一夏SIDE
「というわけで子作りをしましょう」
とんでもない事を抜かす生徒会長
「何で部屋に帰って来てそうそうとんでもない事を抜かしてるんですか、生徒会長」
俺と生徒会長が襲撃者から奪取されたISを取り逃がしたため学園に帰り、俺は、織斑先生に報告した後、部屋に帰ってくると先に部屋に帰っていた生徒会長からいきなり言われたのだ。一体どういう経緯でそんなことになるのか見当がつかない。生徒会長の発言の前には、何も子作りに関する話は何一つなかった。従っていきなり子作りの話には、ならないはずなのだ。普通。しかし、何故かこの人は行き成り子作りしようと言い出してきた。一体どう反応すればいいんだ?誰か教えてくれ!!!俺か、俺の耳がおかしいのか、それとも俺の心のうちにある願望が幻聴を生み出しているのか!?……いや、そんなことは無いはずだ
「何で子作りをしなきゃならないんですか?」
取りあえず理由を聴こう。それで、幻聴かどうかが分かるはずだ。うん
「何でもいう事をきくって言ったじゃない」
うん、言ったよ。言ったけど普通は、子作りしようと言わないよね。
「却下です。言ったでしょう出来る限りの範囲でと」
「織斑君まさか!!」
うん。やっと常識が通じたか
「男が好きだったの!?」
ズルッ
そりゃあもうズッコケましたよ。ええ、漫画みたいにそりゃあもう綺麗にズッコケましたよ。だって見当違いの事を抜かしてくる生徒会長ですからね。一体どうしたらそんな思考回路の結果になるのか興味がありますよ。
「何でこけているの?」
「あなたが見当違いな質問をしてくるからでしょうが!?」
「出来る限りの範囲で子作りできないなんて織斑君が男に興味がるのかと思って」
「違いますよ」
俺は、若干キレ気味に言った。仕方ないよね。こんな事を言われたらノーマルの人は、普通怒るよね
「それじゃあ…まさか!?」
やっと分かってくれたか
「……勃たないとか?大丈夫だよ!病院行けば治るからね、ね」
「………」
「……」
俺は、ダッシュで部屋を出た。眼から熱いものが込み上げてきたがもう気にならなかった。俺は、千冬姉の所に向かった
3人称SIDE
一夏が千冬の部屋をノックすると千冬から返事が返ってきた。
「入れ」
低い声が返事をし、一夏はそれを確認すると千冬の部屋に入って行った。眼に涙を溜めながら。
千冬は、一夏が入って来たのを見ると驚いた。今は、激減したというか、絶滅したと思っていた一夏の涙目姿がそこにあったのだ。
「千冬姉~~」
かつて幼き子供のころに泣きながら呼んだ千冬の名前を高校生の一夏が、幼き頃を思い出させるかのように呼んだのだ。千冬は、急に幼き頃の様に自分の名を呼ばれたことに対し自分の鼻を手で押さえていた。……ぞくに言う鼻血が出ていたのだ。
「どうした織斑」
鼻に手を当てながら自分の胸で泣く一夏に訊ねる千冬。はたから見たら実に締まりのない状況である。だが、一夏はそんな事を気にしていなかった。いや、気にする暇がなかった。部屋に帰ってみれば、急に子作りをしようと言われ、拒めばホモ疑惑。否定をすれば、今度は男として屈辱的な事を肯定され病院に通えば治るからという有りがたくないアドバイス。そんな一夏に他人の眼を気にするなどという心の余裕は、全く持ってなかった。故に千冬にとっては、とても嬉しいハプニングであったのだが。
「ほら、一夏泣くな。私より力が、上であるお前が泣いてどうする。私を守ってくれるんだろう?」
笑顔で千冬は、一夏の頭を撫でながら一夏に問いかけた。
「…実は、」
一夏は、しぶしぶ事の顛末を話した。帰ってきたら楯無に子作りをしようと誘われたこと。その後一夏のメンタルがどんどん削られる会話があった事など事細かに報告した。
一夏の報告を聴いた千冬は、表面上は穏やかであったが内心は、煮えくり返っていた。あの餓鬼が!私の一夏のメンタルをドンドン削りおって!!許さん。絶対に後で処刑してくれよう等と考えていたら一夏に呼ばれていた。
「千冬姉」
「学校では、織斑先生と…まあ、いい。今日だけ許す」
「ありがとう。千冬姉。もう少しこのまま」
いつもの一夏とは、思えないくらい弱弱しく言う一夏。そんな一夏の頭を撫でながら千冬は、言った
「今は、休め」
普段の千冬とは、思えないような豹変に一夏も少しばかり驚いた様に目を大きく開いたがすぐに眼を瞑った。
千冬は、心の中でお休み一夏といいながら一夏の頭を撫で続けた。その眼は、普段の彼女とは思えない程の優しい目でまるで母親が自分の子供を優しく見守るかのような様子であった。
一夏は、所詮高校生であり半人前の大人なのだ。いくら世間から男性で初のIS操縦者と話題になろうとも千冬より力が強くなろうとも、家事は全くできないが年が離れてそれなりに人生経験が多い千冬とではメンタル面では、比較にならないのだ。
「千冬姉」
ふと一夏に呼ばれ千冬が、一夏の顔を見ると一夏が千冬の顔を見ながら言った。
「これからも偶にで、いいから俺を支えてくれないか」
「……」
「ああ、いいさ。但し、強くなれよ。メンタル面でも」
その時の千冬の顔は、とびっきりの笑顔で綺麗だった。一夏は、その笑顔に見惚れてしまっていた。
書き終わるといつの間にか母親の様に優しい千冬さんになってました。何でだろう?