Fate/Grand order 人理の火、火継の薪   作:haruhime

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今回のはタイトルの通り。

ストーリーに大きな進行はありません。


邪竜百年戦争 ーオルレアンー 合流

盛大な祝いの宴の後、リモージュ子爵代行から感謝のメダリオン、金貨10枚と補給を褒美として受け取り、噂を追いかけることになる。

 

オルレアン近郊のブールジュに王室直轄軍と南部貴族軍が集結しており、たびたび受けているワイバーンの襲撃を、異装の騎士が撃退しているという噂だ。

 

あの地域に食料や武器を納入している商人たちから聞いた噂。

 

どうやら所長達は無事らしい。

 

急く気持ちを抑え、ブールジュに向かう。

 

道中で獣の耳を持つアーチャーと戦い、これを撃破した。

 

恐るべき速度で森を駆ける深緑の衣装を纏った弓兵だったが、平原に誘い込んだ後、ゲオルギウスの光の槍と雷弓の射撃で追い込み、スキルで誘引した後にバルムンクの一撃でこれを討ち取った。

 

この時、彼女は正気を失っているようだった。

 

普段の彼女ならば、たとえゲオルギウスにスキルで挑発されていても、あんな稚拙な罠にかかるとは思えなかった。

 

まぁ、正気だったら勝てなかっただろう。

 

そのあと、道中訪れたワイバーンに襲われた村に発生していたアンデットをゲオルギウスが浄化したり、獣人に襲われていた武装隊商を護衛したり、敗走していた貴族軍を支えたりしているうちに、俺たちは大所帯になっていた。

 

数百人からなる集団は、数日懸けてブールジュに到着した。

 

郊外には膨大な兵士が陣営を作り、何本もの旗が翻っていた。

 

俺たちは助けた貴族に口添えをもらって陣営に入り、商人たちは陣営のすぐそばで商売を始めている。

 

早速、周囲の商人たちと情報交換しているらしい。

 

その後、貴族は同輩たちに合流するということで、内陣あたりで別れることになった。

 

中央付近の大貴族が張っている陣幕に、これまでにもらったメダリオンや勲章、紹介状を提示して入り込む。

 

流石に、それなり以上の貴族からの紹介状を持っていると、社会的信用度が高い。まぁ、それ以外に、すでに二人の英雄譚が吟遊詩人たちによって知られているというのもあるみたいだが。

 

この辺りまで入り込むと、従者でさえ、着ている服が美麗になり、輝く鎧をまとっている兵士がほとんどだった。

 

それなり以上に目立つ俺たちは、どの天幕が目的地なのかわからなかった。

 

そこに、数人の騎士が近づいて来る。精緻な装飾が施された鎧を日光に輝かせた彼らは、俺たちを迎えに来たらしい。

 

彼らに続き、もっとも中央に配置されている、元帥旗と伯爵旗が翻る最も大きく豪華な陣幕に近寄る。そう紹介されなければ、どの旗が誰のものかわかる人間がいない俺たちには判別できなかったが。

 

そばによると、懐かしい顔が見えた。

 

入り口近くに屯しているクラーナとクーフーリンと小次郎。

 

「ふ、見違えたなマスター。」

 

「すっかり戦士の顔じゃねぇか。」

 

クーフーリンと小次郎に肩をたたかれた。二人の言葉に、心が躍った。英雄が、俺を認めてくれている。

 

クラーナは無言で俺を抱きしめてきた。心配をかけてしまあああぁぁぁぁぁ!?

 

胸に回された両腕が、俺の肋骨と背骨をギシギシと絞り上げる。

 

「お前には山ほど説教がある 楽しみに待っていろよ……。」

 

ベアハッグでサバ折を懸けられながら、耳元で囁かれた言葉に、そんな感慨は吹き飛ばされたが。

 

「おい、その辺にしといてやれよ!?」

 

「無事かマスター!?」

 

クーフーリンと小次郎が止めてくれたおかげか、最後に強く絞められた後に開放された。

 

肋骨がずきずきと痛む、ヒビ入ってないよな?大丈夫だよな?

