次から一夏が大佐側に付く【堕ちた英雄(ヒーロー)】をスタートします。その後にIS学園側に残る【飛翔する翼】をする予定です。これからも読んでもらえると嬉しいです。なお、若干ストーリーが変わります。ですが結局結末は同じです。
一夏は、今、簪のラボに来ていた。一夏はラボに入ると簪に訊いた。
「 簪、打鉄弐式の様子はどうだ? 」
「 今終わった。これから第6アリーナで実戦テストをする予定 」
「 あれ?飛行テストをしなくていいのか? 」
「 実戦テストでする予定 」
「 それで相手は誰なんだ? 」
「 あ!頼むの忘れていた 」
「 はあ、仕方ないな。今から第6アリーナに行くぞ 」
「 え、でも相手が……… 」
「 相手は俺がするから 」
「 分かった 」
一夏は簪と第6アリーナに着くとギャラハットを展開した。
「 来い!ギャラハット!! 」
一夏の呼びかけに答え黒と金色の機体である彼のISギャラハットが展開される。
「 それじゃあ簪もISを展開してみてくれ 」
一夏に簪は、
「 うん 」
と言って打鉄弐式を展開する。
「 先ずは、飛行テストから 」
「 分かった。俺はこの状態で待機しておく 」
「 うん、お願い。それじゃあ上昇してみる 」
そう言うと簪は打鉄弐式を上昇させる。
上空20Mまでの所で打鉄弐式は止まった。
「 うまくいったようだな。それじゃあ下降してみてくれ 」
一夏の声がオープンチャンネルから聞こえる。どうやらコアネットワークは、機能しているようだ。
「 それじゃあ下降してみる 」
簪はそう言うと打鉄弐式を下降させる。途中ついでに加速も加える。そして、地上6Mの所で減速させ地上に降り立つ。
「 どうやらうまく起動しているようだな 」
「 次は、実戦テストをしたいから相手をお願い 」
「 分かった。それじゃあ始めるか 」
一夏はそう言うと簪と距離を取る。
「 行くよ! 」
簪はそう言うと超振動薙刀〖夢現〗を構え一夏に向かって加速し〖夢現〗を横に一閃する。一夏は、右手で腰のレールガンに付属されているビームサーベルを抜き縦に一閃する。簪はさらにブースターを吹かせ押そうとするが一夏もすぐさまブースターを吹かせ押されまいとする。簪はすぐさま頭を切り替えて背中に搭載された2門の連射型荷電粒子砲〖春雷〗を発動させ照準を一夏に向ける。
「 当たって 」
〖春雷〗から発射された弾丸は本来なら一夏に中る(あたる)筈だった。しかし、一夏は直ぐにギャラハットを急上昇させ空中で一回宙返りして攻撃を避ける。一夏に避けられたことにより〖春雷〗から発射された弾丸は、アリーナの壁に中った(あたった)。
「 す、すごい!!! 」
目の前で起こった事に簪は驚きを隠せなかった。弾丸の発射され命中するタイミングと急上昇に掛かる時間を計算してもうまく2つタイミングを合わせなければできないかなり難しい芸当だ。それが今、眼の前で起こったのだ。驚きを隠せないのも当然である。
「 な、ならば。これはどう? 」
簪は打鉄弐式の最大武装〖山嵐〗を起動させる。マルチロックオン・システムによって6機×8門のミサイルポッドから48発のミサイルが一夏に狙いを定め放たれようとした時それは起こった。
ドォ―――――――ンと言うけたたましい爆発音ととも一機の無人機が現れた。
かの様に思えた。しかし、簪は次の光景に絶望した。乱入してきた無人機の後ろに更にかなりの数の無人機が待ち構えていたのだ。パッと数えただけで10機以上はいる。
「そ、そんな」
簪は絶望的な表情を隠せずにいた。無人機一機の機動力、武装威力も未知数なのにそれが10機以上もいるのだ。二人だから単純計算をしても一人5機以上を相手にしなくてはならない。それに絶望しない方が可笑しい。
しかし、彼は絶望的な表情になっていなかった。簪は横にいる一夏を見ると驚いた。彼は、絶望的な表情に成っていなかったからだ。ゲームならこんな無理ゲーと言って諦める状況であろう状況なのに。その状況は一夏にとって絶望的な状況では
無かった。彼は、IS学園に帰って来た時に一度無人機を生身で相手にし、撃退したのだ。故に彼にとっては、絶望的な状況でも何でもなかった。
「 簪!援護してくれ!! 」
一夏はそう言うとビームサーベルを両手に持ち無人機に突っ込む。
「 い、一夏!! 」
簪は、そう叫ぶが一夏は眼の前の無人機に手を離せずにいた。
一夏は、目の前の無人機の右腕にビームサーベルを縦に斬りつける。無人機の腕は、一夏の振り下ろされるビームサーベルがあまりにも速かったため防ぐことも避けることも出来ず斬られ破壊された。だが、無人機は所詮無人なのだ。だからこそそれらは、利点を持つ。人でないが為それらは、シールドバリアを発生することもなく、絶対防御を発生させることもなくエネルギー効率がよく何よりも怯まないのだ。故にすぐに攻撃が出来る。
