ダンジョンに番長がいるのは間違っているのか? 作:ジャッキー007
なんとお礼を申し上げたら良いのか、本当にありがとうございます。
話は変わりますがメモフレのアルゴノゥトイベント良いですね…恩恵もガッポリ稼げるから育成が捗るし、未達成のミッションやストーリー消費しやすくなって石も貰い放題…5凸は無理でも☆4はコンプしたいです
冒険者を志す者には、血気盛んな者も少なくない。
そのため、ファミリアの入団試験で不合格を言い渡された時に逆上した結果取り押さえられ、門戸を叩く事を禁じられるという事が過去何度かある。
それを経験した事から、警備に当たっていた門番達は戸惑いを隠せずにいた。
「ダメだったかぁ…でも、アレだけ凄いのを見せられたら納得だな」
「あぁ…アレと比べたら、俺達もまだまだか」
門を潜り、ファミリアを後にする者達は皆口々に不合格だった悔しさを零している。
しかし、その表情はこれまでの試験で不合格だった者達とは明らかに違い、不満や妬み、僻みといったものは無く…全員が共通して、次の試験に向けた強い決意と、何かを見出したような清々しくも凛々しい表情を浮かべていた。
「まずは試験合格おめでとう。これから君達はロキ・ファミリアの一員として恩恵を授かる事になる」
入団試験を終え、俺を含めた合格者はロキの部屋の前で、フィンから説明を受けている。
ファミリアに入団したものは、主神から恩恵を授かり、初めて神の眷族となる。
恩恵には基本アビリティと発展アビリティ、人によってはスキルや魔法が発現する者もいるらしい。
冒険者のステイタスは基本的に日本における個人情報と同じ扱いに近く、ファミリアの人間でも詳細を知る事が出来るのは限られるし、他のファミリアに対しての公開も厳禁という。
「ロキも待っているし、早速始めていこうか」
説明はまだ途中だったが、フィンは時間を確認するやそう切り出し、一人ずつ順番にロキの待つ部屋へと入っていく。
「改めてタケシ、合格おめでとう。ファミリア団長として、そして僕個人として君を歓迎するよ」
一人、また一人と恩恵を授かり部屋を後にしていき残るは俺だけとなった時、フィンは俺に向き合い笑顔を浮かべた。
「今回は勝ちを譲って貰ったが…次は、本気のお前を超えてみせる」
「こちらこそ、あの場で出せる全力を以て挑んで負けたんだ…今以上に鍛えて待っているけど、そう簡単に勝ちは譲らないからね」
互いにそう言って固く握手を交わす。
だが、その目は笑顔を浮かべながらも闘志を燃やし、互いを好敵手と見做していた。
「…さて、では行ってくる」
どちらとも無く手を離し、俺はロキの部屋へと入る。
「待っとったで…ほっほーぅ、どうやらフィンにライバルやと認められたな?」
部屋に入るや否や、俺の表情を見たロキはニンマリと笑みを浮かべる。
「このファミリア…いや、この街の冒険者は皆超えるべき壁だ」
「ほぅほぅ…大きく出たな。ま、とにかく恩恵を刻もか」
そう答えると、ロキは笑みを深めて何度も頷き俺に切り出してきた。
その言葉に頷くとロキに背中を向けるように座り学ランを脱ぐ。
「しっかし、すんごい身体しとるな〜…まだ16やったっけ?」
「10年くらい鍛えてきたからな…だが、これでもまだ未熟だ」
恩恵を刻みながら呟くロキの言葉に答えながら、俺は右手を見た。
ここまで鍛えてきても、あの男には届かなかった。
それどころか、この街には俺以上の力を持った奴らが山のようにいる。
漢の頂…それは、どれだけ鍛えても先の見えない、高く果てのない道のりだ。
立ちはだかる壁も、この世界に来てから一気に増えた。
だが…
(いつか必ず、俺はその頂へ!)
