遊戯王Wings「神に見放された決闘者」   作:shou9029

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ep91「祭典の終わり、災転の始まり」

閃光―

 

 

 

観客達に見えていたのは、ただただ真っ白な閃光だけだった。

 

たった今激しい攻防が繰り広げられていた、世界最大規模の祭典、【決島】。

 

その決勝戦で、最後の最後に天宮寺 鷹矢が『アドバンス召喚』した…世界のほぼ全員が見たことも無い、この星のモンスターではない【The big STAURN】が、モニターを真っ白にしてしまうほどの大爆発を起こしたのだ。

 

 

それは超新星の爆発にも似た、あまりに激しい暴発だったのか…

 

轟く爆音が大きすぎて、音声を伝える機能の限界を超え―

 

世界中の観客達の、見ているモニターにはただただ白くなった画面のみが映し出されているだけであり…

 

 

 

…決着はどうなったのか。

 

…一体、何が起こったのか。

 

 

 

決勝戦のデュエルの、あまりに先の読めない激しい少年達のデュエルに見惚れていた多くの観客たち。

 

その観客たちが、どうなったのか分からない決着に固唾を飲んで息を殺し…

 

戻らない画面に、次第にざわざわと声を漏らし始め…

 

 

 

 

 

すると…

 

 

 

 

 

鷹矢 LP:3700→900

 

遊良 LP:1600→0

 

 

 

 

 

 

―ピー…

 

 

 

 

 

永遠と思える刹那の一瞬。

 

その一瞬の後に聞こえてきたのは紛れも無いLPの減少音であった―

 

 

…そうして告げられたのは、戦いの終わりを告げる無機質な機械音。

 

 

そう、白くなったモニターの向こうから、今確かに聞こえてきたのはデュエルの終わりとなるその音であり…

 

 

 

そして、次第に画面が元に戻り始めた…

 

 

 

そこには…

 

 

 

 

 

『あっ…き、決まったァァァァア!これが王者【黒翼】から受け継いだ才能かぁ!』

 

 

 

モニターの画面が元に戻った、その瞬間に思い出したかのように。

 

世界中に響き渡るようにして叫ばれたのは、仕事を忘れてデュエルに魅入ってしまっていた実況の声。

 

そして画面の向こうでは、最後の攻防によって生まれた勝者と敗者が…それぞれ勝者と敗者らしい恰好のもと、モニターへと映し出されており…

 

 

…LPを900残し、天を仰いで立っている鷹矢。

 

…LPが0となり、地に片膝をついてうな垂れている遊良。

 

 

その姿は、まさにデュエルの決着がついた証とも思えるモノ。

 

凄まじい爆発の果てに、ついてしまった決着。言葉を無くし立っている勝者と、言葉を失い立っていない敗者の姿は…

 

まさに彼らの戦いが、彼らにとっても神経を削るほどに凄まじい鬩ぎ合いだったということを表しているかのよう。

 

 

 

 

すると、実況の声で思い出したかのように…

 

 

 

―!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

一瞬の溜めの後に、全世界で歓声が爆発し始めて。

 

 

 

…拍手喝采。

 

 

 

誰もが素晴らしかった少年達の試合に、歓喜の声と賞賛の嵐を送り始め。

 

止まぬ拍手と歓声は、今の戦いが誰の目から見ても素晴らしいと感じるほどの戦いだったという証明とも言えるだろうか。

 

…しかし、それも当たり前だ。

 

何せ、プロでもここまでの攻防を繰り広げられる者などそうはいないのだ。

 

まるでトップランカー達の激闘か、それよりも『上』の者達が行った歴史に残る試合のような喝采。

 

お互いに相手の手が透けているのではないかとさえ思える鋭すぎる読み合いの末に、学生達がこれ程の攻防を繰り広げたというその事実は…

 

世界中の観客退の大多数を虜にする激闘となるには、あまりに充分すぎた戦いとなりて、今決着の時を迎えたのだから。

 

 

…きっとプロの中でも、これほどの歓声と賞賛を浴びられる者などそう多くはいないはず。

 

 

例えソレが王者【黒翼】の孫と、Ex適正の無い天城 遊良の試合だったとしても…

 

お互いの実力が拮抗し、どちらも全力でぶつかっていた今の試合は、到底学生達が行ったとは思えない程の興奮を観客達に与えていた。

 

中には、今の凄まじく拮抗していた試合に感動し、涙を流している者も居り…

 

今の試合の価値を嫌でも理解してしまった、ごくごく一般的な実力を持っているデュエリストならば…自分達にこの興奮を与えたのが、他でもないEx適正の無い天城 遊良だったという事実にも、もう何の疑問も抵抗も抱いてはいないのか。

 

 

