Vampire and a magic girls / RE.   作:眼鏡花

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 まず謝罪を。
 すみません。テストがあるのは、夏休み明けでした…。
 じゃあ、夏休み中はたくさん投稿できるかと聞かれれば、部活が忙しくてなかなか書けないだろうというのも事実。
 量より質を目指せれば良いのでしょうけど(改定前のように6000字前後)、今改訂版を書いている理由もそれが原因と言えば原因なのです、はい。
 それでは始まります。ほぼ説明会の様な物です。


 ……せい〇がんどこ行ったんだ……っやばやばやば!(ドタドタドタッ…


Six

 あの後、夜明け近くにまで渡った語らいはその場に居た私と恭也君以外の眠気によって御開きとなった。子供達(アリサ君とすずか君)は先に眠ってしまった。その語らいの結果、私は仮初ながら月村家に住み込みながら監視を行う事となってしまった。期限は私がこの地に留まる間。その間は衣食も提供するとの事だから、その話を持ち出された当初は疑ってしまったのは無理な話ではあるまい。

 一言で監視と言っても、蝙蝠に体を変化させ変化させたそれから得た視覚情報を私が受け取る形なのだ。しかし、問題がある。個人的な問題だが。

 結局私は体の一部を千切るように蝙蝠に化けさせていた。つまり、今回のこれも同じ訳であって代償として監視を行う間は左腕を失う事になってしまったが、腕自体は些細な問題だ。

文明の利器を把握しきれていない私にとって、忍君が作り上げたというカメラやら赤外線レーザーは最早過剰技術(オーバーテクノロジー)のように思えてしまって、私は必要無いのではと疑問に思ったが、実際にこれらを潜りぬけて来る侵入者も居るとの事だから、脱帽だ。現に、私の存在を映し出したカメラは一つとて無かったらしい。赤外線レーザーは私の存在を捉えたが……写真では私の姿を捉える事が出来ない事がほぼ確定したのは、思わず唇の端を噛み切って堪える程泣きたくなった。しかし、忍君は『昔のカメラみたいに鏡が使われてる訳でもないのに……』と首を傾げていたが、私にとってはどちらも変わらない。

 余談だが、実の所、私に対する礼としてこの国に住居の無い私を住ませると言う事でも在ったらしい。更にはこの事を言い出したのはアリサ君とすずか君達であるとの事。表面上では怖がられていたとしても、私に感謝してくれているらしい。それだけで助けて良かったと思えてくる辺りは、彼女にどれだけ毒されたのやら。

 ……謝礼に魔術を教えるのは拙いか。いや、私が精製した魔力を彼女に流せば可能かもしれないが、契約を結ぶ方法が方法だ。和姦だったとしても却下。私は断じて幼女趣味では無い。どうしたものか。

 その事は、本人に後日確認を取るか。

 私自身、随分と話し込んでしまって、つい私の年齢やら過去の事を含めて惚気話をしてしまっていた。最後の事を話した際、恭也君の態度の棘が抜け、ある程度接しやすくなった事は僥倖か。

 そういえば、恭也君から面白い質問もされていたな。

 

『ライネス。貴方は俺達(人間)を憎まないのか?』

 

 あの時の彼の、疑問に満ちたような顔はそうそう忘れられるものではなさそうだ。しかし、眼を見て何となく彼が私に対する地雷を踏み抜きに掛かったのかが分かった。いや、分からざるを得なかった。その方が正しいだろう。

 確かに、私は一時そう考えた。しかしだ。

 

『では恭也君。例えば忍君が何者かに殺されると……例え話だよ、そんな殺気を荒げないでくれたまえ。話辛いでは無いか』

『……すまん』

『気にしないでくれ。……忍君も申し訳ない。だが、文句は後で頼む』

『私は大丈夫よ……話を続けて貰っても?』

『全く。化け物()に冷や汗を掻かせるとは、どちらが化け物なのか分からないな。それでは……忍君が殺されたとして、君に時間を掛ければ忍君に再び生を与える『何か』を持っているならば、君ならばどうするかね?』

『…………きっと、そちらに関心を向けるだろうな』

『君の問いに対する解は、そういう事だ。今はまだ、それ以上の目的がある。それ以前に復讐(無為)に過ごす時間よりも、彼女と過ごせる幸せ(時間)を一刻も早く取り戻したい。たとえ、誰が何を言おうと、彼女に拒絶されようとも、ね。それだけの事さ』

 

 それだけ言って口を閉じてすぐ、忍君が『ごちそうさまでした』と言った意味が分からなかった。恭也君が苦く笑っていたのはどうしてだろうか?

