Fate/Grand order 人理の火、火継の薪   作:haruhime

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ぐぬぬぬぬぬ。

注意!

オリキャラが出るよ!

オリジナル展開だよ!

気になる人はブラウザバックで!


邪竜百年戦争 ーオルレアンー 初遭遇

あの最初の鍛錬から4日間、火継の薪を含めたサーヴァントたちとの戦闘訓練に明け暮れた。

 

正直なところ、ランサーやアサシンの攻撃を盾受けする訓練は何度も死にかけた。

 

興が乗ってくると盾抜いて来るんだもの。

 

腕が飛んだり、内臓こぼれたり忙しかった。

 

火継の薪が奇跡で回復してくれなかったら何度死んでいたか。

 

苦痛に対する耐性は間違いなく高まった。

 

逆に、剣で戦う訓練は楽しかった。

 

できなかった動きができるようになると、自分の成長を確認できるからね。

 

人間の一般兵相手なら割と勝てるというお墨付き貰えたし。

 

あと、弓の射線が何となく読めるようになったのも大きい。

 

ただし火継の薪が射ってくる弓矢は微妙にホーミングしてくる魔弓なので、防がないと死ぬ。なお、防いでも盾を抜いて来るので死ぬ。

 

そんな生と死の狭間を反復横跳びした俺は、たぶん人生最大のピンチに陥っている。

 

なぜかって?

 

そりゃあ……。

 

「ここは、どこなんだよーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

俺、藤丸立夏。

 

フランスのどこかの森で、一人です。

 

通信もできないとか詰んだ。

 

 

 

 

「先輩がいません!」

 

『今こっちも探してる!見つかり次第連絡するから!』

 

そういうと、ドクターは通信を遮断してしまいました。

 

「まったく、どうして問題ばかり起こすのよあいつは!」

 

所長が怒っています。

 

「おいおい嬢ちゃん、心配だからって憎まれ口たたく必要はねぇだろ。もっと素直になんな。」

 

「はぁ!?心配なんてしてるわけないでしょ!」

 

「えぇ~?ほんとうでござるか~?」

 

「ブッコロス!」

 

ああ、クーフーリンさんと小次郎さんに煽られて、所長がガンドを連射してます。

 

お二人は何の気負いもなくひょいひょい躱してますが。

 

息が切れた所長が攻撃を止めました。

 

「っち!、、、さっきの通信によれば、今は百年戦争終戦直後らしいわね、まずは現地の状況を確認するわよ。」

 

そういうと、所長は歩き出します。どこに向かうかわかっているんでしょうか。

 

「おい嬢ちゃん、どっちに行けばいいかわかってんだろうな。」

 

「っく!?」

 

「わかってなかったのかよ!」

 

クーフーリンさんの突込みが映えます。

 

そして首を横に振り、あきれた表情を浮かべました。

 

「1km位か?人の集団が見える。まずはそいつらに接触するしかねぇだろ。」

 

クーフーリンさんが槍で指示した方向に、確かに人の集団が見えます。

 

「ただ」

 

「ただ?」

 

クーフーリンさんの表情が険しいです。

 

どういうことでしょうか。

 

「いま、休戦中のはずだな?」

 

「血の匂いがしやがる、戦争中としか思えねぇ。」

 

この距離で血臭を感じ取るのですか!?

 

「まぁ、まず接触してみる他なかろう。」

 

小次郎さんは、気にした様子もなく、その方向に歩き始めます。

 

「それしかないわね。行くわよ。」

 

所長も、彼に続くように歩き始めました。

 

私とクーフーリンさんも、それに続きます。

 

近づくにつれて、確かに戦意のようなものを感じるようになりました。

 

私の中のあの人も、戦争を感じ取ってざわついています。

 

所長のことを守らなくてはいけないという、思いがこみ上げてきます。

 

気を引き締めないと。

 

見えてきたのは、当時のフランス側兵士の格好をした集団でした。

 

でも、彼らは明らかに負傷し、消耗した敗残兵の集団でもありました。

 

終戦後に、正規兵と思しき集団がこんな状況になる状況が想像できません。

 

この時代、いったい何が起きているのでしょうか。

 

その疑問を解決するべく、所長が歩哨の兵士に話しかけます。

 

「ねえあなた、ちょっと聞きたいのことがあるのだけれど。」

 

「うぉ!?なんか変な格好した集団が来たぞ!?」

 

「竜の魔女の一味だ!」

 

「もうこんなところまで来たのか!?」

 

「迎撃だ、迎撃しろ!?」

 