 

「ふん!他の奴らは中で軍議中だ。とっとと行け!」

 

クラーナが俺の尻を蹴飛ばす。

 

二三歩たたらを踏むくらいの一撃だった。

 

彼女たちに手を振り、俺たちのやり取りに呆けていた騎士が慌てて開けた天幕の中に入っていく。

 

野戦陣地とは思えないほど様々な調度品が持ち込まれた天幕には、それなりの人数がいた。

 

それなりの大きさのテーブルに、三人が座っている。

 

一人は、金髪の青年貴族、背後に大剣持ちが一人控えている。一人は頬のこけた黒髪の騎士。

 

最後に、銀髪を胸元でいじる、不機嫌な我らが所長。

 

背後にはマシュと火継の薪が控えている。

 

火継の薪は、首元に毛皮をあしらった新緑のマントを羽織った鎧姿だった。

 

普通の鎧に見える格好でよかった。

 

「どこほっつき歩いてたとか、これまで何してたとか、連絡ぐらいよこしなさいよとか、サーヴァント二人ひっかけてくるとか何考えてんのとか、様子変わりすぎじゃないどうしたのとか、心配かけんじゃないわよとか、いろいろ言いたい事はあるけど。」

 

大体言ってますよね。口には出せないがそう思った。たぶんここにいる所長以外はみんなそう思っただろう。

 

言葉を重ねるたびにその手の震えが大きくなっている。

 

ああ。これは。

 

「アンタはいちいち私に面倒をおっ被せるんじゃないわよ!!!!!!!」

 

やっぱり爆発した。

 

いつにも増して切れ味鋭い罵倒の嵐が吹き荒れた。

 

 

 

 

 

 

「はぁ、軍議が終わったら覚悟しておきなさい。」

 

これ以上まだあるというのか。

 

ジャンヌやマシュの宥めによって鎮静化された所長が吐き捨てた言葉に戦慄を隠せない。

 

「だ、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」

 

懸けられた声に、疲労困憊で伏せていた眼をあげる。

 

戦場においても輝く金髪を三つ編みにした、紫色の瞳が印象的な女性。

 

白くきらめく鎧をまとった聖処女、ジャンヌダルクが金のゴブレットを俺に渡してきた。

 

中身は、うっすらと色のついた液体。

 

口に寄せると、柑橘のさわやかな香りが鼻をくすぐった。

 

「レモンと蜂蜜を水で割りました、お疲れのようですから、気付け代わりにグイっと。」

 

彼女に勧められて、口をつける。

 

酸味とほのかな甘みが、その液体を欲させたのか、思わず一気飲みしてしまう。

 

「ありがとう。」

 

「どういたしまして。」

 

一杯の盃で、先ほどまで感じていた不調が抜けた気がした。我ながら現金なやつである。

 

俺が差し出したゴブレットを、彼女は笑顔で受け取り、棚に置いた。

 

「座りなさい。」

 

所長の命令で、テーブルの空いている一辺に置かれた椅子に座る。

 

「こいつは私の部下の藤丸立夏。」

 

「よろしくお願いします。」

 

「それと、こちらの二人を紹介するわ。」

 

所長が右手の青年貴族を示す。

 

「私はヌヴェール・ルテル伯爵シャルル。南部貴族軍の取りまとめを行っている。」

 

左手の騎士を示した。

 

「私はフランス王国元帥ジル・ド・レ。王室直轄軍を指揮している。」

 

「そっちの二人を紹介なさい。」

 

二人の事項紹介が終わると、俺の後ろの二人の紹介を要求された。

 

「私は、ゲオルギウス。竜殺しと呼ばれたこともあります。」

 

「まぁ!聖ゲオルギウス様ですか!」

 

「なんと!」

 

「聖人様ですか!」

 

ジャンヌダルクを筆頭に、伯爵と元帥までもが彼のもとに跪く。

 

確かに、彼は第一級の聖人であるが信仰者はここまでの敬意を示すものなのか。

 

まるで宗教画の一幕のようだった。

 

『な!?ゲオルギウスだって!竜殺しの聖人じゃないか!?』

 

ドクターがうるさい。今の荘厳な雰囲気がわからないのだろうか?

