Vampire and a magic girls / RE. 作:眼鏡花
……はっ! 呆れられた!?
茶番はさて置き。
最近、鏡とゲーセンに行く機会が増えました。ブレイブルー、スティールクロニクル……おっと、また財布がかるくなってしまう。
なんで増えたか? 自分が楽しみたいのと、取り込めそうなものは取り込みたいので。
それでは、どうぞ。
家の前に、辿り着いた。日本に言った時と同じ二日程度だったにも関わらず、一週間にも一ヶ月にも一年にも感じられる。空を見やると私にとって
もうすぐ、もうすぐだ。もうすぐ、もうすぐもうすぐもうすぐっ!! 私の悲願が果たされる時が来る! 来る道中、幾つか大規模な魔力を感じたが、今はそんな事はどうでもいい!
数百年もの間! どれほどこの時を待ちわびたか!
幸い、此処に着くまでの間にジュエルシードの中から魔力を取り出す為の方法は確立出来た。ジュエルシードに、
そして、その暴れ狂い溢れ出た魔力が暴れ出す前に、蘇生に利用すればいい。
無茶苦茶だと、自覚は有る。先には破滅が在るというのも、
この体が傷付こうが関係無い。これは私のなけなしの
フェイト君やアルフ君のような
扉を開け、眼を閉じても何処に何が在るかまで把握し尽くしているこの家を私が迷う訳が無い。だから、魔法陣が敷かれ、その上にシェリアの遺体が納められた棺がある部屋に早足で歩き、一分も経たない内に辿り着いた。
ポケットの影からジュエルシードを取り出す。目を瞑り、
気が付けば、手が汗を流し震えていた。
「参ったな……」
思わずぼやいてしまう。何せ、この震えは恐怖心と不安の表れでもあったが、同時に別の感情も含んでいた。
―――武者震い。日本の言い方を借りれば、これが最も適切な言葉だ。それにも似た感情を、少なからず抱いているのも事実。
全くもって嘆かわしい。私は高潔な騎士でも無いのだから、こんな感情を抱いては唯の狂人と変わらない。いや、狂鬼か? それに、これから行うのは外道の行いだ。そんな行いに武者震いを起こすとは、一体どういう事か。
まあ、狂っているという観点においてはどちらにせよさして変わらないか。中身が違うが状態は同じだ。
息を吸って、吐く。二度、三度……と繰り返す内に、震えは収まった。
「失敗は、許されない―――」
―――故に、成功させるのみ。
言い聞かせ、目を開く。視界に差異は無いが、何処か世界が変貌しつつあるような気がした。まるで、
唯の錯覚だろう。本当にそうだったとしても、変貌しきるとしたらそれは、成功した時以外に在りえない。
「シェリアよ。これより君を迎える。非難も文句も叫弾も、その全てを内包した拒絶の言葉であろうとも、後で聞こう。―――一時の間、私の
聞いていない、聞けるはずの無い彼女にそれだけ告げて私は、魔力を精製する。
結晶に閉じ込めた魔力も全て使って、失敗を避ける道筋を作る。
暴走する魔力が猛威を振るう前に消費しなければ、私の負け。
消費尽くすか、抑え込めば私の勝ち。
そんな場に似合わない賭け事のような事を考えて、私はジュエルシードを握った右手を丁度シェリアの胸の中央の真上辺りに突き出した。
そして。
「―――さあ、始めようか」
魔力を、ジュエルシードに、流し込んだ。
途端に掌から強い光が放たれる。その光を、間違える筈も無い。あの時感じた魔力と同じだ。これに成功しても、御釣りが来るほどの膨大な魔力。
発生した魔力を敷かれた魔法陣に流し込む。赤く輝きだす魔法陣。ある種、命を象徴する色としてこれ程適任な色もそう有るまい。
予想に反して直接的な被害がまだ無い。このまま行けばあと一時間も在れば成功する。
しかし、私の考えは甘かった。
「―――づっ、ぎ!?」
ぼきり。手首から、関節から、はっきり音が聞こえた。
焦げる臭いが、鼻に吐く。服が焦げた。肉の焦げる臭いがする。
まるで、私が触れるのを拒むかのようにジュエルシードは外に向けて力を振るいだした。その小さな器にどれだけの魔力を収めればこれだけの
突風が起き、周囲にあった紙やインク、羽ペンなどの軽い物が吹き飛ばされる。
それでも、放さない。その脅威を利用する。利用し尽くす。
「―――……はははっ」
ぶちゃ。肉片が舞う。五本の指の何れかの肉が剝がれたようだ。
ずしゅっ。掌から手の甲に掛けて
幸いにして、焦げ付く嫌な臭いがする。手から零れた血がシェリアを汚す事は無かった。だが、再生が間に合わない。した直後にはボロボロになっている。
