IS~舞い降りる黒き自由の翼~   作:zeke

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断頭台

IS学園から2つの機体が飛び立ってから1時間。俺も2つの機体を追うように打鉄を走らせていた。俺は、かれこれ1時間20分機体を走らせている。訓練機が奪取され、専用機持ちであるIS学園の生徒会長が追撃に出たからといって俺は、安心できなかった。専用機と訓練機には、武装の他に扱いやすさ使用時間等色々な差がある。ISを知っている誰から見ても初心者と経験者の差は、歴全ともいえる。しかし、俺は、自分の学園の生徒会長が襲撃者を追ってから帰って来ていないことに不安を覚えていた。IS学園の生徒会長は、最強である。それは、俺が修行から帰ってくる前までは、事実であった。しかし、俺が帰って来てからは、その事実が大きく覆された。

俺は、思った。IS学園を襲撃しに来た無人機達を一人で何体も倒したのだ。結果として俺は、IS学園最強どころか、自分の目標であった姉をいつの間にか追い越してしまっていた。俺は、それ故に千冬姉と同じく守りたい人を守ろうと決意した。その中にいつの間にか今まで関係のなかった生徒会長 更識楯無先輩が入っていた。俺は、彼女に巻きこまれっぱなしだった。でも、そんな日常もいつの間にか楽しいと思ってしまっていた。しかし、今はその先輩と連絡が取れない。俺の頭の中に不安がよぎってしまう。ISには、絶対防御というのがある。これは、IS操縦者が死なない様に作られたものだ。そのエネルギーは、シールドエネルギーとなっていて残量がゼロになると負けとなるというのがISの表面上である。しかし、裏を返せばISのシールドエネルギーがゼロになった瞬間に攻撃されたら、生身の人間では、何も抵抗出来なくなり攻撃が当たる。IS用の武装で攻撃されたらいくらIS学園で最強であったからと言ってもなすすべは、無い。俺は、そう思うとひたすら速度を速めた。

 

『織斑もうすぐだ。その速度で後2分後に更識と接触する』

俺が打鉄で飛んでいると無線から千冬姉の報告が入った

そうか、もうすぐなのか。いくら敵が訓練機を使用しているからと言って油断は、禁物だ。俺は、気を引き締めなおした。

 

 

ダダダダダダダ

 

俺が到着すると戦闘は、もう始まっていた。先輩が一人で無人機4機と奪取されたISを纏った襲撃者と戦闘中だった。しかも最悪な事に先輩の方が押されていた。

「先輩!!」

「織斑君!?どうして来たの?」

驚いた顔で言う先輩

はあ、何を言ってんだこの人。俺は、そう思わずにはいられなかった。

「それよりも何で専用機が無いの?あなた持ってたはずよね。私と戦ったんだから覚えてるわよ」

不思議そうに尋ねてくる先輩。俺は、その質問に平然と答えた

「今、篠ノ之博士に点検してもらっている最中なので今は持っていません」

「そう。加勢に来てくれてありがとう。奪取されたISを取り戻すわよ」

嬉しそうに言う先輩。何でだろう。さっきよりも生き生きとしている。やっぱり応援が来てくれたことがそんなに嬉しいのか?そりゃあまあこんな不利な状況で俺が来たんだから戦況を変えられるかもしれないけどさ

「はい」

俺は、取りあえずそう言ってIS用の刀を持ち構える。

「…我帰還する」

襲撃者は、そう言うと一体の無人機の手を取った。無人機は、それを確認するとブースターを起動させた。次の瞬間無人機と奪取されたISは、ものすごい速さで移動し始める。いや、正確にいうなら無人機がものすごい速さで移動し始め、奪取されたISは、ただ連れられているだけである。無論、無人機の速度で移動しているため奪取されたISを纏っている人に相当のGが掛かっているがその様な事は、顔に出ていない。

「待て!」

先輩止め様とするが無人機は、奪取されたISを連れて行ってしまう。先輩は、追いかけようとするが他の3機の無人機が追いかけようとしている先輩の前に立ちふさがり攻撃してきた。成程、まだ武装は、変えてないみたいだな。なら

「行くぞ!!!」

俺は、刀を2本持ち突っ込んでくる灰色の無人機を迎え撃つ

 