…そう、最後の瞬間に、世界中の誰もが確信していたのだ。Ex適正のない、天城 遊良の勝利を。

 

 

王者【黒翼】の孫を、勝利寸前のところまで追い詰めたその勢い。

 

その高い実力は、八百長だとか演出だとか、そういった下賎なモノの入り込む余地の無い純粋なる戦いだったということを、世界中の前で証明してみせた。

 

そして、開会式のときにあれだけの『豪語』をし、勝って当然というレッテルを貼られていた天宮寺 鷹矢の方も。

 

今の、天を仰いで呆然と立ち尽くしている彼の姿からも分かるとおり…

 

あれほどの苦戦の末に、それでも最後の最後まで勝利を諦めずに戦い続けるという、その勝利への執念と天才の苦悩を、今はっきりと世界中に教えていたことだろう。

 

…王者【黒翼】の孫とて、勝つ為にはあれだけの必死さが必要。

 

世界中から与えられる、あれだけのプレッシャーの中で勝利を掴み取ることがどれだけ難しいのかを…その身で、強く表現していて。

 

中にはまだ、天城 遊良の敗北を嬉々として叩いている者も居るのだろうが…

 

そもそも学生の頂点を決める【決島】の決勝まで勝ち上がって、そして今こんな試合を見せつけた遊良の事を今なお叩いている者など、器の底が知れるというもの。

 

 

 

ともかく…

 

 

 

勝者となった天宮寺 鷹矢。敗者となった天城 遊良。

 

その双方の健闘を、世界中が称えている。

 

そう、興奮に興奮をぶつけて、熱く沸き立っている全世界が…素晴らしい戦いを見せてくれた少年達に、勝者と敗者を分け隔てなく称えているのだ。

 

王者【黒翼】の孫だから勝って当たり前だとか、Ex適正が無いのだから負けて当たり前だとか…

 

そう言った下賎なる感情など抜きにして、世界中の大勢の人々が遊良と鷹矢の今のデュエルを、素晴らしい戦いだったと認めていて…

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、中で…

 

 

 

 

 

『何たる余裕!何たる悠々! Ex適正のない者では、【王者】の孫の相手など務まらなぁぁぁい!何たる堂々とした勝利!やはり出来損ないなど、相手にならないということかぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

 

 

まるで、『そういう台本』が決まっていたかのように。

 

…世界から聞こえる賞賛の声とは裏腹に、食い気味に叫ばれたのは実況の声だった。

 

勝者を賞賛し、敗者を貶す…

 

しかしその言葉は、王者【黒翼】の孫を持ち上げていると言うよりかは、Ex適正の無い少年の価値を更に下げようとしているかのような乱暴な言葉であり…

 

…今の戦いを見て、こんな言葉を少年達に投げかけるなど一体どんな神経をしているのか。

 

そう、いくらEx適正が無いとはいえ、あれだけの戦いを見せた天城 遊良に対し。

 

こんな言葉を投げつけることはおかしい事なのではないかと、実況の声を聞いた大勢の者が今の台詞にそんな違和感を覚え…

 

 

しかし、雇われているに過ぎない実況はそのまま、渡されている『台本どおり』に…

 

 

更に言葉を、続けるように…

 

 

 

 

 

『何たる泰然自若とした勝者の姿か!今ハッキリと!出来損ないに格の違いを教え…』

 

「ふ、ふふ…ふははははは!どうだ、見たか遊良ぁ!去年の雪辱を果たしたぞ!これで一勝一敗、イーブンだ!」

 

『…え?』

 

 

 

しかし―

 

そんな実況の声を、まるで遮って響き渡るかのように。

 

 

 

「見たか世界中の者達よ!俺の!この俺のゆるぎない勝利を!俺は!遊良に!勝ったのだ!ふはははははは!」

 

『…あ、か、格の違いを…え?』

 

 

 

歓喜の声を思い切り上げた、鷹矢の声が中継を通して世界中へと映し出されて。

 

…それは先ほど実況が称えていた、『泰然自若』の鷹矢の姿を根底からして裏切る振る舞い。

 

 

冷静沈着、悠々自適、勝って当然という【王者】の孫に相応しい男は一体どこへやら…

 

 

今の鷹矢の、Ex適正の無い男に勝ったことをこれほどまでに喜び、噛み締め、はしゃいでいる王者の孫の姿は、とてもじゃないが『勝って当然』と思っていたような立ち振る舞いでは断じて無く。

 

 

 

「いつまで調子に乗ってんだこの野郎!」

「むっ!?何をするのだ!馬鹿になったらどうする!」

「元々馬鹿だろうが!いいからみっともない真似すんなって!見られてんだぞ?」

「むぅ…」

 

 

 

そして…

 

