皐月と提督とバーニングラブ×2   作:TS百合好きの名無し

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艦娘が増えてきたので日常?系スタート。
タイトル通り榛名メインの回。



第4章 佐世保の日常ー今日も鎮守府は平和ですー
提督の恋人になったはずの榛名です!!「榛名の日記」前編


 

 

 

 その日は仕事を前の日にだいぶ進めていたため、いつもよりも早く仕事を終える事が出来た。

 

 

「さて……」

 

 

 実は意図的に時間を作ったのだ。というのも……

 

 

「榛名さんにもっと構ってあげてください。私はもうこれ以上見ていられませんよ、あの娘ともっときちんと向き合ってあげて欲しいんです……」

 

 

 つい最近、飛龍にそう言われたからだ。ふざけているようには見えず、俺は榛名と一度話をしようと思ったのである。

 

 

「榛名の部屋はここだったな」

 

 

 現在、俺は榛名の部屋の前へ来ていた。

 

 

「榛名、俺だ。ちょっと話でもしないか?」

 

 

 扉をノックして呼びかけるが返事がない。不在か?と思いつつドアノブを回すと開いてしまった。

 

 

「……カギはかかってないが、中に誰もいない?」

 

 

 悪いと思いつつも俺は部屋に足を踏み入れた。中はなんというか随分質素な部屋であった。ベッドと机と椅子があるだけで本もぬいぐるみも何も無い。俺はここの艦娘全員にネットでの買い物をある程度許可している、ちなみに運搬は間に海軍本部を通して行われる。女の子の部屋というものはもっとおしゃれなイメージがあったのだが…… 

 

 

「案外、ベッドの下に何かあったりして……」

 

 

 ちょっとベッドの下を漁る。すると薄い本と小説が何冊か出てきた。

 

 

「本当に出てきたぞ……」

 

 

 〈ハル恋 ~恋は突然に~〉

 

 〈初めてのデート ~男性のハートを撃ち抜け~〉

 

 〈男性がキュンとする仕草をまとめました ~気になる彼をメロメロに~〉

 

 〈出来る女の特徴はこれだ! ~周囲をあなたの虜に ~〉

 

 〈恋は戦争 ~既成事実さえ作ればこちらのもの~〉

 

 〈今夜は私だけを愛して ~絶倫の彼と朝まで激しい夜戦を~〉

 

 〈ヤンデレ入門 ~あなたさえいればいい~〉

 

 〈失恋した時のメンタルケア ~大丈夫、次の恋があなたを待ってる~〉

 

 

 ……今のは本のタイトルの一部だがすごい物も混じっている気がする。言われた時の飛龍の真剣な表情を思い出す。普段の榛名に異常は見られないがこのラインナップを見るに、色々溜め込んでいそうだ。

 

 

「戻しておこう……」

 

 

 本を戻し、他に何かないか探していると机の上に日記帳が置いてあるのを発見した。近付き、手にとってみた。ピンク色の装飾がなされた可愛い日記帳だ。

 

 

「ちょっとだけ読んでみるか……?」

 

 

 開いて中身を読む。

 

 

 

『 ○月×日

 

 提督のご厚意でこのような物を買う事が出来ました。あの頃が信じられないほど、ここでの毎日は本当に幸せです。せっかくなので日記を付けてみようかなと思います。

 

 

 提督は今日もかっこいいです。』

 

 

 

「自分ではかっこよくはないと思うんだが……」

 

 

 

『 ○月×日

 

 今日は皐月ちゃんが訪ねてきました。提督が忙しいので代わりとして榛名に料理を教わりに来たらしいです。ど、どうしましょう、榛名、料理なんて出来ないのですが……

 結局金剛お姉さまの所へ行きました。お姉さまは料理がお上手でした。提督と一緒に練習したらしいです。いいなあ……

 

 

 ご迷惑かもしれませんが提督に料理を教わりたいです……』

 

 

 

「言ってくれればいいのに……」

 

 

 

『 ○月×日

 

 電ちゃんが提督に膝枕をしてもらっているのを見かけました。その時の電ちゃんは本当に幸せそうで……

 

 

 羨ましいです。でも榛名が提督に頼むのはなんだか気が引けてしまいます……

 

 

 榛名は提督が時々、夜遅くまでこっそり仕事をしているのを知っていますから……

 