 

「立ちなさい、同じ信仰を持つ者たちよ。それに、彼も紹介させてください。」

 

ゲオルギウスは、彼女たちを立ち上がらせる。

 

そして、ゲオルギウスの指示した先に、ジークフリートが所在なさげに立っていた。

 

「紹介に預かった、ネーデルラントの王子ジークフリートだ。すまない、偉大な聖人の後に竜を殺すしか能のない俺が出てきて、本当にすまない。」

 

二人の男性に衝撃が走った。

 

「ニーベルンゲンの指輪物語の!?」

 

「バルムンクの担い手か!?」

 

騎士物語として知っているらしい伝説の英雄を前に、二人の興奮はさらに高まったらしく、ジークフリートに詰め寄っていた。

 

かなり大人な雰囲気を纏っていたはずなんだが、今はすっかり少年のようだ。

 

「後にしなさい。」

 

所長の怒りが放たれる。

 

二人はそれまでの喧騒が嘘のように固まり、テーブルに座りなおした。

 

正直俺も固まっている。獣人やワイバーンよりも、今の所長の眼光の方が怖い。

 

「仕切り直しね。」

 

「噂で聞いているでしょうけど、今私たちはフランス全土の戦力と共にオルレアンを攻略する計画を立てているわ。」

 

テーブルの上に置かれたフランスの地図にいくつもの駒が置かれている。

 

中でも、オルレアンに置かれたいくつもの駒。

 

それに相対するように、ブールジュの二つの騎士の駒と杖の形の駒。そして、モンサンミッシェルの十字架の駒とアジャンクールの騎士の駒。

 

「現在のこちら側の戦力は、南部貴族軍の15000と王室直轄軍の13000。」

 

「モンサンミッシェルの聖堂教会の15000と、アジャンクールのブルゴーニュ善良公率いる20000、そして私たちね。」

 

所長は人間側の騎士と十字架の駒を、オルレアンの四方に置いた。完全に包囲する形にするらしい。

 

「相手は獣人兵とスケルトン、ゾンビ、それにワイバーン。これが通常戦力ね。」

 

オルレアンに置かれていた四つの駒を、包囲している駒に当てる。

 

「互いの通常戦力で戦場を固定するのよ。その後に、敵の主戦力と決戦するわけ。」

 

「多少押されるくらいは許容範囲だけど、ここで面倒なのが敵のサーヴァントよ。」

 

オルレアンの中に残っている五つの駒が、外の戦場に運ばれる。

 

「流石にサーヴァント相手じゃ、こちらの一般兵は氷が融けるように削られるわ。」

 

それはそうだ、英雄の隔絶した武技と性能の前に、普通の人間なんてひとたまりもない。

 

「相手に残っているのは、セイバー、ランサー、アーチャー、アサシン、キャスターの五騎よ。」

 

「所長、アーチャーなら俺たちが道中で撃破しています。」

 

ここに合流するまでに、アーチャーは撃破している。

 

「そう、なら計画はさらに楽になったわ。あれは素早くて不確定要素になっていたから。」

 

所長は、息を吐いて駒を一つ取り除いた。

 

まず、通常戦力でオルレアンを包囲し、敵をつり出す。

 

そのうえで、こちらのサーヴァントを敵のサーヴァントにぶつける。

 

基本的に、こちらの方が数が多く、相手は狂化されているせいで技術が低下しているらしい。

 

数と性能の差で押し切り、敵本隊をたたく戦法で行くらしい。

 

「ここで問題だったのが、あちらの切り札だったんだけど、竜殺しが二人もいる以上、むしろ的になりそうね。」

 

「敵は、ファフニールを召喚しているわ。」

 

ファフニール。ジークフリートに討たれた、強大な竜。幻想種でも最強の格である竜種の中でも知名度が高く、その霊格は高いだろう。

 

「ファフニール、二度目も俺が必ず討ち果たそう。このバルムンクに誓って。」

 

ジークフリートが大剣を抜き放ち、掲げて誓いを述べた。

 

「頼むよ。」

 

「なら私はジークフリート殿のお手伝いと行きましょう。二人なら安全かつ手早く狩れるでしょうから。」

 

ゲオルギウスが協力を申し出る。闘争の果ての勝利の因果を持つジークフリートに、別物とはいえ竜種を討ち果たし、竜殺しの因果を持つゲオルギウスが協力したとき、ファフニールの勝利は限りなく不可能に近いはずだ。

 

「そうね、これで火継の薪が完全に自由になった。私たちの守りについてもらいましょう。」

 

どうやら竜殺しは火継の薪に任せる予定だったらしい。

 

依然聞いた話では何体もの竜を討ち果たしたという話だったし、妥当な選択肢だろう。

 

