IS~舞い降りる黒き自由の翼~   作:zeke

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襲撃者

IS学園のすぐ近くに複数の影があった。数は、一人二人では、無い。十人以上の影であり、下手をすればIS学園の一クラス分にはあたるであろう人数だ。

 

「全員集合しました」

 

「はん。これが俺らの初陣かよ」

 

「仕方ないだろ、ホー。任務なんだからよお」

 

「はん。うっせえんだよ、ロウ。いちいち口出ししてんじゃねえ」

 

「緊張感を持てよホー。一個小隊を任されているんだから」

 

「うぜえ。分かってるよ、ライガ。でもよお一個小隊って言われても5人じゃねえか」

 

「そういうな、ホー。なにやら選別されたんだろう。なあ?」

 

ライガと呼ばれた少年は、報告に来た一人の男に問いかけた。

 

「はい。あなた方同様に試験を受けて選別されたメンバーです」

 

「だとよ。分かったかホー」

 

「はん」

 

「きゃはははは。戦だ!殺しだ!!ぎゃはははは!!!」

 

「レックス!今回の任務の目的は、IS学園にあるISの奪取だ。俺らの目的は、ここにいる雌豚どもの抹殺ではない」

 

「チッ!んだよいいじゃねえかちょっと位よおライガ」

 

「ダメだ。殺して不用意な警戒を与えては、目的の達成が難しくなる。雌豚共との接触は、出来るだけ避けるんだ!」

 

「チッ!」

 

「レックス!!」

 

「チッ 分かったよ隊長殿」

 

「分かればいいんだ。分かれば、な」

 

「……」

 

「どうした、オーム」

 

「…時間だ」

 

「あん」

 

オームと呼ばれた少年の指摘によってライガは自分の腕に着いている腕時計を見た。

 

「本当だ。よし、野郎共時間だ。集まれ!一個小隊も、だ」

 

ライガの指示によって複数の影が彼の近くに集まった。

 

「これから最終ミーティングを始める。まず、俺らの目的は豚共が巣くうこの豚小屋にしまわれているISを奪取すること。ここまでは、いいな」

 

ライガの質問に複数の影が頷いた

 

「よし。で、ここからが作戦内容だ。レックスとオームは、東側から潜入しIS保管庫に向かえ」

 

「…了解」

 

「いいが、なんで俺がオームと一緒なんだ?」

 

「お前が豚共と交戦した時暴走するだろうが!オーム、もしレックスが雌豚共と交戦した時に暴走したらレックスを率いて退却しろ」

 

「…了解」

 

「次にホー。お前は、東側から侵入してIS保管庫に迎え」

 

「はいはい。了解しましたよ隊長殿」

 

「最後にロウ。お前は、北から侵入して目的地に行け」

 

「了解しましたよお。で、南はどうするんだ」

 

「南は、俺が行く」

 

「成程。了解したよお」

 

「それじゃあ、全員に剥離剤を渡しておく」

 

「何で剥離剤が支給されるんだよお、ライガ」

 

「大佐からの指示だ。目的地に行けなかった場合。もしくは、目的地についても敵と交戦した場合に敵、もしくは訓練機からコアだけでもいいから奪取して来いとのご命令だ」

 

「はあ、面倒癖えよお」

 

 

 

 

「これで全員に剥離剤が入ったな。一個小隊の隊員達のところにも入ったな」

 

「「「はい」」」

 

「そんじゃあ、まあ作戦開始だ。50分後に学園に侵入し目的の物を奪取しろ。それじゃあ散」

 

ライガの掛け声とともに複数の影が散らばりIS学園を取り囲むように移動した。

 

 

 

 

50分後、ライガと彼の一個小隊がIS学園に侵入した。

「時間だな。行くぞ」

 

「はい。ライガ隊長」

 

「全員警戒を重たるな。見つかると面倒だ」

 

「了解」

 

「あいつらうまくやってるんだろうか。特にレックス。オームと一緒では、あるがすごく心配だ」

 