傷に比例して、脅威は更に外に力を知らしめようとする。だが、放さない。放す訳にはいかない。最低でもシェリアに傷が付かない程度まで抑え込まねばならない。
影から片手半剣を出し、左手で掴み背後に回し、支えとして利用する。
猛威は増し、突風は衝撃に置き換わり私の髪を解き、散らばらせた。
魔法陣は色をカーマインへと変え、輝きを増した。
「―――あっははは! この程度、この程度で私は屈しない。して、堪る、ものか!」
パンッ。腕が破裂して血が弾け、零れた血はジュエルシードの放つ衝撃によって運良くシェリアに掛かる事無く吹き飛んでいく。
ぶちっ。人差し指の第二関節から先が宙を舞う。流れ出る血は同じく、吹き飛んだ。
ざす。右腕に留まらず、全身が裂け、焼け、叩かれる。
家の壁が軋みを上げ、天井は埃を落とす。
―――だが、この程度が何だ。
結晶の魔力は底を着きかけている。それがどうした。
急激に血を流し過ぎた。意識が朦朧とする。だからなんだ。
衝撃は更に増し、手の感覚が薄れる。知った事か。
この程度、百年間の虚無に比べれば恐れるに値しない。
故に、諦めない。諦める訳にはいかない。諦める筈も無い。
私の体はぼろ雑巾のような悲惨な有様だっただろう。それであっても続けていたのは、最早本能、火事場の馬鹿力とも言える物だった。
「―――お」
ボキンッ。親指の爪の辺りが手首に触れた。
べちょっ。親指と人差し指の間の肉が全て飛び、谷が深くなった。親指から力が抜ける。
吹き散らされた鮮血は、とうとうシェリアの体を汚した。それが酷く艶めかしく見えたが、そんな感情を抱いていられる余裕など無に等しい。
壁が倒れ、屋根が吹き飛ぶ。
だが、もう少しだ。もう少し、後僅かで悲願は果たされる。
感情を押し殺す。体を一つの装置にする。脅威を施しに変換する一個の装置として。
この痛みが何だというのだ。この程度、死への恐怖に比べれば生温い。
しかし、後僅かという所で僅かに力が緩みそうになる。千切れた筋肉と解けた髪を靡かせながら、力の籠らなくなった右手に被さるように左手を重ね、咆える。
焦げる裂ける千切れる折れる拉げる潰れる―――だから何だ。
私の意思に共鳴したかの如く、魔法陣は輝きを強めながら、カーマインから深紅へ。
此処まで来て、何故諦めなければならない。それこそ詩人以下だ。彼の者は諦めなかった。だが、最後の最後で失敗した。なら、方法は違うといは言えそこから学べる事もある。
最後まで気を抜くな。抜いたら最期、会う事は出来ないと覚悟しろ。
だから、諦めたくない。
最愛の人に、もう一度会いたい。傍に居たい。彼女を、愛したい。―――
そんな己が欲に塗れ、自分勝手が過ぎた理由でシェリアを求める。
きっと、この姿を見れば彼女は幻滅してしまうだろう。でも、既に今更の事。覚悟の上だ。
「―――ぉぉぉおおおおおおおおおあああああああああああぁぁ!!!」
―――嗚呼、私が最も忌み嫌いし者よ。残酷で無情で平等に地を見下し、世の理を司る貴様には
どうか、どうか彼女に、彼女の願う幸せを与えろ。それだけが我が望み。
終わりが訪れた。光がなりを潜め、魔法陣の深紅だけがこの場の光源となった。
押さえつけた
糸の切れたマリオネットのように、右腕がだらりと下がる。指の隙間からは、マリンブルーの色合いをした砂が
「シェ……リア」
右半身から崩れるように倒れる。目が霞む。
成功したか否かを見る事が出来ないのは、悔まれるが、きっと、成功したのだろう。
棺が邪魔で確認できないが、倒れる直前に目に映った彼女の肌は、心なしか色合いが鮮やかに見えたから。
補足コーナー
・マリンブルーの砂が―――……いつかの後書きの伏線? 詳しくは後日。
・ライネス……ヤンデレに為らなくて四苦八苦。いや、ヤンデレっていうか、正確には『ヤンでる純愛』をば書きたいけど……本当にこの手の描写は苦手すぎる。誰か、アドバイスを下さい。切実に。
・原作でフェイトはバリアジャケット着てたからあの程度で済んだのであって、実際そういうのを使って無いライネスが浴びたらどうなるのかを想像しながらやってみた。……うーん。
……グロに入るんですかね、今回。
嵌められたとはいえ、沙耶を経験している身として全く上手くいった気がしない。
それ以来バイオとか全くできなかったのが今ではほぼ平然と出来るようになったもんだから恐ろしい。沙耶の唄ってすごいね!
あ、不意打ちリッカーさんとかは居るのは分かってても勘弁で。
ではまた次回。
問題があったため修正。完っ全にこっちの確認しなかったことが原因です。すみませんでした……