東方陰陽玉   作:咏夢

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 またまたお久しぶりです。

 どうせ読み専してたんだろ?何の事ですかね。

 なんだか勢いに任せて書いている気もしますが、許してください。


特訓「その二・弾について」

「あっ、優希さーん!」

 

 明るく声を上げた咏夢は、湖畔に座り背を向けている彼に、軽い足取りで駆け寄った。優希はすぐに振り向くと、優しく笑みを見せた。

 

「や、おはよう。早くからでごめん。」

「いえっ!私、朝は強いので!」

 

 得意げに胸を張る咏夢だが、無論起こしたのは藍姉である。それを知ってか知らずか苦笑した優希は、愛刀を拾い上げしっかり地を踏みしめると、辺りの景色を見回してから宣言した。

 

「よし、それじゃあ早速だけど始めようか。」

「お願いします!ええっと、今日は何を?」

「基本的な弾幕の練習、かな。」

 

 優希は咏夢と向かい合うと、右手をぱっと開いた。つられて彼女も真似をして、二人は互いの手のひらを見せ合うような形で、湖畔に立つ。

 

「この前、咏夢は霊力を使うって言ってたよな。」

「はい。それ以外に使えるかは、ちょっと。」

「じゃあまずは、俺に向かって撃ってみてくれる?」

 

 咏夢は特にためらうことなく頷くと、彼との距離をとって、両手を前に出した。一つ深呼吸をすると、その目は心なしか青みを増しているように見える。

 

「いきますっ!」

 

 手のひらから数センチ離れた空中が、ゆらりと虹色の光になり、半透明の白い弾を象る。いくつもの球体が、まるで夜の町に灯りが増えていく時のように、宙へ出現した。咏夢が手と足に力を込めると、それらは少しばらつきながら、優希めがけて飛んでいく。

 

「……よし。」

 

 刀を抜いた優希は、少し気持ちを整えた後で素早く振るった。磨き抜かれた刃は、心地いい風切り音と共に、咏夢の放った霊力弾へ吸い込まれるように当たる。ラグを利用して、順に刀を押し当てていくと、弾は呆気なくぱちんと弾けてしまう。

 しばらく数を増やしたり、速度を変えてみたりと、自分なりに試行錯誤していた咏夢だったが、タイミングを見計らって、二人は同時に動きを止めた。

 

「ふう……、えっと、何か分かりましたか!」

「あ、うん。攻略しやすかったかな。」

「分かりやすい……!」

 

 弾幕ごっこにおいて、攻略しやすいとはすなわち相手に有利だという事になる。つまり単純に言い換えるなら、咏夢は、

 

「まだまだ弱いって事ですよね……。」

「まだまだ成長できるってことにしておこう。」

 

 優しく笑う優希。咏夢はなおも肩を落としながら、彼にもう一度問った。

 

「それで、今の練習で何か分かりました?」

「うーん、そうだな。咏夢には、色んな面で伸びしろがあるよ。まだ真っ白な所が多い。」

「慰めるのはもう要らないんですけど。」

「本当の話だよ。だからまずは、君に決めてほしい事があるんだ。」

 

 若干拗ねているように見えた咏夢は、瞬く間にきょとんとした顔に戻って、優希と向き合った。彼は二本指を立ててみせ、まず一本を動かした。

 

「これは受け売りだけど、弾幕ごっこで攻撃に回る時に必要なのは、基本として弾の数かスピードなんだ。ただ、その……咏夢にはあまり時間が無さそうだよな。」

「……はい。」

 

 紫から告げられた猶予は、一ヶ月。それまでに、たとえ橙と戦って圧勝しろと言われたとしても、出来るようにしないといけない。……さすがに彼女に勝てる気は、あまりしないのだが。

 

「他にも、配置とか種類とか、動きとか、色々あるらしいけど、正直そこまでは教えられない。多分、そっちは橙とかの方が向いてるんじゃないか?」

 

 彼の口から、橙の名前が出たことに少し驚きつつ、咏夢は頷いた。優希の言わんとすることは、大体分かる。

 

「……あの、私あんまり霊力量に自信は無いです。」

「うん。」

「でも、強い人達に勝つには、スピードだけじゃ確実に攻略されちゃうと思うんです。だから、私、"数"で勝負してみたいです!」

「そうか……分かった。咏夢がそう思うなら、やってみよう。」

 

 優希は優しく答えると、真剣な面持ちで言う。

 

「霊力量については……うん、やっぱり詳しくないんだよな。今度、知り合いに聞いておくよ。」

「慧音先生ですか?」

「え゙っ!?あー、確かに頼りにはしてるけど、別にその、慧音しか知り合いが居ないわけでは無いし、えっと……」

「あれ?そうなんですか?」

「酷くないかな?!」

 

 優希は少し声を荒げたが、すぐにいつもの調子に戻って、しばらくの間咏夢と話し込んだ。弾の数を増やす、そのためにはまず充分な霊力が必要だがそれは追々。まずは、一度にたくさんの霊力を制御する必要がある、ということになり、一週間の間を自主練習として設ける事にした。

 

「それじゃあ、えー、頑張って。」

「はいっ!また一週間後に!」

 

 

 

 




ありがとうございました!

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