 デイビット君は『シんだヒとを生き返らセる方法があるというのですか!?』と本心から驚いているのが分かって、その様子が私の目にはとても面白く映った。

 どうでもよかった肯定派と至上派の諍いなどは忍君と恭也君は僅かにも聞き逃さないよう鬼気迫る雰囲気を醸し出していたのだから、流す程度に語る予定だった内容を大分長引かせてしまった。

 年齢に関しては忍君が看破したのだがね。夜の一族の古い呼び方である『夜月の民』、私の悲願の原因となった『魔女狩り』、そして過去に没落したと記述が有るらしい貴族―――その記述を記した者は私に片手半剣を渡した友であるらしかった―――『ヴェルバータ家』。

 この三つのワードから探り当てたようだったが、まさかお手洗いに行くと席を立って三十分そこそこでそこまで調べ上げるとは。彼女は探偵業でも出来るのではないかと思わされる。

 血の事だが、(あなが)ち私の予想は外れてはいないようだ。忍君を煽って簡単な力試しとして腕相撲をして見た所、やはりというべきか、当時の民ほどの力を有している訳でも無かった。それでも、あの男よりは強い力はあった。

 しかし、彼女の叔母である半吸血鬼半人狼も、人間の血を引くが忍君が及ぶ範疇の力量では無いらしく、恭也君の剣術を持ってしてようやく互角との事だ。

 恭也君は武人だったかと納得出来た。あれ程の殺気は唯の一般人が出せる物では無い。本人は『膝を治してくれた彼女が居なかったら、今の俺は居ないさ』と言って忍君に抓られていたがね。彼は後宮(ハーレム)でも築く心算なのだろうか?

 社会的な闇とも関わりが有り、そこで名を馳せる程の流派であるとの事だ。

 それも殆ど家族ぐるみで。事実、至上派の者を何名か屠った経験があるらしい。嘘か真か、人間の身でありながら銃弾さえ通用しないとの事だ。

 ……本当に、どちらが化け物なのか分からない。

 しかし、おかしいと思う。夜月の民は、今の私がこう言うのもおかしいが、力も技量も人間を越える物があった。故に、私が起きていた三人にこんな仮説を話したのは、私の記憶がおかしくないのを実証したかったが為なのだろう。

 

『仮説だが、きっと夜の一族、その中でも君達(肯定派)は血が薄まるという事を余り懸念しないだろう。そして夜の一族の血自体もゆっくりと時間を掛けて薄まっている。そう考えているのだが、どうだろうか』

 

 忍君は分からないと返した。

 尤もだ。誰も考えた事の無かった事なぞ、考えるのも下らない。いや、そういう意味では無いが、答えは永遠と出ないままなのだからそれならば答えを見出せる応答をした方が余程良い。

 御開きになる直前に私はもう一つ問うた。

 魔力を、些細な規模でもいいから感じなかったかと。

 しかし、この問いに対する解は芳しくなかった。試しに私が魔力を精製しても、そもそも魔力の存在に気が付けていないらしい。特にあの時のデイビット君の(とぼ)けた顔が演技であったのなら、間違いなく彼は舞台で主演を張れる。

 

「さて、行くか」

 

 部屋は有っても、客を泊まらせる事はそうそう無かったらしいようで、私が使う部屋の掃除などが有るらしい。アリサ君はすずか君と同じベッドで眠っていたようで例外だ。

 日が暮れる頃に戻って来てほしいと言われ特にやる事など一つしかない私は、あての無い魔力の大元の捜索に出た。

 今日は学校が休みらしく、明日から学校が始まる事をアリサ君は寝惚けながらに嘆いていた。私は、実の所教養は疎い。魔術関連以外の読み書き以外はほぼ壊滅的だ。それで魔術を学ぶ事が出来て、更には一般的な会話は行えるというのだから、自身の事であるというのに受け入れがたい。

 

「事実を事実として受け入れるのも、また大切だというのは分かっているのだが……ね」

 

 もしもだが、この考え方を受け入れてしまっては、今の私はどうなってしまうのだろうか。毛頭、受け入れる気は無い。

 私の目的は事実を受け入れられずに癇癪を起した子供のようなエゴイスト、利己主義者だと自覚しているし、受け入れる日が来るとするならばきっとその日は私の命日だろうと何となく確信している。

 

「む?」

 

