IS~舞い降りる黒き自由の翼~   作:zeke

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前門のシャル後門の春花

一夏SIDE

コンコン

 

「は「何!!今、廊下に響くようなすごい声が聞こえたけど」」

俺が返事をする間も無くシャルが入ってきた。ベッドに座る先輩。いい笑顔の春花。正座中の俺。

ああ、俺はもう終わりだな

「一夏あ~、これはどういう事かな?」

にこやかに笑顔で言うシャル。一見、普段と変わりない様に見えるが、とんだ落とし穴である。目が光彩を失っているのだ。

「えっとー。今日、2時に疲れて帰って来たのでベッドに横たわったらそのまま寝てしまい、朝起きたら先輩がなぜか俺の布団に入っていた状況です。はい」

「お兄ちゃん?まだ、あるよねえ」

 

 

 

春花が怖い。ジャッカル助けてくれ!マジで助けてくれ!!

『面白そうだから却下』

頼む!俺は、このままじゃ先輩を部屋に連れ込んだという冤罪がかけられそうだ!!

『自分で何とかしてみろ。俺は、おもしr・・・じゃなかった。力になれそうに無い』

今、面白そうって言おうとしたよね!2回も面白そうっていう理由を言おうとしたんか!!!

『ププ・・・・そんなわけないだろ』

じゃあ、何で笑いを堪えてるんだよ!!見ろよ春花の後ろに般若が見え始めたぞ!シャルの後ろは龍だぞ!!このままじゃ、今日が俺の命日に成っちまう!助けてくれ!!!!

『すまない無理だ』

そんなー。そうだ!ジャッカル頼む!!助けてくれ!!!

『………』

『まだ寝ているみたいだぞ』

最後の頼みの綱が切れたか・・・・・っふ、あばよ相棒達。今日が俺の命日となりそうだ

『ふふふ・・・・まあ、頑張れ』

笑いながら励ますなよ!

 

 

 

「どうしたのお兄ちゃん?言えないことなの?」

「いえ!言えます!!言います!!!だから、そのいい笑顔と口調をやめて!!!!」

兄の威厳なんて物は、今の春花のいい笑顔と今の口調の前では何の意味もなさない。何故なら春花は今にもキレそうな笑顔なのだ。何故か知らないが、どこかのヤンデレみたいに成っている。

「一夏あ~、どういう事か説明の続きをお願い出来るよね?」

にこやかに光彩を失ったまま笑顔で言うシャル。状況はまさに、前門の虎後門の狼ならぬ、前門のシャル後門の春花だ。

「その後、春花が入ってきて俺の部屋に先輩がいるのを発見し、取りあえず正座と言われたので、出正座をしている状況です。それに付け加えて、何故か先輩に今日から俺の部屋で暮らすからとさっき告げられて春花と俺が驚いたのでシャルが入ってきたという状況です。はい」

俺は、事実を言ったまでで何もやましい事はしていない。

「ねえ。お兄ちゃんは、この人がいつの間にかお兄ちゃんのベッドに潜り込んでいたか、夜に潜り込んで来たと言うの?」

「はい。左様です」

「そんな非常識な人が居るわけ無いじゃん!」

一人居るんだが、

「ラウラじゃ有るまいし、そんな人居るわけ無いじゃん!!」

「え!居たの?」

「実は、一人だけ特殊な子が居てね。間違った知識を教わったみたいなんだ」

「・・・・そうなんだ。でも、その人以外に居るわけ無いでしょ!そんな人!!」

「ここに居るわよ」

声の主は、俺のベッドに入っていた先輩。この状況を作った元凶。

「一夏が言っている事は本当なんですか?」

「ええ、本当よ。私は、昨日、彼の部屋に訪れたんだけど彼が居なかったから待たせてもらってたの。だけど、いつの間にか寝ちゃってたのよね」

 

 

「お兄ちゃん御免なさい。私の早とちりでお兄ちゃんを怒っちゃって」

「一夏。僕もゴメン。事実を確認せずに怒って」

「まあいいさ」

俺は、シュンとなる二人の頭を撫でた

 

 

「これにて一件落着ね」

先輩は立ち上がり扇子を広げた。扇子には、大成功とだけ書かれていた。

「もしかして先輩これを予想してました?」

「な、何のことかしらね?」

先輩、ボロが出てますよ。

「そんなことより!あなたの部屋で暮らすようにするから!!」

「あなたにそんな権限無いでしょう!!!」

春花、よく言った。俺は、心からそう思えた。

「私、生徒会長なのよ、これは生徒会長の権限です。拒否は認めないから。権力って便利よね~」

そうだった。この人生徒会長だった。しかし、この人が生徒会長とかこの学園終わっているだろ!ジャイアニズムだよこの人!!怖すぎる!!!

 

 

コンコン

 

「失礼します」

俺の部屋に入ってきたのは眼鏡を掛け、髪を三つ編みにしている女子。見た目からしてしっかり者の先輩だろう。

「やはり、ここに居ましたか生徒会長」

「虚ちゃん、ハハハハハハ」

「あの、あなたは?」

「これは申し遅れました。私、生徒会で会計をしております布仏 虚といいます。」

「ご丁寧にどうも有り難う御座います。私は、織斑春花です。」

「僕は、シャルロット・デュノアです。」

「俺は、織斑一夏」

「あなたは、確か無人機の襲撃の時に助けて頂いた。」

「ああ、そんな事もあったな。」

「あの時は助けて頂きありがとう御座います。」

「気にするな。」

「でも!それでは、私の気が済みません!!何かお礼をさせて下さい!!!」

「助ける力があったから助けただけだ!お礼をされる様なことはしていない」

「でも、何か!!!」

う~ん。困った!お礼を求めるために助けたわけじゃないのにお礼をさせてくれと来た。どうしよう……そうだ!!

「じゃ、じゃあ一つだけ頼む!!」

「何でしょう」

「生徒会長が俺の部屋に来て今日から自分も一緒に暮らすからと言い出したんだ!!しかも、生徒会長権限を使って!これを何とか出来ないか?」

「あなた!そんな事をやったんですか!?」

「別に、虚ちゃんに関係ないじゃん!!」

「彼が困っているじゃないですか!」

「私と居るのが嫌なの?」

涙目で訊いてくるとか卑怯でしょう!そんなんじゃあ断れないじゃないですか!?

「嫌というわけじゃあないですけど」

「やったあああ!!!!本人の同意も得られたことだし万事OKって事で」

「いいわけ無いでしょう!」

「虚ちゃん。本人の同意を得たのに何でそんな怒るのかな?もしかして、彼のことが好きなのかな??」

「ええ!!私が彼の事を好き!!!」プシュー

何故か顔を赤くする虚さん

「お兄ちゃん、またやったね」

「一夏、またやったんだね」

「何を?」

俺には、二人の言っていることが分からなかった

「「朴念仁なのは、相変わらずか」」

何か二人の小さい声がハモった気がした。

「どうした?」

「「何でもないよ!!!」」

「何でもないなら別にいいんだが」

こうして、俺の一日が始まった。余談だが、俺と春花とシャルは食事に遅れ、何も食えないまま授業に遅刻し、俺とシャルは千冬姉に朝のSHRで怒られ、春花は放課後に千冬姉に怒られた。

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