【一応】艦隊これくしょんVSチャージマン研!【完結済?】 作:焼き鳥タレ派
「なるほど君達は異世界でタイムマシンの起動実験に立ち会っていたときに
暴走事故に巻き込まれてこの世界にとばされてしまったんだね、うんよくわかったよ、
異世界に知り合いなんていないだろうから帰る方法がわかるまで
この鎮守府で暮らすといいよ、なに遠慮はいらない私達は地球の平和を阻む奴らと戦う
言わば同士なんだから、私達は深海棲艦と戦ってるから
君達はジュラル星人と戦うといいよ、それじゃあ頑張ってね」
バタン!
事情を聞いた提督はそう言うと、執務室のドアを閉めた。
「一時はどうなることかと思ったけど、親切な方で良かったわね、あなた」
「うん……」
「研、私達は近所の方にご挨拶してくるから、
バリカン達とその辺で遊んでらっしゃいな」
「わかったよ、ママ!」
そして研はバリカン達と談笑しながら本館の廊下を歩いていた。
「オイラはジュースとチョコレートとクロレラキャラメルと、
あとおせんべいと、それから」
「えーっと僕はアイスクリームとピーナッツとキャンディと……
そしてえーっと何にしようかな」
あーっ!!
よそ見をしながらおしゃべりしていたので、研とバリカンは
自動販売機の前で誰かにぶつかってしまった。
眼帯と変な耳あてみたいなものを付けた不思議な人。
「どうも、すいませんでしたー」
「気にするな。オレの名は天龍。フフ……お菓子好きか?」
「うん、大好きさ!僕は泉研って言います。あのう、ここの方ですか?」
「この界隈じゃオレと龍田のコンビを知らない奴はいねえ。
っていうことは、お前が異世界から来たっていうボウズだな」
「すごいやー!もうオイラ達の事知ってるなんて!」
「あの提督が誰かれ構わず言いふらしてたからな」
「あなたもお菓子好きなの?そのアイスクリーム、早く食べないと溶けちゃうわ」
キャロンの声で皆が自販機を見る。取り出し口には、
アイスクリーム “間宮モナカ 胸キュン!いちごミルク味”が。
「ば、ばっか言え!誰がこんなガキみたいなもん!
これは、えーとあれだ、龍田に頼まれてだな……」
「私が頼んだのは“石川島播磨監修 黒鉄のビターブラック”だったはずだけど?」
「い、い、居たかよ!急に出てくんなびっくりするだろ!」
角からニョキッと、これまた不思議な女性が現れた。
紫のショートカットの上に機械的な輪が浮かんでいる。
「天龍ちゃんたら恥ずかしがることないのに。ストロベリーは人気商品なのよ」
「ち、ちっげーよ。なんか流行ってるから試しにだな……」
「はいはい、そういうことにしときましょうね。ところで研君達もアイス食べましょう。
お近づきの印に、何か買ってあげる」
「貴方が龍田さんですね、ありがとうございます!キャロン、バリカン、どうする?
僕はピーナッツクリームとチョコクッキーと、ああもうどれにしようかな
天の神様の……」
「オイラの好みはチョコクランチと冷凍グミと14色マーブルなんだけど、オイラ昔、
マーブルの色を数えてみたんだ。そしたら14色って書いてあるのに8色しかなくて
メーカーに問い合わせてるうちに溶けてきて……」
「アイスクリームなんて食べたら太っちゃうけどせっかく買ってくれるのに悪いから
今日くらい良いわよね。体に良さそうなものにしましょう
三原色ニンジンのジェラートがカロリー低めだけど奇形大根のシャーベットも
食物繊維が……」
「みんな、お互い話を聞きましょうね……あら?ストロベリー以外みんな売り切れだわ」
……
………
そして研達は1階のラウンジに移り、椅子に座ってアイスを食べ始めた。
「ふーん、それで研坊はジュラル星人って奴と戦ってんのか」
「はい、奴らは地球侵略を目論む、とんでもないやつなんです!」
「研君はまだ子供なのに大変な使命があるのねぇ」
「まー、こっちはこっちで深海棲艦っていう厄介モンがいるんだけどな……あむ」
天龍はアイスモナカを一口かじった。次の瞬間、
「!?あぼばべばべばぐへああ!」
派手にモナカを吐き出して悶えながら床を転げ回った。
「はしたないわ、天龍ちゃん。一体どうしたっていうの?」
「うごべばはうあげもばれあぎぁ!!」
落としたモナカを指差し、涙ながらに訴える天龍。
「“ふざけんな、オレのアイスだけわさび入りだった”ですって?
よくわからないけど、洗面所で口をすすいだほうがいいわ」
「龍田さん、これはきっと、ジュラル星人の仕業です!
多分奴らもこの世界に来ているんです!」
「フハハハハ、その通りだチャージマン研!この世界でお前を葬ってやろう!」
「その声は、ジュラルの魔王!」
窓を見ると奇妙な存在が貼り付いていた。
背格好は普通のジュラル星人よりは人間に近いが、やはり頭部に3つ目の大きな眼。
鈍色の肌、そして鋭く長い鼻が地球人でないことを示していた。
「ジュラル星が誇るスーパーコンピューターの計算では98.1%の確率で、
お前が宇宙ワサビ入りのアイスを食べ、
チャージングゴーを封じる事ができたというのに、
そこの女がわざわざアイスなどを買いに来たために計算が狂ってしまった!
他のアイスを買い占めた我々の綿密な計画もご破算だ!」
「ぼべぼげーがっぺばぼぶば!?」
「“オレのせいだって言いたいのか”。もういいから早く洗面所に行ってらっしゃい。
涙と鼻水とヨダレで顔がメチャクチャよ」
「異世界の地球だろうとお前達の好きにはさせない!それっ!」
研は腕をクロスし天井高くジャンプ、着地と共に両腕でポーズを取る。
──チャージ、ゴー!
すると研に光の力が集まり、彼は地球を守るヒーロー・チャージマン研に変身した。
「研君お願い、私達は艤装を部屋に置いてきちゃったから!」
「もちろんです!」
天龍を介抱する龍田に応え、研は窓を突き破って本館前広場に飛び出した。
そこには上下の突起物が特徴的なヒトデ型ジュラル星人のUFOが。
そして広場に居た艦娘達が、ビヨビヨビヨ……と正体を現す。
“ヒヒヒヒ……” “フハハハ……” “シッシッシ”
「ふふふ、チャージマン研!お前の命運もここまでだ!」
UFOに乗り込もうとする魔王が研に言い放つ。
「それは僕の言う言葉だ!こんな奴ら……えい!」
ビーッ、シャーッ、ビヨヨヨヨ!!
「ギャー!」「アアーッ!」「アッ、グワーッ!」
研はアルファガンで並み居る敵を撃ち殺す。
ジュラル星人は断末魔を上げ、チリひとつ残さず消滅する。
「やったね研坊!」
「すごいわお兄ちゃん」
研の奮闘を称えるバリカンとキャロン。その後ろからフラフラと天龍が近寄ってきた。
そして研の両肩を掴む。口をすすいで幾分マシになったようだが、
まだ涙が止まらないようだった。
「だのむ研坊、あいづら、ぜんぶ、ぶっごろじてくれ!」
「わかったよ天龍さん、ジュラル星人は、この僕が倒してみせる!」
善良な市民すら涙させる卑劣なジュラル星人、僕は絶対に許さないぞ!
ジュラル星人殲滅に向け、決意を新たにする研だった。