私たちを見たフランス兵の皆さんは、混乱しつつも包囲陣形を構築し始めました。

 

混乱していても、その練度は発揮されているようです。

 

それが私たちに向かなければいいことだったんのですが。

 

「ちょっと、話を聞きなさいよ!?」

 

「そんなわけわからん格好した奴が、竜の魔女の仲間じゃないわけないだろ!」

 

「先手必勝だ、ぶち殺せ!」

 

そういって、フランス兵たちは一斉に掛かってきました。

 

「まずは戦意を磨り潰すぞ、じゃなきゃ話が通じん。」

 

戦列に火炎弾を叩き込み、盾を吹き飛ばしながらクラーナさんが言います。

 

【然り。】

 

「ば、バケモノだ!?」

 

「どっから出てきやがった!?」

 

「やっぱ竜の魔女の仲間だったんだよ!?」

 

その言葉に同意しながら、火継の薪さんが現れました。

 

さっきまで何かしらの方法でご自身を隠ぺいしていたようです。

 

でも、どうせなら最後まで隠ぺいしたままでいてほしかったです。

 

何せ、偉大なる宮廷魔術師ナヴァーラン氏の装備を纏っているのです。

 

目の部分を皮ベルトで隠している人物は不審人物以外の何物でもないでしょう。

 

【いや、われら皆が不審なだけだろう。】

 

何を言っているのでしょう。確かに小次郎さんはこの辺りにはない衣装ですし、クーフーリンさんも青タイツです。それに、所長の悪口も時代に沿わないものではあります。

 

それでも火継の薪さんに比べればたいしたことではなさそうです。

 

「あなたのせいでややこしくなったじゃないの!?」

 

【まずは話ができる状態を作らなばな。】

 

【銘をゴットヒルトの双剣】

 

美しい装飾の施された双剣を取り出すと、ほかの二人とともに前線に飛び込んでいきます。私も行かないと!

 

「武器を弾き飛ばすだけにしなさい!」

 

「無茶を言う。」

 

「面倒だがしかたねぇ!」

 

【われらは敵ではないからな。】

 

所長の檄に答え、三人は武器をはじき、盾を吹き飛ばすだけで済ませています。

 

私も槍衾を構えている集団に盾ごと突っ込みます。

 

触れるそばから槍は砕け、盾と盾が衝突しました。

 

「だめだ!どうにもならねぇ!」

 

フランス兵たちの戦意が砕けていくのがわかります。

 

フランス兵の後備がざわついていますが、何かあったのでしょうか?

 

「隊長!ワイバーンが!?」

 

「なんだと!?前衛は一枚を残して反転!ワイバーンを迎撃する!」

 

フランス軍の隊長と思しき歩兵が指示を出しています。

 

「おい!嬢ちゃん、どう見ても翼竜が来るぞ!」

 

「なんでこの時代のフランスに翼竜が来るのよ!いいから迎撃!」

 

「知るか、そんなもん!……了解!」

 

黒の点だったものが、急速にその影を大きくしてきました。

 

かなりの数の、翼竜。ワイバーンの群れです。

 

「弓兵、射撃用意!」

 

緩降下体制をとりつつ、野生とは思えない編隊を形成したワイバーンが、牙の隙間から火を漏らしながら迫ります。

 

「斉射!」

 

隊長の命令と共に、それなりの数の矢がワイバーンを襲います。いくつかは刺さり、襲撃コースから外れる個体がいましたが、全体からすると僅かでした。

 

前衛が盾と槍を構え、後衛を守ろうとしていますが、ブレスで壊滅しそうな感じを受けました。

 

―――《火炎奔流》

 

クラーナさんの手から放たれた火炎放射が、フランス軍を超えて、迫るワイバーンを焼きました。

 

火炎放射はその鱗を焦がし、翼膜をを焼き落として飛行不能に変えてしまいました。

 

「好機だ!前衛突撃!」

 

「だぁっ!?またやりやがった!シャルル様を援護しろ!」

 

盾を放り出したフランス兵は、騎乗突撃する騎士に従い突撃を始めます。

 

対するワイバーンは、墜落の衝撃で各所を骨折し個体が多く、立ち上がれるものの数も少ない状況です。

 

飛行能力を失ったワイバーンと、フランス軍の戦闘が始まりました。

 

先鞭をつけた騎士が、突撃槍を立ち上がったワイバーンの口に突き込み、一撃で仕留めました。槍は失ったものの、数本は背に括り付けてあります。

 

人間にしては、かなりの実力を持っているようです。

 

