放課後、一夏は楯無に連れられてとある人に会うためIS学園のとあるラボの目の前に来ていた。途中箒に掴まり箒も一緒に同行することとなった。
「ここにあなたに会って欲しい人がいるのよ」
「あれ?楯無は、入らないんですか?」
「うん。あの子とちょっと会いづらいから」
「喧嘩でもしたんですか?」
「まあそんな所よ」
「それで今から会う人というのは?」
「更識 簪。私の妹よ」
「妹さんですか?」
「ええ」
「分かりました。行ってきます」
「お願い」
「一夏。私も行くぞ」
箒と一夏は、ラボの中に入っていった。一人だけ外に残った楯無が「あの子をお願いね」と呟いていた。
一夏と箒がラボに入ると目の前にISが置かれてあり、傍で見たことがある顔と楯無に似た顔つきの女の子が作業していた。見たことがある顔の女の子は、一夏を見ると「おりむー」と言って抱き着いてきた。箒は隣で驚き、楯無に似た顔つきの女の子 簪は本音の「おりむー」という言葉に反応していた。
「な、貴様、離れろ」
箒が一夏にくっついた本音を剥がそうと引っ張るがそれでも本音は離れない。
「織斑一夏。あなたが織斑一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
簪は、作業中だった為手に持っていたスパナを振り上げたまま一夏に突進していった。
突然の事に箒は対処出来ずにいた。しかし、一夏は本音を引き剥がすと本音の前に出た。
一夏に簪の持っていたスパナが振り落された。
が、一夏は簪の手首を掴み簪をひっくり返した。
「何故俺に攻撃しようとした?」
「あなたの元IS白式のせいで私の専用機開発が凍結した」
「…………そうか。すまなかった」
一夏はそう言うと簪の手首を離し、一夏はしばし考え込むと簪に向かって言った。
「俺は、これから何もしない。だから君の気のすむまで殴るなり蹴るなりしてくれ」
一夏はそう言い終わると正座で座った。
突然の一夏の発言に箒、簪、本音は驚いた。
が、簪は立ち上がり一夏めがけて手を振り下ろそうとした。
しかし、途中で手が止まった。箒が手を止めたのだ。
「箒!やめろ!!」
善かれと思ってした事に感謝されるはずだった人にやめろと言われ箒は、困惑した。
「しかし、一夏。こいつはお前に手を挙げようとしたんだぞ!」
「いいからその手を離せ!」
一夏に指摘され箒は、しぶしぶ手を離した。
「何で」
簪は疑問に思っていた。何故殴るなり蹴るなりしてくれと言ったのか
「何がだ」
「何で気のすむまで殴るなり蹴るなりしてくれって言ったの?それでどうなるの?」
「一つ目の質問の答えは、俺が知らず気付かずとは、いえ君に迷惑を掛けてしまったから。そのせいで君の専用機開発が凍結した。もう一つは、これで遺恨を終わりにして欲しいからだ。俺の事を恨んでくれても構わない。だが、表面上だけでもほかの人と同じ様に接して欲しいから」
「………………そう。分かった」
簪は、そう言うと再び手を振り上げ一夏の顔に目掛けて振り下ろされた。
パチーン
一夏の頬に赤い紅葉ができた。
「痛み分け。これであなたの言った通りにする」
思っていたよりもあっさりしたので一夏は、しばし呆けていたが気が付くと「ありがとう」と簪に向かって言った。
「なあ、このISの開発を手伝わせてくれ」
突然の一夏の発言に簪は、驚いた
「好きにすれば」
そう言うと簪は作業に戻った。一夏が簪の横顔を見ると少し嬉しそうだったが一夏は気のせいだろうと思い簪のISの手伝いを始めた。
「なあ設計図とか見せてくれないか」
作業を開始して15分後一夏が簪に向かって言った。
一夏にふとした案が浮かんでいた。それも確実にISを完成させられる案
「いいけど」
簪はそう言うと一夏に設計図を手渡した。