あまりの鷹矢のはしゃぎようを見かねたのか。

 

片膝を突いて、うな垂れていたはずの遊良が…

 

天空闘技場の中心まで来てはしゃいでいた鷹矢へと向かって、まるで諭すように静止を促し始めたではないか。

 

…それは王者【黒翼】の孫を相手にするリアクションとしては、些か距離が近すぎるような気もするコミュニケーション。

 

そのあまりに親しすぎるかのようなその雰囲気は、遊良と鷹矢の関係性を知らぬ者達からすれば意外も意外だったのだろう。

 

王者の孫とEx適正の無い少年が、親しげに壁もなく会話をしているその光景を見て…観客達の多くも、意外性を感じており…

 

 

 

「だがこれで通算74525戦37263勝37262敗!うむ!俺が一歩リードしたのは変わりない!」

「ッ、ちょっと待てふざけんな!37263勝37262敗なのは俺の方で、お前は俺よりまだ一敗多いはずだろうが!」

「ぬ!?ふざけた事を抜かすな!勝っているのは俺の方だ!遊良の癖に、俺に勝ち越しているなど片腹痛いわ!」

「それはこっちの台詞だ!鷹矢の癖に、何勝手に自分の勝率高くしてんだよ!」

「なんだと!?」

「なんだよ!」

 

 

 

『あ、か、格の…ちが、えと……』

 

 

 

しかし、そんな観客達と実況を置いてけぼりにして。

 

誰もが聞き間違いかと思えるような、途方も無い数字をソラで言いつつ…

 

何かに火が点いてしまったのか、遊良も鷹矢もその歳の少年達らしい雰囲気で言い争いを始めてしまったではないか。

 

…実際に周囲に観客達が居ないために、そしてスタッフなども居ないために。戦いが終わってから、どこか緊張感がなくなってしまった彼ら2人。

 

 

 

こんな時、ルキが目を覚ましていたら絶対にこう言ったことだろう…

 

 

―『…本当は74525戦37262勝37262敗1分けじゃん。ホント譲らないんだから、もう。』

 

 

…と。

 

 

デュエルディスクに記録されているため、これまでの戦績を見返すことは簡単だとは言え。とても正気とは思えない程の回数、戦ってきた遊良と鷹矢。

 

…それは彼らが、それだけ長い間共に過ごして来たというなによりの証。

 

お高く留まっている王者の孫ではない。孤独に塗れたEx適正の無い者ではない。

 

世間のイメージからかけ離れた、その少年達の言い合いは…

 

一度火が点いてしまったためか、更にヒートアップしていって。

 

 

 

「しかし【抹殺の指名者】には本当に驚いたぞ。一体いつそんなカードを手に入れたのだ?調整用のカードにもそんなカードは持っていなかったはずだが…」

「あぁ、昨日の夜に、デュエリアの『アナライザー』に無理言って1枚借りといたんだ。試合が終わったらすぐに返せって言われてるけど。…ってそれより、何でお前がプラネットを持ってるんだ!知らないぞ、お前がそんなカード持ってたなんて!」

「ふん!お前が釈迦堂 ランにプラネットを貰っていたのだ!ならば俺も奴からプラネットを貰っておかないと不公平ではないか!」

「なっ、ランさんに会ってたのか!?聞いてないぞ!?」

「言っておらんからな!言ったらバレるだろうが!」

「ふざけんな!そんな大事なことを黙ってやがって!」

「何を!?そんなこと俺の勝手だ!」

 

 

 

『あの…格の…違い…違いぃ…』

 

 

 

…王者【黒翼】の孫である天宮寺 鷹矢の勝利を騒ぎたて、Ex適正の無い天城 遊良の敗北を叩きたいメディアの思惑に反し…

 

未だ全世界へと向けて流されている遊良と鷹矢の戦いの後の、あまりに壁の無いその会話…いや、他愛も無い喧嘩は、彼らの関係をそのまま表しているかの如く全世界に見られている。

 

…これでは、天城 遊良の敗北が引き立たない。

 

才能溢れる王者の孫に、Ex適正の無い出来損ないは手も足も出ずに負け…惨めな姿を世界に晒し、王者の孫に全面的に敗北を認めるはずだった。

 

…それが、用意されていたはずのシナリオ。

 

一体誰がソレを依頼したのかなど、今は誰も知りえることではないとは言え…

 

しかし今の彼らの仲は、そんなメディア的演出をしてくれそうには無いほどに親しすぎる代物と言えるのだから。

 

…まさか決闘学園イースト校理事長である【白鯨】砺波 浜臣が徹底されせた、『生中継』という制約がこんな結果を生むだなんて…メディア側も今ごろ困惑していることだろう。

 