「隊長」

 

「すまねえ。こんな時に愚痴ってしまって」

 

「お気持ちは、お察しできますが今は、作戦中です」

 

「ああ、そうだったな。マジですまねえ」

 

「いえ。敵に遭遇していないので問題ありません」

 

 

 

 

 

 

一夏SIDE

 

「ん、この気配…」

 

「どうしたの、織斑君?」

 

俺が部屋で今までの授業内容の勉強をしていると今までで感じたことのない不穏な気配がし、背中がゾクゾクした。

 

「いえ、何でもありません生徒会長」

 

「だ か ら 楯無って呼んでよ!」

 

プーとリスの様に頬を膨らませる生徒会長をかわいいと思うが今は、そんな事を思っている場合では、無い。俺の背中がゾクゾクするということは、ヤバイことの前触れである。スネークと修行の時にいつの間にか身についたスキルである。最後の修行で、スネークと戦って勝てたのもこのスキルによるところがある。

 

「すみませんが少し出てきます。分からない所があったので織斑先生に訊いてきます」

 

俺は、そういうと急いで部屋を出た。一刻も速くこの不穏な気配の素に行かないと何か大変なことが起こりそうであったからだ。

 

 

 

一夏が出た後の部屋で楯無は異変に気づいていた

 

「ふふ、彼って嘘をつくのが下手なようね。織斑先生に分からない所を聞きに行くって言っておきながらテキストを忘れていくなんて…どうやって織斑先生に分らない所を訊くつもりかしら?まあ、用件は別でしょうからいいけど。でも、厄介ね。この気配から察するに相当な腕の持ち主が来客しているみたいね。私も出ましょうか」

 

楯無は、そういうと彼女もまた部屋を後にした。

 

 

 

ライガSIDE

 

「物まで後10分程度です。目的の建物には、着きましたが」

 

「そうか。後少しだ、全員気を抜くな」

 

「了解」

 

「全員報告しろ」

 

俺は、持っていた無線に話しかけた。

『全員現状を報告しろ』

 

『こちらホー。目的地まで後30分かかりそうだ』

 

『こっちロウ。物まで後25分位かかる』

 

『…オーム。目的地まで後20分』

 

『了解。全員警戒を怠るな』

 

俺は、そう言うと無線を切った。やはり他の奴より俺らのほうが速く目的地に着きそうだな。地図で見た限り俺ら寄りに位置する場所にあったから、仕方ないといえば仕方ない。

 

「ここまで誰とも接触せずに来ました。案外楽勝かも知れませんね」

 

「そう思うならお前の眼は、節穴だな」

 

俺らのすぐ後ろから声がした。

 

 

一夏SIDE

「そう思うならお前たちの眼は、節穴だな」

 

俺は、そう言って目の前にいる不審人物たちを振り向かせる。そして、手に持っていたフォークとナイフを不審人物の手に向かって投げつける。

 

「フッ」

 

「うあああああああ!」

 

「手が!手が!!」

 

俺が投合したナイフとフォークは、彼らの手に当たり彼らが持っていたM16や、デザートイーグル、M4A1などの武器が床に落ち、落ちた反動の衝撃の音が静かな廊下に響きわたった

 

「くそ!いつの間に!!」

 

まあ、気づかれずに来れたのはこの建物の通気路を通って来たからなんだが

 

「お前達何者だ!」

 

「…」

 

「何の為にここに侵入した!」

 

「教えると思うか?」

 

「だろうな。その身のこなしどこかの軍隊か、もしくはどこかに雇われた傭兵といった所か」

 

「はははは、半分正解だよ。そして半分は、違う」

 

「?」

 

「彼らは、金で雇われた傭兵だ。今は、軍隊化しつつあるが…そして、残りの半分は…時間切れのようだ」

 

この気配…後ろか!