 

ガキン ギシ ギギギギ ガキン ガキン ギン

 

「はああああああ」

 

ドカ ザシュ

 

俺は、突っ込んできた無人機が上段から来るので下段から対応した。幾つもの鍔鳴り合いの末、無人機を蹴り少しの隙の間に無人機の片腕を斬り落とした。

 

「損害率70%」

 

やっぱり片腕だけを切り落としてもそんなに損害を与えられないか…なら

俺は、再び刀を構えると一気に移動した。そして

 

ザシュ

 

無人機の首を斬りおとした。

無人機は、そのまま下に落ちて行った。

 

ビュン ビュン ゴー

 

が、もう一機が荷電粒子砲とビームをぶっ放してきたのだ。

 

「く!」

こっちは、訓練機しかも刀一本だ。何か投げれるものがあれば……ん、そういえば

俺は、自分の懐を探ってみるとナイフが一本残っていた。

 

「はあ」

 

俺は、ナイフを投合し無人機の肩にある荷電粒子砲を潰す。これで武装は、一つ消えた。

俺は、一気に近づくためにイグニッションブーストを使用した。一回だけ、一回だけ懐に入ることが出来ればこちらに勝利は、向く。そして、その瞬間が訪れた。

 

「そーこーだー!!!」

俺は、イグニッションブーストで無人機を間合いに詰めて乱れ切りにした。無人機の手は、斬りおとされ、ボディーはヒビと乱れ斬りによって壊れた。

 

「損傷率97% 荷電粒子砲発射します」

 

マジかよ!あれだけ壊したのに最後に荷電粒子砲を撃つことが出来るのかよ!

俺は、急いで無人機の肩に装備されている荷電粒子砲をIS用刀でぶっ刺した。

 

ズーン ドカーン!!!

 

IS用の刀は、荷電粒子砲を刺したことにより爆発が起こり粉々に砕け散った。一方の俺は、爆発が起きる前に無人機の頭を全力で拳骨したため無人機は、急速に落下して俺から少し離れた下で爆発を起こした。

後は、もう一機だな。俺が生徒会長の方を見ると生徒会長は、無人機と撃ちあいをしていた。しかし、いきなり敵からの攻撃が停止し先輩を背にするとブーストをならし始めた。

まずい!あれは、逃げる気だ!!そんなことさせねえ。

 

「おらああああああああああああああ!!!」

 

俺は、無人機に向かってイグニッションブーストで急接近し、全力で無人機の頭をぶん殴った。無人機の頭は、俺の全力のストレート+イグニッションブーストの力に耐えきれず頭がガラスの様に砕けて散って行った。無人機は、頭が無い状態でその場で停止すると真っ逆さまに海に落ちて行った。

 

「織斑君…あなた本当に人間?」

生徒会長の言葉にかなり傷付いた。生徒会長、戦いが終わった瞬間にそれは、無いでしょう。そう思わずには、居られなかった。

 

「でも、ありがとう」

生徒会長がそう言った瞬間俺の唇に何か温かいものが触れた。1秒、2秒、3秒、3秒経っても離れないそれは、生徒会長の唇だった。…唇!!!唇って、ま、まさかチッス!っあ、間違えたキスですか!?魚のキスじゃなくて、あのキスですか!?

 

ピピピピ『織斑』

 

あ、これ千冬姉と繋がってたんだ。しかも衛星カメラから見てるよね。これ、絶対に

 

「ふふふ、今 日 の お 礼」

 

生徒会長がやっと唇を離してくれた。うん、嬉しかったです。はい。だって、男だからオスだから仕方ないよね

 

『織斑、任務ご苦労と言いたい所だが』

 

やべえ!!千冬姉の般若姿が無線から鮮明に理解できる。周りにいた先生ら気絶してないかな

 

『任務中に不純異性交遊とは、いただけないな』

 

…この時俺は、死刑宣告を待つ罪人の気持ちがちょっとだけ分かった様な気がした。

 

『お前とは、今日の補習の時にじっくり話し合おう』

 

死刑宣告受けちゃいました。

 

 

 

 

 

こうして俺は、断頭台へと生徒会長と共に帰って行った。

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