天宮寺 鷹矢の勝利を称えるために、そして天城 遊良の敗北を貶すため中継を切りたくとも…【白鯨】の指示により、まだソレをする事ができず。

 

つまりは、全世界がその目で見ている。

 

王者【黒翼】の孫の勝利は才能の違いによる圧倒的な勝利ではなく、また敗北した天城 遊良の姿は惨めで悲惨な愚者の姿でもなく…

 

彼らの戦いは、紛れも無い互角の勝負で…紛れも無く、対等の者同士の戦いだったのだ、と。

 

…まぁ、ごくごく一般的な実力を持ったデュエリストであったならば、メディアに惑わされること無く遊良と鷹矢の戦いの意味を理解しているのだが。

 

 

そう…

 

 

鷹矢の手を、思考を、戦術を。

 

そのほぼ全てをほぼほぼ完璧に読みきった遊良の先見は並のプロの比ではない。

 

鷹矢のみにしか通用しないような、あまりに限定的な先読みであろうとも…それでも、プロのトップランカーですら出来ないような、心を見透かしているかのような先見は到底常人には出来ぬ真似事。

 

鷹矢の方もそう。

 

遊良の手を、策を、進撃を。

 

予測と予想と経験と、これまで培ってきた全てを持ってして立ち向かい、最後の最後に遊良のソレを上回る驚愕の一手を隠し通してきた恐るべき策略家。

 

…予選であんなにも苦しめられた竜胆 ミズチとの戦いでも。

 

…負けがほぼほぼ確定していた鍛冶上 刀利との決闘でも。

 

それでも鷹矢は最後の最後まで、最後の決め手となった『プラネット』の事を隠し通し、それを最後の最後に遊良へとぶつけた。

 

それは鷹矢が、この展開までを予想…いや、ここまでの展開を直感していたからこその決着の着き方。

 

まぁ、直感と言っても、あれほどの実力とキレを誇った遊良の…ドロー1枚で全てが変わる、遊良のデュエルの全てを理解することなど、他の誰も出来ないことなのだが…

 

だからこそ、ソレを実現したのは生まれた時からずっと共に過ごして来た鷹矢だったからこそ。

 

遊良が鷹矢のほぼ全てを見通していたのならば、鷹矢だって遊良の進撃を見透かしていた。

 

 

…その戦いはまさに互角、まさに同格、まさに同等。

 

 

勝敗を分けたのは、まさに最後の一瞬の読み合いの交錯の末に起きた、最後の最後の『直感』の差。

 

全力を出し切り、持てる力、得た力の全てを持ってここまで上がってきた遊良と…

 

他の力を見せてでも、『プラネット』という力だけは遊良のためだけに隠し通してきた、『最後の奥の手』を今ここで爆発させた鷹矢。

 

勝敗を分けたのは、ただソレだけ。そしてソレが最後の最後に、鷹矢に一瞬だけ軍配を傾けたという…

 

 

 

まさにこの決着は、そういうこと―

 

 

 

そんな、対等の勝負を繰り広げた少年達を…

 

 

 

 

 

「…ハッ、あの調子じゃ、アタシらのクビも繋がってそうさねぇ、なぁ木蓮。」

「そうですね。今の勝負の価値は大勢の人がわかってくれていることでしょう。…きっと、『上』の者達も。」

 

 

 

 

沖合いに停泊中のクルーザーから、サウス校とウエスト校の理事長達がモニター越しにソレを眺めていた。

 

…遊良の結果に、自分達の『進退』がかかっている彼ら決闘学園の理事長達。

 

今の勝負では、確かに天城 遊良は負けてしまった…

 

けれども、『しかるべき結果』と言うのが『優勝』と明記されていない以上、天城 遊良の敗北が『みずぼらしいモノ』なのか『そうでない』のかなど、今の彼らを見ていれば愚人であろうと理解できること。

 

誰の差し金かは知らないが、天城 遊良を必死になって扱き下ろそうとも…

 

今の遊良と鷹矢の雰囲気がそのまま世界中へ中継されている以上、情報操作は叶わないだろう。

 

ソレ故…

 

 

 

「フォッフォッフォ。ま、そういうことじゃのう。素晴らしい勝負じゃった。もしこれでお主らの首をまだ取ろうとしてくる者が居ったら…そのときは、儂に任せておけばよい。」

「おや、随分頼もしいことを言ってくれるじゃないかジジイ。」

「なぁに、儂も今の彼らの戦いを素晴らしいモノじゃと感じたまでのこと。じゃから、あの子も正等に評価されるべきじゃと思ったんじゃよ…そろそろ、の。」

「…そうだねぇ。」

 

 

 

…純粋な『力』は嘘をつかない。

 