一夏に腕を斬りおとされた無人機は、怯むことなく直に攻撃を《簪》に向ける。無人機の腕に内蔵されている《バルカン》が火を噴き簪を襲う。
急に狙われたため反応に遅れバルカンの餌食と成った。
「 キャアアアアアアアアア!! 」
簪の悲鳴に一夏はキレ、簪を撃った無人機の腕をビームサーベルで斬り飛ばす。そして、両腕を失った無人機をビームサーベルで滅多斬りにした。一夏に滅多斬りにされた無人機は、頭、胴、脚を見るも無残に斬られ見るも無残な残骸と成った。
一夏が両腕を失った無人機を残骸にしたと同時に他の無人機達は動いた。無人機達は、簪に銃口を向ける。腕に内蔵されているバルカン。背中についているジェットストライカーから2連装多目的ミサイル ヴュルガーと3連装空対空ミサイル ヴュルガーが発射された。
例えシールドバリアや絶対防御が発生したとしてもこの弾幕の嵐を受けたら直ぐにシールドエネルギーがゼロとなりISは機能しなくなる。そうすればISもただの重い鎧と成るだけだ。この弾幕の嵐を回避することも不可能。眼の前の弾幕の嵐を受ければ私に待っているのは―――――――――――死
良くて病院送りは、確実だろう。覚悟を決めた簪。縮まる弾幕の嵐との距離。その間に黒き翼を持つ者は、舞い降りた。
「 やらせるかよおおおおおおおおおおおおお!!! 」
彼が、織斑一夏が彼女の前に舞い降りた。一夏は、全てのミサイルをビームサーベルで斬って行く。後ろに簪がいる。一つでも抜ければ直撃は、確実。一夏に斬られたミサイルは、次々と爆発を起こしながら消滅していく。やがて全てのミサイルが一夏によって斬られ消えていった。
「 ヒ、ヒーロー? 」
簪は一夏のその後ろ姿に自分の好きなヒーロー物のヒーローと姿が重なったのだ。
一夏は、フッと笑うと
「 ヒーローなんて立派なもんじゃないさ 」
と何処か悲しそうな顔で簪に向かって言う。
「 簪!今だ!!山嵐をあいつらにぶち込んでくれ!!! 」
一夏の声に簪は今のは何だったんだろうと思うが気を取りなおすとマルチロックオン・システムで山嵐の照準を全ての無人機達に合わせる。全ての照準が無人機達をロックすると発射した。しかし、一発も中ることは無かった。無人機達が全てバルカンで撃ち落としたのだ。無人機の数は、15体。一体当たり3発。撃ち落とせない数ではない。撃ち落とされたミサイルは、全て爆発した。
煙と共に現れる無人機を見て簪は絶望する。
「 そ、そんな!!!私には無理だったの? 」
そんな声を上げる簪に希望が有った。
「 いや、よくやった。マルチロックオン 」
簪が顔をあげると一夏のギャラハットから全ての射撃武装が展開されていた。
全ての射撃武装は、照準を無人機達に定めている。
「 後は任せろ。ハイパーフルバースト!! 」
一夏のこの言葉と共に全ての射撃武装から攻撃が放たれた。しかし、いつもと様子が違っていた。全ての射撃武装から放たれた攻撃はいつもと攻撃の太さが違っていた。これは、一夏がシールドエネルギーをかなり射撃武装に回したため射撃武装の
攻撃の太さが太くなったのだ。
放たれたハイパーフルバーストによって無人機達は、ひとつ残らず壊された。一夏が壊れた無人機達に近付くと一体を除いてすべて動かなくなっていた。残った一体ももう壊れかけ寸前。いつ壊れてもおかしくない様子だった。
壊れかけの無人機は、
「時間。もう、待てない………大佐……伝言」
とだけ言うと動かなくなった。
一夏は、「そうか」と呟くと無人機の残骸を背にし簪のもとに行った。
「 今のは? 」
「 どうやら無人機が最後に何かしようとしたみたいだけど途中で動かなくなった 」
「 そう。ありがとう………私、あなたの事が好きに成ったみたい 」
突然の簪の告白に一夏は、しばし無言と成る。
「………そうか、ありがとな。俺の事を好きに成ってくれて。それと、白式の所為で専用機開発が止まっちゃってゴメンな」
「 私こそ御免。一夏は悪くなかった。白式のせいじゃないって頭で分かっていた。でも、どうしても心のどこかで白式の所為にしてた。叩いてゴメン 」
「 帰るか、簪 」
そう言って一夏は、簪の手を握ると歩き出した。
「 あ、でも、無人機の事を報告しないと 」
簪の指摘に一夏は、少し立ち止まった。
「 い、一夏? 」
「 あ、いや、何でもない。ただ、怒られるのは確実だろうな~と思って 」
「 何で? 」
「 無人機襲来を知らせてないから 」
「 あ!多分知っているだろうけど知らせてなかったからかなり怒ってるよね? 」
「 うん。恐らく怒っているだろうな~ 」
一夏は、遠い目をしながら言う。簪はこの言葉にガクブル状態と成った。
「「行こう処刑台に」」
二人の諦めた声が第6アリーナに響いた。
その日一人の男子生徒と一人の女子生徒が職員室にて書類に襲われる羽目となった。
今回使用された無人機ですが、グフにウィンダム(ネオ専用機)のジェットストライカーを装備したものだと思って下さい。