皐月と提督とバーニングラブ×2   作:TS百合好きの名無し

6 / 41
指導者

 

 

 

「てえいっ!」

 

 

「回避なのです!」

 

 

 演習場にて砲雷撃戦を行う皐月と電。砲弾を避けた電に対して皐月は続けて撃とうとするが、

 

 

「まだまだ!……って、あ、弾薬が切れ」

 

 

「なのです」

 

 

「うわあああっっーーー!!」

 

 

 電の魚雷が命中し皐月が水柱に飲まれる。

 

 

「そこまでだ!電の勝ち!2人とも上がってこい」

 

 

「くそー、また負けた!」

 

 

「でも、少しずつ砲撃の精度はあがっているのです」

 

 

「だな」

 

 

「でも勝ててないじゃん……」

 

 

「たまたまなのですよ」ナデナデ

 

 

「上達してるのは確かだ。才能はある」ナデナデ

 

 

「なんで2人して頭をなでるんだよ!?」ナデラレナデラレ

 

 

「「可愛いから(なのです)」」

 

 

「……あぅ」

 

 

 

 演習を申し込んで2日が経った。あれからすぐに皐月と電の特訓を開始した。電の了承を得ずに申し込んでしまったが、『ゆるせないのです。ギャフンと言わせてやるのです!駆逐艦の意地を見せるのです!』と妙に意気込んでいたので問題ないと思う。皐月の話を聞いてかなりご立腹の様子だった。

……とはいえ、電の練度は現在21。皐月に至っては13だ。加えてなんと工廠は今も壊れたまま……このままではとてもじゃないが勝負にならないので、2人の練度と技術力を上げるためにも俺は教育係を呼ぶことにした。

 

 

 

ーーーーーー2日前

 

 

 

「という訳でうちの駆逐艦を鍛えるために教育係として何人か手が空いている艦娘を送ってほしいんだが」

 

 

『……着任して間もないのにいきなりトラブルとは……頭が痛いわい』

 

 

「頼むよじいちゃん」

 

 

『こういうときだけじいちゃんと呼ぶのはどうなんじゃまったく……』

 

 

「お願いします元帥殿」

 

 

『じいちゃんでいいわい。まあ、そのブラック鎮守府のことはこれから証拠を集めてなんとかしようと思う。それについてはよく知らせてくれた』

 

 

「それで、艦娘の派遣の方は……」

 

 

『希望はなんじゃ?』

 

 

「横須賀第二支部の夕立、時雨、飛龍と元帥の所の大和をお願いしたいのですが」

 

 

『これ以上ないメンツじゃな。……ところで、お前は横須賀第二支部の現状を知っておるのか?』

 

 

「え?何かあったのですか?」

 

 

『野木提督……つまりは変装したお前じゃが、彼が鎮守府を去ってからというもの、横須賀第二支部の艦娘たちが無気力になっておるんじゃよ。最近は出撃の拒否すらするようになっとる』

 

 

「あいつらが……?」

 

 

『夕立と時雨と飛龍は無気力ながらも出撃はしてくれるんじゃが戦果は落ちとるし、金剛にいたっては部屋から一向に出てこない始末じゃ。彼女たちも今では日本を代表する主力たちの一角じゃから新たに横須賀第二支部に着任した提督たちもそんな彼女たちに酷い扱いをするわけにもいかず、次々と「自分では彼女たちを扱えません」と辞めていくというのが現状じゃ』

 

 

「そんなことになっていたんですか……」

 

 

『士官学校の4年目でお前は卒業論文の作成のため艦隊の指揮をまったくとらなくなったじゃろう?』

 

 

「確かに休日でも鎮守府には行かなくなってましたけど……まさかその時から?」

 

 

『そうじゃ』

 

 

 横須賀第二支部の提督だった俺だが、士官学校の生徒でもあったため、俺が学校へ通っている間は横須賀第一支部の提督が彼女たちもまとめて指揮していた。だが段々と彼の手が回らなくなり、代理の提督を置くようになっていた。

……そういえば、彼女たちと最後に会ったのはいつだろうか?

 

 

『儂も一時的なものだろうと気にしてなかったのじゃが、ここまでくるとのう……』

 

 

「まさか見習い扱いの提督だった俺をそこまで慕ってくれていたとは……」

 

 

『彼女たちはお前の指揮で戦うのがよっぽど好きじゃったんだろう。戦果も君が指揮をとった時の方が代理提督の時よりも良い』

 

 

「……彼女たちをこの鎮守府に受け入れることはできないのですか?」

 

 

『野木提督の正体を知っておるのはお前さんと儂だけじゃ。世間では今のお前は壊滅した佐世保の復旧を押し付けられた哀れな新人提督という扱いじゃ。しかも士官学校の成績もギリギリのライン……つまり今のお前の指揮下に彼女たちが入るとなると当然反発がおこるじゃろう。彼女たちはそれだけの戦力なのじゃ。自分たちこそが彼女たちの指揮をとる者にふさわしいだろうとお前ともめるような余計な争いを起こしたくはない。それに儂もお前だけを贔屓するわけにはいかん』

 

 

「……今回の演習の結果次第ではどうなりますか?」

 

 

『……む?』

 

 

「つまり今の俺……飯尾勇樹少佐としての実力を周りに認めさせればいいのですね?着任したての少佐が中将クラスに勝ったとなれば評価も高くなるのでは?」

 

 

『それはそうだが……本当に勝てるのか?』

 

 

「やってみせます」

 

 

『……うむ!やってみせろ!艦娘の手配は要望通り行ってやろう』

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

 

 

佐世保鎮守府近海に4つの人影があった。

 

 

「……あれが佐世保鎮守府っぽい?」

 

 

「なんていうかボロボロ……本当に機能してるの?」

 

 

「……」

 

 

「どうしたのかしら時雨?」

 

 

「いや……なんでこんなところに僕らが派遣されたのかなって」

 

 

「新人の育成のためでしょう」

 

 

「君のような歴戦の戦艦まで派遣されているんだ。気になるよ」

 

 

「教育対象は駆逐艦二隻だっけ?」

 

 

「そう言われたっぽい」

 

 

「僕らを呼びよせるなんて一体どんな提督なんだろう」

 

 

「まあ、私たちは与えられた任務をこなすだけですよ」

 

 

「……そうだね」

 

 

 

ーーーーーー演習まであと12日

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。