例え周りが何を企もうとも、正々堂々行われた戦いの純粋なる決着には…誰の画策も思惑も、入り込む余地はないのだから。

 

…戦いのみで己を証明してきた、決闘界の重鎮達はソレを良く知っている。

 

だからこそ…

 

今は他のどんな思いも余計なのだとして…

 

 

 

「…しかし、本当に鷹峰の孫が優勝するとは、のぅ…」

 

 

 

ぽつりと呟かれた綿貫の言葉に、この場にいる誰も気が付かぬまま。

 

少年達の戦いに、賛美を送っていたのだった―

 

 

 

 

 

 

 

―…

 

 

 

 

 

天空の塔の内部―

 

 

 

「クハハハハ!派手な終わり方だったなぁ!」

「…あぁ、そうだな。」

 

 

 

そこに、決闘学園デュエリア校学長と、決闘学園イースト校理事長である…

 

劉玄斎と、砺波 浜臣の姿があった。

 

 

 

「しっかし、鷹峰の孫もまさかあんな勝ち方をするたぁなぁ。奴の孫のことだから、てっきりモンスター同士の、正面衝突の殴り合いにこだわるのかと思ってたのによぉ。」

「…いや、彼は勝ち方にはこだわらない。彼は、寧ろ『勝つ』ことにこだわる子だ。彼は…『負け』がどういう意味を持っているのかを、よく知っている。」

「あぁ?…クハハ、よくわからねぇが、テメェが鍛えたっつーだけあって、確かに良いモン持ってるってぇのは良く分かったがなぁ。」

「…そうか。」

 

 

 

今の戦いの終わりを見て、どこか気分よくテンションを上げている様子の劉玄斎と…

 

声のトーンを、この『本戦』が始まる前から全く変化させていない砺波。

 

その姿はどこか対照的ではあるものの、砺波からすればあれだけ賞賛されている戦いを繰り広げた直属の教え子たちに対し、少しは気分を上げて褒めてやってもいいはずだというのに…

 

今の砺波の態度は、まるでモニターの向こうの遊良達を見てはいないかのよう。

 

いや、デュエルの最中は、ずっと遊良と鷹矢のデュエルをしっかりと見守っていたのだから、教え子達の戦いに興味がない…と言うわけでは断じてないのだが。

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

「…ま、とりあえず無事に終わって何よりだぜ。こんな規模の祭典だと、無事に終わらせるのも難しいからなぁ。」

「…あぁ、そうだな。」

 

 

 

 

【決島】における最後の試合が終わったことで、どこか気を緩ませた雰囲気を見せた劉玄斎へと向かって。

 

 

 

砺波は、一呼吸置いたかと思うと―

 

 

 

 

 

 

 

「…では、そろそろこちらも決着を着けようか、【紫影】。」

「…あぁ?」

 

 

 

はっきりと―

 

劉玄斎へと向かって、そう告げた砺波。

 

今、砺波は何と言った―そう、劉玄斎へと向かって、確かに【紫影】の名を呼んだのだ。

 

あまりに違う体格差をした劉玄斎と【紫影】は、誰であっても見間違えるはずもないというのに…

 

いや、そもそも劉玄斎は、『本戦』が始まる前からずっと砺波に監視されていたのだから、砺波が劉玄斎を【紫影】と間違えているというのも可笑しな話であるはず。

 

 

「…おいおい、テメェ何言って…」

「茶番は終わりだ。わざわざ貴様の方から現れてくれて探す手間が省けたんだ…逃がすわけがないだろう?」

 

 

 

しかし…

 

あまりに強い鯨の瞳は、劉玄斎の『姿』よりもその『中』をハッキリと見据えているかのよう。

 

…迷い無く告げられる砺波の冷声。全てが見えているかのような鯨の視線。

 

きっとここに第三者が居たら、砺波の頭がおかしくなったのでは無いかと疑ってしまうことだろう。

 

何せ、ずっと不機嫌な顔をして冷たい言葉を述べていたと思えば、劉玄斎へと向かって感情の無い声で【紫影】の名を呼んだのだから。

 

…きっと劉玄斎の方も、突然の砺波の狂言に意味がわからなくなっているのではないだろうか。

 

そう、これでは、砺波がただただ狂った人間のようにしか映らず…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なぁんだ、気付かれてましたか。」

 

 

 

突如―

 

一呼吸の沈黙の後に、砺波に視線に打ち破られたかのように。

 

劉玄斎だった巨漢の体が『闇』のように霧となって霧散したかと思うと―

 

劉玄斎が立っていたはずの場所には、突如として『別の男』の姿と声が現れたではないか。

 

 

…それは、あまりの胡散臭さを孕んだ声質。

 

 