「見ろ!ワイバーンは殺せる!メイス持ちは足を狙え!槍兵は鱗の無いところを突け!」

 

「「「「「「フランス万歳!!!!!」」」」」」

 

「行くぞ!善良公に勝利を捧げよ!」

 

「「「「「「勝利を!ブルゴーニュ公に!」」」」」」

 

フランス兵の士気が跳ね上がりました。

 

それでも、まだまだワイバーンは危険な生き物です。

 

いくつかの個体はほぼ無傷であり、一般兵では太刀打ちできそうにありませんでした。

 

「雑魚だな、こいつは。」

 

「すまねぇ、助かった!」

 

クーフーリンさんは、すれ違いざまの一撃でフランス兵に襲い掛かっていたワイバーンを刺し殺しています。

 

「それなりに固いが、遅いな。とどめは任す。」

 

「お、おう。やるぞてめぇら!」

 

小次郎さんは、振るわれる爪や尻尾を切り落とし、動けなくなった個体のとどめをフランス兵に任せています。

 

「私が抑えます、皆さんは確実に!」

 

「野郎ども!守ってもらってんだ!とっとと片付けんぞ!」

 

そして私も、まだまだ元気な個体の前に立ち、ブレスを、噛み付きを抑えています。

 

フランス兵の一隊が、矢を浴びせます。顔を集中的に狙った射撃は、右目を潰すことに成功したようです。

 

暴れるワイバーンの頭にシールドバッシュを叩き込み、頭を跳ね上げました。

 

「今です!」

 

「突き込め!」

 

十本以上の槍がワイバーンに突き立ちます。

 

鱗の無い場所、目や腹に突き立った一撃はワイバーンの動きを一瞬押しとどめました。

 

最後の反撃に、ブレスを吐こうとするワイバーン。しかし、

 

「死ねヤァ!」

 

先ほどからこの一隊をまとめている大剣持ちの、全体重をかけた突きが、ワイバーンの胸に潜り込みます。

 

根元まで突き込まれた大剣は、確かにワイバーンの心臓を貫いたようです。

 

最後に弱く鳴いたワイバーンは、頭を地面に落としました。

 

「……ふぅ。」

 

最後に、動かないことを確認して息を吐きました。

 

周囲を見渡せば、この個体が最後だったようです。

 

戦闘の音が絶えていたことに気が付かないほど、緊張していたんですね。

 

「よくやったな嬢ちゃん。」

 

「こんなでけぇ盾振り回せんのか!?」

 

「見かけと違ってすげえなぁ!」

 

フランス兵の人たちが私を囲んできます。

 

先ほどまで敵対していたとは思えません。それについて聞くと、

 

「あん?あのワイバーンと敵対してんなら、竜の魔女の敵ってことだろ?」

 

「だったら敵対する理由もねぇやな!」

 

という答えが返ってきました。

 

こちらのメンバーが、私の所に集まってきます。

 

それに合わせるように、先ほどの騎兵がこちらにやってきました。

 

「先ほどの救援、感謝する。」

 

口元を開けた珍しい形状の、黄金十字で飾られたグレートヘルムを被った騎士。

 

要所を彫金の施された鉄鎧で抑え、残りをかなり細かい鎖で覆った高価な鎧を金刺繍の入った深緑のサーコートで覆っています。

 

「私はヌヴェール・ルテル伯爵シャルル。ブルゴーニュ公より南部領連絡の命を受けている。見慣れぬ風体であるが、卿らは何者か?」

 

伯爵の問いと共に、ふたたびフランス兵が我々を囲みます。

 

「我らは遥か東方、カルデアに集った天文騎士団。その栄えある騎士団長の位を受けております、オルガマリー・アニムスフィアでございます。星見によりこのフランスの地に異常があると知り、その解決に参りました。」

 

所長がでっち上げを始めました。

 

『お初にお目にかかります伯爵閣下、星見を預かる魔術師長、ロマニ・アーキマンでございます。』

 

虚空から響くドクターの声に、フランス側にざわめきが走りました。

 

「遥か東方からか、その方らの風体にも頷ける。」

 

「は、この者たちは同道してくれた戦士達でございます。」

 

「そうか、先の戦、其方たちの合力なくば我ら武運拙く散っていただろう。改めて礼を言おう。」

 

「お言葉、ありがとうございます。閣下、一つお願いしたい事がございます。」

 

「申してみよ。」

 

「我らはこの地の異常を鎮圧する命を受けております。噂でも構いません、何かご存知ないでしょうか?」

 

「ふむ、ジョスラン!」

 

