俺と吉良もあるからよ、ティアナの気持ちはわからねーでもないな」

吉「あぁそうだ。エラそうという言葉で思い出したんだけど・・・休みの日、僕が喫茶店のカフェテラスで麦茶を飲んでいたんだ。そしたら通りかかった人にいきなり『エラそうに』って言われてね」

 と、自分で言った瞬間・・・・・・

吉「はははは・・・・・・だったら、僕は何を飲めばいいんだろうね・・・・・・」

周りをドン引きさせるほど、この上もない暗い顔を浮かべる。このリアクションを前に、恋次達は途端に気まずくなった。

恋「えっと・・・吉良・・・・・・」

ティ「吉良さん・・・あの・・・元気出してください」

 気が付くと、泥酔していたはずのティアナも酔いから覚め――いつしかティアナの慰労会から一変、吉良イヅルの慰め会になってしまった。




登場人物
須藤聖知(すどうセシル)
声:田辺留依
弁魔士。17歳。女性。使用魔法は自然魔術。希少な金属魔法の使い手で、愛用のミニバイクなど金属類を媒体に巨大なディアボロイドを作り出す。
11歳のときに日本へ帰国した。死刑囚となってしまった母親の無罪を証明するため、15歳で司法試験に合格し史上最年少の弁魔士になった。法廷では白く少し派手な服を「勝負服」として着る。
蝶野アゲハ(ちょうのアゲハ)
声:恒松あゆみ
所長で弁魔士。32歳。女性。
容姿は年下の部下たち同様に若いが、実は整形によるもの。そのため、老化ネタには異常に敏感。魔術使いではないが、弁魔士としては凄腕の持ち主であり、独自の情報網で部下たちを的確にサポートする。
蝶野セセリ(ちょうのセセリ)
声:高木渉
弁魔士。28歳。男性。使用魔法は自然魔術。
アゲハの弟。事務所のナンバー2的な存在であり、経費の支出にはすこぶる敏感。姉アゲハのことを「アゲ姉」または「アゲハっぴ」と呼ぶ。
江来利クイン(えらりクイン)
声:井上麻里奈
捜査1課警部。23歳。女性。
気だるそうな言動のチェーンスモーカー。魔術使いを異常に敵視しているが、縁起や験を担ぐ一面もある。アゲハとは旧知の仲。
小田切久作(おだぎりひさく)
声:家弓家正
魔法廷の裁判長。
クロウ
声:濱野大輝
魔術使いの強盗団の頭目。使用魔法は魔水使い。ウドであることを理由に社会から迫害・差別される境遇を憎んでいる。
アジトに戻った際、偶然居合わせたティアナとアンゴルモアを発見。彼女が回収しようとしたアンゴルモアを成り行きで手に入れた後、その力を悪用しAM-11を使って魔術使いを抑圧する社会への反撃を試みた。



登場AM体
AM-11
セレマの地に出現したアンゴルモアモンスター。
当初は黒いモヤに包まれ杖を持った怪物の姿をしており、先行調査で現地に来ていたティアナによって倒され封印されそうになったところ、現れたクロノとのトラブルのどさくさに紛れてアンゴルモアを奪われてしまう。
やがて、アンゴルモアがクロウの手に渡った強化された力を使って再び姿を現す。AM体の正体はセレマに住まう魔術師が魔禁法によって社会全体で抑圧される存在である事から抱く負の感情が集まったものであり、あらゆる系統の魔法を操る事に長けている。
クロウの意思に答える様に魔法廷前で破壊活動を行っていたが、駆けつけたスバルと白鳥、セシルの働きによって鎮圧された。
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