Fate/Grand order 人理の火、火継の薪   作:haruhime

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2日連続投稿だおらぁ!(原稿を叩きつける音

ローマ文化を満喫するぐだ男。

読まなくてもストーリー的に何の問題もなかったりする。

今度の被害者は幼女様だ!(白目


永続狂気帝国 ―セプテム― 偉大なるローマ

素晴らしい目覚めだ。

 

外を見れば、雲一つない快晴らしい。

 

今日は非番の護衛達とローマをめぐる。

 

出歩くにはいい天気だった。

 

商人の家はとんでもなく巨大なものだった。

 

ローマ城壁の外ではあるが、小さな砦のようなものだ。

 

3m以上の石壁と頑丈な櫓を持つ外周部には、常に解放奴隷からなる重武装の私兵が展開。

 

アウレウス街道に面した正門は荷車がすれ違えるだけの大きさがあり、頑丈な鉄格子が打ち付けられた木の落とし扉が巻き上げられている。

 

周囲には狭いとはいえ水濠があり、防御力は明らかに高い。

 

一辺300mはくだらないだろう広大な敷地には、私兵、奴隷用の集合住宅、訓練場、厩舎、武器庫、商品倉庫のある区画を挟んで第二の壁と門があり、その内側に四階建ての自宅がある。

 

自宅はかなり金のあることを示す豪華なつくりと内装であった。

 

客間は自宅の三階にあり、美しい布を何重にも重ねた寝具に横たわって眠る経験は貴重なものだろう。

 

シフにも、同じく布を敷き詰めた寝床が用意されていた。

 

彼はその上で目を瞑っている。

 

「じゃあ、行ってくるよ。」

 

シフには予定を告げているが、ここから出るつもりはないらしい。

 

尻尾を一振りして、そのままだ。

 

 

 

 

 

 

 

商品の納入と搬出で大騒ぎな広場を抜け、積み荷を満載した荷車をよけつつ街道に出ると、二人の男が立っていた。

 

「よ、待ってたぜ立夏!」

 

「今日はよろしく。」

 

筋骨隆々の大男、不思議と人の好さを思わせる表情を浮かべているのは、剣闘士(グラディアートル)と呼ばれる私兵隊長。

 

ぼそりと声をかけてきたのは、ジルドレ元帥に似た感じを受ける線の細い男、(ウェントス)と呼ばれる斥候頭。

 

奴隷になる前の名前を捨てた連中ばかりで、主である商人が見た目からつけているらしい。

 

「もうちょっと元気出せよウェントス!」

 

「お前は暑苦しいんだよ、寄るなグラディアートル!」

 

相変わらず仲がいいな、この二人は。

 

グラディアートルは見た目通りのバカ力を持ち、総鉄製の長槍を棒切れのように振り回す男、しかしそれだけではない技巧派の戦士だ。

 

あの見た目で騎乗戦闘に騎乗射撃だってこなせる精鋭である。

 

ウェントスは筋力こそ弱いものの、アサシンに匹敵する隠形と暗殺術を持っている。

 

あの襲撃の時は族長と御付を暗殺して混乱させていたっけ。

 

二人には道中、稽古をつけて貰っていた。

 

今日はたまたま無聊をかこっていた二人に、お礼がてら奢る予定だ。

 

「それじゃ、案内よろしく。」

 

「任せとけ!」

 

「うまい飯屋なら任せろ。」

 

二人と連れ立ち、ローマ市街を目指す。

 

 

 

 

 

 

「どうだ、ここの飯は!」

 

「旨いな。」

 

「それは良かった。」

 

昼間っから高いワインをがぶ飲みしているグラディアートルと、帝都では中々手に入らない最高級の蜂蜜酒を飲むウェントス。

 

彼らに連れられて入った軽食堂(バール)は、とんでもなく料理の上手い親父がやっている店だ。

 

昔は看板娘がいたらしいが、結婚していなくなったらしい。

 

ちなみに嫁さんは学があるらしく、教師の仕事をしているため、親父一人で切り盛りしている。

 

さっきから食べている豚の串焼きは、魚醤(ガルム)で何度も味付けされ、炭焼きされているため、非常に香ばしい香りを楽しめる。

 

ワインと喧嘩しそうな香りだが、これが意外とあっていてびっくりだ。

 

豪快に焼き上げたローストチキンも、表面が香辛料入り蜂蜜ソースを重ね塗りされ、あめ色に輝いている。

 

大椀に盛られた豆入り麦粥(プルス)もほんのりと魚の出汁が聞いていて旨い。

 

ソーセージや魚肉団子が入ったスープが黄金色に輝いて複雑な味と香りを誇っていた。

 

何者なんだ、ここの親父は。

 

現代の高級レストランに匹敵する料理を出してくるとは。

 

しかもこれが銅貨で食えるというのもおかしい。

 

大損していると思うのだが、どうなっているんだ?