 

 提督の負担を増やすわけにはいきません』

 

 

 

『 ○月×日

 

 今日はなんと金剛お姉さまがこの鎮守府にやって来ました。演習もすごかったのですが、提督の正体にも驚きました。こんな人が榛名の提督でいてくれるなんて感激です。

 

 

 お姉さまが提督にケッコンカッコカリをお願いしていました。

 

 

 2人は3年も共に戦った深い仲……お似合いだと思います。金剛お姉さまが幸せそうで榛名も嬉しいです。榛名は金剛お姉さまが大好きですから。

 

 

 でもやっぱり胸が苦しいです……』

 

 

 

『 ○月×日

 

 て、ててて提督とキスをしてしまいました!金剛お姉さまは榛名が提督と付き合う事を許してくれました。お姉さまには一生敵わない気がします。

 

 

 提督と恋人……榛名は幸せです。

 

 

 ……初めてのキスの味は緊張していて何も覚えていません』

 

 

 

『 ○月×日

 

 ……金剛お姉さまと再会してからというもの、時々悪夢を見るようになりました。姉妹のみんながどんどんいなくなって榛名は独りぼっちになり、動く事の出来ない体であの空を見上げているのです。本土に爆弾を落とす爆撃機を榛名は海上で見ている事しか出来ませんでした。

「やめて!そっちに行かないで!」と何度も叫び続けて、ようやく目を覚まします。

 

 

 急に金剛お姉さまがまた榛名を置いてどこかに行ってしまうのではないかと怖くなりました。同時に、あの空を思い出して自責の念に駆られました。

 お姉さまたちがいなくなった後も1人で頑張ろうと思っていたのに……本当に辛い最期でした……』

 

 

 

『○月×日

 

 隠していたつもりだったのに、今日金剛お姉さまに気付かれました。

「榛名、お姉ちゃんに嘘はつかないで欲しいデス」と言われ、榛名はお姉さまに悪夢の事を話しました。話している途中で泣いてしまった榛名をお姉さまは優しく抱き締めてくれました。

 

 

「あなたを1人残して逝ってしまってゴメンナサイ……辛かったと思いマス。デモ、忘れないで。最後の最後までワタシたちの分も戦い抜いたあなたをワタシは誇りに思っていマス。きっと比叡たちも同じネ」

 

 

「榛名、あなたはワタシが誇る最高の妹デス。そして、もう1人にはシマセン」

 

 

 その瞬間、胸の奥の痛みが和らいだのを感じました。

 

 

 お姉さまに言われて一緒に寝たその日も悪夢を見ましたが、夢の最後の内容が変わっていました。

 

 

「「「お疲れ様(ネ)!!」」」

 

 

 お姉さまたちが笑顔で榛名に手を振っていました。

 

 

 その日から悪夢は見ていません』

 

 

 

(全然気付かなかった……後で金剛に礼を言っておこう)

 

 

 

『 ○月×日

 

 今日は金剛お姉さまが大量のワ級を捕らえて来たのでかなりびっくりしました。冗談のつもりだったのに……提督も遠い目をしながら金剛お姉さまの頭をなでていました。

 

 

 解体したらたくさん資源が手に入ったので提督が大喜びしていました。そのまま金剛お姉さまをなで回し始め、気がつくと金剛お姉さまが痙攣し出していました。途中から頭以外をなでてましたが、提督に自覚はなさそうです。

 

 

 ……そんなに気持ちよかったのでしょうか?

 

 

 「羨ましいです!!」なんてつい提督に本音を言ってしまいました……恥ずかしいです』

 

 

 

『 ○月×日

 

 お姉さまが気を利かせて榛名を1週間連続で秘書艦にしてくれました。気合いを入れて身だしなみを整えました。

 

 

「お、なかなか仕事が早いな。ありがとう、助かるよ」

 

 

 提督が褒めてくれました。それだけで榛名は舞い上がってしまいます。

 

 

 

「何かして欲しい事はあるか?」

 

 

 たくさん頭をなでて欲しいです……なんて。

 

 

 恥ずかしくなって結局言えませんでした……』

 

 

 

『 ○月×日

 

 皐月ちゃんの肌があまりにももちもちだったので金剛お姉さまと一緒につい触りすぎてしまいました。

 

 

 もちもちでした。病みつきになりそうです。

 

 

 皐月ちゃんには後でお姉さまと必死に謝りました。

 

 

 提督の膝の上で頭をなでてもらっていた皐月ちゃんが羨ましかったです……以前榛名が乗ったら怒られてしまいましたし……』

 

 

 

(股間が爆発するんで勘弁……と言いたいところだが、俺が耐えてあげればいいだけだな。あれが最初で最後だったが、あの後から榛名は俺にあまり自分から触れようとしなくなったし……)

 

 

「……」

 

 

 

『 ○月×日

 

 今日はシャンプーを変えて、前髪も少しいじってみました。提督に気に入ってもらえるでしょうか?

