連合軍のIS部隊は向かってくるレックスとオームに持っていたビームガンを一斉に射撃する。
ビームガンのビームの嵐が、レックスとオームを襲い二人のISのシールドエネルギーが削られる。
「チッ!うぜえ!!消えな」
レックスはスラスターを噴かせる事をやめて空中で停止すると、セイバーの背部に接続された2門の大出力ビーム砲【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】を展開させ、両脇で抱えると照準を前方の連合軍のIS部隊にめがけて発射する。
連合軍のIS部隊は3名ほど【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】の餌食となった。
連合軍のIS部隊はそれを見ると
「散!!」
体長機が指示を促し、それによって連合軍のIS部隊は散開する。
「ハッ!甘えよ。バーカ」
オームは連合軍の対処に鼻で笑うと身に纏うネオザク腹部に装備されているビーム砲【フレスベルグ】を発射する。発射された【フレスベルグ】は途中で曲り、4名ほど連合軍のIS部隊を飲み込む。
「たわいもねえな!」
馬鹿にするかのように笑うレックスにレックスを覆う程の巨大な赤い閃光が走った。
「!」
不意をつかれ、回避に遅れたレックスはそのまま閃光に飲み込まれる。
「レックス!!」
一夏は巨大な閃光に飲み込まれたレックスに近づくが未だ閃光は走っており、自身も巻き添えを食らう為助けに行けない。
一夏は歯がゆさで自身の唇をかみ締める。
そして、閃光もとを見ると敵母艦ガモフからの攻撃だった。
「糞が!俺がぶっ壊してやる!!」
一夏はそういうとバックパックをブラストシルエットにする。
そして、ブラストシルエットに備え付けられている高出力ビーム砲を出して両脇で抱えると【ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲】の銃口を向け照準を敵母艦のレックスを攻撃している武装へと向ける。
【ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲】の銃口にビームがチャージされ一夏が撃とうとした時、【ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲】の左の銃口が斬られた。
斬られた事により【ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲】の銃口がビームの暴走で爆発する。
「クッ!」
一夏は一瞬怯んだがスラスターを吹かせ後ろへと
そして、襲撃者の顔を見た。
襲撃者の顔は、ゲイルストライクの操縦者だった。
「邪魔を…するな!!」
一夏は、怒号と共にバックパックを高速換装しソードシルエットへと換装する。そして、自身の身長の2倍はあろう【エクスカリバーレーザー対艦刀】を連結させて左手に持つと
「ハアアアアアア!!!」
気合と共にぶん投げた。
ゲイルストライクの操縦者は両手に持つ双振りの大剣で受け止めるも自身の受け止める力よりも【エクスカリバーレーザー対艦刀】は威力があったので、バランスを崩した。
そこへ一夏は量子変換していた【高エネルギービームライフル】を右手で持つと連射する。
【高エネルギービームライフル】の銃口から緑の閃光が5発撃ち出される。
ゲイルストライクの操縦者はバランスを崩しているため回避することができずに、【高エネルギービームライフル】のビームによってシールドエネルギーが削られる。
一夏は更に【高エネルギービームライフル】を連射しながらシールドエネルギーを削り左手に【フラッシュエッジビームブーメラン】を持つとぶん投げた。弧を描きながらゲイルストライクに向かって飛んでいく【フラッシュエッジビームブーメラン】。ゲイルストライクの操縦者は
だが、周囲をあまり見ていなかったのか回避した先の後ろから一夏がぶん投げた【エクスカリバーレーザー対艦刀】が一夏にめがけて帰って来ており、その軌道線上にいたゲイルストライクは【エクスカリバーレーザー対艦刀】の巨大な刃にシールドエネルギーを削られる。
