内山の弟子入りなんてことがあった日からさらに月日が経った。その頃の勇兄は士官学校の3年生となっていた。
「勇兄!これで通算50連勝を達成したから甘味処のパフェを所望するわ!」
「私も!」
「あーはいはい、分かったから着替えて来い」
「お疲れ様です師匠!」
「内山、それはやめてくれと何度も言ってるだろう」
「俺にとっちゃ飯野は師匠だぜ」
「はぁ……ま、お前も無事に勝ったんだろ?」
「飯野のアドバイスを受けているからな」
「お前の方もお疲れさん」
「おう、じゃあな!50連勝おめでとう!」
「ありがとう」
週ごとに数回の演習において連勝に次ぐ連勝で私たちはとうとう50連勝なんていうとんでもない記録を叩き出した。これはこの学校の新記録らしい。他に達成者がいるなら逆に気になるけど。
「おまたせ」
着替えを済ませて再び勇兄と合流する。
「これだけ勝つと勇兄の成績って学年トップなんじゃないかしら」
「だね」
「残念だがそうではない」
「「?」」
「まぁ、その、俺は学校を休むことや早退することがしばしばあってな……」
「えっ、士官学校で欠席と途中欠席はかなりの減点になるわよ?軍だし」
「サボるような不真面目には見えないけど」
「ま、学校に通いながらちょっとした仕事をしているんだよ」
「そんな暇ないと思うけど……」
(成績に興味無いのかしら……)
「だから欠席するはめになっている」
「士官学校を休んでまでとなるとよほど大事な仕事なのかな?」
「ああ」
「気になるわね。教えてよ」
「秘密」
「えー」
「レディがお願いしているんだから答えなさいよ」
「お子様レディにお願いされても……」
「お子様言うな!」
「良いもん奢ってやるから」ナデナデ
「頭をなでなでしないでよ!もう子供じゃないって言ってるでしょっ!?」ナデラレナデラレ
「子供だろうが」
「だね」
「むぅぅ……」
結局はぐらかされたけどこの時から私は勇兄の秘密というのが気になり始めていた。
「暁姉さん、ちょっといいかい?」
ある日、いつもの訓練を終えて演習場から出た私は妹の響に声をかけられた。妹の響は長い銀髪で私と同じ軍帽とセーラー服を着たクール系の美少女だ。
「響?どうかしたの?」
「ちょっと聞きたい事があるんだ」
「聞きたいこと?」
「飯野さんって何者なんだい?」
急に響の目が真剣なものになる。
「えっ?」
「今までずっと指揮の実技成績は低かったのにある日から急に負け無しになったじゃないか。今じゃ成績上位者たちも彼とは戦いたくないと言い出すほどだ。最近では艦娘たちからの人気もけっこう高いしね。私も彼を気に入っている」
「……勇兄は渡さないわよ」
「暁がそこまで心を開いているところを見るに人柄も良さそうだね」
「いい人よ。めったに私たちを叱らないしいつも演習の後で褒めてくれるもの。……何度言っても頭をなでるのを止めてくれないけど」
「普段嫌がっているようには見えないけどね」
「そ、それは……子供扱いされるのは嫌だけど勇兄のなでなでは気持ちよくて安心するから……」
「ほうほう」
「……何よその目は」
「なんでもないさ。それよりも彼はどうして急に勝ち始めたんだい?」
「それまで本気を出してなかったのよ」
「何故だい?」
「私たちに自分の弱さを強く自覚させるためだって言ってたわ……そうすれば実際の戦場で生き残れるからって」
「まるで私たちを消耗品と考えていないみたいだね」
「そうよ。勇兄は私たちを兵器扱いしない」
「……」
「私たちには心がある。彼と今まで過ごした
(今の私は人間だから……)
これは私の本心だ。
「……今の姉さんはここのどの艦娘よりも生き生きとしているよ」
響はそう言って小さく笑った。
「ふふ、そうかもね。私は幸せ者だわ」
「はぁ……彼の事がますます気になってきたな」
「あげないわよ」
「違うって……姉さんは彼のとる指揮について感じた事はないのかい?」
「?」
「私はこう見えても艦時代は終戦まで生き残った艦だ。だからより分かるのかもしれないけど……」
「何を言っているの?」
