Fate/Grand order 人理の火、火継の薪   作:haruhime

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戦闘シーンを書くのは難しい。

ぐだが壊れかけてますが、ちょっと気が抜けているだけです。

ちなみに今の火継の薪のステータスはソウル不足でE~Dのオンパレードです。

戦闘経験と身のこなしでいろいろごまかしてますが、純正の英霊相手だとかなり厳しい感じです。


炎上汚染都市 ー冬木ー 暗殺者の嘆き

目が覚めた。

 

何だかとんでもないものと戦った気がする。

 

けど、ハッキリわかった。

 

最初の火、その分け火が俺の中にあると。

 

故に呪術の火は俺に従い、不死の呪いは俺を蝕めない。

 

呪術は、使える。

 

誰かの記憶が共にある。

 

世にあまねく存在するソウルを火に食わせ、命ずればいい。

 

「起きたか。」

 

その声に目を開くと、クラーナの顔が見えた。

 

後頭部に感じる柔らかさ、まさか膝枕!?

 

「瞳にはダークリングがある、しかし右目の奥か。」

 

俺の瞳を覗き込むために、顔を近づけてくる。

 

フードの中は暗く、ハッキリとは見えなかった。

 

しかし、火の輪を秘めた碧玉の瞳だけは見える。

 

その美しさと、フードの中から流れ落ちた銀灰の髪から漂う香りに思考が乱される。

 

顔が見えていなくてよかった。見えていたら完全に魅了されていたかもしれない。

 

「何を呆けた顔をしている、目が覚めたならとっとと立て馬鹿者。」

 

額に一撃。

 

たまらず起き上がる。

 

「先輩、大丈夫ですか!?」

 

「あぁ、大丈夫そうだ、ありがとうマシュ。」

 

駆け寄ってきたマシュに、水を渡される。

 

不思議なくらいにのどが渇いていたから、ありがたい。

 

『バイタルの方も安定している。全く心配したよ。』

 

「本当に、心配と面倒をかけてっ!」

 

【主よ、星見の長に感謝せよ。汝の命を繋いだのは長の献身故に。】

 

「何と言ったらいいか、所長、ありがとうございます。」

 

「反省しなさい!」

 

すみません。

 

「よく試練を乗り越えた。だが、この特異点とやらを超えるまでは呪術の火を使うことは許さん。」

 

なぜ!?

 

「本当なら気を失うこともないし、ちょっとふらつくくらいで済むんだ。」

 

「しかし、お前は最初の火に煽られて呪術の火が暴走強化されている。」

 

「お前自身の器を強化し、安定した環境で訓練を積まなければ己を焼くだけだぞ。」

 

「自分の体に火炎属性付与したければ止めないが。」

 

そんなんで死にたくはないです。

 

「ならやめておけ。」

 

はい。

 

すぐには使えない悲しい現実に膝をついてしまう。

 

「そんなに使いたかったんですか?」

 

「使いたかったよ、マシュ。」

 

すごく使いたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異点解決のために、霊的な歪みの大きな場所を片っ端から当たることになった。

 

いくつかのポイントを巡ったあと、未遠川にかかる冬木大橋周辺まで来ている。

 

この川沿いの公園一帯に大きなゆがみがあるらしい。

 

三流魔術師の俺には、なんだか不快な空気が漂っている程度しか感じないが。

 

「霊的な歪みが大きい場所か、確かに怪しいな。」

 

『現地の情報をほとんど持たない以上、怪しい場所を片っ端から当たらないと。』

 

ドクターはどこかクラーナさんを怖がっているような気がする。

 

クラーナさんもあたりがきつい。

 

「無駄足ばかりだがな。」

 

『ぐうの音も出ない。』

 

苛烈な追撃にうなだれるドクター。

 

そう、さっきからはずればっかりなのだ。

 

かなりの距離を歩き、襲ってくる敵を蹴散らし、霊脈の乱れを調べる作業。

 

スケルトンだけではなく巨体の悪魔が何体も出てきた時には驚いたが。

 

所長が悲鳴を上げ、俺とマシュが立ち尽くし、死んだと思ったとき。

 

火継の薪が一撃で首を刎ね、クラーナが灰も残らない火炎放射器のような呪術で燃やし尽くして、数体の悪魔は目の前から排除されてしまった。

 

曰くあの程度ならいくらでもいたとのこと。

 

なんだ、ロードランとやらは魔境かなにかか。

 