そこに現れたのは、スーツと言う名の胡散臭さを身に纏った、『捻じれた』と言う表現があまりに似合う細身で長身の一人の男であり…

 

身振り手振り歩き方からして、『嘘』と『胡散臭さ』が滲み出ているかのような、得体の知れない素振りと気配を隠す気も無く。

 

どこまでも嘘の塊のような立ち振る舞いで、飄々と他人を小馬鹿にしたような声と目つきで、砺波へと向かい合っていたのは…

 

 

 

―裏決闘界の融合帝、【紫影】

 

 

 

30年以上前…表と裏の決闘界との間で勃発した、通称『表裏戦争』で前【紫魔】、紫魔 憐造に敗れて死んだはずの人物。

 

【決島】においては、『逆鱗』の劉玄斎とアイナ・アイリーン・アイヴィ・アイオーンに命令を下していた…

 

ルキを連れ去っただけでは飽き足らず、ルキの体から『赤き竜神』を解き放とうとした、性根の腐った捻じれた男。

 

 

しかし…

 

 

遊良や劉玄斎から話を聞いていただけの砺波が、一体どうして劉玄斎に化けていた【紫影】の事を見破れたのか。

 

『変装』というレベルではない。最早『変身』していたと言っても過言ではないほどの変化をしていた【紫影】のことなど、どうやっても疑うことすら難しかったはず。

 

何せ見た目から声色、果ては記憶に到るまで。【紫影】は劉玄斎の全てを真似て、そうして砺波の前に現れたのだから。

 

ソレ故、【紫影】の方も少々疑問の残る表情を見せており…

 

けれども、そんな【紫影】へと向かって。

 

再度、砺波がどこまでも冷たい声で…まるで深海の深層海流のような、あまりに冷たすぎる声をその口から発し始めた。

 

 

 

「歳を取っていない、か…なるほど、大体理解した。久しぶりだな【紫影】。貴様の顔など、もう二度と拝みたくはなかったが。」

「ふふ、奇遇ですねぇ、私も同じ気持ちです、えぇ。…しかし、一体何故わかったのですか?私が『逆鱗』に化けていると。」

「なんとなく見えていただけだ。劉玄斎の姿をした『靄』の中に…貴様の、捻じれた姿がな。」

「…おやまぁ…となると、もしかして最初から…」

「あぁ、最初からだ。予選が終わって、貴様が劉玄斎に化けて私と綿貫さんの前に現れた時から…私は一度も、貴様を劉玄斎と呼んではいない。」

「…」

 

 

 

およそ、人間技とは思えない言葉を並べ始める【白鯨】、砺波 浜臣。

 

それはとてもじゃないが、常人のソレとはかけ離れた言葉の数々であり…

 

いくら砺波が『極』の頂をも超えた、【化物】の領域に到達したとは言え。

 

よもや、これ程までの芸当が出来るだなんて、誰が聞いても信じられるはずもないだろう。

 

 

 

「まぁ、気付く要素は他にも多々あったがな。」

「ほぅ…わりと、自信あったんですがねぇ…」

「随分と甘い変装だった。言葉選びから何から、先ほどの天宮寺 鷹矢への印象からな。特に…劉玄斎に化けるなら、天城 遊良への言葉選びには最上の注意をするべきだった。間違っても、あの子を出来損ないとは言わない方が良かったな。」

「おや…確か『逆鱗』は隠し通そうとしてたはずですが…」

「私はもう見抜いている。そしてそれは、奴も承知の上だ。」

「あぁ、なるほど…」

 

 

 

つらつらと述べられる、【紫影】へのダメ出しにも似た砺波の言葉。

 

それは、初めからその気になればいつでも【紫影】を見破り、捕まえられたという砺波の自信の表れなのか…

 

…ソレをしなかったのは、あくまでも子供たちが主役となる『決勝戦』を、大人が勝手な都合で邪魔しないため。

 

しかし決勝戦が終わった今となっては、最早砺波も【紫影】を逃がすつもりなど毛頭ないのか。

 

砺波の冷たい嫌悪の視線と、どこまでも強く述べられる言葉。

 

…そんな中、砺波の言葉を聞いて。

 

【紫影】の方も、どこか納得のいったような言葉を漏らし始め…

 

 

 

「…ふふ、なるほど。本当に【化物】になってしまったのですねぇ貴方も。」

「貴様に言われたくはない。さて…」

 

 

 

そしてー

 

飄々と、今にも逃げ去ってしまいそうな【紫影】へと向かってー

 

 

 

―!