そして、ゲイルストライクのシールドエネルギーを削った【エクスカリバーレーザー対艦刀】は一夏のもとへと戻っていく。
一夏は
【エクスカリバーレーザー対艦刀】を持つとバックパックを高速換装でソードシルエットからフォースシルエットへと換装し、両手で連結させていた【エクスカリバーレーザー対艦刀】を連結を外し、それぞれ持つと
「墜ちろおおおおおおお!!!」
勢いよくスラスターを噴かせ、ゲイルストライク目掛けて急接近すると両手で持つ【エクスカリバーレーザー対艦刀】の刃部分であるレーザーをぶつける。
「ぎゃああああああ!!!」
【エクスカリバーレーザー対艦刀】と一夏の力でゲイルストライクのシールドエネルギーはゼロに成る。そして、勢いよく下の海へと吹き飛んだ。
「ハアハア、待ってろよ。今、あれをぶっ壊すから」
一夏は【エクスカリバーレーザー対艦刀】を量子変換すると、右手に【高エネルギービームライフル】に持ち敵母艦ガモフのレックスを攻撃している武装に照準を合わせると引き金を引く。
【高エネルギービームライフル】の銃口から敵母艦ガモフのレックスを攻撃している武装に目掛けてレーザーが連射され6発のレーザーがガモフの武装に当たると爆発を起こした。
爆発と共にレックスを攻撃している武装からレーザーが消失する。
『ベルセルク』
レーザーの消失と共にオープンチャンネルでレックスの声が聞こえ、レックスの姿が現れた。
一夏の視線に移ったレックス。
それは、漆黒の色へと変貌したセイバーを身に纏い虚ろな目をしたレックスだった。
「おいレックス!」
バックパックのフォースシルエットのスラスターを噴かせ、レックスに接近する一夏。
そんな一夏を見るとレックスはピクリと眉を動かし一夏の方を見る。
そして、両肩に設置されているヴァジュラビームサーベルを抜くと一夏に目掛けて斬りつける。
「!」
いち早くそれに気が付き後ろに瞬間加速を行い攻撃をよける一夏。
そんな一夏に豹変したレックスは追撃をかける。
回避した一夏に向かってセイバーのスラスターを噴かせ両手に持つヴァジュラビームサーベルを一夏が身に纏うインパルス目掛けて斬りつける。
一夏は右手に持つ【高エネルギービームライフル】を量子変換して納めるとバックパックであるフォースシルエットについている武装【ビームサーベル】を抜きレックスが振るうヴァジュラビームサーベルにぶつける。
「!力が強い。押される!!」
ヴァジュラビームサーベルを振るうレックスの力は強く、一夏がぶつけた【ビームサーベル】が押し戻されていく。
このままではまずいと思った一夏は、レックスの腹部に蹴りを入れる。
一夏の蹴りをモロに食らったレックスは背後に吹っ飛ぶ。
レックスが後ろに吹っ飛んだ事により一夏とレックスの間が空いた。
(おかしい。あのベルセルクという声を聞いた後からレックスの何もかもがおかしい)
一夏がそう思うのも無理はない。
レックスのISセイバーに搭載されているberserkシステム。搭載させたISの操縦者の命と理性を引き換えに操縦者の脳のリミッタを外しISを桁違えに強化、シールドエネルギーを操縦者の命が尽きるまで無限とし、代わりに寿命を確実に縮ませる。ヴァルキリートレースシステム通称VTシステムの男性バージョン。
所有者の願望。憎しみ、恨みをくみ取り感知する事で発動するこの狂気のシステム。
文字通り狂戦士に相応しく、何かを守るために狂いながらも守り抜く。それがこのシステムの本質である。
敵母艦ガモフからの攻撃を受けたレックスはシールドエネルギーの消費ゲージが加速していく中、とある声を聞いた。
『憎いか?』
淡々とした声。男か女かも解らない。
その問いにレックスは
「憎い」
とだけ答える。実際に声は耳を通して聞こえてきたのか解らない。答えたのも口で声を発して答えたのかも解らない。だが、確実に明確な自分の意思を示した。
『力が欲しいならば願え 憎め 怨め。全てと引き換えにそれと見合うだけの力をやろう』
そう聞こえレックスは願ってしまった。
(自分の非力さが憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!!!)