 休日だからか、やたら巻き込まれる人混みの中で今の私の姿は視線を大いに集めた。何も収まっていない左腕の袖に。

 それを無視し続け、やはり敗戦国とは到底思えない街中を歩いていると、ふと落ちていた物が目に入った。小さいが、それだけ周囲から溶け込むのを拒むばかりに浮いている。

 周囲の目を気にせず、思わず拾った。

青いアクアマリンを思わせる色合い。形状はひし形。半透明ながら向こう側が透けてみる事は出来ない。材質は宝石の類だろうか。しかし、余り硬いようには見えない。流石に蛍石クラスとまではいかないが。

 そして、こうして触れなければ分からないほどだが、微かに魔力が漏れ出している。まさか、これがか? それにしては少なすぎる。或いは、私の作っていた結晶のように内側に魔力を溜めこんでいるのか? だとするとこの宝石は異常だ。どれだけの技術が使われているのか皆目見当もつかない。

 

「一度、調べた方が良いな。家では無いが出来る事は十全にある」

 

 人通りの少ない裏通りに移動し魔術を発動する。影の中に拾い物を入れようとした。

 ふむ、イメージを上手く固められない魔術に関しては言葉に出して固めているが、やはり出来るだけ控えるとするか。

 いや、逆に考えれば余程反応が早い者であるなら、それを聞いただけで何を行うか判断してしまうだろう。それを逆手にとって広域攻撃を使って相手に次を読ませない戦術も有りだろう。

 それに、イメージが混ざって変な失敗を招くよりは口に出して確実に成功させた方が無難だ。

 そう考えるならば、私の二つ名の由来である切り札は未だイメージを固めきるのに呪文を唱える必要があるのだから、やはり奴のように無言で竜巻を起こすような真似は出来ないか。

 そこまで考えて、結果的に言えば私は影の中に宝石をしまうが、そこに至るまでの過程が大分長くなってしまった。

 理由としては二つ。一つは周囲一帯から人間の気配が無くなった事。

 もう一つは、そんな事態においてその原因としか思えぬ人間と出くわしたから。

 

「魔術師……、では無いね。まさか魔術師まで技術進歩の影響を受けたというのかね」

「……」

 

 原因―――ツインテールにしたアリサ君、デイビット君と同色の金髪。吸血鬼()とは若干毛色の違う赤眼。手に持つのは機械的な姿をした黒い斧。水着のような薄手の服装。

 それらの要素を持ったアリサ君と同じか若干幼いように見える少女は、無言。私の言葉に僅かに顔を顰めた事から、言っておいて魔術師では無いというのは察しが付いた。

 魔術師であるならば常に魔力を作り続けるなど自殺行為以外の何物でも無い。

 ましてや飛行の魔術なぞ、魔術関連の書物の受け売りだが、本当に稀代の奇才が運よく使えれば良い方との事だ。私もそう思っている。それに、空に向かうのに態々飛ばずとも足場を確保してしまえば良いのだ。

 だから、少女は魔術師では無いと考えた。

 

「ジュエルシードを渡して下さい」

「渡さない、といったらどうなるのかね?」

「……力づくにでも」

「……はあ。私は子供が苦手なのだが……」

 

 再び影の魔術を発動させ、ジュエルシードと呼ばれた宝石を中に納める。同時に、影から飛び出すように片手半剣が飛び出してきて、私はそれの柄を右手で掴み逆手持ちに構え、剣先を少女に向けた。

 

「悪いが、交渉決裂だよ。出来れば、君の方から手を引いてくれまいか?」

「それは出来ない……。ジュエルシード、貰い受けます」

「引く気は無い、か」

 

 一応の脅しも効果無し。

 さて、どうするか。考えている内に、少女は風と一体化したような速さで突き進んで接近していた。

 

「はあ……仕方が無い」

 




過剰技術(オーバーテクノロジー)……ライネス視点
 (ロストロギア=電化製品、機械的な物等)

・鳥さんのフラグは折れたのだ……。

吸血鬼(ライネス)は『何かに』映ることが出来ない。という独自設定。ただ影はある。

 補足コーナーはあんまり意味ないだろって? いやー、趣味が神話だとか伝説だとかそういうのを調べたりとかする事が多いので、『自分だけわかっても読者の人たちに分かって貰わなければ意味がない!』と考えまして、ね。今回は全くそういうのとは関係ない物ばっかりでてきましたけど。
 流石に感想などで要らないという意見が多ければなくなる可能性もありますが。 
 それじゃあ、これにて。
 誤字がありませんように。見直しもしたけど、切実に……。
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