 

 

 

「ぐっ!?うっ、手、手が早いですねぇ…えぇ…」

「当たり前だろう?貴様の犯した罪は、例え蘇ったとしても消えるわけがない。」

「ぐっ、うぐっ…」

 

 

 

徐に、突然に、勢いよく。

 

首をへし折らん程の勢いで、【紫影】の首を力一杯に掴み取った砺波 浜臣。

 

…それはまさに勢いに任せた、静かに燃える鯨の怒り。

 

砺波にしては珍しく、しかし砺波らしい冷たい怒りが、今にも逃げようとしていた【紫影】の首を掴んで離さず…

 

苦しげに声を漏らした【紫影】ではあったものの、それでもなお砺波はその手に込めた力を全くもって緩めるそぶりを見せないではないか。

 

 

 

「このまま首を圧し折ってやってもいいんだが…生憎、貴様を一番殺したがっている人がこの島に来ているからな。とりあえず、拘束させてもらうぞ。…貴様に相応しい、荒っぽいやり方でな。」

「ゥ…」

 

 

冷たい声…

 

まるで、本当に【紫影】をこの場で殺してしまいそうなほどに…砺波の声はどこまでも冷たく、怨嗟が強くこもっている。

 

…本当に、心の底から【紫影】に恨み事があるのだろう。

 

しかしソレをしないのは、砺波が自分よりも【紫影】を自らの手で殺したいと願っている一人の女性を知っているから。

 

自分よりも、復讐するに値する人間に、【紫影】を引き渡すのが最優先。例え自分が、【紫影】の『正体』に気付いていても…それでも、自分が居れば【紫影】を無力化できるのだと、そう砺波は確信しているから。

 

 

そうして…

 

 

砺波がそのまま、【紫影】を掴みながら何処かへと連絡を取ろうと。

 

自らの懐から、デュエルディスクを取り出すために一瞬だけ【紫影】から視線を切った…

 

 

 

その時だったー

 

 

 

 

『仕方ありませんねぇ…』

 

 

 

不意にー

 

そう、どこからともなく。

 

首を掴まれ、声など出さないはずの【紫影】の声が…

 

否、声と言っていいのかもわからない、不快感すら覚える『音』が、どこからともなくこのコンクリートの部屋の中に聞こえてきたのだ。

 

 

それは間違いなく、【紫影】の声色ではあったのだが…

 

 

砺波が掴んでいるはずの【紫影】の喉は、全くもって動いておらず。どこから聞こえているのかもわからない、気色の悪い感覚だけが砺波へと聞こえていて…

 

 

 

「…これは憐造と同じ…やはり…」

『ふふ、予定より早いですが…』

 

 

 

気味の悪い【紫影】の『音』。そんなモノを聞きながらも、どこまでも砺波は冷静なままで、その『音』に対し何か心辺りがあるような素振りを見せるものの…

 

聞こえてくる【紫影】の声…いや、『音』は、次第に遠くなっていく。

 

そして…突如として。

 

なんと、砺波が掴んでいたはずの【紫影】が、その体を闇の『靄』へと変え始めて霧散し始めたではないか。

 

 

 

「ッ!?逃げるつもりか、【紫影】!」

『仕方ないでしょう?だって本物の【化物】になってしまった貴方が居たんじゃ、私だって逃げるしか手はありませんからねぇ…えぇ。』

 

 

 

確かに掴んでいる【紫影】の首が、次第に崩れていく感覚。

 

ソレは砂の塊を、力いっぱいに掴んでいる感覚にも似ているだろうか…

 

力の限り握りしめても、指の隙間から逃げていく闇の『靄』。

 

その気持ちの悪い、形容し難い感覚だけが砺波の手を襲い、そのまま【紫影】の身体全てが『靄』となって消えていって。

 

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

【紫影】の身体が、完全に霧散してしまった…

 

 

 

 

 

その時だったー

 

 

 

 

―!

 

 

 

 

突然ー

 

 

響き渡ったのは、途轍もない地響き。

 

 

そして、その地響きとともに…

 

 

島全体が、揺れ始める―

 

 

 

「ッ!?【紫影】!貴様、一体何を…」

 

 

 

いくら【化物】の領域へと至った砺波を持ってしても…いや、【化物】となった砺波から逃げおおせたからこそ。

 

逃げてしまった【紫影】の異常性は、更に人間味を失いながらどこまでも不気味ならモノへと変わっていくのみであり…

 

…あまりに強い大地の揺れ。あまりに酷い地の揺れる音。

 

そんな、突然襲い掛かってきた地響きに隠れるようにして。

 

姿を消した【紫影】は、地響きと共にその『音』だけを響かせながら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふふ、貴方のいう通りにしてあげるのですよ【白鯨】…『茶番』を、終わりにするのです。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

突発―

 

【紫影】の声色をした『音』が、その気配とともにコンクリートの部屋から消え失せたと思ったその刹那。

 