 

一口一口、感動と疑念にさいなまれながら食事を進めていく。

 

そういえば、さっきから気になっていたんだが。

 

「この店だと鉛の器は使わないんだな。」

 

古代ローマにおいて、ワインを鉛の器で飲む風習があったことは有名だ。

 

「ん?ああ、ここの親父が体に悪いから絶対に使わん、って言うんでな。」

 

「実際、鉛の器を使わなくなり、主も体調がよくなった。」

 

「その話が広まって、この店に来る連中は皆鉛の器を使わなくなってるって話だ。」

 

二人が酒を飲む合間に、交互に説明してくれた。

 

鉛中毒の危険を知っているとは、ますます不思議な店主だ。

 

まぁ、そんな疑問も、ここの料理のうまさが吹き飛ばしてくれる。

 

どうでもいい、これが食えればいいのだ。

 

「そういうこった、ここで飯を食う連中は、お互い誰か詮索しないことになってる。」

 

「そして敵対している政敵や商売敵でも、ここでの争いはご法度だ。」

 

「さもないと、鉄張りした大盾(スクトゥム)を素手で殴り壊す店主にぼこぼこにされるからな。」

 

騎兵長剣(スパタ)を折ったんだろ、素手で。」

 

「親衛隊の百人隊長三人を同時にぶちのめして通りに叩き出したのは有名だ。」

 

「え、親衛隊相手の百人組手で圧勝したんじゃなくてか?」

 

「逃げ出したライオンを素手で締め上げて落としたこともあったはずだぜ!。」

 

「暴れた象を殴っておとなしくさせた、だろ?」

 

「兄ちゃんもここで暴れないように気をつけな!」

 

周りにいた客たちが参戦してくる。

 

逸話が出てくる出てくる、ますます何者なんだ店主。

 

蛮族かなんかか。

 

「てめぇら、好き勝手言ってくれるじゃねぇか!」

 

奥から店主が出てきてしまった。

 

波打つ黒髪をまとめ、後ろで一つ縛りにした、浅黒い肌を持つグラディアートル以上の大男。

 

暴力的なまでの筋肉を、無理矢理服に詰め込んでいる感じだ。あらゆる場所がピッチリしてしまっている。

 

持っている大きな肉切鉈が小さく見える位、存在がでかい。

 

あと顔が蛮族過ぎて血みどろの鉈が似合いすぎてヤバい。

 

「事実だろうがよ!」

 

「俺たち嘘はついてねぇぞ!」

 

「神話並みの行動する店長に問題がある。」

 

周りに皆は口々に反論する。

 

「あんなもん誰だってできらぁ!」

 

「できるかふざけんな!」

 

「だから蛮勇(ヘラクレス)呼ばわりされるんだよ!」

 

逸話が本当なら、ヘラクレス呼ばわりも納得である。

 

そんなやり取りを聞きながら、昼食(ケーナ)を楽しむ。

 

それにしても昼から飲むワインはうまい!

 

自堕落(ローマ)万歳!

 

 

 

 

 

 

昼食後、嫌がる店主に金貨を握らせ、店を出た。

 

対価を支払うに足るものなのだから、黙って受け取ればいいものを。

 

「立夏、ずいぶん張ったな。」

 

「それだけの価値はあった。」

 

「ちげぇねぇ!」

 

三人ともホロ酔い気分で、道を歩く。

 

次の目的地が見えてきた。

 

「あれが、公衆浴場か。」

 

「おうよ、あれがローマ帝国唯一の公衆浴場、アグリッパの浴場だ。」

 

入場料は俺がだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

色々な経験をしてしまった。

 

全裸でやり投げや円盤投げをする開放感がすごくて癖になりそうだった。

 

あとオイルマッサージと垢すり。

 

全身くまなくピカピカにされてしまった。

 

女性がマッサージにはまる理由が分かった気がする。

 

それに熱いサウナと冷たいプールの往復が古代ローマでできるとは思っていなかった。

 

いい経験ができた。

 

思う存分堪能した後、三人で連れ立ち談話室へ向かう。

 

入浴を終えた男たちが、体を覚ましながら政治談議や商談に花を咲かせていた。

 

彼らの手にはさまざまな軽食が握られ、ワインをあおっていた。

 

「すげえだろ?」

 

「圧倒されるね。」

 