たとえ歩みが遅かろうと、回り道をしようと歩き続ければそれだけ前へと進む。
だからこそ、この道に待ち受けるものに期待して笑みが零れた。
「んなあぁぁあ!?」
しかし、不意に聞こえたロキの素っ頓狂な叫びに驚き俺は肩を震わせた。
「いやー、スマンスマン」
「いきなりデカい声を出すな…、まだ耳が痛いぞ」
頭を掻きながら謝ってくるロキに軽く呆れつつ、俺は渡された紙を見る。
アビリティは恩恵を刻まれた時点を0として、そこから鍛錬やダンジョンでの経験が上乗せされるらしい。
フィンからそう聞いていたから、驚くことはなかったが…アビリティより更に下。
俺に最も馴染み深い日本語で、そこにはこう書かれていた。
スキル まだ見ぬ頂
・思いが続く限り継続
・思いの丈でステイタス上昇にプラス補正
・超えるべきものの数に比例してステイタス上昇
不屈
・逆境に立たされる度能力補正
・心が折れない限り効果持続
「これは…」
「スキルちゅうのは、ソイツの歩みや思いが反映されたもんや…せやけど」
初めからスキルが二つ発現している事に驚く俺へロキは答えるが、次の瞬間視線を鋭くした。
「タケシに発現したそのスキルはな…これまでのオラリオの歴史上、似たような能力は無い。つまりレアスキルや」
ロキの言葉に、改めてスキルの内容を確認する。
思いの強さ、超えるべきものに比例して…ということは。
「漢の頂っちゅう目指すもんを忘れんで、しかもライバルが居れば居るほど強なる…成長スピードは人並み言うても十分チートやん!」
「そう言われても、困るんだが…」
頭を抱えるロキにそう言われるが、俺は何もしていないから答えようがない。
「兎に角、アンタのスキル欄は隠すで。万が一他のファミリアに知られでもしたら争いの種になりかねんからな」
確かに…他に見ないものとは人を惹きつけ、同時に禍を引き寄せるものだ。
念の為、ロキからフィンやガレス、リヴェリアには教えるが他の団員には秘匿するよう釘を刺された俺は部屋を後にした。
部屋へと戻る途中、此方へと歩いてくる影があった。
灰色の髪に、狼の耳を持った男…確か、リヴェリアが言っていた
ソイツは、俺を鋭い目で睨みつけ…そのまま、横を通り過ぎて行った。
だが、すれ違う時に確かに聞こえた。
『テメェには負けねぇ』
「…此方こそ」
そう呟き、通り過ぎて行った男…今の俺よりも強く、遥か先に居るその背中に返事を返し、俺は再び歩き出した。
ロキにより恩恵を刻まれ、晴れてファミリアの一員とはなったが、即ダンジョンへと潜れる訳ではない。
俺は、休暇だったリヴェリアに連れられオラリオのギルドを訪れていた。
「ギルドで冒険者登録を行って初めて、お前は冒険者となる」
隣に立つリヴェリアが、ギルドの門を見据えて言葉を紡ぐ。
「ダンジョンについての説明はお前に就くアドバイザーから教わる事になる…私の教師役も、此処までか」
「…」
今までの事を思い出したのか、感慨深くリヴェリアは呟いた。
確かに、リヴェリアとロキから文字の読み書きを教わった事から始まって…あっという間の1ヶ月だったが。
「まだ俺は未熟だ」
リヴェリアの何処か子供の成長を思い出すような、懐かしくも名残惜しく寂しそうな表情を横目に口を開く
「文字の読み書きに言葉、この街については聞いたが…まだ俺には教わる事が山のようにある。とことん付き合ってもらうぞ…先生?」
俺の言葉を聞いたリヴェリアは目を見開いて俺を見るが…少しすると、堰を切ったように笑い出した。
「っ、くく…どうやら私は、とんでもない奴を生徒にしたようだな…私の授業は厳しいぞ?」
「頂点には力だけじゃ到達出来ん、望むところだ」
互いに顔を見合わせ小さく笑みを浮かべると、俺たちはギルドの扉を開き中へと入っていった。
「まさか、名前の書き方は日本で同じで構わんとはな」
「教える事に熱が入り、つい説明を忘れていた…すまない」
冒険者登録に必要な紙をアドバイザーの…エイナというハーフエルフから受け取って書いている際に名前について指摘を受けた。
どうやら文明レベルは違えども日本と同じような国が極東にあるらしく、そこ出身の冒険者達は日本人と同じ書き方で姓名表記を行なっているらしい。
何故教えてくれなかったのかと思ったが…まぁ、そこは頰を染め気まずそうにしているリヴェリアを見れたことで帳消しにした。
新しい紙を受け取り、俺は改めてそれに倣い「タケシ・轟」から「トドロキ・剛士」へと書き直して提出。
無事に冒険者としての登録を終えることが出来た。
「…これで漸く、冒険者としてのスタートラインに立った訳か」
ギルドからの帰り道、ポツリと呟く。
改めて、此処からが漢の頂への新たなスタートだ。
「この街に居る冒険者を超えて頂点に立つ、か…私も、先に立つ者として負ける訳にはいかんな」
俺の言葉を聞いてか、リヴェリアが俺の前に躍り出た。
「改めて覚えておけ…我が名はリヴェリア、リヴェリア・リヨス・アールヴ。ロキ・ファミリアの冒険者【
次回、迷宮番長!
【地下迷宮】
「タケシの歴史に、また1ページ…これで、良いの…?」