「なるほどこれがこのISの設計図か。名前は、打鉄弐式か」
一夏はそう言うと携帯を取り出し操作し始めた。
「おりむーどうするの?」
突然一夏が携帯をいじり出したので疑問に思った本音が一夏に尋ねた。
「知り合いがISの開発に携わっているからちょっとこの設計図を見てもらうんだよ」
一夏は、そういうと携帯で設計図を取り束に写メで送った。
「これで良し。たぶん時間があれば見てくれるは【朝も夜も恋焦がれて】もう来たみたい」
「早いね」
まあ、束さんだから仕方ないよね
一夏が携帯を見ると先ほど写メで送った画像に所々赤線がひかれ訂正されていた。
「なあ、この赤線が引かれて訂正されている所を直すといいよ」
「え!」
突然一夏に携帯を見せられ指摘されたので簪は驚いた。しかし、指摘された箇所を見ると確かに変更した方が良かったりしていた。
「あ、ありがとう。これなら一週間位で終わりそう」
「そう。それは、良かった。俺のせいで専用機開発が凍結されて本当にすまなかった」
「………それは、もういい。確かにあなたのせいで専用機開発が凍結になったけれども今こうして打鉄弐式が完成しそうだからもう気にしないで」
「……そう分かったありがとう。君は、優しいんだな」
「そう?」
「ああ。優しくて可愛い」
「え!か、か、可愛い?」
「い~ち~か~」
一夏が無自覚に簪を褒めていると箒が横から一夏の頬を引張っり始めた。
「この天然フラグ一級建築士が!また、お前は女を口説くのか!?」
ご立腹の箒だが一夏は、そんな事を知らない。というか分からない
「何をそんなに怒っているんだよ箒」
「ふん!怒ってなどいない!!」
「めっちゃ怒ってるじゃねえか!綺麗な顔が台無しだぞ」
「き、き、き、き、綺麗。そ、そんな事を言っても無駄だぞ、騙されないからな。バーカ バーカ」
箒は、「まあ、お世辞でもお前に綺麗って言われたのは嬉しいが」と小さい声で言っていたが一夏には聞こえなかった。
「箒は、普通に綺麗だと思うぞ」
一夏と箒のやり取りを見ていた本音が口を開いた。
「あ~、おりむー素で言ってるね~」
本音のその一言により箒は一気に顔が赤く成り、「一夏が綺麗って言った 一夏が綺麗って言った 一夏が綺麗って言った」とぼそぼそと呟いた。
「まあ、のほほんさんも十分に可愛いけどな」
「ふぇぇぇぇぇ!!」
突然の一夏の突然予想にもしなかった発言に本音は驚き真赤になった顔を手で隠す。
天然フラグ一級建築士の一夏にとっては、造作もない事だった。
「あ、ありがとう」
「何が?」
やはりいつまで経っても一夏は、一夏のままだった。
亡国機業のとある部屋に男は、いた。男の他に誰もいなく男の前にはPCが置かれており、その画面には5体のISが映し出されている。男は座っている椅子にもたれたままその映像を眺めている。
「これが技術長が言っていた奴らの専用機か。成程、ファントム・ハーケンの技術の結晶といっても過言ではないか。だが、しかし不安要素は、まだある。あいつら全員の手に風穴を開けた織斑一夏をどうにかしないとな………そうだ!いい交渉材料があるでは無いか!何も人質を取る必要も無い。これであいつが我々に味方してくれたら。味方にならなくても敵対しなければいいのだ。ふふふ、カードはうまく使う物だよな。だが、どうやって織斑一夏と接触するかが問題だな。何人か連れて行くか」
男はそういうとPCの近くの電話の受話器を上げ電話をかけ始めた。
「もしもし、私だ。明後日そちらから何人か連れて出かける。人員を回してくれ。ああ出来るだけの手練れを頼む」
男はそう言い終ると受話器を置き電話を切ると再び椅子に深く腰掛ける。
「これでいい。ふはははは」
男の高笑いが部屋に響き渡った。