また、談話室をはじめ、公衆浴場各所に芸術品が展示されている。

 

モザイク画が壁面一帯に描かれ、数多くのツボや石像が飾られていた。

 

一種の美術館のようなものなのだろう。

 

そして何より、すべての規模がでかい。

 

入場料に含まれているらしい軽食代を取り返さんと、イチジクやチーズ、良く冷やされた水などを手に入れ、空いているスペースで涼む。

 

予想以上に風通しがよく、大理石の床はかなり冷たい。

 

冷たい水と合わせ、酔いと熱で火照った体に心地よい。

 

誰に邪魔されるでもなく、三人で語り合っているうちに時間は立って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

公衆浴場を出るころには、日が傾き始めていた。

 

「そろそろ娼館にでも行くかね。」

 

「立夏は主に呼ばれているのだぞ!そもそもお前は今日不寝番だろうが!」

 

「悪いね。」

 

「そうだったな。ま、気にすんな!」

 

グラディアートルは行きつけの娼館に行きたかったらしいが、今日は俺の護衛ということもあって実質休暇という形になっている。

 

労働をしているので諦めてもらうしかない。

 

心底残念そうな顔をしていたが、気持ちを切り替えたのか、笑いながら大きな手で頭をなでてきた。重い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行きよりも長い時間をかけて、商人の家に戻ってきた。

 

朝の出入りの激しさとは打って変わり、すっかり人気はなくなっていた。

 

櫓や壁の上に灯りが灯され、周囲の暗がりを照らしている。

 

「野郎ども帰ったぞ!」

 

グラディアートルの大声に、門のあたりが騒がしくなる。

 

「隊長のお帰りだ!跳ね橋を下ろせ!門を開けろ!」

 

今日の責任者が声をあげると、まず跳ね橋が下ろされた。

 

その後、大きな音を立てて門がせり上がっていく。

 

とんでもなく重そうな音だ。

 

数十人の奴隷が開門のためにいるらしい。

 

「じゃ、俺はここでお別れだ、楽しかったぜ立夏!」

 

「今日はありがとう、グラディアートル。」

 

彼は俺の声に、手だけを振って歩き去っていった。

 

彼の自室にある装備をとりに行ったのだろう。今日は不寝番だと言っていたからな。

 

「私が主のところまで警護しよう。」

 

「流石にこの中なら俺一人でも大丈夫だけど。」

 

「これが仕事だ。だいたい、立夏君を主のところに連れて行くように言われているのでね。」

 

「ならよろしく。」

 

俺の言葉に、ウェントスは頷くことで答えとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

第二門を抜け、四階にある商人の執務室に向かう。

 

四階は彼の奥方と彼の寝室、執務室しかない。

 

執務室の戸を、ウェントスがたたく。

 

商人の声に従い、入室した。

 

「待っていましたよ、立夏君。」

 

「お待たせしました。」

 

いやいや、気にしないでくれ。

 

彼はそう言うと、用意された寝椅子を進めてくれた。

 

円卓のわきに、すでにシフが寝転がっていた。

 

こちらに目を向けると、尻尾を一振り。

 

ローマの作法に従い、左手を下に寝転がる。

 

給仕を担当する幼いエジプト人奴隷の女の子から、豪奢な刺繍が施されたクッションを受け取り、左肘の下にクッションを置く。

 

以外にこれが安定することに驚いてしまう。

 

円卓の上には、彼の富を象徴るように、金銀の精緻な細工が施された食器に調理技法の粋を以て調理された最高級の珍味が並ぶ。

 

「皇帝陛下のそれには劣りますが、市民でこれを食せるものは少ないでしょうな。」

 

「そのゴブレットは新進気鋭の作家のものです、中身は皇帝陛下お気に入りの品ですよ。」

 

現代に残っていれば文化財としてかなりの値が付きそうなゴブレットに、皇帝陛下お気に入りのワインが注がれる。

 

「では、皇帝陛下の戦勝と貴方との出会いに。」

 

「皇帝陛下の戦勝と貴方との出会いに。」

 

「「乾杯!」」

 

金の表面に水滴がつくほどに冷やされた一杯を、一息に飲む。

 

蜂蜜の上品な甘さと、濃縮されたワインの主張が混ざり合い、非常に飲みやすい。よく冷やされているのもあるだろうが。

 

食前酒として供されるムルスムだが、ここまで雑味がないのは、蜂蜜が高品質であることを示す。

 

この時代の蜂蜜は非常に人気であるがゆえに高価だ。

 

混じりけがなく、高純度に生成された蜂蜜の値段は、金貨で数えなければならないという。

 

