テストですか?聞かないで下さい…頭痛がしてくる。
字数少なくてスミマセン。頑張ります。
「……貴女の力は分かった。橙といい勝負をするくらいではあるみたいね。」
「あの、結局何が言いたいんですか?」
藍姉の核心を突いた質問に、咏夢もブンブンと頷く。いかにも子供らしいその様子に、苦笑いを浮かべる文も、先を促すような目線を紫に向ける。
「そう急がなくても良いのに……。まぁ、いいでしょう。」
教えてあげる、と浮かべた穏和な笑み。その奥には、やはり底知れぬ実力の気迫が、少し気を緩めれば襲ってくる。そんな気がした咏夢。
「貴女は……幻想郷に興味がある?」
「「「!!!」」」
「そ、それって……あやややや……」
咏夢は、膝の上の手を固く握った。絞り出すように、震えた声で紡ぐ。
「……もし、許されるなら……私、は……」
八雲紫は辛かった。
声をかけることも出来ない。
小さく震える肩を、今すぐ抱きしめることも。
. . . . . . .
昔そうしていたようには、もうーー。
大妖怪は、それでも厳粛な目付きを弱めなかった。彼女の言葉を、聞き漏らさぬように、と。
まさにその時、小さくこぼれ落ちたのは、涙だけでは無かった。
か細く、儚く、彼の瞬間とは違う、この声。
「会い、たい……」
「――ッ!!」
「……思い出せない……けど……私、は……」
本当は気づいているのだ。
心の奥底に眠った、眠らされた記憶が、今は隣にいない姉の在処を。
術に阻まれ、それでも尚……求め続けている。
紫は、自制心を必死に保ち続けた。彼女の本当の言葉を、せめて今は聞いてあげなくてはいけないのだ。
咏夢は袖口で涙を拭い、それでも震える声で、伝えようとする。心の中に眠る記憶を、手繰り寄せていく。
「まだ、全部は分からない……。で、も……」
出来ることなら、一切の規則を打ち破って、この子を楽にしてあげたい。だが、それは紫にとって、死すら意味する事なのだ。
咏夢が小さく息を吸う。顔を上げる、真っ直ぐな瞳。
自身で決めたこの道を、歩み出す為の一歩。
「会わなきゃ、いけないんです……。幻想郷で……私は、決めたから……っ!」
「……そう、なのね。」
「紫さま?」
近寄ってこようとする藍を、紫は片手で制した。これ以上、優しいコトバなどかけられては、泣き崩れる自信がある。と、自身で危惧していたのだ。というか事実だろう。
目をカッと開いた紫は、まずは咏夢に向かって言った。
「貴女は、幻想郷に来なさい。運命はそう囁いている。」
我ながら決まったてか今のは何か紅魔っぽかったかな、などという愚考を抱きながら、紫は藍姉へと向き直る。
「貴女は……藍姉、だったかしら。」
「は、はいっ。」
「……その力があれば、この村を任せる事は出来そうね。宜しく頼むわよ。」
「分かりました。」
珍しく言い切った藍姉を、咏夢は頼もしく思った。
紫と共に立ち上がる。いつの間にか両脇に立っていた二人の式、その間に何やら不気味なモノが。
咏夢は思いっきり顔を引き吊らせて言った。
「え、えっと……。これ、は……?」
「あぁ。紫様と共に行動するならば、慣れておいた方が良いだろうな。」
半ば笑いを含めた声で、藍がソレを眺めて言った。橙が少し背伸びをして――当人はそれが少し不満そうだったが――咏夢に一言囁いた。
行こう、と。
紫は微笑ましく思い、少し余興をすることにした。二人の肩に手をかけて、無邪気に言い放った。
「ちょっと貴女達、結界壊してみない?」
「はい?」
「ふぇ?」
「ほら。やっぱり自力で入った方が、良くないかしら?」
「……なるほど。」
「咏夢ぅ?!というか、何で私までやるんですか紫様!」
「良いじゃないの~。橙、何事も経験、よ♪」
「は、はい……。」
主に言われては仕方ない、いやまぁ主の主だが。橙は渋々頷くと、両手を前に広げた。咏夢もそれに倣う。
ニコニコしている紫と、少し心配そうな藍姉。その横で、自信有りげに見守る藍。背中に受ける個々の視線は、一人と一匹の力になる。
「"飛翔晴明"!!!」
「え!?えっと……
"飛翔晴明"!?」
「「「!!?」」」
唐突なタイミングの橙に着いていけず、ついにはとっ散らかった咏夢は……
あろうことか、橙のスペルを宣言した。
それが機能したのかは知らないが、白く淡い光を散らして、目の前が一瞬で開けた。
「……ようこそ、幻想郷へ。歓迎するわ、咏夢。」
内心面白くて仕方ない紫が、そう告げた。
博麗咏夢。前代未聞の幻想入りである。
わぁ……三人称って何だっけ(遠い目)。
ありがとうございました!
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