「飯野さんの指揮は実戦向けの内容が多い。他の生徒と比べて明らかに考え方が違うんだよ。この学校にいるのは本物の戦闘を経験したことのない新米提督の卵ばかりだ。だからだろうみんなが彼に戦術で勝てないのは」
「……」
「彼は明らかに戦場を……艦娘を使った戦いをよく知っている。素人とは思えない。まるで現役の提督だ。それもかなりのレベルの」
「それは……」
確かに今の彼のとる指揮はもはや実戦でも十分以上に通じるようなものばかりだ。ほとんどの場合、対戦相手は後手に回されている。まるで玄人と素人の戦いだ。
(なんだろう……勇兄がすでに現役の提督だったらって思うとなんだか納得してしまう)
「普段の彼に何かおかしな点はないかい?」
「……よく欠席するから成績が良くならない事かしら」
「欠席?彼は体が弱いのかい?」
「健康そのものよ。病気なんて聞いたこともないわ」
「怪しいね。ちなみに欠席の理由を聞いたことは?」
「……大事な仕事だって」
「士官学校の学生が仕事っておかしくないかい?」
「確かに……」
「年齢的にありえないと思うけどすでに海軍の何らかの仕事に就いているんじゃ……」
(生徒じゃなくて……本物の提督だとか)
そんなことがあるのだろうか。
「……」
響と別れた後も私の頭にはずっと疑念が残ったままだった。
そうしてある時私は……
「2人とも今日もいい動きをしていたな」
「ふふん」
「当たり前よ」
「……ん、電話だ。すまん2人とも、先に行っててくれ」
いつものように演習を終えて彼と話していた時、彼に電話がかかってきた。先に行くよう私と川内さんに言った彼は電話に出るために建物の影へと入っていった。
「じゃあ行こっか……暁?」
「ごめんなさい川内さん、先に行っててくれる?」
「え?あー、うん」
いつもの私なら気にしなかっただろうけれど響と話したあの日から彼の仕事というものが気になっていた私は彼を追うことにした。
(友人からの電話かもしれないけど仕事先からの可能性が高い)
友人(主に内山)からの電話に対して彼はいつもその場で出ているからだ。私は気付かれないないように彼に近付く。
(これ以上近付くのはまずいわね……)
近くの建物の影に隠れて彼の様子を窺いながら私は耳に意識を集中させた。
(私の耳ならギリギリ聞こえそうね……ん?何しているのかしら?)
彼は突然胸ポケットから小さな機械を取り出すと自分の首あたりに付けた。
「あー、あー、よし」
彼の口から聞こえたのは知らない誰かの声。
(変声機?どうしてそんなものを……)
「……俺だ。何があった?」
変声機をつけたまま彼が携帯の電話に出る。
「何?第四防衛ラインが突破されただと!?他の連中は一体何をやって───」
そこで彼はハッとしたように口を押さえ、辺りを見回すと再び声のボリュームを落として通話を再開する。
「ああ、分かった。旗艦はいつも通り金剛だ。装備は主砲2つと三式弾、対空電探で行け。夕立は主砲2つに魚雷と機銃、時雨は魚雷ガン積みに機銃だ。飛龍は紫電2部隊に友永隊と彩雲だ。陣形は単縦陣で戦法はパターンCだ」
(……)
「指示に関しては以上だ……分かったから落ち着け金剛、ちゃんと後でいくらでもなでてやるからまずは敵を撤退させるんだ。殲滅でもかまわん。……武運を祈る」
(これって……)
彼が通話を終えて建物の影から出る。同時に私は彼に見つからないように川内さんのもとへと向かった。
(金剛、夕立、時雨、飛龍って……艦の名前よね)
私の疑念は確信に変わりつつあった。
「ん?私に質問かしら?何でも聞いてくださいな」
後日、私は士官学校で艦娘たちの教官を担当している鹿島教官のもとへ向かった。鹿島教官は練習巡洋艦という艦種で短めの銀髪ツインテールの女性だ。白い教官の制服を着ていてとてもスタイルが良く、一部の艦娘たちからの憧れだ。甘い大人の女性という感じの雰囲気を持つことから隠れたあだ名は童貞殺し。本人は知らないけど。
「金剛、夕立、時雨、飛龍って人の事を聞きたくて……」
「その4人は……もしかして横須賀第二支部の四天王の事でしょうか?」