「……ゆがみは大きいけど、直近のものではないわね。むしろ何年も前からゆがんだ印象を受けるわ。ここも外れね。」

 

地面に手を当て、魔術式による調査を行っていた所長が立ち上がる。

 

ここも外れだったらしい。

 

『なら……敵襲!北西探知圏外からの強襲だ!』

 

「こんどはなによぉ!?」

 

ドクターからの警報、今度はサーヴァントの強襲らしい。

 

「バカ弟子!二人を守れ!」

 

クラーナは所長のそばに立つと、火の力を内包した魔剣を抜き放ち、右手の呪術の火を活性化させた。

 

火継の薪も俺とマシュの前に立ちふさがる。

 

飛来する二つの光。

 

鎖の鳴る音が響き、クラーナは魔剣で、火継の薪は短剣でそれをはじく。

 

防がれたのは長い鎖につながれた杭剣だった。

 

はじかれた二つは鎖によって繰り手のもとへ帰っていく。

 

「ふふふ、生きのいい獲物がまだいましたか。」

 

街灯の上に立つ、黒い靄に包まれた長身の女性。

 

詳しい相貌は靄に阻まれてわからないが、恐らく美人と見た。

 

「サーヴァント共は邪魔ですが、人間たちはどれもおいしそう。」

 

「可愛がってあげます、最後の一滴一欠片までね。」

 

『観測データから、目標はライダーだ。速度と豊富な宝具に気を付けてくれ!』

 

ライダーが街灯から降りたち、足を大きく広げ、地面に両手をつくような体制をとる。

 

「まさかセクシーポーズで来るとは」

 

胸の谷間が丸見えじゃないか。

 

「何言ってるんですか先輩、最低です!」

 

「馬鹿かお前は!」

 

「何考えてるのよもう!」

 

女性陣から罵倒されてしまった。

 

でも男だったら誰でも気になるはず。録画してるよねドクター?

 

『おおっと、急に飛び火してきたぞ。……当り前じゃないか。』

 

とげとげしい罵倒がドクターを襲う。カルデアでもいろいろ言われているようだ。

 

【来るぞ、油断大敵だ主よ。】

 

振り向きざまに火継の薪が何かを投げた。

 

無数の金属音。

 

「ぐぅっ!?」

 

驚き振り向くと、周囲に単純な意匠の投げナイフと闇に紛れるような短剣がいくつも転がっていた。

 

【気にするな我が主よ、暗殺者は私が仕留める。】

 

「任せた、ライダーを叩く。行くぞ、マシュ!」

 

「はい!マシュ・キリエライト行きます!」

 

この場は彼に任せよう。それよりもライダーに押され気味な二人を助けないと!

 

 

 

【出てくるがよい。】

 

彼の視線の先に、黒ずくめの男が黒い靄を纏って、空間から染み出してくる。

 

「貴様、どうやって私の気配を見つけた!?」

 

右肩に突き立ったナイフを抜きながら、男が叫ぶ。

 

【無論、最初から見えていた。その程度の隠形で我が目から逃れられはせぬ。】

 

「ぬぅっ!」

 

火継の薪は、姿を変えていた。

 

骸骨が浮き出たような鎧に、白骨の仮面をつけた姿。

 

【銘をアヴェリン。】

 

右手には精緻な細工が施された三連弩。

 

【銘をミダの捻くれ刃。】

 

左手には複雑なカーブを描いている凶悪な短剣を順手に。

 

【死ぬがよい、暗殺者よ。】

 

火継の薪は駆けだした。

 

男は跳躍しながら短剣を放つが、全て交わされるかはじき落される。

 

着地する瞬間を狙った射撃が飛ぶ。

 

放たれたのは、まばゆい雷を纏った太矢。

 

打ち込んだと同時に、アヴェリンを投げ捨てさらに加速する。

 

三連射は正確に暗殺者をとらえたかに見えた。

 

「ああぁっ!」

 

地面に吸い付くように体制を低くし、頭と胸を狙った矢を除け、股間を狙った一発を短剣で防ぐ。

 

矢ははじけたが、解放された雷が暗殺者の体を駆け巡った。

 

その体が跳ねる

 

生き延びはしたが、一瞬の硬直。

 

火継の薪はその隙を逃さない。

 

暗殺者の右足に突き立つ投げナイフ。

 

明らかに動きが鈍った。

 

だがまだ数歩の距離があった。

 