いきなり、塔の外…いや、島の外から、自然災害のような音の塊が地響き共に襲いかかってきたのだ。

 

…轟き始めた轟音、それはまるで地響きのような、大地が揺れる『地震』の音。

 

それはまるで洪水のような、押し寄せる『水』の音。

 

ソレでいて、超巨大台風が襲ってきたかのような…吹き荒れる、『風』の音。

 

 

…そんな、突如として襲い掛かってきた『音』の数々を聞いて。

 

 

わらわらと、『医療棟』にいた学生達が外へと飛び出してきて…皆、一目散に音のする方向…島の外へと、その視線を同時に向け始める。

 

 

すると―そこには、誰もがその目を疑う光景が広がっているではないか―

 

 

 

何故なら…

 

 

 

「なっ、なんだんだぜアレは!」

「た、竜巻の…壁?」

「おい、どうなってんじゃい!アレは一体何なんじゃ!?」

「面妖な…竜巻が島を覆っておる…」

 

 

 

そう、学生達の目に飛び込んできた、目を疑うような光景…それは、あまりの轟音と共に天へと登るようにして…

 

 

島を、丸ごと超巨大な『竜巻』が取り囲んでいたのだから―

 

 

…海を巻き上げ立ち昇る、超巨大な水柱。

 

…雲を突き抜け舞い上がる、超巨大な風の塔。

 

…地鳴りにも似た耳を劈く、超巨大な音の塊。

 

 

学生達の目に飛び込んできたのは、そんな自然界ではありえない自然現象。そう、これ程の規模の竜巻が、何の前触れも無く突如として出現したのだ。

 

…移動してきたわけではない。島を飲み込むわけでもない。

 

ただ、ソコに留まり…島の浜と沖合いに、『壁』を作っているかのように。ただただ激しい轟音を上げて、天に向かって吹いているだけ。

 

 

…一体、突然に何が起こったのか。

 

 

決勝戦が終わったばかりだというのに、突如として島の外と隔離されるようにして立ち昇った超巨大な竜巻に、学生達の理解は全く追いついておらず。

 

しかし、それも当たり前だろう…

 

凄まじかった天城 遊良と天宮寺 鷹矢の、デュエル後の余韻に浸る暇もなく。突然、こんな超常現象が…いや、現象というにもおこがましい、超常災害が島を取り囲んだのだから。

 

皆、全員が突然立ち昇った超巨大竜巻に対し…恐れだとか驚きだとか、それでいて理解できないソレに、疑問符を浮かべている者達ばかり。

 

…理解出来ない…一体、何が起こっているのか。

 

不意に、いきなり、突発的に、島を取り囲むようにしてどこからともなく現れたこの『竜巻』。

 

そんな竜巻に対し、ただただ呆然と言葉を無くし、思考を停止して立ち尽くしている学生達の耳に…

 

 

 

―再び突発的に、どこからとも無く『声』が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

『あーあー、マイクテスマイクテス…おっほん!えー、学生諸君、お疲れ様でしたぁ。以上を持ちまして、【決島】の全デュエルが終了した事を私からお伝えさせていただきまぁす、えぇ。』

 

 

 

島を取り囲む超巨大竜巻に対して、全く理解が追いついていない学生達へと向かって。

 

突如として聞こえてきたのは、心の底から嫌悪感を感じるような、あまりに捻じれた声であった。

 

そして、全員が反射的に。

 

声のした方…超巨大竜巻の轟音が響く、その竜巻の上部…そう、空を見上げると…

 

 

 

そこには―

 

 

 

『それではコレより、主催者である私、【紫影】から、次のプログラムを発表させていただきまぁす!ふふっ、まだまだ、【決島】は終わりませんよぉ、えぇ。』

 

 

 

見るからに胡散臭そうな、気色の悪い捻じれた笑みを浮かべた1人の男が。

 

まるで竜巻をスクリーンのようにして、不穏なる言葉と共にどこかから『映像』を配信していた―

 

 

…誰だ、この男は。

 

 

きっと、この場にいた大多数の学生達は瞬間的にそう思ったに違いない。

 

 

聞いたことのない、【紫影】という名など…

 

そう。一部の『知っている者』を除き、彼ら学生達の目に映ったのは全く見た事もないような…

 

誰かも分からぬ、捻じれた男だったのだから。

 

 

…しかし、確かに主催者と名乗った男は、学生達から向けられる怪訝の視線など意に介さず。

 

 

 

 

 

『それでは、これより…』

 

 

 

 

 

ただただ飄々と、ざわめく学生達へと向かって―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『【裏決島】を、開催します…えぇ。』

 

 

 

 

 

 

 

―…

 

 

 

 

 

 

 




次回、遊戯王Wings

ep92「裏決島」
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