「……有名なの?」
「ええ、もちろんです。もしかして知らないのですか?」
「う、うん」
「うーん、どう説明しましょうか……。横須賀第二支部というのは艦娘がたった4人しか所属していない小さな部隊なんですよ」
「鎮守府なの?」
「ええ。彼らは最近目覚ましい戦果をあげている部隊で、メンバーは戦艦の金剛さん、正規空母の飛龍さん、駆逐艦の夕立さんと時雨さんで編成されています」
「そんなにすごいの?」
「彼女たちにはその活躍ぶりからそれぞれ〈鬼の金剛〉、〈天の飛龍〉、〈悪夢の夕立〉、〈大天使時雨〉という2つ名まであるんですよ」
(2つ名を持つ艦娘は歴戦の戦士だって風の噂で聞いた事があるけれど……)
もう一つのワードも聞いてみることにした。
「あの、第四防衛ラインって何なの?」
私がその言葉を口にした瞬間、鹿島教官の顔つきが変わった。
「暁さん……どこでそれを聞いたんですか?」
問い詰めるような言い方だった。思わず口調を改めてしまった。
「え……か、風の噂です」
「一体どこから……」
鹿島教官は考え込むようにして呟いていた。
「鹿島教官?」
「暁さん、その事はまだ誰にも喋っていませんね?」
「は、はい」
「決して他の人に言ってはいけませんよ?……つい先日の出来事なのですが、日本海軍が定めた五つの本土防衛ラインの一つである第四防衛ラインが深海棲艦に突破されました。ちなみにここが突破されると残っているのは最後の第五防衛ラインのみになります」
「えっ!?それってかなり危険な事なんじゃ……」
「ええ、かなりの大事件ですよ。本土が襲われる一歩手前でしたから」
「でも、本土に被害があったなんて聞いて……」
「彼女たちのおかげですよ」
「えっ?」
「この緊急事態に出撃した横須賀第二支部の艦隊がこれを撃退したんです。数十の深海棲艦からなる大艦隊をたった4人でね」
「そんなことが……」
「それが出来るんですよ彼女たちは。この件は勲章ものですよ」
(そんなすごい艦隊なんだ……)
「その人たちの司令官はどんな人なんですか?」
すると鹿島さんは困ったような顔をした。
「うーん……それがね、実はよく分からないんです」
「……?」
「名前は野木勇。経歴はまったくもって不明。元帥の推薦で提督になった謎が多い人物です。士官学校の卒業生にもそんな生徒がいたかどうか分からないし……ただ、その指揮能力はかなりのものですね。着任当初は目立たない新米提督だったけど、今ではその手腕から〈東国の鬼神〉なんて呼ばれています」
「……過去に彼のとった作戦内容みたいなものって見れますか?」
「いくつか資料がありますけど……見せる代わりに第四防衛ラインの事は絶対に秘密にしてくださいね?政府も必死に隠している事件ですので」
「分かりました」
鹿島教官から資料を受け取ってその日は自室に戻った。
「いくつか勇兄の指揮とそっくりだわ……」
野木提督の作戦資料を見た私はそう呟いた。
「響の言ったことは正しいのかも……」
私の中で野木提督=勇兄はすでに確信に近い。
「でも確かめない方がいいわよね……」
勇兄が秘密にしているということはバレると彼が困るからだろう。私の興味心だけで彼を困らせるようなことをしたくはない。それよりも……
「勇兄がすでに提督としての確かな地位を持っているなら彼が私の本当の提督になる……なんて日も来るかもしれない」
まだ本物の深海棲艦と戦った事はないけれど、戦うならば彼の指揮のもとでの方がいい。私にこんなに良くしてくれる彼のために戦いたい。そしていっぱい褒めて欲しい。私は彼が大好きだから。
(でもそんな都合良くはならないわよね……)
今現在生徒たちと組んでいるチームは生徒が4年生になるタイミングで解散になるのだ。生徒たちは卒業論文に取り組み始め、艦娘たちはそれぞれ上から命じられた鎮守府へと派遣される。
(そもそも2つ名持ちのメンバーと私じゃ全然釣り合わないわよね……足手まといにしかならないわ)
それに彼が誘ってくれるか分からない。