 

 

「じゃあ、これが今日の分だ。よろしく頼む」

 

 

 提督は何も言ってくれませんでした。

 

 

 自分から言い出すのは負けな気がして黙っていましたが、我慢出来なくて、

 

 

「て、提督、今日の榛名はどうでしょうか?」

 

 

「……?仕事もスムーズだし助かってるよ」

 

 

 全然気付いてくれませんでした』

 

 

 

(……心が痛い。というか言われた言葉を一言一句全部覚えているのか)

 

 

 

『 ○月×日

 

 金剛お姉さまに手伝ってもらい今日は榛名が料理当番として頑張りました。提督の好みに合うでしょうか?

 

 

 提督のために精のつく料理をたくさん作りました。美味しくて元気が出たと言ってくれました。

 

 

 そのまま榛名を襲ってください……なんて

 

 な、なんだか変な事を考えてしまいました。』

 

 

 

『 ○月×日

 

 今日も金剛お姉さまは提督にベッタリです。素直に甘えられるお姉さまが羨ましいです。提督も嬉しそうですし……

 

 

 でも、榛名の事ももう少し見て欲しいです……』

 

 

 

『 ○月×日

 

 幸せそうな金剛お姉さまとその左手のリングを見ていると時々思います。

 

 

 榛名が入る場所は本当にあるのかと。

 

 

 お姉さまは提督と確かな絆を結んでいますが榛名は違います。提督からの思いを確かな形としてもらっているお姉さまが羨ましくて……少し妬んでしまって。そんな自分が嫌になります。

 

 

 提督、あなたの心は榛名には分かりません。あの日、提督は榛名を受け入れてくれましたが、本当はどう思っていらっしゃるのですか?金剛お姉さまが言ったから受け入れたのですか……?

 

 

 最近、そんな不安が大きくなってきました。』

 

 

 

(……)

 

 

 その後もアピールをことごとく俺にスルーされたり、甘えたいけど俺や金剛に遠慮してしまうといった内容のページが続いていた。

 

 

「……本当に鈍感だな俺は」

 

 

 金剛がぐいぐいアプローチしてくるタイプだからすっかり忘れていた。榛名と金剛は違うというのに。

 

 

(普通女の子はアピールを自分で口にせず、日常の中でさりげなく行う場合が多い。大胆な行動をとる金剛は特殊なんだ)

 

 

 日記からも分かるが榛名は自分の事よりも相手の事を優先するタイプの優しい娘だ。 

 

 

「『榛名は大丈夫です』、か……全然そんな事ないじゃないか」

 

 

 俺も反省する必要がありそうだ。

 

 

 

 

 

 

「完成ネー!」

 

 

「手伝ってくれてありがとうございます金剛お姉さま」

 

 

「My sisterの頼みなら大歓迎ネ!」

 

 

 厨房のテーブルに並んだ大小様々な形と大きさのクッキー。金剛お姉さまと一緒に榛名が作った力作です。

 

 

「早くテートクに届けるといいヨ。ワタシは部屋に戻りマス」

 

 

「え?で、でも金剛お姉さまも一緒に作ったのに……」

 

 

「最近テートクに上手くアピール出来てないのでしょう?ワタシばっかりテートクを独占しては榛名が可哀想デス」

 

 

 お姉さまがそう言って微笑み、クッキーをその場に残して厨房を出ていってしまいました。

 

 

「金剛お姉さま……」

 

 

(またお姉さまに気を遣われてしまいました……)

 

 

 気を取り直してクッキーをお皿に盛り付けます。提督は喜んでくださるでしょうか?

 

 

 

 

 

 




榛名は可愛い。それだけ。
金剛は最高のお姉さん。
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