IS~舞い降りる黒き自由の翼~   作:zeke

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一夏VSレックス

「レックス!レックス!!」

 オープンチャンネルで何度もレックスに呼びかける一夏。しかし、その行動に意味はなさずレックスはただ浮上要塞アトランティスにピッタリとくっ付き護衛するかのごとく一緒に飛行している。

 前方に敵、連合軍のISである量産型IS 打鉄2機やラファール・リヴァイヴが1機近づくのを確認すると身に纏うIS セイバーのスラスターを噴かせ一気に距離を詰める。

 そして、両肩に装備されている武装【 ヴァジュラビームサーベル】を抜くと連合軍のIS打鉄に向かって斬りつける。連合軍のIS 打鉄は近接用ブレードで応戦し、ラファール・リヴァイヴは近接戦は避けるようにセイバーから距離を置くとアサルトカノンを量子変換して呼び出しレックスが身に纏うセイバーに向けて照準を合わせると引き金を引く。

 アサルトカノンの銃口から銃弾が連射され銃弾はレックスが身に纏うセイバーへと向かう。

 レックスは銃弾が発射される音に気付き回避行動を起こそうとするが打鉄2機と絶賛近接戦中。回避行動を起こそうとするも近接用ブレードが今現在振るわれており【 ヴァジュラビームサーベル】で応戦している。ただ、この3対1の状況。一件レックスが身に纏うセイバーの方が不利ではあるが実際は長期戦に成れば成るほどレックスの方が有利なのだ。相手が使うのは近接用ブレード。ビームサーベルと剣戟するために特殊加工されてはいるが剣であるが故に討ち合うたびに刃こぼれもする。一方のレックスが使うのはヴァジュラビームサーベルは剣と言うよりはビーム兵器。長期戦に成ればいずれ近接用ブレードの刃が刃こぼれして刃物が鈍器に成る。そうなれば威力が落ちるのは必然である

 しかし、一方のレックスはberserkシステムにより無尽蔵のシールドエネルギーを持っている。レックスの脳はリミッターが外され桁違いに強化されている。ヴァジュラビームサーベルを振り、打鉄が振るう近接用ブレードと剣戟しあえば一撃で打鉄は力負けしシールドエネルギーが削られながらも吹き飛ばされる。それでも、一人が吹き飛ばされればもう一人が応戦しその間に吹き飛ばされた方はスラスターを噴かせ戻って来るという戦術。

 絶え間ない連戦に普通ならばレックスは疲労を見せる筈なのだがberserkシステムにより疲れる素振りを見せず、逆に打鉄で近接用ブレードを振るう連合軍IS操縦車の方が疲労の様子を見せている。

「ハアハア、クッソ!こいつ化け物か!」

「全然疲労しないじゃない!こっちが疲労するなんて想定外よ!」

 打鉄の操縦者は二人して毒づいている。

 それも仕方のない事なのだろう。目の前には化け物と成ったIS操縦者がいるのだ。berserkシステムを使用せずとも素のレックス本人の戦闘能力が高く、IS適正もSなのだ。無論、レックスの為だけに設計された専用機であるのでIS適正が高いのは当たり前だ。故にberserkシステムを使用せずとも勝ち目はあった。

 だが、今現在berserkシステムを発動しているレックスと戦う打鉄の操縦者には短期決戦(ブリッツ)しか無かった。刻一刻と削られる自身のシールドエネルギーのゲージを見ながら一気に動いた。打鉄はそれぞれレックスの前後から近接用ブレードを振るう。そして、レックスがそれを受け止めている間にシールドエネルギーを削りISを強制解除させるという戦術をとった。

 思惑通りレックスはヴァジュラビームサーベルで振るわれる近接用ブレードを受け止める。この一瞬で決着がつくと連合軍の打鉄を操縦するIS操縦車は思い、オープンチャンネルでレックスにアサルトカノンの銃口を向けているラファール・リヴァイヴの操縦者に合図を送る。

「今よ!」

 合図を聞いたラファール・リヴァイヴの操縦者はアサルトカノンの引き金を引いた。銃口から発砲音と共に銃弾が連射され銃弾は勢い良く発射されレックスに目掛けて一直線に飛んでいく。

 発砲音を聞いたレックスは向かって来る銃弾を見ると近接用ブレードを押してくる打鉄の1機に向かって蹴りを入れ怯ませるとクルリとその場でスラスターを噴かせ一回転をする。

 一回転をしている間にもう1機の打鉄を斬りつけシールドエネルギーを削る。

 斬りつけられた打鉄は怯みスラスターを噴かせ距離を取り再びレックスに近接用ブレードを斬りつけようとするもレックスはその間にスラスターを噴かせラファール・リヴァイヴに近づく。

 ラファール・リヴァイヴはアサルトカノンでレックスを狙い撃つがレックスはスピードを落とす事無くラファール・リヴァイヴに近づく。ラファール・リヴァイヴはスラスターを噴かせ距離を離しながらアサルトカノンでレックスに目掛けて狙い撃つ。一方のレックスもスラスターを噴かせアサルトカノンの銃弾を避けながらもスピードを落とす事無くラファール・リヴァイヴに詰め寄る。グングンと近づく二人の距離。追いつめられるラファール・リヴァイヴ。

 そして、スラスターを噴かせ距離を詰めながらもレックスは更に瞬間加速で一気にラファール・リヴァイヴに詰め寄った。

 最早、中距離線の距離ではなくなった。

 レックスはラファール・リヴァイヴに向けて【 ヴァジュラビームサーベル】を振るう。ラファール・リヴァイヴはすんでの所でスラスターを噴かせ回避し、距離を取ろうとする。