彼がマスターたちの守りについた以上、最強戦力による奇襲がむしろ悪手になるだろう。

 

起死回生の一手が、そのまま切り札を捨てることになるのだから。

 

「偉大な竜殺し二人の協力を得られた以上、我らの勝利は固いですね元帥。」

 

「伯爵、まだまだ油断はできません。しかし、道筋は見えましたね。」

 

希望を見いだせたのだろう、伯爵と元帥が晴れ晴れとした表情で、声をあげて笑っている。

 

サーヴァントなしであれらと戦ってきたのだから、当然の反応だろうと思った。

 

超絶の存在が味方にいることが、どれだけの安心をもたらすかは、あの冬木で経験している俺にはわかる。

 

「とりあえず方針は共有できたわね、今のところ襲撃はここにしか行われていないようだし、三日後には包囲にかかる。」

 

「警戒要員を除いた全戦力に休息を命じるわ。4日後を決戦と覚悟なさい!」

 

所長の檄に、皆が応じる。

 

伯爵と元帥は陣幕を飛び出し、旗下の戦力に今後の予定を通達している。

 

それをしり目に、俺たちはカルデアに提供された天幕に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はこのくらいにしてあげるわ。」

 

「まだまだ足りないが、体調を崩されても困るしな。」

 

所長とクラーナによる、ナイフで切り裂かれるようなお説教が終わった。

 

すでに俺の心は再起不能である。

 

天幕の外は篝火が焚かれる時間になっている。おい、到着したとき、まだ太陽は中天になかったはずだぞ。

 

正座から立ち上がろうとして立てず、顔面から崩れ落ちた。

 

「だ、大丈夫ですか先輩!?」

 

マシュが慌てて助け起こしてくれるが、たぶんしばらく立てない。

 

靴を履いたまま正座するとつらい。あと絨毯が敷いてあっても地面の凸凹は予想以上に痛いという知見を得てしまった。できれば知りたくなかった。

 

『あー、大丈夫かい立夏君。』

 

「大丈夫じゃないけど、大丈夫です。」

 

恐る恐る声をかけてきたドクターに返答する。

 

『需要なことだから後回しにはできないんだけど、魔力供給のパスをつなげなおしたいんだ。』

 

「すぐにやりましょう。」

 

正直、魔力供給が重すぎて、寝ても体力が回復しなくなっているので早く。

 

『痛いかもしれないけど、頑張ってね?』

 

痛いの!?

 

『シバによるマスターの捕捉完了。』

 

『発電システム戦闘モードに移行。魔力変換正常稼働。』

 

『ガイドライン、確立します。』

 

天幕を突き破るように、白い光の線が、俺の胸に突き立った。

 

「大丈夫ですか、先輩!?」

 

『確立を確認、魔力出力向上。』

 

『レイライン、投射します。』

 

艶のある、聞いたことのある女性の声とともに白い光の線は一気に拡大し、膨大な魔力が俺に注ぎ込まれる。

 

俺を経由して各サーヴァントに魔力が分配されるのが見えた。

 

「あふんっ!?」

 

マシュが顔を赤く染める。

 

急激な魔力供給は、体に負荷が掛かるみたいだしなぁ。

 

全身の魔術回路に沿って疼痛が駆け巡っている。

 

魔術回路を取り出して洗いたいくらいだ。

 

『レイラインの接続安定を確認。お疲れさまでした、立夏君。』

 

光の柱が消えていく。同時に、過剰な魔力供給で見えていた分配の道も消えた。

 

聞き覚えがある声だと思っていたが、思い出した。無駄に色っぽいオペレーターさんだ。

 

「ありがとうございます。」

 

礼を言って、立ち上がる。

 

魔力が流し込まれたときに、痺れも抜けたらしい。

 

疲労感はすごいが、まぁ、動けそうだ。

 

『無事に魔力供給が回復できて何よりだ。叫ばないとはびっくりだなぁ。』

 

そのレベルが想定されていたのか!?