自身でも吃驚する位の憎しみが怨みがレックスを支配する。
それと同時に願ってしまった。
(俺に力を寄越せ!!俺の持つ全てをくれてやる。俺を拾ってくれた
『契約成立。貴様の命と理性を引換とし、比類なき最強としてやろう』
その声と共にレックスは意識を失った。
虚ろな眼で敵を殲滅する為だけの機械と化したレックス。
一夏に蹴り飛ばされたレックスは浮上要塞アトランティスの傍に移動し、アトランティスを護衛するかのごとく陣取っている。
「レックス!レックス!!」
何度もレックスの名を呼ぶ一夏。そんな一夏に見向きもせず、ただただアトランティスの傍にいるレックス。
そんな豹変したレックスに驚いたのは一夏だけではなかった。
「これは一体どう言う事だ!?」
ドンと指令頭の内部に設置されている机を叩き声をあげる人物、大佐。
大佐の目の前には巨大なディスプレイがあり、戦場を映し出していた。
大佐はディスプレイから流れる映像に驚かされていた。
「これは一体どういう事だ!?」
その声は驚きと共に怒声が含まれていた。
「わ、解りません!彼らのISは技術長が開発から点検までやられていたみたいなので我々には何が原因かなんて…」
ディスプレイを操縦していた部下が困惑しながら言う。
大佐は舌打ちしてディスプレイを睨みつけると
「私も出る!いざと成れば私が操縦する!」
とだけ言って指令頭を出る。
「あ、大佐!」
部下の声に振りかえらないまま指令頭を後にした。
そして、この声を物陰で盗み聞きしている者も知らぬまま。
「見~つけた~。鍵を僕の勝利の鍵をやっと見つけた!」
ニヤリと笑う秋一。その眼は狂気に歪んでいた。
「行くよデストロイ!」
自身のIMSを展開させ、大佐に襲撃をかける。
大佐は急な襲撃に反応が遅れて秋一に首を捕まれてしまう。
そして、捕まられながらも自身もISを展開させる。
「来いデスティニー!!」
自身のISを展開するも秋一のIMSとの大きさは倍以上あった。
そして、何よりも操縦者の姿を見て驚いた。
「お、お前は!?」
「さあ鍵を渡して貰おうか!このアトランティスを操縦する鍵を織斑一夏を絶望に叩き込む鍵を渡して貰おうか!」
秋一が大佐を拘束する腕の力を強めアームユニットはそれに応える様に大佐の首を絞める力を強め大佐は苦痛の表情を浮かべる。
首を絞められながらも大佐は自身の首を掴んでいるデストロイのアームユニットを掴むと
「喰らえ!」
掌部の武装 パルマフィオキーナ掌部ビーム砲を発射する。
「!……舐めるな」
秋一はデストロイのアームユニットに装備されている陽電子リフレクター発生器 シュナイドシュッツを発動させ展開させアンチビームフィールドを発生させ大佐のデスティニーが掌から発射するパルマフィオキーナ掌部ビーム砲の攻撃を凌ぐ。
「な!?」
「終りだ!貴方が死んでも鍵が残っていれば問題ない!そろそろご退場願おうか!」
胸部の3連装大口径ビーム砲【複列位相エネルギー砲 スーパースキュラ】がビームを収束し、狙いを大佐にしてロックオンさせると秋一は発射する。
大佐が撃たれながらも眼にした襲撃者の顔。それは
「織 斑 一 夏」
秋一が撃った【複列位相エネルギー砲 スーパースキュラ】は大佐のISであるデスティニーのシールドエネルギーをゼロにするとその残ったビームは大佐の背後にあったアトランティスの壁と装甲を易々と貫通させ、強大で巨大なビームは外へと放たれた。
秋一はIMSデストロイを収めると先程の攻撃でISを強制解除された地面で転がる大佐による。
そして、大佐の服を探る。
しばらく服を探ると上着のポケットに何やら直方体型のタッチパネルがあった。
他には何も無く、この直方体のタッチパネルのみ。
「これが鍵か!やっと手に入れた!!鍵を鍵を手に入れた」
嬉しそうに狂気の眼で言う秋一。
彼の傍で転がる大佐は口から血を吐き、体の所々からも出血し、左腕はあらぬ方向に曲がり重度の骨折。見る限りもう虫の息だった。
「じゃあね、おじいちゃん。いや、父さん」
秋一はクックックと笑いながらその場を後にした。