 

ダダダダダダ

 

乾いた音が廊下に響き渡った。

 

 

俺は、目の前の人を掴むと後ろに向いた。

 

「ぎゃああああああああああああ」

 

俺が楯にした男の背中に銃弾は当たり、男の悲鳴が廊下に響き渡る。

 

「チッ!中ってねえのかよ!!」

 

「…助けに来た」

 

「ああ。ありがとうなオーム、レックス助かった」

 

「…その両手の怪我では、」

 

「ああ、足手まといだろうな」

 

ヤバいなここで援軍とは、予想外だ。

 

「ホーとロウは?」

 

「もうじき来るだろう」

 

マジかよ!少なくともあと2人は、援軍が来るのかよ!!だが、あの時の無人機程度の難関じゃない。

 

「よし!あいつらが来たら物を取りに行くぞ!!」

 

「…了解」

 

「了解。ぎゃはははははは俺をもっと楽しませろよ!なあ、なあ、なああああ!!」

 

ダダダダダダダ

 

俺を狙い絶え間なく弾丸の嵐が飛んでくる。そろそろ鎮圧しないと援軍がいつ来るかもしれないから不味いよな。攻撃してくる敵は、12人。行動できても攻撃できない敵が、6人か。まずは、攻撃する敵を鎮圧する。

 

「はあああああああ」

 

右手に5本のナイフと左手に5本のフォークを襲撃者達の手首に向かって投合する。

 

「くっ!」

 

「いってえええええ!!!」

 

「あああ!」

 

「ぎゃああああああ!」

 

「痛うう」

 

「くそ!」

 

「いでええええ!」

 

「あっ、くっ!」

 

「いっ痛ううう!!」

 

「はははすげえな、おい!」

 

「…我ビックリ」

 

「気を付けろ!奴の統合スキルは、並大抵じゃないぞ!!」

 

「んなこたあ、見りゃ分かるよ隊長殿。大人しくしてろ」

 

3人の会話中もひたすら弾丸の嵐が吹いている。残りの10人は、片手が使えるか。両手をふうじないと駄目だな

 

「ははははは面白いよ、お前!!!」

 

「…レックス 油断 禁物」

 

さっきよりかは、弾丸の音が少なくなったがそれでも弾丸の嵐は吹いている。俺の前には、敵の襲撃者の死体が一つある。まだ、楯として使えるな。

 

「はああああ!」

 

再び両手にナイフとフォークを持ち、投合した。

 

「「「あああああああ」」」

 

俺が投げたナイフとフォークは、襲撃者の手をやすやすと貫き左右両方の手に穴が開いている。

 

「ははははははすごいな。食事用ナイフとフォークだけで俺らを相手にし、圧倒するのかよ、おい!」

 

「我本気 出す」

 

「なら俺も本気を出すとするか!」

 

二人は、そういうと銃を捨て懐からナイフを取り出した。

 

「おらおら行くぜえええええええええええ」

 

「…行く」

 

二人は、ダッシュで走って来て斬りかかってきた。俺も懐からナイフを2本取り出して応戦する。

 

ガキン キン ギン ガキン ギン ギリ ドカ

 

幾戦もの鍔鳴り合いの末、一人の男が体勢を崩したので全力で回し蹴りを食らわした。

 

「はははは、すげえぞおい!回し蹴りを守ったら腕が一本折れたぞ!肋骨もいくつか持っていかれたぜ」

 

「…我 驚き」

 

「俺も驚いているさ。でも、こうして腕一本持っていかれたんだぜ。任務達成は、困難かもな。だからオーム。お前、物を取ってこい」

 

「我ここで足止めする」

 

「俺じゃあ無理だ肋骨にヒビが入っているから動いたら痛む。これじゃあ満足に走れない。この中で唯一お前が満足に動ける」

 

「…分かった。我行く」

 

あいつらの目的は、ここに集まるという事は、ISか!これ以上俺がいるのに盗まれるのは、嫌だな。

 

「させっかよ!」

 

「行かさせるかよ、バーカ」

 

ダダダダダダダダダダダダ

 

彼の折れていない右手には、M16が握られておりそこから弾丸が発射された。

 

「!!!」

 

俺は、急いで弾丸の軌道上から体をそらせ懐からフォークを取り出した。

 

「おらおら、次行くぜえええ」

 

彼の持つM16から再び火が噴いた

 

ダダダダダダダダダダダダダダカチ

 

「チッ、こんな時に弾切れかよ」

 

グサ!