 【 ヴァジュラビームサーベル】を避けられたレックスは追撃と言わんばかりにラファール・リヴァイヴに向けて両肩の武装であるビームガトリングを発射する。アサルトカノンの比では無い位に絶え間なく連射されるビームガトリングにラファール・リヴァイヴは回避できずにビームガトリングの餌食と成った。怒号の勢いで絶え間なく連射されるビームガトリングに捕えられたら逃れる術は無く、あっというまにラファール・リヴァイヴのシールドエネルギーはゼロと成り操縦者はISから強制解除される。空中から海に落ちていくラファール・リヴァイヴの操縦者を見るとレックスは背部に接続された2門の大出力ビーム砲【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】を出して止めと言わんばかりに銃口をラファール・リヴァイヴの操縦者に向ける。

 その様子を見た連合軍の打鉄の2人の操縦者は打鉄のスラスターを噴かせレックスとの距離を詰めると近接用ブレードを振るいラファール・リヴァイヴの操縦者に向けられる【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】を阻止しようとする。

 レックスは【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】をしまうとヴァジュラビームサーベルで接近用ブレードを受け止め近接用ブレードを押し返す。

余りにも強力かつ乱暴に押し返され打鉄の操縦者は後ろへ吹き飛ばされるが攻撃はまだ続いていた。

 1人の打ち鉄の操縦者に対してビームガトリングの雨を浴びせシールドエネルギーをゼロにし、もう1人の打鉄操縦者の方を向くと瞬間加速で一気に距離を詰めヴァジュラビームサーベルで滅多斬りにする。

 元々シールドエネルギーがゼロに近かったのにさらにヴァジュラビームサーベルで滅多斬りにされたので打鉄のシールドエネルギーはゼロに成った。シールドエネルギーがゼロに成ったので打鉄に強制解除される操縦者。もう一人の打鉄の操縦者は現在進行中で空中から海に向けて落下中でありラファール・リヴァイヴの操縦者はもう海に落ち終わった後で巨大な水柱を建ちあがっている。

 レックスは【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】を出すと銃口を海に落ちていく打鉄の操縦者に向ける。【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】の銃口にビームが集まり発射されようとした時、

「やめろおおおお!!!」

 フォースシルエットのスラスターを噴かせながら両手には【ヴァジュラビームサーベル】を持った一夏がレックスと落下中の打鉄操縦者の間に割って入った。両手に持つ【ヴァジュラビームサーベル】でレックスに斬りつける。レックスも【ヴァジュラビームサーベル】で応戦し剣戟を繰り広げる。

 お互いに【ヴァジュラビームサーベル】をぶつけ合い、攻防戦と成る。

 ただ、流石とも言えるのが一夏がberserkシステムによって脳のリミッターが外されたレックスが身に纏うセイバーと剣戟を行い吹き飛ばされずシールドエネルギーも削られていない事だ。常人ならばberserkシステムが発動したレックスと打ち合うだけで吹き飛ばされたりするはずなのだが一夏は吹き飛ばされる事も無くレックスと渡り合えている。勝負の差は拮抗とも思えるのだがレックスが身に纏うセイバーに装備されているのはberserkシステム。無尽蔵のシールドエネルギーを供給し、脳のリミッターを外しISを桁違いに強化する代わりに操縦者の理性を奪い寿命を確実に縮まらせる魔のシステム。はっきり言ってレックスが死なない限り一夏に勝ち目はない。

 だが、一夏がレックスを殺す事はあり得ない。

 故に一夏の負けは確定していた。

 一夏は【ヴァジュラビームサーベル】でレックスを斬りつけるもレックスに【ヴァジュラビームサーベル】で受け止められる。

スラスターを噴かせ押し切ろうとするも、その瞬間セイバーの肩に装備されている武装【ビームガトリング】が一夏に銃口を向けていた。

「!」

 そのことに気が付いた一夏はレックスに蹴りを入れて無理やり距離を離す。距離が離れるも一夏に向けてセイバーの肩に設置されている武装【ビ-ムガトリング】が勢い良く連射される。

 一夏は【ビームガトリング】のビームを食らい、インパルスのシールドエネルギーがゼロに成りかかったのでブラストシルエットを呼び出そうとするもセイバーの【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】から放たれた赤い閃光に襲われインパルスのシールドエネルギーはゼロに成った。

 しかし、レックスは更に追撃と言わんばかりにもう一度【アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲】にビームを収束し銃口を一夏に向ける。

 そして、生身である一夏に向けられ第二射が撃たれた。

 赤い閃光が一夏にどんどん迫る。もの凄い勢いなのだろうが一夏から見たらスローモーションで向かって来るようにしか見えなかった。

(ああ、これが死ぬ直前なのか)

例え一夏が強くても一夏は人間である。IS用の攻撃を受ければ死ぬし致命傷を負う。故に生身でこの向かって来る攻撃を受けたら死ぬのは火を見るよりも明らかだ。

 赤い閃光はもう直前まで迫っていた。一夏の視界には自分の所に来ようとスラスターを噴かす布仏姉妹の姿が見える。

 だが、最早彼女らがどう足搔いても間に合わない距離だった。

一夏はフッと笑い彼女らに向けて言う。

「俺について来てくれてありがとな。本音、虚」

彼女らに声は届いてはいないだろう。

一夏のその言葉と共に一夏は赤い閃光に飲まれた。

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