円卓に置かれた料理にも、間違いなくぜいたくに使われているだろう。

 

貴重な品を、さりげなく織り込むことで自らの富を誇示する。

 

こうして自分の信頼性を高めているのだろうな。

 

「立夏様、何をお取りしますか?」

 

鈴のような声をあげ、少女は黄金の小皿を捧げ持つ。

 

幼いながらも、将来大輪の華となることを約束された美貌の片鱗。

 

知性と意志に輝く黒曜石の瞳に、目を奪われる。

 

それをごまかすように、商人に話を振る。

 

「今日のお勧めは何でしょうか、商人殿?」

 

「そういえば、名乗っておりませんでしたな。最初はシチリアから送られた、マグロのカラスミ(トンノのボッタルガ)羊乳チーズ(ペコリーノ)|、当家の菜園で先ほど収穫した生食用ソラマメ(ファーべ)をお勧めします。特にマグロのカラスミはローマでは中々食べられませんぞ?」

 

彼は自分がまだ名乗っていないことに驚いていた。

 

彼の名はグエナウス・コルネリウス・スッラ・ゲルマニクス。

 

共和制ローマにおいて多くの政治家を輩出した貴族階級(パトリキ)の名族コルネリウス氏族であり、政軍に優れた人材を有したスッラ家の七男。

 

ローマ第四軍団の百人隊長を務め、褒賞として高地ゲルマニア属州に複数の鉱山を持つ商人に転じた男。

 

今ではローマの剣闘士に最も選ばれた武器商としても有名らしい。

 

海の星(ステラ・マリス)そこまでにしなさい。」

 

「……申し訳ございません。」

 

上記の略歴は無数の修飾が加えられつつ、海の星と呼ばれた奴隷の少女が謳ったものである。

 

主に制止させられた時に、まだまだ語りたそうな不満げな表情を浮かべていた。

 

彼はその表情を見て、苦笑する。ワインをあおり、語りだした。

 

「この子は私の孫にあたる子でしてな。」

 

「エジプトからの帰りに難破して両親を失い、生き残ったものの奴隷に落とされた所を買い戻したのです。」

 

「いけないことだとはわかっているのですが、どうしても甘やかしてしまうのです。」

 

「ご無礼をお許しいただけますかな?」

 

「お気になさらず、むしろお話を聞き、ゲルマニクス殿にこのような態度をとってよいものか、不安になりました。」

 

「それこそお気になさらずというもの。立夏殿とシフ殿がいなければ、道中で命を落としていたでしょうからな。」

 

こちらから友誼をお願いしなくてはいけない立場なのですよ。

 

彼はそういうと、オリーブで煮込まれた貝をすする。

 

ふと目をやれば、シフは美しい焼き物の皿に乗った子羊の丸焼きを食べていた。あれもおいしそうではある。

 

獲らないから皿を抱え込んで隠すのをやめなさい。

 

「先ほどは失礼しました、こちらをどうぞ。」

 

目を戻すと、黄金の小皿にカラスミとチーズ、ソラマメをのせ、捧げ持つ海の星がいた。

 

目は合わせてくれないらしい。

 

彼女から黄金の皿を左手で受け取り、マグロのカラスミを口に含む。

 

普通のカラスミと違い、一枚がかなり大きい。

 

噛むと、口内が重厚な風味に蹂躙される。

 

油分が強い。かなり大きな個体から作られたのだろう。

 

ワインで、口の中を洗い流す。

 

続いてチーズとソラマメを一口。

 

塩気が強いチーズの濃厚な風味と、新鮮なソラマメが非常によく合う。

 

「いかがですか。」

 

「どちらも、ワインが進みすぎてしまう味です。旨いなぁ。」

 

「そうでしょう!体に悪いのは間違いないですが、だからこそ旨いのでしょうな。」

 

確かに、塩分強すぎで明らかに体に悪そうだ。

 

でもうまいから仕方ないよね。

 

「……御注ぎします。」

 

海の星が、空になった盃にワインを注ぐ。

 

やっぱりこちらを見てくれない。

 

どうやってこぼさずに注いでいるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

その後も贅を尽くした料理を食べ、各地のワインを飲み比べ、限界を超えて吐き戻しというサイクルを何度か繰り返した。

 

結局最後までこちらを見ることなく、給仕をしてのけた彼女はすごいと思う。

 

宴の終わりを、ゲルマニクスが告げた後、妻のオリンピア殿が帰宅された。

 

「主人のためによく働いたそうだな。褒めて遣わす。」

 

「この家を自宅だと思い、寛ぐといい。」

 

長く美しい茶色の髪を結いあげた、知的美女だった。

 