「今さらだけど私たちはいつまでも一緒にいられるとは限らないのよね……」
彼から離れて私はいつも通りでいられるだろうか……耐えられない。彼以外の指揮に満足出来るのだろうか……無理だ。私は彼と近くなりすぎた。
(離れたくないよ……)
ーーーーーー
そして勇兄が4年生になり、とうとう別れの時がやってきてしまった。当然、私と川内さんの派遣先はあそこじゃない。
「勇兄がどこかの鎮守府の司令官になるまでここにいたかったわ……」
「あはは……まあしょうがないって。私たちの着任先を決めるのは上の人だし」
「俺が派遣される鎮守府がいい所だとは限らないぞ?」
すでに有名な鎮守府に着任してるクセに。
「そんなのどうでもいいもん。勇兄と一緒がいい……」
もっとあなたと一緒にいたい。
「あらら……ま、寂しいのは私も一緒だけどね……」
「お前たちの着任先は悪くない所だぞ」
出来れば誘って欲しかった。
「少しは寂しがりなさいよ!もう!」
「ひどい人だねー」
「寂しいに決まってるだろ。短い付き合いとはいえこれでも今までずっとチームだったんだから」
「何かないの?送る言葉とか」
「俺も頑張って立派な提督になるからお前たちも着任先で主力艦隊に入れるように頑張れ」
ええ、頑張るわ。
「軽巡洋艦と駆逐艦じゃ難しいよ」
「お前たちも知っているだろ?横須賀第二支部の2人の駆逐艦の事は」
「ありゃちょっと別格だよ」
「俺からすればお前たちも別格だよ」
そう言われてちょっと嬉しかった。
「そうかな?」
「ふん!見てなさい、今に駆逐艦最強のレディとして名を上げてやるんだから!!」
「頑張れレディ(笑)」
「(笑)を付けないでよ!失礼よ!」
ああ、もうお別れなんだ……
「あははは!なんかお別れって感じの雰囲気じゃないね」
「だな」
別れたくない……
「エレファントな私に再び会える日を楽しみにしていなさい!」
「エレファント(笑)」
「な、何よその目は!」
「頑張れお子様レディ」
「むきいいっっ!!」
最後の日までいつものやり取り……
「じゃあね勇兄、またいい夜の日に」
「ああ、達者でな夜戦バカ」
「「最後くらい名前で呼んでよ!」」
あなたが私の提督だったら良かったのに。
ーーーーーー
勇兄との別れから一年以上が経った。私たちが派遣された鎮守府は勇兄の一つ上の先輩が提督をやっている場所だった。まだまだここの提督は新人で苦労ばかりの毎日だ。彼の指揮で戦っていた頃が懐かしい。ここの提督は基本的にいい人だ。艦隊の雰囲気も悪くないので今ではここの鎮守府を私は気に入っている。
……それでも時々、勇兄を思い出して寂しくなる時もあるけれど。
「さぁて、近海警備と行きますか。最近よその鎮守府が物騒だししっかりしないとね」
「暁の出番ね」
ここ最近の日課となっている鎮守府近海警備に出る。主力艦隊は今朝出発したので今は鎮守府にいない。今頃敵海域で激しい戦闘を繰り広げているのだろう。彼女たちの帰る家を守るのが練度の高い今の私たちの役目だ。
「異常無しっと」
警備を終え、交代のため鎮守府へと帰投し始めた私たちのもとへ突然通信が入った。
『2人とも!今すぐ鎮守府へ戻って来てくれ!』
「どうかしたの提督?」
「なんか慌ててる?」
『鎮守府が深海棲艦の大艦隊に攻め込まれているんだ!!』
「「えっ!?」」
『突然こちらの警戒網をくぐり抜けるように現れて……うわああっ!?』ブツッ
通信機から大きな爆発音が聞こえ、それを最後に通信が切れる。
「ど、どういうこと!?」
「川内さん、早く戻らないと!」
鎮守府周辺では激しい戦闘があちこちで繰り広げられていた。鎮守府に残っている艦娘たちが必死に抵抗するが敗色濃厚で防ぎ切れない砲撃や艦載機の爆撃が度々鎮守府を襲っている。
「ど、どうしてこんなことに」
「早く敵を引かせないと!」
私たちも参戦し、戦うが相手の数がこちらの倍以上いる上にこちらには今、主力艦隊がいないのだ。着実に押されていき、敵戦艦の砲撃に仲間が次々と倒れていく。
(ど、どうしたらいいの!?これじゃみんな沈んじゃう!!)
