仮面ライダーアマゾンズwith暗殺教室Feat.Σ   作:カズミン

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物語のスタートを人肉ハンバーグのラストからシグマ編のラストに変えました。


第1話

<3年前>

 

~交差点~

 

小学生くらいの少年が交差点で横断歩道の信号が青に変わるのを待っていた。

すると少年は横断歩道の先で自分に向かって手を振っている男に気が付き、笑みを浮かべた。

「父さん!」

「清司~。」

少年―――清司(セイジ)は、横断歩道の信号が青になったのを確認して、笑顔で手を振っている男―――清司の父の元に駆け出した。

清司の父も笑顔で駆けてくる息子の姿を見て笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

居眠り運転で信号無視して突っ込んできた大型トラックに息子が轢かれるまでは・・・・・・。

 

 

 

<2年前>

~病室~

 

清司は人工呼吸器を装着されベッドの上で眠りについていた。

トラックに轢かれた後、賢明な医療処置で一命を取り留めたものの、植物状態となり、目覚めることはなかった。

清司の父は清司の眠るベッドの横にある椅子に腰かけていた。

「清司。」

清司の父は事故から1年経ち、表面上は事故以前の明るさを周囲に見せていたものの、清司の病室に訪れると、悲しみに暮れていた。

 

清司の父が花瓶の花を活け替えていると、病室のドアをノックする音が病室に響いた。

 

清司の父がドアを開けると、黒髪の少女が病室の前に立っていた。

「やぁ、あかりちゃん。よく来てくれたね。清司も喜ぶよ。」

清司の父はできる限りの笑顔で少女―――雪村あかりを病室の中に招き入れた。

「こんにちは、おじさん。」

 

あかりは「磨瀬榛名(ませはるな)」という芸名で芸能活動しており、巷ではその類稀な演技力から天才子役として人気を得ていた。

清司も交通事故に遭うまでは「真樹清人」の芸名で芸能活動をしており、あかりとも共演することが多かったため、互いの家にお泊りするまで親しくなっていた。

 

 

あかりは眠ったままの清司に、前回見舞いに来てからどんなことがあったかを3時間ほど話すと帰っていった。

 

 

清司の父は病室の窓から手を振ってあかりを見送ると、椅子に腰かけた。

 

「お前を必ず、目覚めさせてやる!絶対にだ。どんなことをしてもな。」

 

椅子に座ってからしばらく経った後、清司の父は椅子から立ち上がるとそう口にした。

その瞳の奥には強い決意と覚悟の炎が見えていた。

 

 

 

 

 

 

<現代>

~野座間製薬・某所~

 

サンルームには車椅子の老人とグレーのスーツを着こなした中年の男がいた。

 

中年の男―――野座間製薬・国際営業戦略本部長、橘雄悟は無言でレースのカーテンの向こう側にいる老人―――野座間製薬・会長、天条 隆顕に向かって頭を下げていた。

 

「研究に失敗はつきものだ。」

サンルームに天条の威厳に満ちた声が響いた。

「ハッ。」

 

「私は、そこを追求したことは、未だかつて無い。」

「だが、間違った思考については別だ。」

「あらゆる面で害を為すそれは、直ちに排除しなければならない。」

 

天条のその言葉に橘は詰め寄った。

「お待ちください!私は常に会長のご意向に沿って!」

「アマゾンシグマは物を食わぬ、とか。」

 

アマゾンシグマ

 

それは国際営業戦略本部が独自に開発した新型アマゾン細胞を死体に投与して生まれた最新型のアマゾン。

死体ベースであるそれはタンパク質を摂取する必要がないため、食人衝動に支配さない。つまりは人を喰わないかった。

橘はそれをアマゾンのベルトとともに量産化することで生物兵器として、売り出そうと画策していたのだ。

 

 

 

 

 

表向きは。

 

 

 

「はい!生命体として究極と言えます!人を喰らう旧タイプのアマゾンに比べ―――」

「もの食わぬ生物など!最弱にして、下劣!」

橘は天条の雰囲気に威圧され、押し黙った。

「私が求めるものを見誤ったな・・・橘君。」

「では、その生命体を一掃しようというトラロックは.....。」

「面白いではないか。」

「は?」

「生命に絶対はない。100%駆除するなど不可能。そこから生き残るものは必ず出る。」

 

 

 

「既存のアマゾン体の中か、」

 

実験体と称されるそれは2年前に起きた研究所から4000体近い数が脱走し、人に擬態してすり替わり、人間社会に紛れ込んでいた。アマゾンレジスターといわれる腕輪から食人衝動を抑える薬剤の供給が切れたと同時に様々な手段で人を襲い、喰らっていた。

 

 

 

「あるいは、人でありながらアマゾンとなった、鷹山仁」

 

鷹山仁

2年前まで野座間製薬でアマゾン細胞の開発をしていた彼は、人を喰らうアマゾンを生み出してしまったに責任を感じ、自らにアマゾン細胞を投与することによってアマゾンアルファとなり、ただ一人で実験体を借り続けていた。

 

 

 

「あるいは、水澤君が作り上げた第3のアマゾンか。」

 

第3のアマゾン、水澤悠

水澤令華 特殊研究開発本部長が作り上げたアマゾンで、驚異的な再生能力を持つそれは、本来私用しても外見が変化するはずのないアマゾンのベルトを使用することでより戦闘的な体へと変化を遂げることができた。

 

 

 

「そして、君が隠し持っている、第5のアマゾンか。」

 

「なっ!?」

 

「君の息子だそうだね、シグマに投与された新型のアマゾン細胞を投与した被験者というのは。」

 

「まさか植物状態の人間にアマゾン細胞を投与するとは思わなかった。実に面白い発想だ。」

「・・・。」

天条が一人話を進めていく中、橘の顔は青ざめていった。

「食人衝動は無いが、物は喰う、か。実に興味深い。トラロックを行う前に実験体の駆除をさせてみてはどうかね。」

「・・・承知いたしました。」

 

 

橘はその言葉を最後に天条に背を向けるとサンルームから立ち去った。

 

 

サンルームから立ち去ってしばらくした後に立ち止まり、橘は懐から一枚の写真を取り出した。

橘は写真を見つめると、静かに涙を流した。

 

 

 

 

 

 

 

「すまない、すまない清司。」

その写真には橘と植物状態になる前の清司、そして今亡き橘の妻で清司の母が一緒に映っていた。

 

橘は写真を懐にしまい、ハンカチを取り出して涙を拭うと再び歩き出した。

 

 

 

~研究施設~

そこでは銀色の異形の右腕をした少年が佇んでいた。

「・・・・・・アマゾンか。」

少年―――橘 清司はそう呟くと、笑みを浮かべて異形の右腕を人間の左手で撫でていた。

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