結構上から目線だが、庶子とはいえ元皇族であると聞いて納得する。

 

彼女と海の星が同席する場で、俺は布袋を取り出し大理石の机に置いた。

 

紐解き、用意してもらった小さなクッションに中身を出す。

 

机の上の小さなクッションに、大粒の赤い宝石がいくつか転がった。

 

美しいカットを施された赤い宝石。

 

ゲルマニクスやオリンピアが取り上げ、灯りに透かし驚愕している。

 

この宝石の透明度は凄まじいものだ、何しろダヴィンチちゃんが作ったものだからね。

 

先のフランスで大量に得られた竜血を精製して加工した竜血石。

 

簡単な毒と出血に対する加護を与える魔術礼装でもあるらしい。

 

いざという時の資金繰りに使えるだろうと、渡されたものだ。

 

「今日の宴と歓迎に感謝を込め、これらをお二方にお送りいたします。」

 

「今後のより良い関係を築くための投資ですので、どうかお受け取りください。」

 

「そこまで言われてしまうと、受け取らざるを得ませんなぁ。」

 

「貴方!」

 

「オリンピア、これは信頼のための品だ。受け取らない選択肢はないのだよ。」

 

激高する奥方をゲルマニクスがなだめる。

 

「お受け取りいたしましょう。」

 

「一つだけお願いが。」

 

「何ですかな?」

 

「一つは、海の星殿に差し上げたいのです。」

 

「良いのですか?」

 

「御機嫌を損ねてしまったようですので、お詫びです。」

 

「……そういわれるならば。海の星よ、受け取りなさい。」

 

「あ、ありがとうございます、立夏様。」

 

慌てふためく海の星を見て、血の通った彼女を初めて見れた気がした。

 

「はぁ、貴方はこの娘に甘すぎます!」

 

「君が厳しく指導しているから、私が甘くなるのだよ。」

 

「物事には限度というものがあるのです!」

 

「わかっているわかっている。……海の星、立夏殿を客室にお送りして、おもてなしを。」

 

彼の指示に従い、海の星の後に続いて彼の部屋を辞去する。

 

二人は完全に痴話げんかモードだ、あそこにいてもどうにもならない。

 

いやぁ、すっかり酒が回っている。

 

緊張が抜けたからだろうか、歩き出すと途端に酔いが回ってきた。

 

なんともふわふわした感覚だ。

 

前を歩く彼女の耳が真っ赤なことに気が付いた。

 

酒は飲んでいないはずだが、大丈夫だろうか。

 

部屋につき、寝床に横になる。

 

部屋に小さな灯明がつけられ、うすぼんやりとした灯りが部屋を照らしている。

 

海の星が、新たな香を香炉に落としていた。

 

立ち込める濃厚な香り。

 

眠くなってきた。

 

海の星が、目の前に立ち、衣を脱ぎ捨てた。

 

薄衣だけを纏った海の星は、その幼い体のラインを、灯明の明かりで透かしている。

 

何をしているのだろうか。

 

「えと、その、あの。」

 

しどろもどろな彼女は、シミ一つない肌を真っ赤に染めていた。

 

大丈夫だろうか。

 

彼女を抱き寄せる。風邪ではなさそうだ。

 

「ひゃぁ!ま、まだ心の準備が!」

 

何か騒いでいるが、体温が高くて心地よい。

 

僅かに汗ばんだ首筋からは、不思議と甘く乳のような香りがする。

 

甘いのだろうか?

 

「ぴぃ!?」

 

舐めてみたが、甘くはなかった。残念である。

 

しっとりと汗に濡れた肌は、滑らかな舌触りでおいしそうではあったが。

 

はて、俺はなにをしているのだろうか?

 

暖かく柔らかい抱き枕を抱え、俺の意識は酒精に沈んでいく。

 

「あわわわわ!?ど、どこに手を入れっんんあああぁっぁ!?」

 

より柔らかなところを求めて、体が動いているらしい。

 

もう、限界。

 

お休み。

 

「こ、ここまでしてお休みはないでしょう、も、揉むなバカ―!?」

 

何か言っているが、聞き取れない。

 

あらためて、お休み。

 




蛮族系ロリコン酒乱戦士ぐだ男爆誕。

恥かしがるエジプト系黒髪奴隷ロリを宝石で買って、寝床に連れ込み蛮行を働く蛮族ぐだ男。

こう書くと犯罪臭がすごい。

やっぱ酒は飲まれちゃだめだね(輝く笑顔

て、手は出してないから(震え声

え、揉んだ時点で犯罪だって?奴隷の主には許可とってるから(震え声
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