 

『膨大な魔力を一気に流し込むわけだからね、回路が焼き切れたっておかしくないから。』

 

通信に参加してきたダヴィンチちゃんの言葉が軽い。

 

『まぁ、その辺の調整はこの天才たる私がしている以上、回路が焼き切れるなんてありえないけどね!』

 

『君はまたぎりぎりまで魔力量を増やしていたじゃないか!』

 

『仕方ないだろ!想定よりも彼の容量が増えていたんだから!』

 

二人で言い合いが始まった。当事者の自分を置き去りにして。

 

 

 

 

 

 

 

あの後、いろいろあった。

 

決戦前の祝いということで、宴会が始まった。

 

英雄たちは酒に強いらしい。

 

クーフーリンや小次郎は兵士たちと大騒ぎしていたし、ゲオルギウスやジークフリートは周りを伯爵や元帥、騎士たちに囲まれて英雄譚を語っていた。

 

全員とんでもない量の酒を飲んでいたようだが楽しんでいるようだった。

 

一方俺はクラーナと所長に挟まれ、絡まれていた。

 

所長は手のゴブレットにワインを満たしては飲み干している。

 

その胸元は緩められ、白い肌が赤く染まっていた。意外に大きい谷間に、俺の右手が埋まっている。

 

その瞳は熱に浮かされたように潤み、呼吸は荒く、落ち着きがない。

 

「あんらねぇ、わらひのいうこりょ、ききにゃさひよぉ。」

 

どう考えても酔い過ぎのぐでんぐでんまりーと化していた。

 

まったく色気がない、酒臭すぎて魅力半減以下だった。

 

「この馬鹿弟子が、私に心配させるなど百年早い。」

 

クラーナも大して変わらない。

 

むしろ小さめの樽から直接すくって飲んでいるのでむしろたちが悪い。

 

彼女はフードを下ろしていた。

 

火の光に煌く胸元までの銀灰の髪と恐ろしいほどの美貌、雪花石膏(アラバスター)の肌に浮かぶ碧玉の瞳には揺れる火の輪が輝く。

 

起伏はないものの、全体のバランスに優れた体を押し付けられている。

 

女性ならではの柔らかさを感じていると、高い体温とともに、酒精の香りに包まれてしまう。

 

本来だったら、両手に華の素晴らしい状況なのだろうが、周囲はこちらに視線を合わせようともしてくれない。

 

完全にいけにえである。

 

「にょみなしゃいよ。」

 

「飲め。」

 

なみなみ注がれた柄杓とゴブレットを突き出される。

 

飲まないとひどいことになるのは、さっきまでの時間で明らかになっている。

 

柄杓を飲み切り、間髪入れずにゴブレットの中身を乾す。

 

イングランド軍から分捕ってきたらしい北のワイン。

 

貴重なはちみつで味付けされたそれは、かなり甘い。

 

クーフーリン曰く、彼が飲んでいたそれに近いらしい。

 

「しょれでいいのょ。」

 

「よく飲んだ。私も飲むぞ。」

 

二人は一気に機嫌よく飲みなおし始める。

 

いつ終わるんだ、これは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、ずいぶんと飲まされてしまった。

 

割と危険な状態な気がしたので、マシュに抱えられつつ退出した。

 

二人のいけにえ役に、火継の薪を供することができたので何よりである。

 

主の危機を救おうともしなかった騎士に、殿を任せたかったので。

 

どうにか、カルデア用天幕近くまでこれたらしい。

 

頭がボーっとする。

 

とりあえず休ませてくれ。

 

意識が飛び去って行く。

 

なんかひんやりしている。

 

「先輩、地面はお布団じゃありませんよ!?」

 

おや、こんなところに柔らかいものが。

 

「うやぁっ!?」

 

暖かい。

 

「あわわわわわ!?」

 

やかましい。

 

おやすみ。




有名な騎士物語や聖人伝説、竜殺しの英雄が目の前にいたらこうなるよね、っていう話。

魔力供給路が復旧しました。

登場人物

声とか動きとか、無駄に色っぽいオペレーター。

カルデアにいるオペレーターの中で、エロい方のオペレーターと呼ばれている。。

外見的には、黒髪のインド系美人。凹凸がすごいことになってるダークエルフ系長身美人。

サーヴァントだと多分黄金律(体)とかフェロモンとか魅惑の美声を高ランクで保有している。

外見的には金髪の北欧系美少女。凹凸が逆にすごい方のエルフ系合法ロリな相方のおとなのれでー(笑)の方のオペレーターがいる。

当カルデアで紅茶の毒牙にかかるのはこっちのれでーという設定の予定。

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