「護衛隊長ジョスラン、参りました。」

 

伯爵の呼び声に答えたのは、先ほどの大剣使いさんです。

 

黒鉄の肩当と胸鎧、脚甲と、硬革鎧を組み合わせた防具に、肉厚の大剣と細身の直剣を二本、左手に小さな丸盾を装備し、黒のマントを身に着けています。

 

かなりの重装備ですが、身のこなしは私よりも軽いかもしれません。

 

「最近の噂はないか?」

 

「最近の噂でいえば、そうですね。」

 

ジョスランさんはわずかにためを作り、

 

「火刑に処されたはずのジャンヌダルクが蘇ったって、話ですぜ。」

 

とんでもないことを言い出しました。フランス兵も、私たちもざわつきます。

 

「ワイバーンが出るって噂も、そのころ一緒に出たもんです。」

 

「ワイバーンを率い、そこの兄さんたちみたいな異装の戦士を使う竜の魔女として、フランスに敵対してるって話です。」

 

「本当かどうかわかりませんがね。」

 

最後まで語り終えると、肩をすくめました。

 

にわかには信じがたい話です。

 

「少なくとも、私が生まれてこの方、フランスにワイバーンがいなかったのは確かだ。終戦以降に出現している。」

 

『我々の記録でも、この時代のフランスにワイバーンがいるはずはない。とっくの昔に狩りつくされているからね。』

 

伯爵とドクターの言葉が、その噂を裏付けようとしています。

 

「ふむ、なかなか込み入った内容になりそうだ。まずはヴォークルール城で休むとしよう。」

 

「しかしシャルル様、ヴォークルールはあのボードクリール伯の所領ですよ。」

 

「なに、我らは既に和解している。それに、ロベール殿は珍しい人間を好むお方だ。カルデアの騎士たちを見れば、招き入れてくれるさ。」

 

「さて、カルデアの諸君。いささか歩くことになるが、まずは屋根の下で休むことにしよう。ついてきてくれるか?」

 

「ご厚意、感謝いたします閣下。……行くわよ。」

 

所長の言葉に、私たちは頷きます。先輩のことが気になりますが、まずこの時代の拠点を確保しないとどうにもなりません。

 

「全軍進発用意!隊列を組め!」

 

ジョスラン隊長が兵士たちに指示を出しています。

 

伯爵軍は精鋭なのでしょう。負傷者を抱えているにもかかわらず、瞬く間に進軍のための陣形を作っています。

 

「なかなかの練度じゃねえか。負傷兵ありでこの速さはかなりのもんだ。」

 

「うれしいことを言ってくれますね、青き騎士殿。」

 

「よせやい、アルスターの赤枝の騎士、クーフーリンだ。よろしく頼むぜ。さっきのは事実だ、よく統制が取れている。」

 

「ジョスランの指導が良いのでしょう。」

 

「はん、あんたに仕える兵が良いんだ、領主として胸を張れ。それが良き騎士を従える主の務めってもんだ。」

 

「胸に刻もう。」

 

そこから始まる騎士としての会話は、火継の薪さんも混ざって盛り上がっていました。

 

数分で伯爵軍は進発の準備を整え、伯爵の号令を待っています。

 

戦闘でくすんでいますが、日の光を浴びた鎧兜が輝きを放っていました。

 

「全軍、ヴォークルールへ進発!今日中に到着し、屋根の下で休むぞ!」

 

「「「「「「応!!!!!!!」」」」」」

 

伯爵の声に応じた領軍の戦叫は、地響きのごとく私を揺らしました。すごい迫力です。

 

「全軍、進発!ロイク、マルセルは偵察騎兵として先発しろ。道は頭に入っているな!」

 

「もちろんです!ロイク、マルセル先発します!」

 

ジョスラン隊長の命を受け、二騎の軽騎兵が、伯爵軍の旗を背に駆けていきます。

 

「さぁ、私たちも出ましょう。」

 

伯爵の声かけに、私たちも歩き出します。

 

クラーナさん以外は、全員予備の馬に騎乗させていただいています。彼女は火継の薪さんと同乗していますが。

 

私の中の人のおかげで、乗馬スキルに問題はなさそうです。

 

盾については、すぐ後ろの馬車に乗せてありますが、剣の扱いは火継の薪さんに習っているので、取りに行くまでは問題ないでしょう。

 

ヴォ―クルールどんなところなのでしょうか。そこも気になりますが、

 

それよりも、先輩を早く見つけたいものです。




ぐだピンチ。

次話はぐだメインです。
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