 

俺は、持っていたフォークを相手の手に刺した。

 

「!!!いってええええええええ!!!!」

 

これで一通りの敵は、鎮圧したな。速く保管庫に向かった敵を追いかけないと!

 

バタン

 

「すまない遅くなった」

 

「ロウ!」

 

「はん。無様にやられたと」

 

「ホー!」

 

「ホー!気をつけろ。そいつは」

 

無力化した敵が言う前に俺は、現れた二人に向かって四本のナイフとフォークを投げつける。

 

「くああああ!」

 

「く!」

 

二人は躱そうと思ったのか、避けようとしたが避けきれずに小指のあたりに突き刺さったり親指の根元に突き刺さったりした。

 

「そいつは、ナイフとフォークを使って戦って来るぞと言おうとしたんだが「遅いよ!」」

 

「だが、どうする?」

 

「ああ。このままじゃ任務達成ならずで、薬を減らされるぞ!」

 

「下手をすれば貰えない」

 

「大丈夫だ。今、オームが奪取しに行っている」

 

「成程。俺たちの役目は、時間稼ぎか」

 

「お前達!ここであいつを食い止めるんだ!」

 

「「「了解」」」

 

まだ居るのか…10人程か。なら、全力を出すか!

俺は、再びナイフとフォークを取り出し銃を構えている敵の手に向かって投合し、投げ終わると同時に敵のもとに走って行く。俺が敵の所に行くとナイフとフォークがそれぞれ片手だけ貫通している敵がいた。俺は、そこから殴る。

 

「はああああああああああああああああああああ」

 

ゴキッ メキッ バキッ

 

ひたすら殴った。拳は、敵の顔 胴体 腕等様々なところに中った

 

「この野郎!!」

 

激怒した最後の敵が、ナイフを持って襲い掛かってきた。が、俺はナイフを持つ相手の顔面に回し蹴りを叩き込んだ。コキッという音とともに敵は、白目をむいて倒れ込んだ。これによって敵は、全員無力化した。

 

バタン コツコツコツ

 

敵か!…いや、この足音は、

 

「そこまでよ!」

 

決めポーズを決めながらミステリアス・レイディを身に纏った我らの生徒会長が現れた。

 

「…はあ」

 

「何よ!何よ!!織斑君溜息をつかなくてもいいじゃない!!!」

 

何て緊張感のない人なんだろうか。ほら、襲撃者の方々も皆ヤレヤレと言った顔をしているじゃないか。

 

「そんな事よりも」

 

「グスン。そんな事って何よ!そんな事って!!」

 

「ほら!後で出来る限りの範囲で何でもいう事を一つ効いてあげますから」

 

「本当!?」

 

「はいはい。それで敵が一人、IS保管庫に向かいましたよ」

 

「本当!?こうしちゃ、いられないわ。すぐに向かうわ」

 

「速く行ってください」

 

「それじゃあね」

 

生徒会長は、そう言い残してこの場を去った。

 

「さてとお前達には、これからいろいろ訊きたいことが有るからな。拒否権は、無いぞ」

 

ピピーピピー

 

「何の音だ?」

 

「全員撤退だ!」

 

「「了解」」

 

「俺がさせるとでも思っているのか?」

 

「全員眼を瞑れ!」

 

「何をs!」ピカ キイイイイイイイン

 

くそ、スタングレネードか!!

 

ドガアアアアアアン

 

今度は、何の音だ!?眼が見えねえから分からねえ

 

 

 

 

 

 

俺の眼が見えるようになった頃には、敵の影一つもなく敵が撤退した後だった。

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