「暁!私は大破した娘を運ぶから援護して!」
「う、うん!」
鎮守府が落とされる寸前というあまりにも絶望的な状況。引くことが出来ない状況とはこんなにも辛いものなのか……
(……勇兄だったらこんな状況もなんとかしてくれるのかしら)
味方の戦意が見るからに低い。彼女たちは主力と違って戦闘経験が少ないのだ。それで敵戦艦や空母を含む大艦隊と戦えと言われても無理だろう。
(まだ勇兄に再会してない……立派なレディになってもいないのに)
自分はここで沈むのだろうか。
「こんなところで沈むわけには───!」
「わああぁぁーーーーっっっっ!??!!?」
「な、何!?」
空から突然聞こえてきた叫び声に敵も味方も揃って固まった。川内さんがぎょっとしたように空を見上げている。
(……え?空から!?)
空に見えるのは大量の艦載機……にワイヤーで吊されている金髪ツインテールの小柄な少女。
(何あれ……)
突然艦載機が急降下し始める。
「ひ、飛龍さん!もっとゆっくり!ゆっくり!これじゃ着水と同時に大破しちゃ───ああああっっ!?!?」
少女が叫ぶが問答無用とばかりに艦載機は止まることなく急降下。
「こんのっ……!」
海面に衝突するギリギリを飛行しながら艦載機がワイヤーを切り離し、同時に金髪少女が艤装を展開した。
「艦娘!?」
金髪少女の着水と同時に大きな水しぶきが上がる。
「……ボク、マジで死ぬかと思った」
信じられない登場の仕方をした金髪少女はホッとしたようにそう言う。
『皐月!無事に着いたか!?』
金髪少女の無線から懐かしい声が聞こえたような気がする。
「ボクのメンタルが無事じゃない!!」
『時雨たちもすぐにそちらに───』
「ぽーーーい!!」
「うぁぁぁ……」
いつの間にかさらに2人の少女たちが金髪少女と同じように艦載機に運ばれてきて着水した。
「これ楽しいっぽい!」
「……皐月」
「ボクも同じ気持ちだよ。後で司令官を叩きのめそう」
戦場に似つかわしくない緊張感のないやりとり。しかし敵も味方も戦闘を再開せず、現れた彼女たちに視線を向けたままだ。
「さーて、最っ高に素敵なパーティーしましょう?」ニイ
「逃がさないよ」スウ
「まずは敵をなんとかしないと」ジッ
なぜなら彼女たちが強者特有のプレッシャーを放っているからだ。
(どう見ても駆逐艦なのにこのプレッシャー……!?)
「〈悪夢の夕立〉」
「……〈大天使時雨〉」ボソッ
「〈懐刀の皐月〉」
「「「我ら佐世保艦隊は貴艦隊に助太刀する!!」」」
話がようやく現在に戻った!どことなくメインヒロインっぽい暁。第六駆逐隊の中で一番好きなので……
……ワイヤーで艦載機に運ばれるのってどんな感じなんだろうか。(筆者は高所恐怖症なので死ぬと思います)
航空駆逐艦の時代だな(白目)