故に暗殺者は無理をしなかった。

 

体勢を立て直し、再び距離を取れれば、恐るべき弩を捨てた奴に勝機はない。

 

そのはずだった。

 

火継の薪は右手に新たな短剣を取り出す。

 

湾曲した刃を持つ短剣。

 

【銘を湿った手鎌】

 

―――クイックステップ

 

踏み出したのは瞬動に匹敵する一歩。

 

暗殺者は、ついに火継の薪のレンジに捉えられる。

 

「ぬ、ぐ、お、お、おおおおおおおおおっ!?」

 

両の短剣が縦横無尽に振るわれる。

 

暗殺者も両手に短剣を持ち、必死に応戦する。

 

刃と刃のはざま、柄に拳、肘、膝が振るわれ、関節を絡めとらんとする超高速接近戦。

 

互いに逸らし、躱され、相殺することで大きな傷は、三十合を以てしてもついていない。

 

何より大きいのは装備の違いだ。

 

神々が生きた時代の鍛冶屋が鍛えぬいた全身鎧を着こんだ火継の薪と、ぼろ布と皮鎧ともいえぬ装備をした暗殺者。

 

傷は一方的に暗殺者が負っていた。

 

そして、ミダの捻くれ刃は掠るどころか触れるだけでも強力な毒をもたらし、湿った手鎌はその独特な形状により刃を滑らされ、わずかに肉に食い込む。

 

薄皮一枚の怪我が一瞬の動き出しの遅れを生む。

 

その繰り返しが、暗殺者から速度と技量を奪っていく。

 

限界を超えたその時、天秤は止めようもない勢いで傾いていく。

 

ミダの捻くれ刃にからめとられ、短剣を一つ失い。

 

湿った手鎌が逆の手の指を小指から三本そぎ落とす。

 

流れるように膝を絶たれ、腕を絶たれ、暗殺者は火継の薪に首を差し出すように跪いていた。

 

跪く暗殺者を前に、

 

【他愛なし。】

 

火継の薪はその手に大剣を握っていた。

 

無骨な、処刑のために作られた首絶ちの大剣。

 

【処刑の剣、首を絶つか】

 

―――《不死は名誉を求めず(Nameless Undead)

 

刃を振り上げる火継の薪の瞳は、白骨の仮面の奥にあっても燃えているのがわかった。

 

「初代、さま。」

 

呆然とその光景を見上げた暗殺者の口から言葉が漏れる。

 

吹きあがるソウルの渦、宝具たる剣の真名解放。

 

―――《断頭剣・斬首の一振(Executioner's Greatsword)

 

踏み込みの一撃を以て、その首を刎ね落とした。

 

罪人の首を落とすことに特化し、それを成してきた逸話が形となった一撃。

 

首を失った暗殺者は、青白い靄となって溶けていく。

 

その靄は火継の薪の中に入り込む。

 

―――出来損ないの英雄のソウルを手に入れた。

 

骨よりも、デーモンよりも明らかに多いソウルを得られた。

 

これでまた力を取り戻せたか。

 

【覗き見ていた者よ、そなたも出てくるがよい。】

 

「ばれていましたか。」

 

魔力の渦から、僧形の男が現れる。

 

暗殺者と同じく黒の靄を纏った大柄の男。

 

【然り。】

 

「ならば是非もなし、挑まねばなりますまいな。」

 

【我が名は火継の薪】

 

火継の薪はソウルの光に飲まれると、その装備を一変させた。

 

決して拭えぬ焼け焦げた黒い騎士甲冑。かつての王に捧げた忠義の証。

 

【銘を黒騎士のグレイブ】

 

同じく焼け焦げ、されど今だ切れ味に富む高名なデーモン殺しの重斧槍。

 

「ランサー、武蔵坊弁慶。」

 

ランサーはその選択に笑みを浮かべ、最も信を置く大薙刀を構える。

 

「【尋常に勝負!!!!】」

 

二人は全く同時に飛び出した。

 




火継の薪の持つ宝具の一つが示されました。

不死は名誉を求めず(Nameless Undead)

装備に応じたソウルを消費することで、あらゆる武器の真名解放が行える。

何の変哲もないダガーやこん棒でも可能。

火継の薪の逸話を基にした一撃をふるうことができ、ランクはD~Bに収まる。

特別なソウルから作られた武具については、ソウルの持ち主による封印審判(ソウルの持ち主が定めた使用条件)を満たさなければいけない。
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